野坂岳(茶屋谷山北東尾根〜井ノ口川左岸尾根)☆快気祝いは憧憬の雪稜へ
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- GPS
- 09:00
- 距離
- 14.7km
- 登り
- 1,026m
- 下り
- 1,049m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・茶屋谷北東尾根は登りだして直ぐにもS.S.装着。下部を除き雪はよく締まっている。・尾根の上部と野坂南尾根はブナ一色。野坂平と山頂は大雪原と化し、よく締まっている。 ・特筆すべきは、井ノ口川左岸尾根P744以北はブナの巨樹が群生し、点標芦谷から展望がよい大雪稜が続く。・点標萱谷以北は灌木の枝が煩い、踏み抜きが多発し賞味期限間近。 |
写真
ナツツバキかな?この曲線が堪りません u
リョウブとナツツバキの違いをウリ大先生に教わりました。それで違いは判ったかというと。。。う〜ん、どうでしょう💦 h。 また議論しましょうn
感想
四日前に、ラストチャンスとばかりに野坂岳の井ノ口川左岸尾根を歩いてきた。そしたら皆さんからは抜け駆けをしたと責められてしまう。しかし今日の主役のuriuriさんの鶴の一声、hanaさんとizumiさん女性陣達のリクエストにお答えして、今度は逆回りで歩こうということになった。感想は前回のレコに書いているので皆さんにお任せします。
uriさんの快気祝い雪山山行は、心配した空模様も午前中は時々陽も差し、穏やかな楽しい登山となった。このコースの見どころは、茶屋谷山の東尾根から野坂平までの壮麗なブナ林、及びP744から続くブナの巨樹の疎林。それと点標芦谷から萱尾間の1kmに渡る爽快な雪稜歩き。これらに尽きると思う。来期にも青空の下で再訪してみたいものだ。yamanekoさん、yamaizumiさん、美味しいランチをありがとうございます。simonさんは前日の上谷山ロングの後のご参加でした。皆さんお世話になりました。
ようやく左手のギプスが取れた。
今回ケガの状態や治療方法についてたくさんのアドバイスをいただいたyamanekoさんに直ぐにその旨を報告した。
すると早速にも山行にお誘いくださる。快気祝い山行にと。
患部周囲には痛みが残っており十分に力を入れることができない。「快気」にはほど遠い何とも頼りない感覚の左手である。何かの拍子に不意に手をついたりしてしまうことの不安感が大いにある。そうお伝えすると、距離や難易度を抑えたリハビリに適したルートをご提案くださった。
そしていつものメンバーが集まってくださることになる。久しぶりに皆さんにお逢いできるのが心から嬉しい。さらにsimonmasakiさんと初めて山行をご一緒するのも楽しみだ。
当日朝、集合場所の野坂いこいの森で再会しご挨拶を申し上げると、皆さん私の復帰を喜んでくださった。
車2台に分乗して山ルートの登山口へと移動する。私はyamanekoさんの車に乗せていただいた。
ところが、いざ歩き始めようという段になって大事なものを自分の車に置き忘れてきたことに気がつく。スマホが無い。これは大失態だ。
