ユートピアコースから三鈷峰
- GPS
- 05:38
- 距離
- 7.4km
- 登り
- 863m
- 下り
- 859m
コースタイム
- 山行
- 5:05
- 休憩
- 1:08
- 合計
- 6:13
天候 | 晴のち曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
崩壊箇所の上を通過する際、要注意。 |
その他周辺情報 | 登山口に各種店舗、宿泊施設。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
昼ご飯
非常食
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
カメラ
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感想
ここのところ週末になると天気が怪しくなって、遠出ができないまま、一か月がたってしまった。今日こそはユートピアのお花畑を見る最後のチャンス、とばかり大山にやってきた。ここまでくる決断が付かなかったもう一つの理由、それは高速道路のETC割が適用除外になったまま、今日に至っていることだった。実際、米子道で溝口まで来ると5000円近くかかってしまう。そこで帰路には山陰道と鳥取道の無料区間を最大限活用することにした。これだと、その半額以下にまで経費は圧縮できる。ついでに途中の東郷湖畔で、一部の温泉フリークには超有名な昭和の遺構的共同湯、寿湯に入るという趣向だ。40センチ幅の細い路地を抜けて古い暖簾をくぐり、番台の親父さんに200円払って湯浴みするという計画。東郷温泉・はわい温泉で唯一の源泉かけ流しだが、その熱湯を如何に攻略するか、それも楽しみだ。大幅に脱線してしまったが、ここで本題に戻る。
朝の涼しい空気の中、大神山神社の駐車場に車を置いて、滑りそうな石畳の参道を奥社に向かって進む。奥社に横から元谷方向に山道を入り、すぐに左にユートピアルートが分岐する。軽く登って林道を横切り、谷沿いの道を進む。周囲は立派なブナが林立し、林下にはガクアジサイが彩を添える。次第に勾配を増す道をあえいで登ると、ツリガネニンジンやホトトギスの花たちが慰めてくれる。やがて小尾根上に乗るとスキー場からの道に合流する。小尾根の道は楽だなー、と思っているとそれも長くは続かない。小刻みな上り下りを繰り返して徐々に高度を稼いでゆくと、右下には元谷の荒々しい崩壊した土砂の押し出しが一望される。ところどころ視界が開けた地点からは、右手に間近に迫る急峻な弥山への稜線、左手には三鈷峰から派生する険しい岩尾根の眺めが、大迫力で眼前に広がる。関西ではお目にかかることのない峻険なアルペン的眺望に心躍る。東京にいた頃に彷徨した南北アルプス、東北で楽しんだ幾多の火山群が彷彿と意識によみがえる。
道はますます急峻となり、小ピークを越すたびに急下降を繰り返しながらついに中宝珠越に達する。さすがに山が大きい。眼前の三鈷峰山頂はまだまだ遥か上方に臨まれ、これからの激闘を予期せざるを得ない。岩場が次第に増してぐいぐいと高度を稼ぐ。ロープやボルトが付されているも、それに頼らず登り続ける。さすがに両方向の人通りが多いものの、うまくかわしつつ先を急ぐ。上宝珠越を過ぎると樹高は次第に低くなり、天狗や剣の鋭い山容が、何にさえぎられることもなく堂々と姿を現す。気が付けばユートピアの避難小屋が随分と大きく見える位置に来ている。シモツケの花が随所にみられる。そしてついにクガイソウの咲く高度に達する。まだまだ盛りのピンクの花穂が雰囲気を盛り立てる。
山腹を巻くようにして主稜線に乗りあげると、ユートピア避難小屋までの稜線にはオオバギボウシ、ハクサンフウロ、ヤマハハコ、シモツケなどが乱れ咲き、ところどころにクルマユリが朱色のアクセントをつけている。西日本に来てからはとんとご無沙汰のお花畑に気分は最高潮だ。ちょっと花の種類は少ないが、群落を作って咲く花々を満喫する。避難小屋前で昼食をとるが、ちょいと密な賑わいである。小屋の壁には「縦走禁止」と大書きされている。この先、天狗ヶ峰、剣ヶ峰を経て弥山へ行くルートへ踏み込まないようにという注意書きである。我々は食事を済ませて直ちに踵を返し、稜線を三鈷峰へと向かう。こちらは大分人通りが少ない。崩壊が進む急峻な岩礫地を登れば、手元の岩の隙間にキュウシュウコゴメグサやダイセンオトギリがちらちらと咲くのが目に入る。主稜線に乗ってからは徐々にガスが深くなり、せっかく登りついた三鈷峰の山頂からも眺望は得られないのだった。天気の悪化を恐れて一瞬の休憩の後、さっそく来た道を下山にかかる。
もはや大山主峰群は霧の中で姿を臨むことはできなくなったが、行きで満喫したその雄大な眺めと咲き乱れる花々を記憶に焼き付け、心は山麓の宿での一献の時へとシフトを開始するのだった。
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