黒薙川北又谷
- GPS
- 80:00
- 距離
- 19.2km
- 登り
- 1,372m
- 下り
- 1,635m
過去天気図(気象庁) | 2009年08月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
8/12
アプローチは急行能登を使い、富山の泊駅へ。
そこからタクシーを利用して越道峠まで移動・・・と思ったら運ちゃんが北又小屋まで行ってしまったので、峠まで戻ってもらう。
入山前には、少なくともこの日に三パーティーは入るらしいとの情報だったが、この時点では他パーティーの姿は見当たらず、運がよければ北又貸切状態になるかもしれない。
まずは軽く山越えして、沢を下って北又谷に入る。水量は平水よりやや大目らしいとのことだが、そもそもこんな水量の多い沢を遡行すること自体始めてである。
冷たい水に胸まで漬かりながら遡行を開始すると、まずは魚止めの滝が出現。みごとなU字型の切れ込みを持つ、秘境北又谷のゲートと言った趣である。釜に落ちたらタダでは済まなさそうなので、右壁をザイルでFixして通過。
ここから先の遡行は、一度でもヘツリでミスって流れに呑まれようものなら、一気に下流まで押し戻されてしまうので要注意。絶対にミスは許されないとなると、微妙なヘツリでは思わず足が震えてしまう。
そして続いて現れるのは、死人も出ているという噂の、複雑怪奇な流れを持つ大釜淵。ここは一度渦に引っ張られると、永遠に戻れないエンドレスな軌跡を描き続けるので、ザイルを結んで空身でアタック。
凹角になんとか取り付こうとして頑張っていると、平泳ぎしている足にザイルが絡まり、引っ張られている最中に足が引っ張られて一瞬溺れそうになる。
溺れるときの気持ちが痛いほど分かった瞬間であった・・・。ここは右岸から高巻いて突破。
又右衛門滝は右壁に何度かトライしたが駄目だったので、恵振谷との間のリッジから取り付き高巻く。下りはザイル50mを二本連結して、空中懸垂を交えながらロング懸垂。
その後も、緊張感のあるゴルジュ突破が続き、ザイルを多用しながら慎重に進む。この辺も流されたら一気に下流へ押し戻されるので、終始緊張感の伴う遡行だったが、厳しさの中の楽しさがなんとも心地よい。
幕場に着いてからは、食糧を調達するため一狩りしに行く。
調度、人数分の岩魚がゲットできたので、塩焼きにして美味しくいただく。
8/13
二日目は小雨の中の遡行。
この日は白金滝、三段の滝、サルガ滝を左岸から高巻く以外は、それほど厳しい場面は無い。
釣りに精を出し、岩魚の刺身などを食しながら遡行する。
ちなみに、岩魚はオスよりメスの方が身が引き締まっており、コリコリして美味しいという事実が判明。でもメスは子供を生むので、できればリリースした方が良い。途中でニンゲンをなめ切っているカモシカに出合ったりしながら、引き続き竿を出して進むが、小雨が降っているためアブがよって来ず、そもそもの餌集めに難儀する。
トポに泊まりたくなるような河原と言う表記があったので、この日は頑張ってそこまで進む。しかし、夕方からは雨足が強くなり、河原は増水して泥水の底に敢え無く沈。泊まりたくなるような河原は消滅してしまったので、ちょっとした高台にビバーク適地を作って幕営する。
寒くて虫の多い、不快な夜。でも、飯豊・朝日に比べれば虫の数はかわいいものらしい。
ドM沢屋の世界は想像を絶するほどに深い・・・いや不快らしい。
8/14
三日目は北又谷、最後のツメということで、すんなり終わってしまうかと思いきや、小滝が続き意外と楽しませてくれた。
最後はヤブを漕ぎ、三時間ほどで犬ヶ岳手前の栂海新道に転がりこんで、遡行終了。
予定ではこの後、金山谷下降もオプションで付いていたのだが、諸条件を考慮するにカット。ということで、沢装を解除して下山開始。
ここから親不知までは、泥道が随所に現れ、滑って泥だらけになりながら進む。
白鳥山を経由し、このまま親不知までだらだらと下るのかと思いきや、下山中にラッキーイベント発生で、坂田峠から車で下山可能に。
ありがたや、ありがたや。
越中宮崎の温泉で汗を流し、帰りの服を調達する。
その後、糸魚川に移動して居酒屋で打ち上げ。
最後の最後でアルコールゴルジュを突破したのが、今山行の核心部であったかもしれない。
深夜の急行能登発車時刻まで、一人待合室で爆睡してしまった。
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