神津島天上山
- GPS
- 05:37
- 距離
- 8.5km
- 登り
- 556m
- 下り
- 686m
コースタイム
- 山行
- 4:26
- 休憩
- 1:11
- 合計
- 5:37
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
船
|
写真
感想
高体連登山部の関東大会が来年は東京主催で行われるので、その下見のために神津島へ行ってきました。下見とは言え、東京の離島に初めて行く自分にとっては興奮の連続で、とても有意義な旅となりました。
金曜の夜に竹芝桟橋に集合しました。竹芝桟橋に行くこと自体初めてなので、早速興奮気味です。たくさんの釣り人、さらに自転車を持って輪行する人、登山の格好の人、いろんな乗客がいました。ぼく自身、今までいろんなとこに出かけているので、鉄道の駅やバスのターミナル、高速道路のパーキングエリアなどでいろんな人を見かけますが、なんとなく、港に集まる人というのは、陽気で開放的な人が多い気がします。
22:00に出航し、しばし東京湾クルーズ。滅多に船になんて乗らないので、大興奮です。金曜の夜、しかも緊急事態宣言も明けて、デッキはごった返していました。我々も、その片隅で海風にあたりながら、買い込んだ缶ビールを飲んで、ほろ酔い気分になりました。
横浜を過ぎると騒がしさが落ち着いて、外洋に出る頃には寝てしまいした。一番安い二等和室を利用したので、個人の空間は狭かったのですが、山小屋に鮨詰めで寝るのよりかは快適でした。ほろ酔いと船の揺れで、眠りにつくのは容易でした。
朝、やや寝坊気味に起きたら、大島を過ぎていて、大半の乗客が下船していました。その後、利島、新島、式根島に寄港し、最後の神津島に到着したのは10:00でした。下船するや、南国のような雰囲気を感じます。10月とは言え、日差しはまだ夏でした。島内を走る車が全て品川ナンバーなのは、違和感しかなかったです。
旅館に不要な荷物を置き、登山口へ向かいます。私は白島登山道を担当しました。登山口から鬱蒼とした樹林帯を歩いていきます。植生は本州とは全く違っていて、巨大なシダがわさわさと生い茂る光景は、なんだか熱帯のジャングルでも歩いてるかのような気がします。落葉樹もほとんどなく、スダジイやツバキなどの常緑樹がほとんどです。動物は、やたらトカゲとカナヘビを見ました。トカゲ類はまだ平気なのでいいのですが、結構大きめのシマヘビにも遭遇し、ドキッとしました。蛇はどうしてもダメです…。
下見なので、登山道の状況を確認するのはもちろん、携帯電話や無線機の電波状況なども確認しながら歩きました。来年の本番では150名もの生徒を連れて歩かないといけないので、今からちょっと緊張します。
8合目まで来ると樹林帯を抜けます。天上山は標高572mで、高尾山より低いくらいの山ですが、海からのものすごい強風のため標高400m半ばくらいで森林限界を迎え、高い木がなくなります。そのため一気に展望が開け、海や他の島々が一望できます。山肌も、花崗岩が崩れて形成された白い砂で一面が覆われています。中央アルプスや南アルプスあたりの稜線を歩いているような錯覚も覚えます。低山ですが、アルペン感がただよっています。
白島登山道の10合目は不入(はいらない)が沢と言われる神聖な場所です。噴火口だと考えられているくぼ地ですが、神代の昔、神津島の神様が生命の源である水を分配した場所だという伝説があります。神津島の神が大島・利島・新島・三宅島・御蔵島・八丈島の神を集め、先着順に水を配ったところ、一番遅かった利島の神が怒って、水をまき散らし、神津島では水が豊富に湧き出るようになったと言われています。確かに今でも、神津島は湧き水が豊かなようで、東京の名湧水57選にも選ばれている多幸湧水などがあります。神津島は、かつて神集島とも書いていたようです。
岩がちになった山をさらに登っていくと、天上山山頂になります。雲が多くて内地のほうまでは見えませんでしたが、周囲の島々はよく見えます。島での登山と言うと、かつて屋久島でも体験しましたが、悪天候のため全く眺望がなく、海も見えませんでした。しかし今回は、海や島々を山頂から見下ろせ、とても爽快です。
樹林帯は南国感、樹林帯を抜けるとアルペン感、そして、島特有の景色が見られる、天上山には様々な山の要素があって楽しいです。極めつけは砂漠。表砂漠と裏砂漠と、2か所の大きな砂地があり、独特の光景が広がっています。砂は花崗岩質の真っ白いもので、強い日差しによって、いっそう白く輝いています。
下山は黒島登山道を利用し、下山したあとは、本番で宿泊する多幸湾キャンプ場まで移動しました。しかし、こちらのキャンプ場は都立のため、通常営業への道のりは険しく、来年の10月であっても、総勢400名近い参加者を収容できるか、未知数だそうです。まだまだ前途多難です。
その後、旅館に移動。島で唯一の温泉旅館です。お湯はぬるめの塩っ辛い強食塩泉で、ずっと入っていたくなるお風呂でした。食事は当然、地元の海鮮をふんだんにいただきました。夜中は、雲がたびたび通るあいにくの空模様でしたが、最近星空保護区に指定された神津島の夜空を撮影しました。
翌朝は雨でしたが、すぐに上がり、大きな虹が見られました。その後、出船の時間まで島内を散策。旅館の近くに渦巻き岩というのがありました。噴火の際に海に流れ出た溶岩が、潮の流れに揉まれながら急速に冷え固まってできた流紋岩だそうです。流人墓地にも訪れました。ここは、江戸時代に禁じられていたキリスト教や日蓮宗不受不施派の信者が流罪となり、死後葬られた場所です。
10:30に出航。夕暮れ時の横浜港の夜景に感動しながら、18:00に大桟橋に着きました。
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