飛龍山(大洞山)〜雲取山
- GPS
- 12:31
- 距離
- 35.8km
- 登り
- 2,987m
- 下り
- 2,977m
コースタイム
- 山行
- 11:25
- 休憩
- 1:07
- 合計
- 12:32
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道が崩落し、不明瞭かつ危険な箇所あり。積雪や凍結のため滑落の危険を感じる箇所もある。 |
写真
感想
先週、笠取山へ行った際に立ち寄った丹波山温泉のめこい湯がすごく気に入って、また入りたいなぁ、丹波山あたりで登山したいなぁと思い、地図とにらめっこしていたら、のめこい湯のある道の駅たばやまに駐車して、飛龍山(大洞山)と雲取山を縦走して戻ってくる、壮大な周回コースが組めるなと思いつき、こんな無茶な企画に乗ってくれる高校時代の同級生を誘って、出かけたのでした。
3時に出発して、ガラガラの青梅街道をひた走り、5時過ぎに道の駅へ到着しました。到着したら、温泉休館の看板があって、愕然。地図はよく見ていたのに、肝心の温泉のホームページは見落としていました。下山後の大きな楽しみを失って萎えましたが、気をとり直して冒険的な登山を開始します。
実は、昨秋くらいから脚(特に膝)に痛みがあって(原因は使い過ぎと柔軟性のなさでしょうが)、本調子ではないのですが、今の自分がどのくらいがんばれるか試してみたく、挑戦的な企画をしたのでした。走りはしないものの、足早に進んでいきます。いくつかの害獣防止の柵を越えると、早速急登の始まりです。この長い急登が今日一番の山場。一気に高度が上がり、息も上がります。
サオラ(サヲウラ)峠から熊倉山までは少しなだらかになって、落葉した広葉樹の、明るく開放的な林の中を歩いていきます。平日だし、マイナーな登山道でもあるためか、我々ふたり以外誰もいません。聞こえるのは、落ち葉を踏む音と、熊除けの鈴の音と、鳥の鳴く声と、啄木鳥の奏でる音くらいです。内容は激しいものの、静かな山歩きでした。熊倉山あたりまで来ると、アセビが多く見られます。落葉樹林の中に、常緑の、光沢のある葉をもつアセビは目立ちます。花はまだありませんが、つぼみはついており、春が近いのを感じます。
前飛龍のピークへは岩がちとなり、再び急な登りです。この急な登りを上がると、飛龍山までの登山道で唯一と言える展望地となり、岩の上から奥多摩の山並みを一望することができます。また、このあたりから雲取山まではシャクナゲの群生が見られ、初夏に歩いてみたくなります。
前飛龍を過ぎると一旦下りになりますが、いよいよ本格的な積雪がありました。チェーンスパイクの出番です。このあと雲取山まで、積雪のある箇所とそうでない箇所が何度も繰り返し、そのたびに、チェーンスパイクを着けたりはずしたりしました。それがとても面倒でした。しかも、もともと狭い登山道が雪のためにさらに狭くなり、踏み抜きや滑落の危険度も増していて、なかなか難儀でした。
ずっと樹林帯のため、眺望はないのですが、時折り木々の間から飛龍山が見えると、とても威厳のある山容で、いい山だなぁと感じました。飛龍山は、大洞山の別名もあるようですが、飛龍というかっこいい名前のほうがふさわしいように思います。
飛龍山直下の急登を登ると、広い山頂になります。ただ、木々が生い茂り、眺望は全くなく、山頂の標識でさえ見つけづらいほどでした。さらに、雲取山方面への近道についても、登山道が不明瞭で、注意が必要です。奥秩父主脈縦走路ではありますが、こんなにもわかりづらいのかと、驚きました。
全体的にひと気のない、自然を大いに感じるコースなのは、おもしろかったです。雪の上には鹿の足跡もずっと残っていて、人間も鹿も同じとこを歩いてるんだと思うと、おかしかったです。道中、ずっと鹿のフンが転がっていて、明らかに人より鹿のほうが多いんだろうと推測できました。一生分の鹿のフンを見たかもしれません。ずっと見ていると、真っ黒いのから焦げ茶のから緑みがかったものまで、いろいろでした。緑色のは笹が生えてるあたりに落ちていたので、食べ物によってフンの色も変わるのでしょうか?
さて、次第に雲取山が近づいてきます。三条ダルミまで来ると、雲取山までの急登がラスボスのようでした。ここまで、長い行程で疲れたのもありますが、気をつけなければならない雪道が多かったこともあって、心身とも疲労していました。行動食を摂り、気合を入れ直して立ち向かいました。
最後の急登だと思ってがんばると、思いのほか早く山頂に着きました。雲取山に登るのは4回目で、今までは富士山くらいにしか思いを馳せなかったのですが、今回は、間近に堂々とした存在感を放つ飛龍山に感動しました。早朝からがんばって歩いてきた山や稜線を見渡せるというのは、感慨深いものです。
とは言え、感慨にふける余裕はなく、先が長いので、急いで下山します。来た道を戻り、三条ダルミまで一気に下りました。そして、三条の湯へ。しかし、ここからが本当に長かったです。雪はなくなり、なんてことはない下りを歩くのですが、もうピークはないし、眺望もないし、ただ下山するという目的のために歩くのは、なかなか苦痛でした。三条の湯の手前には崩落した箇所があり、登山道は不明瞭だし、乾いた砂が蟻地獄のように下へ下へ流れていく箇所があり、時間を喰いました。
三条の湯まで来た時点で、思いのほかコースタイムをまけていないこと、曇ってきて雨も心配なこと、歩いたことのない未開のアップダウンのある山道を使うよりは、ふたりともかつて歩いたことがある林道と青梅街道を使って道の駅に戻るほうが安全だろうと判断しました。
とは言え、林道を歩くコースが楽だったわけではなく、10kmもの長くつまらない道を延々と歩くことになり、苦痛でした。ようやくのことで青梅街道に出ても、さらに6km、歩かなければならないのもたいへんでした。後ろから車が抜き去るたびに運転手にアイコンタクトしたつもりですが、乗せてくれる車は皆無でした。三条の湯からかれこれ3時間半もの苦痛の時間を乗り越えて、なんとか道の駅まで戻ってきました。振り返れば、ラスボスは雲取山ではなく、林道と青梅街道でした。
最後の疲労感は半端なかったですが、無事に道の駅まで帰ってこれたし、12時間台で周回できたので、まずまず満足でした。また脚の痛みがひどくなりましたが、回復したら冒険したいです。
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