雌阿寒温泉から雌阿寒岳とオンネトー
- GPS
- 05:14
- 距離
- 10.4km
- 登り
- 872m
- 下り
- 860m
コースタイム
- 山行
- 4:24
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 5:14
過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
自家用車
飛行機
|
写真
感想
深田久弥が登頂して日本百名山に取り上げたのは雄阿寒岳の方ですが、標高が高いのは雌阿寒岳の方。位置的にもかなり離れていて全く別の山なのですが、日本百名山では阿寒岳としか表記されない為、登る山が分かれるようです。道東の山2日目は、この2つの阿寒岳から、派手な活火山で標高の高い雌阿寒岳に登りました。
雄阿寒岳の麓である阿寒湖温泉の湖畔の宿で朝食をゆっくりととり、雌阿寒温泉の登山口へと向かいました。立派な駐車場やトイレがあり、国立公園としてよく整備されています。登山道に入るとアカエゾマツの原生林となり、笹の中の緩やかな道が始まりました。道はすぐに木の根を踏んでグイグイと登って行くようになり、二合目までは鬱蒼とした森の風景が続きます。三合目の手前まで来ると林が背の高いハイマツに変わります。こんなに高く成長したハイマツは初めてで、背丈以上に真直ぐ伸びていました。北海道では標高1000mでハイマツが現れるようです。
ハイマツも低くなり道も緩やかになると、ナギ状の部分を渡って四合目。眼下に広大な原野とそれを貫く一条の道路という展望が広がりました。今日は高曇りの様相で、まずまずの明るい風景が見られました。時折オンネトーも見え隠れしますが、原野の中の湖は大変神秘的です。やがて岩礫帯をひたすら登って行くようになり、いかにも夏山という風情です。道は一旦平坦になりますが、さらに頭上の火口壁を目指して最後の急登が始まります。しかし、登っている途中で雲が山頂を覆い始め、これは如何ともしがたく、火口壁まで登りついた頃には暗く靄がかかったようになってしまいました。
火口壁からは火口の中を覗くことができます。眼下には泥のような色の赤沼と、新しい噴火口の跡がポッカリ黒い穴として開いているのが不気味です。その上の壁にシューという大きな音を立てている噴気孔があり、蒸気を吹き上げています。まさに活きた火山です。山頂に向けて火口壁の縁に沿って登って行き、頂上の稜線に出た時には、すでにあたりはガスに覆われていました。そして頂上に着くと、あたりは真っ白で、遠望はききません。晴れ間を期待してしばらく腰を落ち着けました。
しかし、状況も変化無く、残念ですが出発することにしました。下りはオンネトーへの道を辿ることとして、ザラザラした斜面を少し下ったところで、やっと回りのガスが少しずつ薄くなってきました。正面の阿寒富士がだんだんと姿を現し、火口の中もクリアに見えるようになってきます。噴気孔は激しく蒸気を噴き上げ、青沼も見えてきました。まさに天の配剤でここまで来た労力に報いてくれたようです。
阿寒富士は木の生えていない、スリバチを伏せたような形の山で、その斜面に頂上までジグザグに道がつけられていました。あまりにも均整がとれていて、木も岩もない開けっ広げな斜面で、どうも今ひとつ登高意欲が湧いてきません。八合目で阿寒富士分岐を見送り、さらにザラザラの斜面を下っていきます。このあたりは噴気孔からのガスが流れてくるようです。七合目でも阿寒富士分岐があり、さらに下るとオンネトーが眼下に見えてきました。それも束の間で樹林帯へと下って行きました。
樹林帯の様相は登りと同じで、最初は背の高いハイマツ、そしてアカエゾマツへと変わります。長い原生林の下りを緩急繰り返しながらどんどん下ります。突然背後のガサッという音に驚かされましたが、トレランの人でした。鈴でもつけといて欲しいものです。一合目まで下ると階段の道になり、最後に小さな沢を渡って広い道に出てオンネトー野営場へと下山しました。
下山後は、雌阿寒温泉までの登りになります。オンネトー茶屋から車道を辿ってオンネトーを右に見ながらの散歩道です。途中で、湯の滝方面で熊に出くわしたという人がいました。このあたりは熊が多いようです。オンネトーの水の色は青や緑に場所によって変わり、神秘的に美しく、展望台からは湖面の向こうに雌阿寒岳と阿寒富士が並びます。いい風景です。オンネトーが終われば車道も広がり雌阿寒温泉までの登りになります。途中右に赤い錦沼を見てさらに登りつめたところが朝出発した駐車場でした。まずまずの天気に恵まれ、いろんな風景に出会えた楽しい一日でした。
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