風雪の根石&天狗岳越え(元日なのに一人ぼっちのオーレン冬季小屋泊、夏沢鉱泉⇒唐沢鉱泉へ温泉ハシゴ)


- GPS
- 10:22
- 距離
- 22.3km
- 登り
- 1,366m
- 下り
- 1,372m
コースタイム
12:13 駐車場
↓ (所要時間 0:53 )
13:06 醤油樽の滝入口
↓ (所要時間 0:13 )
13:19 天の岩戸
↓ (所要時間 0:24 )
13:43 桜平
↓ (所要時間 0:30 )
14:13 〜 15:29 夏沢鉱泉 休憩 1:16
↓ (所要時間 0:56 200m位行ったところで、夏沢鉱泉へ水汲みに戻る )
16:25 オーレン小屋(冬季無人小屋宿泊)
行動合計 4:12 (歩行 2:56 休憩 1:16 )
2014/1/2(木)
7:11 オーレン小屋
↓ (所要時間 0:28 )
7:39 〜 8:03 夏沢峠やまびこ荘(アイゼン装着、ピッケル取り出し) 休憩 0:24
↓ (所要時間 0:40 )
8:43 箕冠山 雪
↓ (所要時間 0:17 )
9:00 根石岳 雪
↓ (所要時間 0:34 )
9:34 天狗岳 雪
↓ (所要時間 0:31 )
10:05 中山峠
↓ (所要時間 0:05 )
10:10 〜 10:31 黒百合平 休憩 0:21
↓ (所要時間 0:15 )
10:46 渋の湯分岐
↓ (所要時間 0:34 )
11:20 〜 12:29 唐沢鉱泉 休憩 1:09
↓ (所要時間 0:23 3 )
12:52 林道で唐沢を渡った所
↓ (所要時間 0:05 唐沢鉱泉の車 )
12:57 駐車場
行動合計 5:46 (歩行 3:52 休憩 1:54 )
以下は計画
12:00 駐車場
↓ (所要時間 2:00 )
14:00 〜 15:00 夏沢鉱泉 休憩 1:00
↓ (所要時間 0:50 )
15:50 〜 6:00 オーレン小屋 休憩
↓ (所要時間 1:00 )
7:00 〜 7:10 峰の松目 休憩 0:10
↓ (所要時間 1:20 )
8:30 〜 8:50 硫黄岳 休憩 0:20
↓ (所要時間 1:00 )
9:50 夏沢峠
↓ (所要時間 0:50 )
10:40 〜 10:50 根石岳 休憩 0:10
↓ (所要時間 0:40 )
11:30 〜 11:45 西天狗岳 休憩 0:15
↓ (所要時間 1:00 )
12:45 分岐
↓ (所要時間 0:35 )
13:20 〜 14:20 唐沢鉱泉 休憩 1:00
↓ (所要時間 0:40 )
15:00 駐車場
天候 | 1/1;小雪 1/2;雪、稜線は急風、特に根石岳の吹き曝し部分は突風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
夏沢鉱泉側へ一般車は入っていません。唐沢鉱泉までは乗り入れていました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
樹林帯ではトレースははっきりしていますがところどころ風で消されている所もあります。 稜線の岩稜帯では風が強く、トレースも消えています。赤テープ等もあまりありません。根石岳の前後は特に風が強く、この日は冬型の気圧配置が強まっていたので飛ばされることもある位でした。(多分風速20m/s以上) 夏沢峠〜天狗岳はこういう天気では歩く人はかなり少ないようです。一方天狗岳以北は黒百合ヒュッテ等がある人気エリアなので、人も多くなります。 唐沢鉱泉への道のトレースは唐沢鉱泉が冬季休業になると無くなるようです。 アイゼンは夏沢峠から黒百合平まで装着しました。 |
予約できる山小屋 |
黒百合ヒュッテ
|
写真
装備
個人装備 |
アイゼン 1 12歯
ピッケル 1
手袋 3 厚、中厚、薄
