超快晴!ノートレースの塩見岳を日帰りで独り占め。。


- GPS
- 19:20
- 距離
- 25.4km
- 登り
- 2,374m
- 下り
- 2,373m
コースタイム
- 山行
- 17:40
- 休憩
- 1:39
- 合計
- 19:19
4:30越路バス停駐車場〜自転車〜4:55鳥倉登山口(自転車デポ)
[登山]
5:05鳥倉登山口-6:10[5/10]地点-7:00[8/10]地点-7:40三伏峠小屋(20分間朝食休憩)
8:00再開(三伏峠)-8:20三伏山-9:20本谷山(15分間写真休憩)
9:35再開(本谷山)-11:25塩見新道分岐-11:55塩見小屋(20分間昼食休憩)
12:15再開(塩見小屋)-14:10塩見岳西峰山頂-14:15塩見岳東峰山頂(15分間写真休憩)
14:30下山開始(塩見岳西峰)-15:55塩見小屋付近通過-16:10塩見新道分岐
-18:35本谷山-20:00三伏山-20:20三伏峠(10分間体制立て直し)
20:40下山再開(三伏峠)-23:20鳥倉登山口(自転車準備)
*下山は疲労と眠気でかなりのスローペースです
[自転車]
23:30鳥倉登山口〜自転車〜23:45越路バス停駐車場
天候 | 超快晴! |
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過去天気図(気象庁) | 2013年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
インターから60分程度(深夜)で越路バス停があり、そこが無料駐車場です。 鳥倉林道登山口へは3km程度舗装路があります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●越路バス停駐車場〜鳥倉登山口; 若干登りの舗装路約3kmです。一部凍結、積雪(1cmくらい)あり。 ●鳥倉登山口〜三伏峠小屋; 緩斜面の登山道です。トレースあり。だんだん積雪が増えて三伏峠で膝くらい。 危険個所は特になし。人口橋が積雪してるので滑らないように。 ●三伏峠〜三伏山〜本谷山; トレース無しでしたが明瞭です。主に稜線歩き。雪は脛〜膝くらいのプチラッセル。 ●本谷山〜塩見小屋; 200mほど下ってまた登り返し。トレース無しでも道は明瞭です。 積雪は脛〜膝くらいのプチラッセル。 塩見小屋手前からスノーシューでも膝〜腿まで踏み抜くラッセル状態。 ●塩見小屋〜塩見岳頂上; 小屋付近は積雪量大。スノーシューでも膝〜腿まで踏み抜きラッセル状態です。 天狗岩手前からは雪が凍結しています。バリエーションと化し危険個所の連発です。 岩の黄色マークが一部しか見えず、またそこに行くにも何度もトラバース必要あり。 自分で行きやすいと判断して進む方が良い場合もあります。 ピッケルは先端5cm、アイゼンは5mm程度しか刺さらない場面あり。 岩に付着した氷結した雪にピッケル刺すと崩れる場合あり。 |
写真
装備
個人装備 |
GPS 1
ストーブ・ライター 1
ダウン防寒着 1
オーバージャケット 1
ビーコン 1
アイゼン 1 10本爪
スノーシュー 1
ヘッドライト 1
ピッケル 1
携帯電話 2 docomo,SoftBank
地図 2 1/25000
ツエルト 1 2人用
カイロ 3
ゴーグル 1
グローブ 2
携行食 1 2日分
熊鈴、笛 1
救急セット 1
着替え 1 アンダー、ソックス
スペア電池 1 携帯用、GPS用
ストック 1
|
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感想
先週行く計画だったのがタイヤ交換できず伊吹へ変更した南ア塩見岳。
今週も晴れそうなのでリベンジすることにしました。
新雪対策でスノーシュー、氷結対策でアイゼンその他諸々は15kgオーバー。
雪が降ってからは記録も少なく、烏帽子や小河内等への変更や撤退は適宜判断しよう。
