【大谷山・寒風】石庭から周回☆霧雨煙るブナの美林と幽境の百瀬川源頭部


- GPS
- 04:08
- 距離
- 9.6km
- 登り
- 830m
- 下り
- 841m
コースタイム
天候 | 曇り→小雨(霧)→曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ほぼ全て一般登山道 (下山路の途中から登山道から逸れて西山林道へと繋がる道も整備が行き届いた登山道レベル) ラストは舗装林道歩き |
写真
感想
北陸から帰宅して2日間仕事に行ったが、なんとなく体調が思わしくない。なので?公休のこの日は山へ行くことにする。どっちみち行くのだ。
前夜の雨は明け方には上がったが、日中に晴れ間がでることは無さそうな予報だ。好展望には全く期待できないが、短いルートで大谷山に登ることにする。昨秋に石庭から大御影山をピストンした際、百瀬川の源頭部がとても美しく、季節を変えて訪れてみたいと思っていたのだ。ブナ林や源頭部は霧やガスの日でも魅力的な情景を見せてくれるに違いない。
R161のバイパスを沢の交差点で山手へ折れるとメタセコイヤ並木を通り抜ける。並木道の途中で右手にマキノピックランドのある十字路を左へ曲がればマキノ町石庭の集落だ。
←大谷山と書かれた道標に従って田園の中の道から山沿いに進むと獣除けゲートが設置された登山口が現れる。車を3台ほど停められるスペースがあるのだが、なんと神戸ナンバーのワゴン車が既に停まっている。こんな日に山に登るなんて物好きとしか言いようがない。
登山口を出発し九十九折れに登り始めると道は早速にも掘割れた古道となる。周囲に植林は殆ど無く、カエデ類を中心とした自然林が広がる。よく踏まれた広い道で、雨露を纏った下草で足元を濡らすということもなく快適に歩ける。
古道の両側にはコアジサイの低木がたくさん現れ始めたが、花は終盤気味で、その姿はまるで赤いサンゴのよう見えるものがほとんどだ。しかしこれは麓に近いところの話で、登り上がってゆくにつれ、今が盛りとばかりのコアジサイの花々に囲まれて、独特の爽やかな甘さの芳香に包まれるのであった。
次に目を引いたのはエゴノキの花がたくさん咲いていることだ。木は比較的低木で、枝に下向きに鈴なりの白い花をブラブラとぶら下げる様子はとても可愛らしい。既に散り落ちた花々も多く、地面に白い絨毯を敷き詰めたかのようになっているところもある。
やがてブナが現れ始める。大木や老木は少なくまっすぐ綺麗に伸びた若い樹が多い。立ち姿が綺麗なブナの林は霧に包まれて、何とも幻想的な情景が広がる。こんな景色が見たくて今日ここへ来たのである。
展望ルートへの分岐点では迷わず直進する。道は一旦少しずつ下ってゆく。緩やかに谷へ下降していく。百瀬川の源頭部にやってきた。
V字の谷と尾根が幾つか入り混じった地形に壮麗なブナが林立している。素晴らしい光景だ。少し上流へ移動すると霧がますます濃く深くなった。静かでとても神秘的な雰囲気だ。まさに幽境の世界が広がる。
イワカガミの葉が大群生している古道をさらに登り詰めて行くと、やがて目の前が開け広々とした稜線上に到達した。白石平と呼ばれる場所で草原の上には白っぽいカレンフェルトの岩々が幾つも頭を覗かせている。
ここは晴れていれば眺望がとても良いところで、特に琵琶湖側の景色は裾野まで延びゆく草原のような森と湖面がひと続きになっているように見えるのであるが、この日の天候では仕方がない。
ちょうど2年前、大日岳・大御影山から縦走して来られたyamanekoさんとこの場所で落ち合い、下山までの山行を共にした日のことを思い出す。
周囲の山々など一切見えないガッスガスの中を大谷山へと歩く。風もなく穏やかだ。静かだ。時折り今津の駐屯地から聞こえてくる砲弾訓練のドドーンという低い音だけが耳障りだ。
大谷山を過ぎ寒風山へ。草原を駆け抜け、時々カエデやリョウブの低木の樹林帯を潜ってゆく。気持ちのいい稜線を足速に歩んで行った。
寒風山ではまだ10時を過ぎたところではあったがランチ休憩にする。何にも見えない白い世界の中で独り湯を沸かしラーメンを拵える。麺を啜りお握りを頬張る。
そしてコーヒーを淹れてゆっくりまったりとした時間を過ごす。
いつしか、今日で3日目かという長く続いていた偏頭痛もすっかり治まっていた。
寒風からの下山ルートは何度も歩いたことのある慣れた道だ。相変わらずブナ林が美しい。ここでもやはりコアジサイロードだった。
途中分岐点からはマキノ高原の方へ下らず、西山林道へと書かれた尾根道を辿る。登山道の扱いではないはずだが、登山道以上の快適なハイキングルートだった。
林道へ着地すると、直ぐ近くの四等三角点のある小ピークにだけ寄り道をして、あとはアスファルトの林道をテクテクと石庭へと下って行く。
登山口の駐車地に到着すると神戸ナンバーの車は未だ停まったままだ。ショートコースを歩いた私の方が早いのは納得できるが、車の主はこの霧の中を一体どこまで歩いて行かれたのだろう。
なお、この日下山ルートの途上で、少し期待はしていた可憐で上品な百合の花に出逢うことが叶った。そういえば2年前もyamanekoさんと一緒に見つけて喜んだものだ。
この花も鹿の食害により数を減らしているのだろうか。いつまでもこの地に生き永らえてくれることを願うばかりだ。
コメント
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あら、もうお山へ登られたの? 別山からそんなに日が経ってないんですけどタフですね。
このルート取りいいですね。巧い事周回できるし、静かな山歩きを楽しめそうです。
個人的には赤坂山より好みだわ。百瀬川の源頭部はいい感じですね。カレンフェルトもいいな〜
霧というかガスったブナ林もいい感じですね。なんだか冷ややかな感じもしてきましたが、湿度・気温共に高いとしんどそうですけど??
エゴノキは、開花している姿より蕾や葉っぱが綺麗ですね。透かして見るとこんな感じに見えるんだ。
楓やブナの大木も見ごたえありですね。なんといっても人影のないメタセコイヤがいい。
とは言え百瀬川の源頭は去年の秋に初めて知って、こんな素晴らしい場所があったのか!と驚愕したのでした。今回は季節を変えての再訪です。
お天気がイマイチな日は稜線での展望はダメですけど、こういう登山がいいかな。人も居ないし静かなのがまたいいです。
雨上がりは樹や草花がイキイキとしているのもいいですね。
人気のメタセコイヤ並木も、下山後の日中でも人は少な目でした。写真は朝イチですよ。ミーハーですけど、素直にいい場所ですね。
素敵ですね!
天気がなんとか行けそう…なら
私も行ってみたいです。
その時は参考にさせてください🤗
マニアックな山行に興味を持っていただいて感謝です。
コアジサイ、よーく観るとかなり綺麗ですよね。何より香りがいいです。山によってはもうそろそろ終盤ですのでお早めに〜
梅雨の時期も、いいものですね。
いや、ほんとうに、さいこう。
ブナブナ、いいですねぇ…
コメントの仕方、よく分かりましたね😁ありがとうございます。
このような世界に共感を持たれるとは…かなり物好きの部類ですね〜
いやぁ、霧中のブナ林、最高なんですよね。
1年ほど前に同様のブナinガスの傑作山行記録があります。よろしければどうぞ〜笑
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3167312.html
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