ロングスパッツ 1 厚手
ストック 1 カーボン製軽量タイプ
オーバーズボン 1
オーバーヤッケ 1
タイツ 1
予備靴下 1
冬用シュラフ 1 モンベルダウンハガー#1
マット大・小 各1
EPIガスコンロ&寒冷地用ガスカートリッジ&ライター 1式
ヘッドランプ 1
テルモス 1
オーバーミトン 1
目出し帽 1
ゴーグル 1
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感想
――今日は元日だ、町の人々は僕の最も好きな餅を腹一パイ食い、いやになるほど正月気分を味っていることだろう。僕もそんな気分が味いたい、−−それだのに、それだのに、なぜ僕は、ただ一人で呼吸が蒲団に凍るような寒さを忍び、凍った蒲鉾ばかりを食って、歌も唱う気がしないほどの淋しい生活を、自ら求めるのだろう。――
(加藤文太郎「単独行」より)
この文は私が尊敬する加藤文太郎が昭和4年元日に当時無人の夏沢鉱泉へ泊った時のものです。
私も今回、夏沢鉱泉がいっぱいで宿泊できなかったため、オーレン小屋の冬季無人小屋へ泊りましたが、元日なので誰かいるかと思ったら誰もいなくて一人ぼっちで元日の夜を過ごすことになり、期せずしてこの文と同じ状況となり、実感として思い出されました。布団ではなくダウンのシュラフは持って行き、夕食はレトルトカレーをあっためて食べましたが。
外は雪が舞い、時折強風が小屋に吹きつけて音を立てていました。
元日はほぼ予定通り、12時過ぎに駐車場を出発し、雪の積もった林道を夏沢鉱泉の送迎車の通った跡をひたすら歩いてぴったり予定通り2時間で夏沢鉱泉へ到着、650円でタオル&湯上りのお茶付きで体を温めました。オーレン小屋は水がでていないとのことでここで水を2L補給し(実際には少し登った所で補給し忘れたことに気がついて、水汲みに戻りました)オーレン小屋へ登りました。
鉱泉を出た時は雪は止んでいましたが、登るにつれて本格的な雪になりましたがあと10分でオーレン小屋へ着くと思ってアウター等は着ないで頑張りました。
無人の冬季小屋は小屋の裏の窓から入るようになっていました。中は綺麗で布団も隅に畳んでありましたので、持参したマットは使わず、敷布団(冷えていてなかなか暖まらなかった!)を敷いてその上にシュラフ(モンベル・ウルトラライトスーパーストレッチダウンハガー#0)を敷きました。
翌日は午後から天気が良くなる予報でしたが、待ち切れず朝7時過ぎに雪が降る中を出発しました。
予定では峰の松目から硫黄岳へ登るつもりでしたが、出発を1時間遅らせたこと、天気が悪く、特に稜線はかなりの強風が予想されたこと、トレースがほとんど消えていたことから、これらをカットし、直接夏沢峠へ登りました。こちらは前日のトレースの上に10cm前後の新雪が積もっている程度で、壷足で普通に登れました。
夏沢峠ではやまびこ荘(営業中で3〜4人の方が泊っていました)の土間でスパッツとアイゼン、目出し帽を装着し、ピッケルも手に持って出発しました。
ここも前日のトレースに10cm前後の新雪が積もった道を進みました。箕冠山を通過するまでは樹林の中で時折風が当たる程度でしたが、根石山荘の分岐部分はたいへんな強風の吹き曝しで、立って歩くことができず、腰を屈めてストックとピッケルで3点確保して風に耐えながらゆっくりゆっくり前進しました。根石山荘から出発したと思われる踏み跡とピッケルを差した跡を時々見ました。
根石岳を通過したところでゴーグルを装着しましたが、眼鏡が曇ってしまいかえって歩きにくくなりました。本沢鉱泉への分岐の所もまたたいへんな強風で、この先天狗岳を無事越えられるかどうか、とても不安でした。
それでもだんだん風に慣れてきて、風にあおられながらも3点確保で天狗岳へ登っていくと、男女二人パーティーが降りて来ました。この二人は目出し帽もゴーグルも無し、ダブルストックでしたので、これを見てこの先がさっきの強風地帯ほどひどくないことがわかり、天狗岳を越えられると確信しました。