でもまぁ夏は日帰りできるコースだし、積雪あってもその3h増しくらいで行けるでしょ。と。
・・が、甘かった・・まぁいつもそうなんだが。。。
松川インター手前の座光寺PAで3時間ほど仮眠。インターから1時間程度で鳥倉林道終点へ。
本日の晴天を予感させる満天の星の下、自転車と雪山フル装備のスタンバイ。
計画通りの4:30、登山届を出して鳥倉口へ向かってチャリチャリします。
道は凍結や積雪があるので、チャリ降りたり乗ったりしながら20分ほどで登山口到着。
早速チャリをデポしてGo!最初から5cmほどの積雪があります。ワクワクです。。
まだ夜明け前なのでヘッドランプで。トレースが明瞭なので暗闇でも大丈夫。
1/10、2/10、3/10・・と快調に。5/10くらいで夜が明け始めます。
すると、ちょうど中央アや北アの絶景がチラリ。白い山と青い空についつい足が止まります。
峠に着く手前からは南アルプス主峰がバーンと目に飛び込んできて最高の気分です。
本当に雲一つない真っ青な空。。
どこを探しても薄雲すらありません。こんな日に来れた幸せを噛み締めます。。
「あと200歩」の看板から約230歩で三伏峠に到着。周囲に人影はありませんでした。
三伏峠から一つ心配していたのがトレース。塩見方面にあるかどうか・・・
・・答えは「ノー」・・・ここ2〜3日降ったであろう積雪でノートレース状態・・
それでも登山道は木々が分かれて明瞭なので、まぁめげずに進んでみることに。。
三伏山への途中、脛まで踏み抜くことが多くなったのでスノーシューを履きます。
順調に稜線に出ると、まさに360°の絶景です。
遠くに北ア、中ア、近くに甲斐駒仙丈北岳の南ア。振り返ると荒川三山、赤石。。
2年前の夏に来たときはあまり天気が良くなかったので、これほどまでに絶景だったとは。。
そして圧倒的な存在感の武骨な塩見岳。。近いようで遠いような近いような・・・
本谷山付近では富士山も顔を出し始め、タイムも順調。ハイテンションで一人高揚します。
・・が、その順調さも塩見小屋への登りで狂い始めました・・・
浅いとは言えプチラッセル状態で進んできた疲れと、小屋手前から雪が深くなり、
全く思うスピードが出なくなります。登ってはズリ落ち、それに耐え、また一歩踏み出す。
そして踏み抜き、足を引っ張り出し・・体力削ります。
本谷山までは予定通りだったタイムが塩見小屋で40分遅れの11:55に
・・しかも結構疲れてる・・
当初の計画では14:30までは前に進むつもりだったので、
時間にはまだ余裕があり休憩後にいざアタックへ。
雪は一見硬そうですが、パックされた新雪状態。
天狗岩の取付きまでは雪も深くスノーシューで。
いろいろ試すとハイマツの近くが比較的安定していたのでそこを進みます。
それでも3〜5歩に1回くらいのペースで腿まで踏み抜き、ズリ落ち、踏ん張ってまた・・・
なんとか天狗岩取付きまで来ると、雪も完全に氷結。ここからはピッケル&アイゼンへ。
ただ、ツルツル急斜面の限られたスペースで履き替えるのに時間がかかりまたタイムロス・・
この頃から登頂へのこだわりと撤退の現実との気持ちが半々くらいに・・
なにせ、ルートを示す岩の黄色いペンキマークが半分以上雪や氷で隠されており、
たまに見つけても、そこまで行くのにトラバースやキックステップの繰り返し・・
夏なら黄色いマーク頼りに進むのが安全でも、今の状態では別ルートの方が安全な場合も・・
一見遠くから見ると岩が出て容易に行けるように見えるが、近づくと思いのほか白い・・
ふと下を見るとツルッツルのすべり台がどこまで続いているのか・・
完全にバリエーション化しています。
氷は叩いて安定度を確かめてからピッケルを突き刺し、
何回も何回もトラバースやキックステップを繰り返し。
登れるだけじゃダメなので、降りれることも考えながら。時々突風が吹くので耐えながら。
今まで厳しい雪山を経験した富士山や御嶽、槍、仙丈、大山北壁で培ったことの集大成。
全て出し切りました。
結局、格闘すること小屋から2時間。
