マキノ高原〜赤坂山〜三国山
- GPS
- --:--
- 距離
- 11.6km
- 登り
- 950m
- 下り
- 942m
コースタイム
- 山行
- 5:18
- 休憩
- 2:40
- 合計
- 7:58
過去天気図(気象庁) | 2015年03月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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写真
装備
個人装備 |
スキー板(BD アスペクト 166cm 128-90-115mm)
ケーブルビンディング(BD オーワン)
シール(BD)
プラブーツ(ガルモントケナイ)
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感想
「インターハイの山でバックカントリー」の一環として滋賀県に出かけ、2日目は赤坂山・三国山を訪れた。(インターハイ登山・滋賀大会は2015年夏に比良山系・高島トレイルで開催)
以下、少々長めであるが、自費出版本『中国山地のバックカントリースキーと高校登山部顧問の30年』(2016年) に掲載していた文章「2015・滋賀県山スキー旅の思い出」の一部をもって感想とする。
翌8 日日曜日、6 時前に道の駅を出発して再びマキノ高原へ。昨晩到着した時は既に暗くなっており、雨も降っていたが、この日の朝は天気も回復し(目的地となる遠くの山の稜線はまだ雲の中だが)、あたりの景色がよく見える。リフトは撤去されているものの、家族向けのスキー場・スノーフィールドとして営業が続けられているマキノ高原だが、駐車場からすぐの下部ゲレンデの標高は百数十mと低く、あたり一帯に雪はほとんど残っていない。白く見えるのは標高300mくらいから上の斜面だけだ。したがってすぐにスキーを装着というわけにはいかず、ブーツ共々スキー板をザックに取り付けて、運動靴で登山道を登って行く。
階段状になった登山道も終わりかけ、標高350mあたりになると雪も増してきて、以後途切れることはなさそうなので、そこでザックからスキーを取り外し、シールを装着。しばらくは緩い傾斜の尾根道が続く。やがてやせ尾根、沢沿いの道を通過して、堰堤脇の右手の急斜面が登路となるが、ジグザグ登高でひと踏ん張りしてクリア。以後、赤坂山山頂まで、特に難しい個所はない。途中で出会った大阪からの年配登山者2 人パーティーとほぼ行動を一にしながら、駐車場を出発して3 時間20 分後に、赤坂山山頂に到着。あたり一帯は白い大斜面が広がっているようだが、ガスで視界はきかず、また北西風も強い。
ピーク東側の斜面で風を避けつつ大休止を取るが、一向にガスは晴れず、それ以上待っても無駄なようだったので、40 分後に三国山に向けて歩を進める。まずはシールを外して明王の禿の西側コルまでの大斜面の滑降。視界はきかないが、なかなか気持ちがいい。再びシールを装着して、明王の禿の奇怪な岩峰・断崖を眺めた後、三国山へ向けてさらに歩を進めていると、嬉しいことにガスがだんだんと晴れてきた。見渡せば、あたり一面白い大斜面。そしてその中に点在する濃い緑の樹木が美しい。帰りにここを滑降できるかと思うととてもわくわくする。
コルから1 時間で三国山山頂に到着。眼下に広がる絶景に幸せな気分になる。ただ、赤坂山山頂は依然ガスの中だ。30 分近く休憩した後、気持ちの良い斜面を滑降して先ほどのコルに降り立つと、登ってくるときには見えなかった琵琶湖も眼下に広がり、それにも感動。再びシールで赤坂山に戻り、ガスが晴れるのを期待する。三国山からここまでも、登り降り含めてちょうど1 時間。
10 数分休憩してガスがだいぶ晴れてきた頃、栗柄越方向への大斜面を、手を振ってくれる登山者の脇を通過しながら、気持ち良く滑降。至福のひと時。栗柄越一帯を過ぎると尾根は狭まり、斜度も増すが、雪質は悪くはなく、さほど難しい斜面ではない。登ってくる登山者とすれ違い、下山する登山者たちを追い越し、さらには(初級者だったのか、スノーボードには不向きな斜面だったのか)歩いて降るボーダーたちの脇も通過しながら、順調に高度を下げていく。問題の堰堤脇急斜面も無事クリアし、やせ尾根の緩い登り返しを通過して、赤坂山から20 分で、あずまやのある広いピークに降り立った。標高差300m少々、距離2km 弱。ブッシュもあり一筋縄ではいかないコースではあるが、なかなか順調に降ってきた。登りと較べて約4 分の1 の所要時間だ。(登りと較べた場合の降りの所要時間は、歩きだと約3 分の2、スキーだと約3 分の1 から半分と見ておくのが普通なのだが。)
あずまやピークから下は、樹木を避ける以外、特にターンをする必要もない緩やかな降りで、ときおりスピードセーブのプルークを入れつつ、のんびりと滑って行く。そうして朝スキーを履いた地点のすぐ下まで滑り降りて、本日の滑降を終了。(あずまやピークから15 分。)あとは再びスキーをザックに取り付け、運動靴に履き替えて、階段道を足取り軽く降って行く。赤坂山登山口となっているスキー場ゲレンデ上端まで10分、そして茶色い芝の広々としたゲレンデの真ん中を、降りてきた山の方を振り返りつつ、これも10 分で駐車場に帰着。
暖かい陽射しの中、雪や汗で濡れた衣類・道具を車の脇で乾かしながらのんびりしていると、朝登るときに出会った大阪の年配登山者2 人組や、降る途中で追い越してきた徒歩下山のボーダー3 人組も降りてきた。特にボーダー3 人組は、止めた車が隣どうしだったこともあり、しばらくはバックカントリー談義に花を咲かせた。京都から来たという30 歳代くらいの3 人組には、私がまとめている資料を見せつつ、大山や氷ノ山など、中国山地のバックカントリーフィールドを紹介してあげた。
山も、そして人との語らいも、いい思い出になるこのたびの滋賀県バックカントリーであった。この日の赤坂山・三国山に大満足し、翌日の天気予報が良くなかったこともあって、3 日目の9 日月曜日の午前中に計画していた朽木スキー場〜蛇谷ヶ峰は割愛することとし、積雪不足で営業休止となっていた朽木スキー場と蛇谷ヶ峰の姿のみ偵察して、再び大阪・吹田の姉宅に泊まるべく、帰路に就いた。
マキノからの帰りがけには、おそらくこの夏、全国からの高校生たちも目にするであろうが、一直線に長々と伸びる道路の両脇に植えられた何百本というメタセコイアの並木と、その背後に白く輝く頂の高島トレイルの山並みが、私が走らせる車を止まらせ、しばし私はそれに見入っていた。
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