この辺りは距離が近いので、慣れてきたペースで登り続け、鎖場を登るとあっけなく山頂に飛び出しました。山頂はそれほどの強風ではありませんでしたが、相変わらず雪でガスっていて何も見えませんでした。
この調子で西天狗岳へ登るつもりで山頂標識の差す方向へ下って行ったのですが、前方に6人位のグループが先行していて、道標の場所に着くと、そこは天狗の奥庭への分岐で、ルートミスして中山峠方面へ縦走路を下っていることが分かりました。山頂の道標の向きがずれていたようです。戻ることも考えたのですが、天気が相変わらず悪いのでそのまま快適なトレースを黒百合平経由で唐沢鉱泉へ降りることに変更しました。
その先は人気のコースだけあって人が多くなり、先ほどの6人を抜き、さらに何人かとすれ違ったり抜いたりして(そのうち二人連れが根石山荘を出発して先行していた方々でした)あっけなく中山峠、黒百合ヒュッテへ到着しました。
渋の湯の分岐から先、唐沢鉱泉までトレースがあるかどうか心配だったのですが、立派なトレースがあり、登ってくる方3組ともすれ違いました。
下りは適度に踏み固められた新雪で夏道よりも快調に飛ばせて、あっという間に唐沢鉱泉でした。日帰り入浴700円で秘湯を守る会の温泉をゆっくり堪能しました。ここは夏沢鉱泉とは違って立派な温泉旅館、一般車も入れるようで、いつか泊ってみたいと思いました。ただ、1月中旬からGW前までは冬季休業なので、雪山を楽しむとしたらGWでしょうか。
しっかり除雪された道路を下っていくと、唐沢を渡った所で鉱泉宿の方の車が駐車場まで乗せてくれてました。ありがとうございました。
shigetoshiさん、あけましておめでとうございます
新年から気合が入ってますね
ちょっと天気は残念でしたが、下山すると晴れてくるというパターンは時々ありますね。
それにしてもオーレン小屋が貸切とは意外な感じですね。
加藤文太郎を尊敬されているのですね。
そういえば、shigetoshiさんは普通の人には真似できない歩き方をされますが、
加藤文太郎との接点がそのあたりにあるような。
今年も気合のレコを楽しみにしてます
shigetoshiさん、お疲れ様でした。
昨年、無雪期に同じようなコースを歩き、根石山荘付近の強風に負けて、あっさり天狗岳を諦めて退散したのですが、とても恥ずかしくなりました。
本年も、よろしくお願いします。
shigetoshiさん、こんにちは。
前日までのスキーとはうって変わって、ストイックな
元旦を過ごされたのですね。
私は1月に天狗岳から硫黄岳を往復したことがあるの
ですが、根石岳付近の風は硫黄岳山頂よりはるかに強く
難儀したことを思い出します。
頭は帽子しかかぶっておらず、冷たい風に殴られたよう
になり、慌てて完全防備でカバーしました。
冬山の強風は怖いですよね。
それにしても、年末年始はスキーに山にと縦横無尽
ですね
今年も驚きの山行、期待しています。
hirokさん、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。
オーレン小屋での元旦から一人の正月はさすがに寂しいものがありました。しかも外は吹雪いていて、一度小屋に入るととても出る気になれない状況でした(トイレさえ翌日の出発まで行きませんでした)
加藤文太郎は、私が大学を卒業して単独行を始めたころ、当時は単独行の参考になるものがほとんどなかったので、バイブルのような存在でした。今でこそ単独登山は一般的ですが、当時は今のように装備や食糧が軽量化されていなかったし、ほとんど単独登山者はいませんでした。
昨年は元日早々からスキーで怪我して出鼻をくじかれましたので、今年はその分気合が入って知るかもしれません
