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Yamareco

記録ID: 3609333
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
屋久島

宮之浦岳(ヤクスギランド〜楠川)

2021年10月06日(水) ~ 2021年10月08日(金)
 - 拍手
体力度
7
1~2泊以上が適当
GPS
23:23
距離
35.8km
登り
2,276m
下り
3,275m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
5:55
休憩
0:44
合計
6:39
距離 8.7km 登り 992m 下り 404m
10:48
120
12:48
13:32
215
17:07
2日目
山行
6:02
休憩
2:35
合計
8:37
距離 10.6km 登り 708m 下り 974m
7:36
55
8:31
8:32
13
8:45
21
9:06
9:07
19
9:26
9:27
56
10:23
14
10:37
12:00
11
12:11
12:12
34
12:46
29
13:15
43
13:58
14:17
51
15:08
15:31
8
15:39
16:05
8
16:13
3日目
山行
6:18
休憩
0:44
合計
7:02
距離 16.5km 登り 591m 下り 1,912m
4:46
8
4:54
57
5:51
5:59
14
6:13
6:18
57
7:15
7:24
54
8:18
8:19
6
8:25
8:27
8
8:35
13
8:48
10
8:58
9:00
21
9:21
9:23
8
9:31
9:32
3
9:35
9:48
78
11:06
11:07
41
11:48
ゴール地点
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2021年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス 飛行機
コース状況/
危険箇所等
・ヤクスギランド〜花之江河
ヤクスギランド内はよく整備された散策路。
今回のように中を通過する場合は協力金不要らしい。
ヤクスギランド抜けてからの登山道は、メインルートほど整備はされてないが、渡渉部分を除き危険箇所なく歩ける道。
ビャクシン沢渡渉地点は増水時危険になるとのこと。
ルートは踏み跡が薄く分かりづらいとこも多少あるが、迷いどころにはピンクテープが貼ってあるので、注意して歩けばほぼ迷わない。
全体的に緩やかな上りなのだが、アップダウンが多く、火山の裾野の平野を歩いているような感覚。また道が普通の尾根道のように直線的でなくくねくねしているので、方向感覚が取りづらい。
藪こぎや倒木、邪魔な枝など妨害要素がほぼなく、うまく道ができているので、最低限の整備はされていると思われる。
水場は随所にあるので、たくさん持っていかなくても大丈夫そう。

石塚小屋はやや古いものの十分寝れる小屋。
小屋の北側へ少し降りたところに水が湧いているのだが、水量が少なかったので花之江河方面に100m程向かい、登山道から50mほど下った水場で採水。

・花之江河〜高塚小屋
歩きやすい登山道。難所は無し。
森林限界超えると湿地帯や笹場になる。ガガンボのような虫が多かった。
水場も適宜ある。
宮之浦岳を超えてからのほうが動物が多いイメージ。ヤクシカやヤクザルをよく見かけた。

・高塚小屋〜楠川わかれ
縄文杉トレッキングの表通り。
斜度がきついが木の階段が整備されているので、体力と根性があれば問題なく歩ける。
逆にピンクテープは無いので、暗くてヘッドライトがなかったり、ガスってるときは道外れ注意。

・楠川わかれ〜白谷雲水峡
白谷雲水峡までは大株歩道ほどではないが登山道として歩きやすい道。
杉も多くトロッコ道よりこちらの方が自然を歩いてる感覚が強い。
白谷雲水峡に入るとよく整備されていてルートも多い。ヤクスギランドのよう。

・白谷雲水峡〜楠川バス停
メインルートに比べると整備されておらず、踏み跡も薄いため難易度は上がる。
沢沿いの道だが、歩かれていないためか岩の苔が剥がれておらず異常に滑る。
普通の山道の感覚で歩くと必ず転ぶので、岩場は滑る前提の足運びが必要。
また、場所によってヤマビルが大量にいる。林道分岐からちょっと登山道に入ったところですでに大量にいた。下手に休憩しないほうがいい。
鹿児島港を出港。桜島。
鹿児島港を出港。桜島。
屋久島到着前。モアナを思い出すシーン
屋久島到着前。モアナを思い出すシーン
杉をくぐり歩き始める
杉をくぐり歩き始める
ビャクシン沢渡渉
ビャクシン沢渡渉
ブナが生えないらしい
ブナが生えないらしい
宮之浦岳。こんなにきれいでいいんですか。
宮之浦岳。こんなにきれいでいいんですか。
霧と闇で何も見えないの図
霧と闇で何も見えないの図
暗すぎるウィルソン杉
暗すぎるウィルソン杉
トロッコ進むよ
滑りすぎる道
九州以南でよく見かける棘。こいつがあると藪漕ぎの難易度が8倍くらいになる
九州以南でよく見かける棘。こいつがあると藪漕ぎの難易度が8倍くらいになる
さようなら

