【小鹿野作戦】秩父御岳山・猪狩山・四阿屋山【丁37.6】


- GPS
- 06:17
- 距離
- 18.7km
- 登り
- 1,667m
- 下り
- 1,676m
コースタイム
- 山行
- 5:47
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 6:17
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
復路:西武秩父バス小鹿野町役場バス停 |
コース状況/ 危険箇所等 |
道の状況: 積雪は無し。急坂・やせ尾根+落葉。 四阿屋山つつじ新道は最初の垂直鎖場が最難。 登山ポスト: 贄川宿観光トイレにある。 下山後の温泉: 両神温泉薬師の湯(内湯のみ600円) |
写真
感想
ここ数年恒例となっている小鹿野町鉄砲祭りに付随する周辺散歩。
今回は空澄み渡り展望良し、祭り良し。猪狩山下山時のもやもやは解消され、祭りでは飯田八幡の祭神と共に神饌をいただく。万事順調。予定以上の完成された一日に感謝の念これまた深し。
一昨年に秩父御岳山〜四阿屋山を経て小鹿野に至ることを考えたものの、積雪と急坂とわかりにくい道に阻まれ、不十分な結果となった。今回は、積雪も無く問題無く完踏できるだろう。
だいたい休日の山へ向かう電車というのは、ハイカーを多く見かけるものだが、寒くなったせいか、たまたま都区内からいける最も早い電車に乗ったからか、他のハイカーは極めて少なかった。西武秩父駅前で例の如く武甲山に微笑んで秩父鉄道へ。
【秩父御岳山】
三峰口駅を下りて早速秩父御岳山を目指す。前回は強石から上ったが、今回は贄川から。観光トイレを過ぎ、墓地の脇を抜けながら山の中に入っていく。傾斜は緩やかではないが、少し歩くとすぐに展望が開けるので、右を見たり左を顧みたりと顔振って歩いていれば特段苦にはならない。第二高岩以降は樹林帯。落ち着いた道から徐々に傾斜を増す。猪狩山方面分岐から稜線に乗るが、痩せた岩混じりの急な登りがその後待っている。「山頂一番乗りだ!」という意気があり、衣擦れの音が他のハイカーの話し声のように聞こえたこともあり、山頂直下の急登はかなり頑張った。
しかし、こんな寒い冬の朝早くからガシガシ歩いている物好きは私くらいなもので、独り静かな山頂を楽しむ。山頂に鐘があり、これを撞くのが楽しみの一つである。
山頂からは四方の山を見渡すことができ、奥秩父山域における新たなる山行への誘惑に駆られる。足の都合がつけば白泰山〜甲武信ヶ岳というのはやってみたいし、南天山にも行ってみたい。酉谷山〜熊倉山というのもそそられる。来春あたりやろうかしら。そして両神山は何時見ても美しい。過去の山行では曇天ばかりだったが、晴天を求めにもう一度訪れたい。梵天尾根や天理尾根を歩くのも良いだろう。
朝の長閑な時間をゆったりと考えをめぐらせながら過ごす。
【猪狩山】
猪狩山は秩父御岳山の北面にある侮りがたい山域である。この山は緊張を持って慎重に歩くことの大切さを教えてくれる。秩父御岳山からはまず痩せた尾根の下り。感じるのは傾斜が急であることと、踏み跡が少ないこと。落ち葉が堆積していても、歩く人が多ければ自然と道ができるものだが、歩く人が少ないとそれは期待薄だ。早速林道に出る手前で道を外れる。周囲が完全に落葉しているので林道上の看板が見え、その位置関係から間違ったことはすぐにわかった。斜面をトラバースして本線復帰する。
林道をまたいで再度山域に入ると最初はピークに向けて上っていくのだが、その後、一転急降下。上りに使うと辛いだろうが、下りは危険だ。一歩一歩そろそろと下っていく。
途中、尾根が東側にカーブしているが、その曲がり角あたりが猪狩山の最高地点である。標識等は特に無いようだ。展望も開けているわけではなく、木の合間に周囲が見える程度。
その先暫く歩くと、西方向「御岳山・大滝」、東方向「猪狩山」と書かれた標識がある。今では削って消されているが、西方向に猪狩山と手書きした跡がある。東方向「猪狩山」の左右に×印をつけて上に「間違い」と書いたのも同一人物だろう。
つまり、標識を立てた人はこの先の猪狩神社奥宮を猪狩山とし、手書きで直そうとした人は西側の最高地点が山頂だと考えたというわけだ。国土地理院の地図にも特段猪狩山という表記は無いようだし、地元民でないのでどこが山頂かというのはよくわからないが、最高地点が山頂でない山はいくらでもあるし、やはり奥宮がある所を猪狩山として尊重したい。
それにしても、分岐が無い一本道だったからよいが、これが細かい分岐や獣道が入り混じる複雑な山だったらどうだろう?皆で勝手に上書きしあっていたら、「猪狩山はまだだと思っていたらもう過ぎていた」、あるいは「猪狩山を過ぎたと思ったらまだだった」というように他のハイカーに無用の混乱をもたらし、ひいては道迷いの誘因になるのではないか。恐ろしいことである。
