瀧を巡りて泉山
- GPS
- 04:26
- 距離
- 6.1km
- 登り
- 794m
- 下り
- 791m
コースタイム
- 山行
- 4:29
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 4:59
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
直登コースは歩きにくい道。 |
その他周辺情報 | 奥津温泉。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
|
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感想
3連休となった週末。天気がよさそうなのは真ん中の日曜日だけ。すでに散ってしまった可能性が高いが、晩生のオオヤマレンゲの最後の一輪くらいは残っているかもしれない。そして徳島の四季美谷温泉のジビエも試してみたいので、徳島の樫戸丸あたりに狙いをつけていたが、四季美谷温泉の宿泊予約がどうしても取れない。ということで日帰り圏で天気の良さそうな岡山北部山地が浮上した。なんといっても盛夏の登山なので、ちょっとでも涼しいところへ。kinuasaは沢登りに抵抗を示しているし、ならば谷沿いの一般ルートで、と選んだのが泉山中林(ちゅうりん)コースだ。
中国道を院庄ICで降り、鏡野町の田園地帯を北に車を走らせる。中林口から舗装林道を山中に入ると、すぐに腐朽した倒木が道をふさぐ。まだ青々とした木の枝や岩屑が多数路面に散らばっているし、流水の跡も生々しく、西日本の各所を襲った昨日までの集中豪雨がこの地にも及んだのだろう。実際、ここまで道路は加賀美川に沿って走ってきたが、その水量はかなり高くなっていた。最初は倒木をどけようと二人して持ち上げて動かしてみたのだったが、四駆でパワーがあるこの車、うまくやれば越えられると挑戦、クリアできた。ところどころ、落石のひどい地点は路面をきれいにしながらだましだまし登って、林道終点の駐車場に無事到着した。トイレ前の案内看板は、泉山の読みを「イズミガセン」としていたが、地元では「イズミヤマ」と呼ぶと聞いているので、ここではイズミヤマで通すことにする。鳥取の「沖の山」が「オキノセン」でなく「オキノヤマ」であるのと同じだ。
空は青々と晴れ渡り、横を流れる谷の水はゴーゴーと勢いよく、今日の瀧見物は期待が持てそうである。出発してすぐ左に天の川コースへと進む。左手の沢は豪快にしぶきを飛ばして連瀑となり、豊かな水量をもって溢れんばかりに流下する。この暑さの中、爽快極まりない。シャワークライムの誘惑が襲ってくるが、今日はおとなしく道を行くのだ。滝は幾段とも知れぬ長さをもって続いている。やがて落差のある直瀑の連なりが現れ、ますますの迫力に圧倒される。道は左岸の植林帯を進むため、陽射しが遮られてこの季節でも楽に登ってゆける。直登ルートの道を右にわかって「のぞき岩」と書かれた道標に従い沢沿いを進むと、幅のある岩盤を細かなしぶきを上げて落ちる見事な滝に導かれる。火の瀧との案内板がある。冷たいしぶきのミストを浴びて、光に輝く瀑心を見上げる。一句浮かぶ。
青嵐(せいらん)の 滝を巡りて 泉山(泉山)
さて道はここで右岸に移り、ジグザクに火の瀧を巻いて越える。落差は50メートル以上あるだろう。周囲は温帯広葉樹林に変わってますます雰囲気がよい。落ち口のすぐ上で沢床に降り、左岸にわかり返してさらに一登りすると、道は沢を離れて小尾根を九十九折れに登るようになる。行く手が開けて真夏の太陽が照り付けると、稜線の末端である。ここから稜線上を進む。幸いなおも樹林に覆われて直射日光を避けることができる。左手は檜の植林帯となり、傾斜がやや緩んで再び陽が照り付けるようになると、井水山山頂に飛び出す。
kinuasaが「イズミヤマ」じゃなくて「イミズヤマ」などと洒落をいっている。なら、次のピークは「ミズイヤマ」かというと、単に中央峰なのだ。井水山から下の鞍部までは樹林が続くが、鞍部から先は打って変わって開けた笹原で日陰はもうない。しかし、アップダウンは緩やかで今更ばてることもない。鞍部で養野方向からの登山道が合する。以前、そのルートから登っている。この鞍部からは広々と高原ムードが漂い、先ほどまでの谷筋とは全く違った風情で、これもまた良い。道はきれいに狩り払いされている。ごく最近狩り払いしたようで、まだしおれもせずに刈り取られてしまったアザミの花が、そこここに散らばっていた。前回登った時には多数の各種ヒョウモンが飛び回っていたが、今日はほとんどが夏眠中とみえて、飛んでいるのはたいていツマグロヒョウモンの雄だ。人も少ない。トレラン風の単独の男性2名と男女二人のペアとすれ違っただけである。前回、のべ10匹程度の蛇(それもマムシとヤマカガシ)に出くわしたこの尾根だが、今日は蛇の姿は1匹のみ。音は時々していたけども。ちょっとしたアップダウンの末、一等三角点の敷設された北峰に到着だ。広々とした眺めのいい山頂でkinuasa手製の巨大カツサンドをいただく。
ここまで、青空は何とか持ちこたえてくれているのだが、雲は徐々に広がってきている。油断せずにそこそこのところで下山を開始する。下山は、件の鞍部から津山高校の山小屋の方向へ少し入って、分岐を「直登コース」へと進む。このコース、直登という名のごとく、小尾根にまっすぐ道がついていて、ずり落ちそうになりながらこれを下る。間もなく植林帯になり、今度はコンクリの木調階段の激下りが延々と続く。このコンクリが湿気を帯びてよく滑るし、傾斜が急で随所で崩壊傾向にある。周りは殺風景な植林。一体いつまでこの難業が続くのかというくらい、延々と続く。この道ははっきり言って使いたくない。今度、中林を起点に登ることがあれば、迷わず天の川コースのピストンにするだろう。途中、「二の瀧」こっちの標識があったが「二の瀧って何?」って感じで気にも留めず下り続けた結果、天の川コースの下部に合流した。もともとの計画では、沢の本流の中林の瀧を巡って下ることになっていたのに、ミスってしまった。あの「二の瀧」方向へ行くべきだったのだ。ローカルにはわかる標識でも、不勉強な外様には難しい標記なのだった。空は一層雲が広がっている。あの忌まわしい下りで戦意喪失気味でもあり、今日はそのまま帰ることにする。
車にたどり着いた後の主たるconcernは例の道をふさいだ倒木をまたぐ点だったのだが、降りてゆくとなんときれいにどけられている!駐車場にもう一台車がとめられていたが、その人たちの手でどけられたのだろう。その苦労をたたえたい。
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