根尾明神洞(P895経由)
- GPS
- --:--
- 距離
- 4.7km
- 登り
- 621m
- 下り
- 604m
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
基本的に全行程ヤブ漕ぎと沢歩きだから、それ相当の装備と経験が求められる。おいそれと「ちょっと明神洞まで紅葉見物」などは絶対に許されない。地図上では平凡な尾根として描かれているが、ところどころ痩せ尾根が現れ、その両側は垂直の断崖絶壁となっている。 ただP800の偽コブからP895まではダム工事の測量かなにかに使われたと思われる明らかな踏み跡がある。40年以上も前の道だから、快適な登山道とまでは言えないが、無いよりは有難い。(この道はたぶんドウの天井まで続いているのではないか。駐車地からP895まで1時間だから、あと1時間半頑張ればドウの天井へ行きつけるかも知れない。) 明神沢へ降りる直前30メートルでは懸垂で降りたが、基本的にこの沢ではロープが無いとどうにもならない。ただ、二又のもう少し先にはロープ無しで降りられそうな斜面が見えたが、あくまでも推測の域を出ない。 やぶ尾根も沢を歩くのも登山靴では絶対不可。尾根はスパイク足袋、沢ではフェルト靴が望ましい。尾根も沢も滑ったら、行き着くところまで止まらない。その先は地獄かも知れない。もちろんヘルメットは必携。 わたしは30年以上ずっと単独だったから、それ以外の山行は知らないが、この谷では複数行が望ましいだらう。とくに明神大滝はビレイヤーがいてはじめて挑戦許可が与えられる。 |
写真
感想
明神洞は恐らく東海随一の幽玄な渓谷で、黒部に匹敵するとまで評価する登山者もいるぐらいだ。だが、この谷を濡れずに歩くのはほとんど不可能に近い。谷の入り口に大瀬戸(明神大滝)が在るためで、この滝には巻道がどこにも無い。オーバーハングした岩を巻くよりも、飛沫に撃たれてでも、滝を正面突破するのがいちばん楽で安全なのだ。夏はそれでも好いが、枯れ葉が流れている静寂の晩秋や、雪で真っ白になった恐ろしい表情の岩の壁を見ることは、誰にもできない。100メートル以上の切り立った壁に挟まれた狭い谷は、陽が当たるのは一日数時間しかない。11月の終わりには澱んだ淵には氷も張りだす。
いつの頃からか、奥美濃を主戦場としている登山者として、いつかは雪の明神洞を見てみたいと思うやうになった。思うだけで、計画もせずぐずぐずしていたら、いつの間にか還暦も過ぎ、70が近くなってしまった。
ことしの夏、「これではいかん!」と気合を入れ直して真剣に地図を見直してみたら、二又谷出合いの尾根を辿れば2〜3時間で明神へ降りられそうな気がしてきた。
2回下見としてあるいたのだが、とてもじゃないが酷暑の夏に歩ける道ではなかった。眺望も何もないヤブの中を、半ば朦朧として右往左往するのは30代40代でも辛いだらう。何よりも馬鹿らしくなってしまうかも知れない。
「なにもそこまでしなくても」と他人には嗤われるだらうが、それでも雪の明神をいつかは見てみたい。なぜだか今年に入ってから、強くそう考えるやうになった。金華山や百々ヶ峰を主戦場とせざるを得ない年齢に近づいたからかも知れない。
今日は駐車地から明神洞まで1時間45分で歩けた。もうすこし寒くなって藪が薄くなれば、あと15分は短縮できるだらう。明神に向かって手を合わせていたら、自然と笑みがこぼれてきた。
だが、車まで帰って来て、着替えをしようと地下足袋のこはぜを外していたら足を攣ってしまった。
まだまだ、あと2〜3年は頑張らねばならないのだが。やや錆びついては来ているが、今一度しっかりネジを巻きなおさねば。。
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明神滝は今まで3回攀じ登ったことがありますが、私には持病があって、冷えにはからきしだらしがありません。夏でも指先が真っ白になって、痺れてしまいます。若いころはそうでもなかったのですが、60を過ぎたころからとくに意識するやうになりました。だから明神でテントを張りたいと思ってもできませんでした。(能郷白山の三角点の北と奥宮の西にある焚き火痕はすべて私の仕業です。火に当たってからでないと寝袋に潜り込めないからです)
なんとか飛沫にかからず明神を歩けないものかと模索してきましたが、今回やっと見つけることができました。明神は大瀬戸の滝が正面玄関だから、「まーすけ新道」は謂わば裏口から入るやうなものです。それでもこの道が、ロープワークを知らない素人でも、単独で辿り着ける唯一のルートであると断言出来さうです。多少の藪漕ぎは我慢してもらうとして。。
以上。
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