いつも山行時には写真撮影もルート確認も全てお任せしている、命の次の次の次ぐらいに大切なiPhone。取りに戻らせていただくのは心苦しいので、そのまま山行を始めることにした。今日は写真が撮れないな…なんだか心細いし寂しいな…。
さて今回は山ルートの鉄塔尾根ではなく、その南側の茶屋谷山北東尾根を辿るという。初めて踏む冬季積雪期限定のこのルートは、序盤の急登さえクリアすれば後は緩やかに登り上げてゆく山毛欅を中心とした自然林の美しい尾根だった。山毛欅の麗樹とのツーショット写真を撮って下さいとnaojiroさんにおねだりした。
主稜線に乗ったら茶屋谷山をピークハントしたのちに野坂岳へ向かって北上する。だらだらと辛い上り坂が続くが、何度訪れても素晴らしい山毛欅の美林に元気づけられる。いつもはトラバース気味に登山道を歩いているため素通りしてしまっていたp797へとyamanekoさんが誘導してくださる。ピークに聳え立つシンボリックな山毛欅の大樹を皆んなで見上げた。
山頂の手前の野坂平へとたどり着く。無雪期にはリョウブを中心とした灌木帯なのだが、積雪によって全く樹木の無い平坦で綺麗な雪原となっている。この光景を観ることが叶って嬉しく思う。
ここにザックをデポして野坂岳山頂へと登頂する。360°の大展望が広がるが生憎今日は霞みが強かった。
「前回1ヶ月前はここまで雪に埋もれてたんですよ」とsimonmasakiさんが山座同定の方位盤の最も上の方を指差して教えてくださったが、すでにこの日はその全容が現れるほどに雪解けが進んでいる。やはりギプス治療を開始したあの日にご一緒出来なかったことを悔しく思う。
野坂平へ戻り、西尾根へと少し下りかけたところで風の当たらない場所を見つけランチ休憩にする。今回もyamanekoさんyamaizuさんご夫妻が山メシを拵えて振る舞ってくださった。いつもご馳走になってばかり。念願のhanaさん手作り夏蜜柑入りパウンドケーキも頂戴した。ご馳走さまでした。
昼食を終えるといよいよ本日のメインイベントの始まり。まずは西尾根を下ってゆくのだが、かなりの急坂を一気に標高を下げることになる。この急峻な尾根を4日前にnaojiroさんはお一人で登られたのか!凄いなぁと皆なで感心する。
シャーベット状の雪道、しかも急坂の登り降りはただでさえ神経を遣うものだが、左手が本調子でないのでどうしても全ての動作が怖々・恐る恐るになってしまう。先を行くhanabanaさんが振り返っては「ウリさん大丈夫?」と声をかけてくださる。
背後からはsimonmasakiさんが静かに見守ってくださっている。前日にも20kmを越えるロング雪山山行をこなして来られたばかりの圧倒的な健脚の持ち主。なんて心強いのだろう。
やがて尾根の勾配は緩やかになっていく。すると山毛欅の美林へと誘われてゆく。わぁなんて素晴らしいところなんだ!と声を上げてしまう。
「ウリさん、いいでしょう、敢えて黙っておいたんですわ」とnaojiroさんが後ろでニヤリと笑みを浮かべておられる。
山毛欅の尾根道は右にカーブしながら北へ進んでゆく。そして緩やかに少しずつ登ってゆくと、そこだけ樹木の無い真っ白な雪の稜線へと飛び出した!四等三角点・芦谷のあるこの場所こそnaojiroさんの仰る「憧憬の雪稜」であった。360°の眺望に見惚れて言葉を失ってしまう。本当に素晴らしい!
