【巨摩山地】櫛形山/平林・氷室神社〜桃の木温泉/山スキーで
- GPS
- 09:10
- 距離
- 14.9km
- 登り
- 1,408m
- 下り
- 1,307m
コースタイム
標高1800mほこら小屋11:15 櫛形山頂12:15 裸山13:00 唐松岳14:00
標高1600m窪地14:30 桃ノ木温泉16:20
天候 | ハレ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
甲府駅6:24→市川大門6:40 国鉄身延線 320圓+特急320圓 市川大門→富士川町の青柳車庫 徒歩40分 青柳車庫→平林終点 コミュニティーバス200圓 ーーーーー 桃ノ木温泉→自宅 妻の車でお迎え |
コース状況/ 危険箇所等 |
登りは標高1400mで登山靴にする(積雪1センチ) ほこら小屋から上はスキーで登る。道は積雪で不明瞭 カラマツ岳北西ルートは、芦安への古い道らしい。始めテープなどもあるが1740のポコあたりから怪しくなる。 今回そこから更に桃ノ木温泉へ下る未確認ルートを下ったが、下へ行くほど傾斜が急で、尾根も沢も、ザイルが無ければ下降できないほどの壁が何度も出る。危険なので行かない方が良い。今回は10m補助ロープで降りたが、下降するなら40mザイルが必要。 |
写真
装備
個人装備 |
スキー
アイゼン
|
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共同装備 |
ノコ
ツエルト
焚きつけ
補助ロープ10m
|
感想
甲府から眺める南アルプスの展望を塞ぐ鯨のような櫛形山。由緒ある平林の集落から氷室神社経由で登って長い稜線をなるべく長く歩こうと、それから秘湯の桃ノ木温泉に直下するルートをと計画した。
下降のルートは危険なので、もう行く事はないだろう。
甲府から増穂青柳への公共交通機関が無い。電車で市川へ、徒歩40分、その後コミュバスで繋いだ。市川から増穂の青柳にかけては1903年中央線開通以前は甲斐と外界を繋ぐ大動脈の富士川下りの主力港として栄え其の後滅びた。今は殺風景な河川工事と高速道路の建設銀座だ。橋からは遠くに八ヶ岳、金峰山、七面山も見える。中学生が長い橋を自転車こいで渡る。
増穂町(現富士川町)の役場近くにバス停があり、平林行きのコミュバスに載る。客は一人なので運転手と大雪のときの話などする。櫻満開。平林は、意外に大規模な山間集落だった。小学校もあって坂道の村。足腰丈夫になりそうだ。30分ほど登って行くと最奥に氷室神社、凄く長い階段、うさぎ跳びしたら星飛雄馬になれそうだ。拝殿は結構新しかったが、それは今もなお拠り所にしている人が多いという事だろう。
神社左後ろから登り始め、皆伐の斜面を行くと、富士山と平林を見下ろすところがある。ここ以外はこの山に展望はなかった。ここ数日気温が低かったので、うっすら1センチ積雪で、シートラ(スキーを担ぐ事)、タビ靴でかなり上まで行く。雪で靴が濡れて来た頃(1400m)登山靴に替える。杉林は完璧に手入れされている。神社の北側でもかなり大規模に切っていたけど、うまく林業が回っているということだろう。林はカラマツに移行する。甲府の町が葉を落としたカラマツ越しにちらほら。1450mで林道をまたぎ、1800mに地図に無い小屋、ほこら小屋が出て来て驚く。南尾根ルートや中尾根ルートとの分岐点のようだ。2000年に建て直したきれいな小屋で、裏には水場もあった。こんな天気のよい残雪期山行は喉が渇くから、ここで補給できると助かる。ここから上は積雪も多くなるので、せっかく持って来たスキーをはく。気温が高くてずぼずぼになるならと持って来たが、きょうは雪は硬くてツボ足でも大丈夫そうだ。しかし山スキーをはくと、スピードが上がる。
櫛形山の上部は傾斜の少ない広い台地状だから、道も雪でわからずトレースも無い樹林を彷徨い歩くのが楽しい。株立ちの巨木が凄く多くて、サルオガセが下がり、良い雰囲気だ。材として価値が無いから残されたのだろうか。遠くの展望は無いけど、森が立派な山だ。山頂は展望なく、かろうじて樹間から富士山。きょうは下山ルートが未知で、時間がかかるかもしれないのでろくに休まず先に進む。スキーを使うとやはり稜線の移動が速い。とはいえ快適な斜面はほとんど無く、樹林やブッシュをくねくねとよけながらのパチンコスキーだ。甲府に来てから、こういうの初めてだ。
裸山は唯一展望を期待したが、ここもブッシュ越しだ。白峰三山が至近距離で対面しているのになあ。
アヤメ平に降りる100m足らずの斜面は比較的樹間が開いていて快適に滑った。アヤメ平は柵で囲まれ、中に入れない。アヤメ小屋のあたりに人が数人いた。入ると出るのもひと苦労なので、鹿みたいに柵の外側を反時計回りに回って通過。唐松岳までまた一滑り。
唐松岳から北西の斜面を下る。1740ピークまではカラマツの手入れされた森で、スキーも快適、ここから芦安方面に真北に下る古い登山道も以前はあったようだ。今回は桃ノ木温泉を目指すので北西、北岳方向を目指して、未知の斜面を滑り込む。標高1600mで、地図に無い林道を横切る。その先の窪状地形から北西の谷に入る。ここは地形図で見ても線が密で急なのだが、温泉の放つ引力にひかれた。
始め急な雪面だが、傾斜がどんどん急になる。蟻地獄みたいだ。やがて滑落したらヤバそうな高度感になり、スキーを脱ぐ。右手の日当りよく雪の無い尾根に逃げ、シートラしてしばらく下るが、その尾根も急になり崖に。立木を伝って再び半氷の急斜面にアイゼン付けて降りる。谷はやがて函滝状になり、また尾根に逃げる、尾根が絶壁になり、また谷へを繰り返し、立木が絶えたら、補助ロープで数mぶら下がって下るのを繰り返す。一歩、ひとツカミを間違えると、転落、滑落、大けがになる。これで死んだ人いっぱい知っている。一つ一つの判断を慎重に丁寧に、抜かりないようにして下る。その緊張を2時間。下に温泉の建物が見えてからも、全然安心できない。こんなところ来るんじゃなかった。もう地形図で見てやばそうなら、少なくとも日数が無いならやめよう、と思った。覗き込まないとルートが見えない不安感、単独行だと普段以上に気が重い。念のため持ってきた6mmシュリンゲ10mを何度も利用して立ち木の無い数mをぶら下がって降りる。最後に雪渓の急斜面をようやくアイゼンで普通に下れるところに降りて安堵。
温泉にウチの車があって、カメとマーが先に温泉に入っていた。お迎えに呼んでおいた。お湯はよく、源泉かけ流しのすいてる山奥温泉。帰り道にうどん食べた。きょうは小学校春休み最後の日だって。
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