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記録ID: 4008680
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ハイキング
京都・北摂

比叡山、夏目漱石の道(松尾坂)

2022年02月18日(金) [日帰り]
 - 拍手
GPS
--:--
距離
10.4km
登り
792m
下り
829m

コースタイム

日帰り
山行
3:07
休憩
0:08
合計
3:15
12:08
51
12:59
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32
13:31
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7
13:54
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3
13:57
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10
14:07
14:15
25
お地蔵さんのある展望地
14:40
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14
14:54
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14
15:08
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15
15:23
天候 曇りときどき雪
過去天気図(気象庁) 2022年02月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車
(登山開始)叡電八瀬比叡山口駅
(登山終了)叡電修学院駅
コース状況/
危険箇所等
松尾坂は倒木多し。通れないほど重なっている地点には、迂回する道がある。
冬季、比叡山山頂付近はアイゼン必須。
叡電八瀬比叡山口からスタート。夏目漱石『虞美人草』は、二人の登場人物が比叡山に登る描写から始まっている。描写されている内容から、この八瀬駅そばの高野川から登山を始めていると推測できる。八瀬駅は大正14年(1925年)の開業であって、漱石の小説が連載された時(明治40年)にはまだ通っていない。
2022年02月18日 12:05撮影 by  Canon PowerShot SX420 IS, Canon
1
2/18 12:05
叡電八瀬比叡山口からスタート。夏目漱石『虞美人草』は、二人の登場人物が比叡山に登る描写から始まっている。描写されている内容から、この八瀬駅そばの高野川から登山を始めていると推測できる。八瀬駅は大正14年(1925年)の開業であって、漱石の小説が連載された時(明治40年)にはまだ通っていない。
八瀬から比叡山に登る道は、松尾坂である。ケーブル比叡駅のそばから登り始める。ケーブルは現在冬季休業中。
2022年02月18日 12:08撮影 by  Canon PowerShot SX420 IS, Canon
2/18 12:08
八瀬から比叡山に登る道は、松尾坂である。ケーブル比叡駅のそばから登り始める。ケーブルは現在冬季休業中。
登山口。横にケーブルの鉄道が通っている。学校グランド脇の金網に沿って歩くと、鉄製の階段が据え付けられている。階段を登り切った先に登山道が続いている。
2022年02月18日 12:09撮影 by  Canon PowerShot SX420 IS, Canon
2/18 12:09
登山口。横にケーブルの鉄道が通っている。学校グランド脇の金網に沿って歩くと、鉄製の階段が据え付けられている。階段を登り切った先に登山道が続いている。
浄刹結界跡。比叡山延暦寺に登る各道のはじまりには、女人と牛馬の登山を禁ずる結界が設けられていた。NHKドラマ『宮本武蔵』(昭和版)で比叡山に登った武蔵を訪ねようとしたお通が、この結界から先に入れず武蔵に会えなかった。
2022年02月18日 12:33撮影 by  Canon PowerShot SX420 IS, Canon
2/18 12:33
浄刹結界跡。比叡山延暦寺に登る各道のはじまりには、女人と牛馬の登山を禁ずる結界が設けられていた。NHKドラマ『宮本武蔵』(昭和版)で比叡山に登った武蔵を訪ねようとしたお通が、この結界から先に入れず武蔵に会えなかった。
地蔵の先を進む。
2022年02月18日 12:41撮影 by  Canon PowerShot SX420 IS, Canon
1
2/18 12:41
地蔵の先を進む。
少し雪があった。全くの新雪で、今日の朝に降ったものだろう。最初に足跡をつけた。たぶん明日には雨が降って雪はなくなってしまうだろう。
2022年02月18日 12:50撮影 by  Canon PowerShot SX420 IS, Canon
2/18 12:50
少し雪があった。全くの新雪で、今日の朝に降ったものだろう。最初に足跡をつけた。たぶん明日には雨が降って雪はなくなってしまうだろう。
いったん登り詰めると、西山峠の墓地が左手に見える。墓地に沿った道が延びているが、山頂に行く道ではない。墓地に入らずに進み、峠を降りて林道を登り返す。
2022年02月18日 12:59撮影 by  Canon PowerShot SX420 IS, Canon
2/18 12:59
いったん登り詰めると、西山峠の墓地が左手に見える。墓地に沿った道が延びているが、山頂に行く道ではない。墓地に入らずに進み、峠を降りて林道を登り返す。
高度を上げると、そこそこに積もっていた。1月の大雪のときほどではなかった。
2022年02月18日 13:13撮影 by  Canon PowerShot SX420 IS, Canon
2/18 13:13
高度を上げると、そこそこに積もっていた。1月の大雪のときほどではなかった。
登った先は、鎮護国家碑の前に出る。比叡山の本道に合流。
2022年02月18日 13:31撮影 by  Canon PowerShot SX420 IS, Canon
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2/18 13:31
登った先は、鎮護国家碑の前に出る。比叡山の本道に合流。
山頂に向かう。表面は新雪におおわれているが、その下はカチカチに凍っていた。ここからアイゼンを着用。
2022年02月18日 13:38撮影 by  Canon PowerShot SX420 IS, Canon
2/18 13:38
山頂に向かう。表面は新雪におおわれているが、その下はカチカチに凍っていた。ここからアイゼンを着用。
大比叡山頂。このとき山頂付近は雪雲の中で、粉雪が降っていた。
2022年02月18日 13:54撮影 by  Canon PowerShot SX420 IS, Canon
2/18 13:54
大比叡山頂。このとき山頂付近は雪雲の中で、粉雪が降っていた。
山頂直下のベンチで、熱い紅茶を飲んで一休み。雪雲は晴れて、向こうの北山が再び顔をのぞかせ始めた。
2022年02月18日 14:07撮影 by  Canon PowerShot SX420 IS, Canon
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2/18 14:07
山頂直下のベンチで、熱い紅茶を飲んで一休み。雪雲は晴れて、向こうの北山が再び顔をのぞかせ始めた。
2022年02月18日 14:08撮影 by  Canon PowerShot SX420 IS, Canon
2/18 14:08
雲の晴れる姿を堪能して、下山。
2022年02月18日 14:15撮影 by  Canon PowerShot SX420 IS, Canon
2/18 14:15
雲の晴れる姿を堪能して、下山。
雲母坂を降りて、修学院駅に。麓の京都市街は、朝方の雪もすでに去っていた。
2022年02月18日 14:40撮影 by  Canon PowerShot SX420 IS, Canon
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2/18 14:40
雲母坂を降りて、修学院駅に。麓の京都市街は、朝方の雪もすでに去っていた。
撮影機器:

装備

個人装備
長袖シャツ ズボン 靴下 雨具 日よけ帽子 ザック 昼ご飯 飲料 地図(地形図) コンパス 予備電池 筆記用具 ファーストエイドキット 携帯 時計 タオル ストック カメラ ヘッドライト ダウンベスト アイゼン セーター

感想

夏目漱石の小説『虞美人草』の冒頭は、主要登場人物の甲野君と宗近君の二人が比叡山登山を試みる描写から始まる。本筋とはあまり関係がない紀行文的なくだりであるが、二人が比叡山の風景についてああだこうだと書生論をぶって、頭でっかちの若者たちの物語がこれから始まることを予告する。二人はふもとの平八茶屋(令和のいまも現存している)から高野川に沿って歩き、川を渡って登山を始める。そこまでの描写から見て、おそらく描かれているのは現在のケーブル八瀬駅前から山頂につづく松尾坂であろう。ただ現在の松尾坂は半分林道を進むので、漱石が小説を書いた明治末年ごろの道とは多少違っていると思われる。二人が出会う大原女(おはらめ)も、今はもういない。大原女は、京都市中に山で切った炭を売り歩く行商を生業としていた。石炭石油がまだない時代においては、山の木々が日本人にとっての油田であり炭田であった。京都市中の燃料は、比叡山ほか京都周辺の山々から切り出した炭で賄われていたのであった。

松尾坂はあまり知られていないが、登りやすい道である。今日は出会わなかったが、ときどき鹿の群れにでくわすことがある。春になればウグイス、梅雨の頃になればホトトギスの鳴き声を聞くことができる。今日は早春の雪の中を歩いたが、小説の登場人物たちは春たけなわの比叡山を汗をかきながら登って行った。

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