ここで6人揃っての記念写真。yamanekoさんは最初からこの場所で撮影しようと目論んでおられたようだ。
無雪期は超激ヤブ地帯の、冬季限定のこの素晴らしい雪稜を、敦賀の街や美浜湾の絶景を俯瞰気味に眺めながら、名残り惜しくも徐々に標高を下げてゆく。そしてその後は長い長い尾根道を下っていくことになった。
下山の道中のこと、ヤマレコアプリに連動している「いまココ」は遭難対策には中々優れものですよ、なんてhanabanaさんと雑談していると「今日は山行の軌跡データが飛んで来ないからご家族は心配されてるでしょう?」とyamaizuさんが気にしてくださる。そういえば以前yamaizuさんとは「いまココ」の話をして、タフな山行にお独りで出かけられることも多いyamanekoさん向けにお薦めしていたことを思い出す。その後お使いになってみられたのだろうか。
しかし今回のようにスマホを忘れてしまっては文明の利器のメリットも活かせない。大反省だ。また山行のたびに軽く100枚200枚と撮ってしまう写真も撮れず終い。山も雪も山毛欅も眺望も素晴らしかったのに…残念無念だ。
だが却って余計なことに執われずにシンプルに純粋に山を愉しむことが出来たという充実感がある。
iPhoneのアルバムに写真は一枚も残せなかったけれど、この日に出遭った数々の素敵な風景は、ご同行の皆さんから頂戴した溢れんばかりの優しさが添えられて、我が心のアルバムの中にいつまでも焼き付いて色褪せることはないだろう。
皆さま本当にありがとうございました。
この日の前日の土曜日、山に行ってました。
下山してスマホをチェックしたらyamanekoさんよりメッセージ。
uriさんの手のギブスが取れたので快気祝いの軽めの山行のお誘い。
ヤッタ〜uriさんギブス取れたんだ、良かった♪
2日続けての山行は私にはキツいのですが、これは参加しない訳にはいきません。
参加させていただきますと返事したものの本当に軽めなの?と。。。
まぁyamanekoさんプロデュースの山行にしては軽めだったのでしょうか😅
uriさんの左手はギブスが取れたとはいえテーピングがまだ痛々しい。実際まだ痛みがあるそうです。
バランス感覚が全然ダメな私は、片手が不自由な状態で雪山を歩くのは絶対出来ないなぁ💦
流石uriさんなのです。
simonさんとは前日に山でバッタリ。
この日御一緒する事になろうとは。ホント笑っちゃいますね。
しかもsimonさんは前日私とは比べものにならないくらいロングを歩いてらっしゃるんですよね。あの距離を歩いて2日続けての山行。タフ過ぎます😲
かくいうnaojiroさんもしれっと前日歩いてらっしゃる。
そんな事は一言も言わないでひょうひょうとしてらっしゃるんですもん。
そして今回のコースの逆をひとりで歩いてらっしゃるんですよねー。
あの藪をひとりで抜けられんだ。凄いな。
yamanekoさんも前日歩いてらっしゃいますが、yamanekoさんはいつもの事ですから。。。
そしていつもの事ながらyamanekoさんは先頭を的確なルート取りでサクサク歩かれる。
奥様のyamaizuさんはその後をピタッとついて行かれる。
そしてその後を遅れがちにゼイゼイいいながら必死についていく私。。。
今回のコース、ブナは素敵ですし、普段見る事のない裏側?の野坂岳は面白い。
下山の尾根は美浜の奇麗な海を眺めながら空中を歩いているよう。
今回も一般?の方は歩かれないようなひと味違ったコース。特別感満載です。
充実したとても幸せな一日を過ごせました。ありがとうございました〜(´∀`*)
今回お誘い頂いたプランを見たとき、こんなルートがあるのかと興味津々に地形図を眺めました。
敦賀の山を熟知しているnaojiroさんはバリエーションに富んだルートをご存じで、このルートも普通の人ならば敬遠するのではないでしょうか。