感想

百名山最南端となる屋久島宮之浦岳。
神々が住まう島、南の離島、ということもあって、登山抜きにしても楽しみにしていた山だった。

頑張れば山自体は日帰りで行くこともできちゃうのだが、比較的時間に余裕もあったので、メジャーどころとマイナーな登山道も含め、最後海に着くようなルートを取った。

月35日雨が降る島と聞いていたので、多少雨でも融通がきくよう想定していたし、むしろ雨でも楽しみなくらいだったのだが、結局道中は一度も降られず全日ほぼ快晴で、2泊目の夜〜夜明けに降っていただけだった。

全体としてメジャーどころからマイナーどころまで、屋久島の登山を存分に楽しめたし、天気も山頂では晴れ、森は晴れも雨も霧も体験できたので、最高レベルの山行だった。

・行程
先日まで登っていた奈良・三重の大台ヶ原、大峰山の登山からそのまま直行で向かった。
通常、関西からなら伊丹から直行で屋久島に向かうのが最短、鹿児島空港までLCC+フェリーで島に入るのが最安になる。
今回時間はあったので最安のプランで行きたかったのだが、航空券の予約を考えている間に伊丹→鹿児島へのIBEXの格安券を取り逃してしまった。
フェリーを使うには時間的に前日の鹿児島入りが必須で、当日に関西から屋久島に行くにはどうしても飛行機か高速船になってしまう。
ただフェリーに乗るために高い航空券を買うのも本末転倒感があるので、どうしたもんかと考えていたところ、関空→宮崎にLCCで移動し、宮崎→鹿児島へ鉄道で移動することで前日入りが可能なことに気づいた。
最安より多少高くなり、時間もかかるが、それでも他の手段よりは安いのでこちらのプランで鹿児島入り。
鹿児島ではネカフェで朝を待った。

登山前日、フェリーで宮之浦港に移動し、観光センターで飛び魚ラーメンを食べたり、2泊の買い出しをしたりして、安房近くのグリーンホテルに一泊。
この宿は少し値が張るのだが、食事に外れがなく接客も丁寧、部屋からの景色もよく良い宿。ふるさと納税で実質ほぼタダで泊まることができた。

・1日目(ヤクスギランド〜石塚小屋)
合庁前からバスでヤクスギランドへ。比較的標高が低いところは植林地が目立つが、ここから採れた杉も屋久杉と呼ぶのだろうか。
ヤクスギランドから目立つ杉が多々あり、写真を撮るのが楽しい。
数名観光されてる方がいたが、登山客はおらず、ここから石塚小屋までは誰にも合わない登山で、静かな屋久島を楽しめた。
登山道には無名でも目立つ杉が多い。本州にも奇形や巨大な杉は時折見かけるが、これ程密集して生えているのはほとんど見かけない。佐渡に似たようなところがあったなぁ、という記憶。
ただ、やはり名の付く杉は他の無名の杉と全然オーラが違っていて、大和杉の巨木さには圧倒された。
石塚小屋は自分以外誰もおらず小屋で一泊。
夜は星で空が明るかった。

・2日目(石塚小屋〜宮之浦岳〜高塚小屋)
この日はコースタイム6時間程度の緩めだったので、あちこちでゆっくりしながら歩いた。
植生や標高を調べておらず、屋久島はほぼ樹林帯だと勝手に思っていたのだが、宮之浦岳は標高2000m近く、その手前にはしっかり森林限界があった。
なんとなく大きな杉が減ってきて、立ち枯れしたような木や低木が増えてきたな、と思ったら笹地になり高山帯になっていた。
一輪だけリンドウが咲いていたが、時期柄なのか花はほぼ見かけなかった。天候も関係あるのだと思う。

