能勢三草山と竜王山の周回
- GPS
- 03:30
- 距離
- 7.4km
- 登り
- 480m
- 下り
- 480m
コースタイム
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
道はよく踏まれているが、分岐や取り付き点に一部はっきりしない箇所あり |
その他周辺情報 | 能勢温泉 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
|
---|
感想
大雪の今年は3月に入っても山にはたっぷりの雪がある。先週の4日には好天を予想して休暇を取り、わかさ氷ノ山スキー場を起点に三ノ丸、氷ノ山、そして氷ノ山越えを巡って素晴らしい雪中行脚を楽しんだ。三ノ丸付近はまだ2メートル以上の積雪があり、雪は締まって素晴らしい山行となった。そして今週水曜日の9日には再び休暇を取り、孫のスキーデビューを氷ノ山国際で果たしたのだった。年度末が目前となっての強制消化の年休が、実に有効に活用できたのである。
我々はいろいろあって10年以上スキーから遠ざかっていたので、長く休眠状態にあったスキー板やらスキー靴が果たして大丈夫なのか、という不安や、そもそも自分がちゃんと滑れるのだろうか、といった根本的な疑問を抱えてのスキーだったが、この心配が現実となり、asakinuが現地でスキー靴に履き替えるやいなや、靴底がぼろりぼろぼろと砕け散った! ま、滑る前でよかったと思うことにして、レンタルでしのぐことに。そして、長い緩斜面をほとんど転んで下まで降りた孫は、二度目にはプルークボーゲンで滑り降りるまでになった。ってな具合で曲がりなりにも順調に遊んだのはいいが、さすがに疲れがたまってきた。そんな折、雪にはひかれながらもここは軽いハイキングにしておいたほうが無難だろうと判断。しかも今日の最高気温は20℃に迫ろうという勢いだ。あんな積雪が一気に融けるとなると、積雪のある山はちょっと大変そうである。そこで、行き先はのどかな山村に囲まれた北摂の里山へ。
ターゲットは三草山。この山には1960年代半ばに一度来たことがある。小学校6年の時だ。この地を東限とするヒロオビミドリシジミを採りに、西側の上阿古谷から集落裏手のナラガシワ林に入ったのだ。今日は東側の長谷集落から、慈眼寺下に車を置いてのアプローチとなる。慈眼寺の脇から農道を緩やかに登っていく。途中で農道の分岐の見定めを誤って山側に入り込んでしまい、軌道修正をする。「登山口」まではあくまで谷間を行くようにしないといけない。「登山口」には立派な看板が立ち、しっかりした山道が尾根に向かってつけられている。鞍部に達すると、反対側の斜面はナラガシワを含むクヌギ林。その緩やかな傾斜と木々の様子が、一気に55年前の記憶をよみがえらせた。ここだ! そう、今では「ゼフィルスの森」の名が付されたこここそ、ヒロオビミドリシジミの発生地である。ゼフィルスはギリシャ神話の西風の神のことだが、ミドリシジミの類はかつてその名を冠するZephyrus属に分類されていたことから、そう総称されている。この鞍部に立つ紹介看板には、この地に産するゼフィルスが10種を数えるとあり、ヒロオビミドリシジミ、ウラジロミドリシジミ、ウラナミアカシジミ、ミズイロオナガシジミ、ウラゴマダラシジミ、アカシジミの六種のきれいな写真が載せられている。登山口の看板にはウラミスジシジミ(ダイセンシジミ)も産するとあったので、あと3種居ることになる。何だろう。ミドリシジミ、オオミドリシジミはいるとして、あとの1種はウスイロオナガシジミかウラキンシジミか。
さて、肝心の山行に話をもどそう。ここからは緩やかに雑木林の中の明るい道を辿り、稜線を外さずに進めば間もなく広々とした三草山の山頂に達する。西と南に展望が開け、深呼吸したくなるすがすがしい雰囲気なのだが、あいにく白く霞んでしまっている。それでも今シーズンにリハビリで登った大船山、有馬富士、羽束山などの近隣の山々はかろうじてそれと同定可能である。
ここから西北西に尾根を下り、林道が交叉する才の神峠に至る。ここには江戸時代の石柱が残る。左前方へと延びる平坦な林道を選び少し進むと、左手斜面にすっかり枯れてしまった栗林(畑地)を見て、次の鞍部に出る。ここで昼飯だ。今日は4月の陽気で、汗をかいた上半身も休憩中に冷えることなく、春を実感する。昼飯を終えたら、「進入禁止」と縄のかかった林道にわずかに入り、そこから右前方に延びる作業道に進む。尾根の突端を回り込んだところ、右の尾根側に、にぎにぎしくテープマーキングが施されている。よく踏まれた作業道から離れてこのテープの導く方角へ踏み込む。結局、右手の尾根を忠実に辿ることになり、植林帯を登ってゆくと、次第に周囲に大岩が目立つようになってくる。ここまでくれば、竜王山の山頂は間近である。国土地理院地形図には滝王山と記載されていて、山頂の比較的新しい山名板にも滝王山と書かれているが、このサンズイがきれいに消されている。山頂を越えて下がったところには割れた巨岩の上に小さな社が祀られ、この周囲に3つほど古い山名板があるのだが、いずれも竜王山と書かれている。地元では竜王山と書くのではないかと推察し、ここでは竜王山の名を使うことにする。
竜王山を降り切ってわずかに登り返すと四等三角点「長谷」である。この先の鞍部から東に下ってゆくが、その道はすぐに左にカーブしてついている。いくらか下るとセメント舗装となり、左手に八坂神社の鳥居を見る。そしてすぐに長谷の集落の最上部にでる。ここからは長谷の棚田が一望され、右手には三草山の均整の取れた姿が大きく臨まれる。きれいに整えられた大きな百姓家の間を下って、山の裾を巻くようにつけられた舗装道路を淡々と進めば、前方に慈眼寺が見えてくる。こうして遊び通しの一週間の最後の「〆」は、穏やかな春の陽だまりハイクを楽しむ一日だった。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する