自分1人なら行くかどうか躊躇するところですが、ベテランメンバーに同行させてもらうということで、非常に心強い。
僕としては、昨日のスノーハイクで両足は筋肉痛になっており健脚の皆さんについて行けるか心配でしたが、以前、山でお会いしたuriuri4211さんとも初めてご一緒できるということで、楽しみでもありました。
そのuriuri4211さんは左手首をケガしてやっとギプスが取れたとのこと。
僕も2年前に登山で右手を骨折したことがあるので、左手をかばいながら登るuriuri4211さんの不安は手に取るように感じられました。
やがて雪上ハイクが始まると、この日も気温が高くやっぱり雪はグサグサ。
ズルズル滑りながらも尾根を登っていくと、しんどさを忘れさせてくれる展望が広がった。
積雪のおかげで視線が高くなり、周囲が良く見える。
これがあるから雪山はやめられない。
・・・とは言え、春はすぐそこ。
斜面の雪は割れ、根開きは進み、ブナの木にタッチするとなんだか温かい。
樹が枝先に新芽をつけ、マンサクが花を咲かせており雪山シーズンは終盤。
野坂岳にはいろんなルートがあるのですね。
西斜面に大きな滝があることも初めて知りました。
やっぱりベテラン選手との山行は新しい発見が多いですね。
いつもyamaneko0922さんとyamaizuさんが作って下さる山メシは絶品。
僕が同行させてもらっていることで、皆さんの分け前が以前より少なくなったのではないかと申し訳ない気持ちになるのですが、山メシを口に入れた瞬間にそんなことは忘れてしまいます。
いつも元気なhanabana31さんは昨日に引き続きスノーハイクの連チャン。
しかも2日とも僕と同じ山へ登っているということでなんか笑っちゃいます。
灌木地帯では、姿が見えないところから聞こえてくるhanabana31さんのはしゃぎ声には僕も笑顔になりました。
この山行もアップダウンが多くハードでしたが楽しかったです。
お誘い頂きありがとうございました。
uriuriさんのギプスがついに取れる日が来た。土曜日の方が天気が良いのだが、生憎、岡山への出張の仕事が入っている。いつもの山行のメンバーにご都合をお伺いする。皆さんは土曜日に山行に出かけておられたようだが、他ならぬuriuriさんの快気祝いの山行とあってか、前日の山行の疲れをものともせず、お付き合い頂けることになった。
以前、二年前の積雪期に野坂岳から三国山を経て赤坂山に縦走した時のこと、野坂岳の山頂から西側を望むと気持ちの良さそうな自然林の吊尾根とその先に広がる雪稜が目に入る。この野坂平から西尾根から井ノ口川左岸へと続いてゆく尾根は現在では三方群と敦賀市を境界する尾根であるが、三国山から続く若越国境尾根の続きであり、尾根の先にある関峠はかつて国境に設けられた関を意味する。
以来、いつかこの国境尾根を辿りたいと思っていたのだった。その後、一昨年、昨年と降雪が少なかったこともあり、ニノ足を踏んでいたのだが、今年ことはと機会を伺っていた。
この野坂岳の西尾根を辿る山行計画は1月にも山行計画の候補として挙げさせて頂いたが、その時は湖北の賎ヶ岳から有漏神社を経て琵琶の湖辺を歩く山行が優先されることになる。その後、uriuriさんが手の骨を骨折され、雪山の山行にお付き合い頂くことが難しくなるのだったが、uriuriさんが怪我から快復された暁には、山行の距離としては短いこともあり、格好のコースだと思っていた。
庄部谷山から野坂岳への縦走の山行をした際、次はこの野坂岳の西尾根の周回を・・・ということをnaorjioさんにはお伝えしていたのだったが(メッセージを送信したのがおそらくnaojiroさんが呑んでいる時間だったのが悪かったかもしれない。)、uriuriさんからついに骨折部を固定するギプスが取れたというご連絡を頂いたので、この山行をご提案すると「そこはnaojiroさんが三日前に行かれたばかりですよね」・・・なんと!