宮之浦岳は少し風があったが晴れていて周りを見渡せた。
神はここに腰を掛けるのだろうかと思いながらカップヌードルスーパー合体シリーズチリトマト&欧風チーズカレーを食べた。

そのまま高塚小屋まで降りる途中、ヤクザルやヤクシカをちょくちょく見かけた。
猿や鹿は本州でよく見ているので、普段はスルーなのだが、屋久島のということで写真をたくさん撮ってしまった。
向こうもだいぶ人に慣れてますね。
たまに聞こえるキーッという音が最初木がきしむ音だと思っていたのだが、猿の鳴き声だった。

高塚小屋につき、小屋には先客がいたのでテントを張り、水汲みついでに初の縄文杉へ。
どんなもんかと期待して向かったら今まで自分が見た木の中で一番大きかった。
日本にもこんな魔法の木みたいなものがあるんだなぁと思った。
この太さ感、どこかで見たことあるなぁと思って思い返してたら高速道路の高架の柱でした。例えるものではない。

時間とタイミング的に縄文杉を見ているのは自分だけで、贅沢な時間だったと思う。

・3日目(高塚小屋〜楠川バス停)
飛行機の予約の都合、朝5時前に出発。
雨はやんでいたが、テントはずぶ濡れ、空からは木の露で雨のようだった。
また霧が濃く、暗い中濃い霧でヘッドライトで歩くのはなかなか難易度が高い。
木道があれば大丈夫だが、そうでないところはメジャールートにも関わらず何度も道を間違えそうになった。

夫婦杉、大王杉、ウィルソン株は暗くてほとんど見えず。大きいことだけは分かった。

トロッコ道に出た頃には明るくなっていた。
トロッコ道、日本で唯一現役で稼働している森林鉄道とのことで、これまで何度も森林鉄道の廃線跡を歩いてきたが、その解答というかあるべき姿を見れた気がした。
ほんとにこんな森の中を列車が走るのかと思っていたが、想像以上にきれいだし輸送力も確かにありそうだった。

楠川わかれ付近で始発バス組とすれ違い始め、ほぼ独り占めだった屋久島は終わった。
ところで、皆ガイドさんをつけているし、ガイドさん自体の数も相当数いますね。
同じ雰囲気の人に声掛けすると皆ガイドさんだった。

白谷雲水峡まではスイスイで、そこから楠川までが結構な踏ん張りどころだった。
これはおそらく昔の登山道なのだろうか。
ピンクテープはついていて、踏み跡もあるが、しばらく歩かれていないようでとんでもなく滑る。
そしてヒルが精神的に追い込みをかける。
別に毒があるわけでないし多少吸われてもいいとは思っているのだが、できることなら吸われたくないのはそうである。
急ぐと滑り、滑って派手に転ぶのを何回かやった。
普通なら多少滑っても逆足や重心で復帰できるのだが、復帰先に足を置いたところで滑ったり、重心側が滑ったりと氷の上を歩いてるような事故が多発したので、急ぐのは諦め気をつけて歩いた。

とはいえ予定より早くバス停に付き、海まで歩いて〆となった。

そのまま屋久島空港から飛行機で鹿児島空港まで飛んだが、LCCの時間的に妙見温泉温泉で後泊。
熊本に住んでた頃目星をつけていた温泉で空港から近くちょうどよかった。
きらくに宿泊。この宿、離島に向かう人の中では結構有名な宿らしく、一泊2500円程度と激安で、自炊宿で食事はない。
宿としては正直人を選ぶ宿で、清潔感は皆無。全体的に小汚く、建物は古く、部屋には普通に蟻が闊歩してる。
旧館宿泊の場合アメニティもない。エアコンもない。風呂にはシャンプーもなく石鹸だけがある。
だが、温泉は最高。湯船の雰囲気もよく何よりも泉質が素晴らしい。
登山の疲れを癒し、帰路についた。

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宮之浦岳縦走(淀川登山口 黒味岳 宮之浦岳 縄文杉 白谷雲水峡)
利用交通機関: 車・バイク、 電車・バス、 タクシー
技術レベル
2/5
体力レベル
4/5

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