奇しくも、この標識から一気に高度を下げる。ただの下りではなく、急降下で、しかも落葉がこんもり積もっている。落ち葉の下には木の根や岩が潜んでいる。本当に気が抜けない。彼方此方にロープが垂らしてあるのは要注意な証拠である。猪狩神社奥宮以降さらに落葉地帯の急降下。針葉樹林帯に入ると落ち葉が減って窮地を脱した感がある。
しかし、この先こそ前回山行で最も苦戦した「道がよくわからない」ポイントである。写真の所に地図をコピペして掲載してあるが、前回は猪狩神社里宮の南側にある尾根を下ろうとして、途中でやはり道がおかしいと思い、北側にトラバースしている途中で携帯を谷底に落とし、携帯を取りに崖をすべり下りていったら里宮があったというもやっとした結果だった。
林道と山道が接する所に標識があり、そこから慎重に道を探るように歩いていく。道は簡単に見つかり、「前回は積雪とか疲労とか焦りとかで道がわからなかったのかな?」とホッとする。そして、「前回は携帯を落として大変だったなあ」と感慨に耽りながら歩いていたのだが、ん?んん?やはり違和感が。地図を確認すると、何ということか、前回と同じく里宮南側の尾根を東進している?!急いで戻り正しい道を探す。携帯しているガーミンのゼンリン地図では、道は標識のある所から里宮方面へ北東方面に伸びている。上の方から見る分には道または踏み跡があるように見えたこともあり、意を決して地図上の道に沿って下ってみることとした。しかし、実際に足を踏み入れると、道とは言えない、少なくとも最近では誰も歩いていないということはすぐにわかる。それでも足元を探りながらジグザグに下りていくと、地面がしっかりした所、つまり正規の道にたどり着く。なんだ、道があるじゃないか。しかし、これで満足していてはいけない。道はあった。じゃあ、この道は標識の所からどのように続いているのかを確認しなければならぬ。下ってきたところではあるが、早速上り返す。
その結果、里宮南側の尾根をしばらく東進した後、北西方面に大きく左折して下っていくことが判明。曲がる箇所には向かって左側にピンクのビニール紐が木に結んであるのだが、色が薄すぎて全く目立たない。右側には真っ赤で目立つテープがあるが、下山進行方向を向くと木の反対側になって見えない。これは難しい。
国土地理院がウェブ上で公開している地図上の道が正しいルートである。
猪狩神社里宮にて無事下山できたことにつき、感謝の意を表する。
【四阿屋山】
一旦里に降りて四阿屋山へ。四阿屋山は3年ぶりくらいで、つつじ新道を麓から歩くのは初めてだ。近づくと、山頂に至る稜線がボトムからトップまでよく見える。それだけこじんまりした山だが、身がぎっしりと詰まっている。樹林帯の中を歩くと、風に吹かれて落葉がハラハラと雪のような降り方で落ちてくる。稜線の肩に乗ると岩場に突入。最初の岩場は久しぶりの標高差ある上りということで緊張しつつ上る。上るにつれて再度展望が開けてくるが、木々が生茂っているため、恐怖感は特に無い。以後の岩場は最初のものよりも楽で、鎖を掴まなくても問題なく登っていける。
そして久しぶりの四阿屋山山頂。西側両神山方面が開けており、今後、両神から尾根伝いにアプローチできないかと稜線伝いに視線を動かした後、昼食をとる。
来年も雪が積もっていなければ雲ひとつ無い青天下、歩いてこられるかもしれない。そう思った。
【小鹿野鉄砲祭り】
両神温泉に入浴後、50分ほどかけて飯田の八幡神社に移動し、鉄砲祭りを楽しむ。今年はいつになく来訪者が多かったように思う。川瀬神事では神饌の御赤飯を共にいただく光栄に浴し、この一日の素晴らしさと合わせてご祭神に深く感謝申し上げる。
飯田八幡前のバスは18時41分が最終だが、時折打ち上げられる花火を見ながら時間を潰す。19時頃に花火がボコボコ打ち上がる。遠くから来ている人はなかなか拝めないだろうが、冬の花火はぼやけず鮮明なので良い。
私は本当の終バス(小鹿野町役場20時28分発)に乗るため、19時30分過ぎに辞去したが、祭りを最後まで楽しむなら近くの宿に泊まるか、隣の学校が駐車場になるので車で来るのが良いだろう。
というわけで、朝、昼、夕、夜と盛りだくさんの一日が終わった。
冬の山行は寒さが厳しいが、それに見合うだけのものは得られる。日が短いだけに稼働時間は少なくなるが、コンパクトで内容が充実しているというのは山行に限らず何においても至高。今回の山行はまさに至高の結果を得られたものと満足している。
これをもって今年最後の山行とし、あとは余韻に浸ったり感想戦に耽っても良いくらいだが、まだ3週間残っているのでなかなか悩ましいところ。
ゆっくり休みながら考えることとしよう。
〜おしまい〜
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