ということであらば逆周回にして、なおかつ登りのルートをいこいの森からのメジャー・ルートでなく、茶屋谷山の北東尾根(荒谷右岸尾根)というヴァリエーションを加えての山行計画を提案させて頂く。当初の思惑よりも長いコースにはなったものの、コース自体は却って魅力的に思われる。
この山集落から茶屋谷山にダイレクトに登る尾根は、上述の野坂岳から三国岳に縦走した際に前日に小浜の山岳会の方達がこの尾根を登って芦谷山まで往復しておられたようで、尾根に突然、多人数のトレースが現れたので驚いたのだが、ここも尾根から見下ろすと快適そうなブナの疎林がなだらかな尾根に続いており、気になっていたところであった。これもnaojiroさんのお陰とも言える。
週初めの予報ではこの日は夕方から雨の予報であったが、前日になると雨の予報が消える。しかし、日本海側の低気圧に向かって湿った風が吹き込むので晴れ空は期待出来ないだろう。
野坂いこいの森の駐車場で待ち合わせて、車二台で山コースの駐車場に向かう。黒河川はいつになく水量が多く、茶色く濁った雪解け水が轟々と音を立てて勢いよく流れている。車を降りると早速にも生暖かい南風が吹き付ける。風が過ぎ去った後には体にまとわりつくような湿りを帯びた空気が漂っていた。
荒谷の林道に入ると早速にも雪が残っている。先に進むにつれ雪が深くなり、ツボ足では脛まで沈む箇所が多いが、雪が切れる箇所が多い。荒谷の右岸の斜面に取り付くと最初は急斜面ではあるが、薄い踏み跡を繋いで斜面を登ってゆく。
尾根に乗ると歩きやすい自然林が広がっている。尾根上には薄い踏み跡が続いている。まもなく雪が現れるようになると雪の上には数日前のものと思われるワカンのトレースの跡がある。
三角点△422.0mの雨谷を過ぎたあたりでようやく足元の雪が繋がり始める。雪の下からは所々でユズリハが顔を出しているが、無雪期にはユズリハの藪が広がっているのは想像に難くない。
やがて標高が500mを越えたあたりから尾根上にはブナが現れ始める。雲の合間から時折、淡い日差しが差し込み、雪面を明るく輝かせると、樹々も微笑むように思われる。
右手には立ち並ぶ送電線の下で広く刈り払いされた山コースの伐採斜面の雪稜が見える。山コースは展望は良いのだろうが、登りは明らかにこちらの尾根より急峻だ。naojiroさんは藪のきつい無雪期にもこの尾根を登っておられるが、快適に歩くことが出来る積雪期ならではコースと云えよう。そして、何よりも尾根に広がるブナの疎林の林相がいい。
尾根の左手には随所に好展望が広がり、芦原岳から乗鞍岳にかけての国境稜線を眺めながら高度を上げてゆく。背後を振り返ると夕暮山の上に岩籠山の雪原が目に入る。
尾根を登るにつれ立派なブナの高木が多くなり、その樹影を楽しむうちに気がついたら若越国境稜線に近づいていた。
尾根を南に歩いたところが茶屋谷山のピークに立ち寄る。GPSで確認しないと尾根を縦走した際には気がつかずに通り過ぎてしまうようなところだ。一つ南のピークの方がわずかではあるが標高が高い。
茶屋谷山からは国境稜線を北上して野坂岳に向かう。無雪期はユズリハの藪が広がるところであるが、藪は積雪の下に隠れている。朝の風が嘘のように穏やかであり、時折、暖かいそよ風が春の気配を運んでくるようだ。
尾根から左手に好展望が広がるが、彼方には横山岳や上谷山が辛うじて見える程度だ。その右手には金糞岳や伊吹山も見える筈ではあるが、伊吹山地の稜線は完全に霞の中だ。しかし、この茶屋谷山から野坂平にかけての尾根の魅力は展望ではなくブナの樹々に尽きるだろう。思わず畏敬の念を抱くような存在感のあるブナの大樹が次々と現れる。
前回歩いた時には数多くのトレースがあったが、数日前のものと思われるトレースは黄砂によると思われる雪の上の規則的な汚れがトレースがあったことを物語っているばかりだ。山コースとの分岐に到着すると前日のトレースがあるものと思っていたが、真新しいトレースが見当たらない。雪が融けたせいでトレースが不明瞭になったのか、実際に誰も歩いていないのか。