で、いきなり正月からスパートしてしまいました
sssさん、御無沙汰です。いつも拍手ありがとうございます。
こちらこそ、今年もよろしくお願い致します。
根石岳付近は標高がやや低く、西側の鳴岩川の源流部に位置しているので、西風の通り道になっているのでしょうね。根石岳であれだけの風が吹いていると標高の高い天狗岳はさぞかしひどいのではと心配しましたが、実際には天狗岳山頂はそれほどでもなく、黒百合ヒュッテ〜登ってくる初心者も結構いました。
引き返すことは勇気が必要ですよね。無理をせずに引き返したのは賢明な判断だと思います
私も引き返すべきだったかもしれません
youtaroさん、こんばんは。
今回は天気が予想以上に悪くて、結果的にストイックになってしまいました。
まあ、冬の八ヶ岳が風が強いことで有名ですから。
ただ、吹雪で視界が悪く、しかもゴーグルをすると眼鏡が曇ってそれが凍ってしまい見えなくなり、強風でかき消されたトレースを探すのが難しくなって、ほとんど感で進むような感じとなり、天狗岳の登りの状況は極めて厳しいものでした
頼みのGPSも外にぶら下げていたら雪がこびりついてしまい、カバーと液晶画面のあいだにも雪が入り込んでほとんど見えなくなり、危機感がありました
ただ、あの付近は次の山頂までの距離が近いので、助かりました。
shigetoshiさん、こんばわ
いつも賑やかな八ヶ岳ですが、この日ばかりは少し人が少なめだったのでしょうか?
人気の山域なのに小屋に一人は珍しいですね。
それにしてもとっても寒そうです。
小屋内での温度はどのくらいなのでしょう???
室内で−10ぐらいでしょうか???
元旦からの連続登山、お疲れ様でした。
本年度もよろしくお願い致します
aottyさん、こちらこそよろしくお願いします
オーレン小屋は冬季休業中で、冬季無人小屋が空いていることを知っている人が
少ないのではないかと思います。
また、周りに夏沢鉱泉ややまびこ荘、根石山荘等、営業している小屋がすぐ近くにあるので、
わざわざ寒くて自炊の小屋に泊まる人も少ないと思われます。
私も、夏沢鉱泉に泊まりたかったのですが、団体が入っていたようで、事前にHPを確認したら
満室だったので、オーレン冬季小屋にしました
小屋の中は-6〜7℃位(外と同じ)、稜線で-9〜10℃くらいでした。
何年か前に購入した冬用の寝袋を本格的に寒い雪山で使ったのは今回が初めてでしたが、
快適でした
shigetoshiさん、こんばんは
フォロー情報にshigetoshiさんのレコが1件も入っておらず、発見が遅れてしまいました
夏沢鉱泉の道を歩かれたのですね!
オーレン小屋では私も休憩を取りました。写真
唐沢鉱泉は、なかなか雰囲気が良さそうで…実は今度のお休みに唐沢鉱泉に泊まるんです
出掛ける前にお写真を拝見出来たのでテンション上がっています
今年もshigetoshiさんのご活躍を楽しみにしております!
私も見習って、少しずつでも距離を伸ばせたらと思います。
本年もよろしくお願い致します(^^)
pippiさん、明けましておめでとうございます
今年もよろしくお願い致します
オーレン小屋でのまさかの一人ボッチには参りましたが、
唐沢鉱泉は普通の泊り客もたくさんいる立派な温泉旅館で、
お風呂も広くて綺麗でぜひとも泊ってみたいと思いました。
今週末にここに泊る予定とは偶然ですね
多分今週末が最後で冬季休業にはいるはずなので、唐沢鉱泉に
泊って冬山を堪能できる最後のチャンスです。
pippiさんの日立アルプスのレコは拝見しました。
この時期に日帰りで30km以上の距離を歩くなんて、十分健脚ですね
今年もpippiさんの鳥や花の解説楽しみにしております
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