足跡すら無い山頂に立てたのは、撤退設定タイムギリギリの14:10でした・・
360°全てが真っ青な空。雲はどこにもありません。
たぶん、見えないものはないでしょう。それほどの快晴、大絶景です。
塩見岳自身で隠れていた富士山もようやく全姿。こんなにキレイなのは久しぶりに見た・・
15分間だけ、全てを忘れて景色を眺めます。シャッターを切ります。
ご褒美を堪能したら、あとは安全に帰らなければ意味がありません。
頭を切り替え、とにかく下山に集中。山頂に別れを告げます。
自分のトレースを頼りに慎重に一歩一歩降りていきますが、
上から見ると意外とコース取りもわかりやすい。
小屋の手前からはアイゼンからスノーシューにチェンジ。
日暮れが迫っています。
なんとか明るい間に本谷山くらいまでは戻っておきたい。あとは真っ暗でも戻れるだろう。
しかし、睡眠不足の上、ラッセルや雪岩登りの疲れから極度に眠たくなってきます。
いつの間にか立ったまま少し寝ていたり「ハっ・・イカン」と自ら起こして歩みを進め、
一人なのに無意識に自分で自分を励ましながら。
低体温症に気を配って、自分のトレースを無心で戻りました。
本当に、自分が自分でないような感覚でした。歩きながら夢を見たような気もします。
嫁さんに帰宅が遅くなることを連絡してからはもうゆっくり休みながらスローペースで。
三伏峠小屋へは20時過ぎに到着。
冬期小屋で夜を明かせる装備はもちろんあるので一つの選択肢だが下山を続けます。
気の遠くなるほど長く感じた鳥倉ルートを降りて登山口へは23時過ぎ。
そこから自転車で駐車場へは23:45でした。
安堵とともに空を見上げると、今朝見た眩しいほどの満天の星空に流れ星も。
結局、今日一日、人影らしきものを見かけることはありませんでした。
今シーズン初の雪山でいきなりハードで疲労困憊ヘロヘロとなってしまいましたが、、
ずっとチャレンジしたかった雪の塩見岳をゲットできたことは大変満足です。
また今度は一泊くらいでゆっくりチャレンジしたいと思います。
ふ〜っ。雪に埋もれた塩見岳。
Mahitoさんの雪山の歩き方が、ちょとずつ伝わってくる感じでした。
雪に強いと、こんな山歩きも出来ちゃうんですね。うらやまし〜
>あとは真っ暗でも戻れるだろう
ってところに、経験の差を感じます。
その感覚は、いろいろ自分で山を歩いてみないとわからないですよね。
寝ながら歩く。。自分が自分でないような感覚。。
私も、Mahitoさんほどハードな山歩きではないですが、そういうこと時々あります。
ピッケル持って行くときは、ストックは持っていかないんですか?
素人的質問ですみません。
<<追記>>
ほんとだ。ストックうつってた。
いろいろ道具も増えると、ずっしりきそうですね。
でも、Mahitoさんなら、おちゃのこさいさい ですね。
Mahitoさん初めまして。先行で拍手を頂いたので、のぞいてみたら「まじで!?」私の美濃戸19:00なんぞ、遙かにぶっちぎりのぶっちぎり、ガキの使い。
「塩見に日帰り?4:30〜23:30」
いゃー、日帰りましたか。冬装備で。。。凄い。
ホント真面目な話し、無事で良かった良かった。
初めてのコメントで、ずうずうしく申し訳ありませんが、無事で何よりです。
いゃー、ちょっと緊張して読ませて頂きましたよ。
途中電話が通じたんですね。
道路に置いてあるチャリンコ見た時に、涙出そうになるかもです。
しかし、さすがに塩見はどうどうたる風格。
本当に、本当お疲れ様でした。m(__)m
冬の塩見日帰り素晴らしいです
雪の登山道で23:45の下山分かるような気がします。
自転車の有難味も・・・。
さぞお疲れだった事でしょう<m(__)m>
凄い山行見させて貰いました。ありがとうございます<m(__)m>
塩見岳。2年半前の夏に登った時はそれほどの魅力は感じなかったんですが、
南アルプスの他の山から眺めた時の圧倒的な存在感に後から惚れ惚れです。。
想像以上の難易度でしたが、なんとか想定の範囲内だったので行けましたね。
ストックですが、もちろん持って行ってますよ!