p797のピークは樹高の高いブナの樹に囲まれた雰囲気の山頂広場があるが、そのn西側には一際高いシンボリックなブナの樹があり、このブナの樹にご挨拶をしに行くことにする。ブナの回廊を抜けると、広々とした雪原の広がる野坂平に到達する。背後には庄部谷山からの芦谷山への尾根の展望が一気に広がり壮観だ。
山頂に向かうと女性四人組のパーティーとすれ違う。山頂では方位盤が雪の中から露出していた。前回、訪れたのは丁度、一ヶ月前ではあったが、雪がかなり少なくなったようだ。山頂の西側にこれから辿る尾根を確認しに行く。たおやかな吊尾根の先にある雪原の広がるピークに否応なく目が惹きつけられる。三角点ピークの芦谷だ。
野坂平に戻るが、ランチ休憩をするには少々風が強い。野坂平には多くのトレースが刻まれているが、ここから西尾根に向かう一つのトレースが続いている。数日前のnaojiroさんのものだ。この
下降し始めると、ca800mのあたりで尾根が緩やかになり、風も穏やかに感じられるので、ここでランチ休憩を取ることにした。南側には横谷川の刻む深い谷を挟んですぐ目の前に庄部谷山が対峙し、その右手には大御影山、三重獄、大日岳、雲谷山と耳川源流域の山々が連なり、贅沢な展望が広がる。
休憩の後は西尾根を鞍部に向かって細尾根を下降するが、これがなかなかの急下降である。皆んな一様に「naojiroさんはここを登るのは大変だったでしょう」と感心する。鞍部からの次のp744にかけての登り返しは上から見た時には急峻に見えていたが、それは目の錯覚であり、実際には斜度が緩かったのは有難い。
p744のピークが近づくにつれ山頂付近はブナの疎林が広がり、大樹が点在する。点標の芦谷にかけて快適なブナのプロムナードが続いている。
芦谷のピークが近づくと樹木がなくなり、再び広い雪原が広がるようになる。山頂からは東に野坂岳、南から西にかけて庄部谷山に始まる耳川源流域の山々を再び俯瞰することが出来る。北側には敦賀湾が広がり、ドーム状の雪原の山頂から広がる360度の展望はまさに今回の山旅の終章に相応しいハイライトといえよう。
ピークから北にもしばらくの間は綺麗な雪稜が続いている。右手には敦賀湾、左手に美浜湾を眺めながら尾根を下降する爽快感を味わうことが出来る。しかし、この爽快感は残念ながら長続きはしない。次の三角点ピーク、萱尾にかけて尾根はなだらかではあるが、低木や潅木の藪が立ち上がり始めている。低木の間を縫って蛇行しながら進むことになる。
雪の上には数日前のnaojiroさんのトレースがそこはかとなく残っているが、この数日の暖かさのせいで、数日前よリもさらに雪が減っているのだろう。これ以上雪が減ると猛烈な藪が立ち上がることになりそうだ。
三角点ピーク△539.8mの萱尾を過ぎると北斜面に入ってせいもあり、雪の多い自然林となりしばし平和に尾根を下降する。植林に入ると途端に足元の雪が薄くなり、スノーシューやワカンを脱ぐことになるが、尾根上には薄い踏み跡が続いている。
p344が近づいたところで尾根には明瞭な道が現れ、尾根を直進しかけるがヤマレコのアプリがルートを外れたことを警告してくれる。辿るべき尾根から外れて、尾根の先の送電線鉄塔に向かう巡視路に入ってしまったようだ。
関峠に向かう国境尾根から外れて関の集落に向かって小さな谷の左岸尾根を辿ると尾根上の踏み跡は途端に薄くなる。最後は踏み跡のない自然林の尾根を辿り、小浜線の踏切の手前に着地する。
粟野に向かって車道を歩くと田畑の彼方に上谷山から横山岳に至る湖北の山々の展望が広がっている。道端の斜面にはまだ蕾が出たばかりの蕗の薹を家内が目ざとく見つける。道端では水仙の花々が満開であったが、梅の花は咲き始めたばかりのようだ。長閑な景色を眺めながら歩くうちにすぐにも駐車地にたどり着く。
uriuriさんの快気祝いの山行にしては想定外にハードな山行となり、前日にも上谷山への長距離山行をされていたhanaさんとsimonmasakiさんにはお疲れのところ負荷が大きかったかもしれないが、賞味期限ギリギリのところで宿願の尾根を辿り、絶好の展望とブナの美林を堪能する充実の山行となった。お付き合いいただいた皆様に深謝。
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