塩見小屋の前の写真や、日焼け止めの写真、あとスノーシューの写真に写り込んでます。
基本、ストックかピッケルを手にもって、持ってない方はザックに縛ります。
tengu-さんの山行も、思わず二度見しちゃうほどすごいじゃないですか。。
最近というか、ヘッドライトでの山行が特に苦にならなくなっているので、
あまり油断せずに楽しみたいと思います。。
・・でも寝ながら歩くほどの山行は当分避けたいですね。。。
いえいえ、、私も18時くらいには帰れる計画でしたので・・
最後数百mだけがバリエーションと思ってたのが、長くなってて時間がかかってしまいました・・
あと、24時を過ぎると日帰りと言えなくなりそうなので最後だけちょっと急ぎましたけど。。。
携帯はdocomoは通じました。SBは・・
行きでだいたい通じる場所を掴んでいたので、帰りは電波が弱くなる前に早めに連絡しました。
こういう時、携帯が通じるか通じないかは家族の心配のためにも重要ですね。
鳥倉ルートを降りてるときは、あと30分で自転車だ・・とか自分に言い聞かせながら励ましてました。。
またこの山容を眺めに行きたいです。
山中泊と勝手に想像していたのですが、
まさかの日帰りですか!
しかも、行動時間が19時間!?
仮眠も4時間と!!
すみません、驚きすぎちゃって。
桁違いに興奮してしまいました。
自分の普段生活より、起きている時間が長い。
水、食料の計画、想像がつきません。
御疲れ様でした。
一か月前に塩見を登られてますね!
私も以前、日帰りでそれほど苦とは思わなかったので、高を括ってました・・
雪や氷であんなに時間がかかるとは・・・
あとは雪道はトレースが明らかになるので暗くても戻れるからというのもありましたね。。
最後の方は起きてるのか寝てるのかわからない状態でしたね。。相当疲れてたんだと思います。
次回はもう少し余裕をもって、一泊くらいで楽しみたいです。
ありがとうございます。
このコンディションで日帰りは無謀でしたね・・
もう少し雪も浅くて、バリエーション部も短いと踏んでました・・
私にとっても普段の生活より起きてる時間が長かったです。。
この日はかなり日差しがあったので、3Lくらい持ってたドリンクを飲み干す勢いでしたね。
日帰りにこだわらず、冬期小屋でビバークしてたらもっと楽に帰れてたかも。。
・・・いや、やっぱり日帰ることに意義があるか。。。
またどこかでお会い?しましょう!!!
Manitoさん、こんにちは。
やっぱすごいね。Mahitoさんの体力と精神力、そして雪の量&絶景。
全てに感服いたしました。パチパチ。
自分、塩見も含め南アは縁がなくってσ(^_^;)
来年、夏山の時期にいければいいなぁ
拝見させていただきました。
これほどの絶景は無理でしょうけど少しくらいは見れるかなみたいな。
ちょっと期待してみたいと思います。
数週間前のヨーロッパとは全く違うのお写真に癒されました。
ありがとうございました。
Mahitoさんは大変だったでしょうが…
お疲れ様でした(^O^)/
こんにちわ!!
まー、この時期を逃すと私の実力ではいけなくなってしまいますし・・
ただ、ここまでを要求されるとは想定範囲内とは言え、予想は超えてました。。
南アは無縁ですか〜??
アクセスは悪目ですが、北アとはまた違う感じでおススメです。
夏でも快晴を狙えば絶景が見られると思いますよ。
ぜひとも!!
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