熊野古道:紀伊路(湯浅―鹿ヶ瀬峠―道成寺―御坊)、古道最長の石畳【和歌山県】
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- GPS
- 05:51
- 距離
- 22.6km
- 登り
- 399m
- 下り
- 394m
コースタイム
- 山行
- 5:37
- 休憩
- 0:15
- 合計
- 5:52
湯浅駅散策 701/706 ― かどや前左折 708 ― 「右すぐ勝楽寺」石標 713 ― 紀文の碑 715 ― 久米崎王子跡 718 ― 新広橋脇左折 720 ― 新柳瀬橋 739 ― 津兼王子跡 752/753 ― 旅籠亀屋跡 805 ― 河瀬王子跡 812/818 ― 西の馬留王子跡 827 ― 動物除けゲート 850 ― 大峠の地蔵 900 ― 大峠 902/910 ― 小峠(町境) 919 ― 熊野古道公園(上) 928/931 ― 熊野古道公園(下) 937 ― 板碑前休憩所 942 ― 金魚茶屋駐車場 945/946 ― 沓掛王子 954 ― 爪かき地蔵 1004 ― 県道176号 1006 ― 原谷集会所 1012 ― 東の馬留王子跡 1016 ― 内ノ畑王子跡 1032/雨具着用/1039 ― 高家王子跡 1055/1103 ― 紀伊内原駅分岐 1112 ― 雨具追加 1118/1122 ― 足切地蔵院分岐 1131 ― 善童子王子跡 1136/1141 ― 愛徳山王子手前で雨宿り 1151/1159 ― 愛徳山王子 1200 ― 道成寺分岐(A) 1207 ― 道成寺 1211/1223 ― (A) 1228 ― 海士王子跡 1231/1232 ―湯川中学の角 1241/雨宿り/1250 ― 御坊駅付近駐車場 1253
●行動時間 05:52
天候 | 曇り、雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
・JR紀勢本線の駅。普通も特急も停車する。折り合わせると和歌山からは1時間あたり1〜3本/時ある。駅付近には、今回利用した駐車場を含めコインパーキングもいくつかある ○湯浅駅 ・JR紀勢本線の駅。普通も特急も停車する(一部の特急は通過する)。折り合わせると和歌山からは1時間あたり1〜3本/時ある。駅前には、最近オープンした駐車場がある ○紀伊内原駅 ・JR紀勢本線の駅。普通のみ停車する。和歌山からは1時間あたり1〜2本/時ある ・付近に駐車場はなさそう (いずれの記述も2022.9現在) |
コース状況/ 危険箇所等 |
○湯浅駅〜河瀬王子〜鹿ヶ瀬峠(大峠) ・舗装路歩き。峠に向けては動物除けゲートからは石畳を模したコンクリート舗装路になる ・道標は熊野古道案内のものが要所要所に建っている ○鹿ヶ瀬峠(大峠)〜高家王子(紀伊内原駅付近) ・大峠〜小峠は山道。倒木が居並ぶなど荒れており、途中の道標もない。道筋に注意しながら進めば迷うほどではない ・小峠から高家王子方面への下りには長い石畳が残る。苔むしたつづら折りの石畳は壮観。熊野古道では、残存する最長のものとのこと。石畳は古道公園まで続き、その先の公園内の現代の石畳を下りるとあとはずっと舗装路になる ・舗装路は途中は県道主体の歩きだが、並行する旧道がある都度そちらに誘導される ○高家王子〜道成寺〜御坊駅付近駐車場 ・ここも全て舗装路歩き。 ・愛徳山王子の辺りは古道案内と御坊市の道標とは指示が異なる。御坊市の道標に従うと、北側から接近して南側へと抜けることになるので注意 ・道標は、日高町エリアでは数は少ないが立派な標識が角に、御坊市エリアでは白地に地図付きのものが建っている。いずれも要所にはあるので、道取りはわかりやすい ・道場寺近辺は熊野古道コースではないためか、道標はないので地図を頼りに往復した (いずれの記述も2022.9現在) |
その他周辺情報 | ●買う、食べる ・湯浅駅近傍にはコンビニエンスストアは見当たらない。飲食店はある。駅近くには名の知れた食堂もある ・コース中では、津兼王子付近にコンビニエンスストアがある。他には飲食店はないが、飲料自販機が数ヵ所にある ・御坊駅近辺にはコンビニエンスストアも飲食店もある。コース中では、湯川中学角に人気とんかつ店がある ●日帰り温泉 ・それぞれの市まちに日帰り温泉施設がある (いずれの記述も2022.9現在) |
写真
感想
和歌山県内の紀伊路を完歩。JR阪和線の山中渓駅から紀伊田辺の道分け石まで7日とちょっと。長かった。峠に昔の面影や由緒あるものを残しているが、舗装された県道や国道を歩く区間が多く、山歩きの風情は薄かった。
それでも最後に残していた区間は、熊野古道最長の石畳が残る鹿ヶ瀬峠。それを楽しみにして向かった。
御坊駅付近にクルマを駐め、JRの電車で湯浅へ。土曜の朝だけに通勤は少ないものの、高校生は変わりなく乗っているようで、御坊を出るときには、早朝だがそれなりに席が埋まっている。
湯浅での降車もそれなりにあったが、駅を出てみると駅前には人がいない。おそらく線路反対側に向かう人が多いのであろう。
駅舎は近年新築された立派なもの。旧の駅舎もまだ残っている。何かに活用されるのか、工事が始まる模様だ。紀勢本線標準タイプの雰囲気が残る駅舎だけに、形が残るならば喜ばしいことだ。
それらを一通り見て出発。湯浅まで歩いたときに出てきたかどや食堂の角を逆に折れ、JRのガード下をくぐって進む。古い道らしく道筋は一本だが、集落内をクネクネと進み、国道42号へ。久米崎王子に寄り道したのちに、新広橋を渡らずに川沿いへ。これから進む鹿ヶ瀬峠とは一本峰違いの明神山や雨司山が眼前に横たわる。その峰の上には風力発電の風車がいくつも並んでおり、異国の趣だ。
まだ青いみかん畑を見ながら、川沿いを遡る。再び国道42号を横断し、殿集落を抜けてまた国道を横断。ちょうど朝のいい時間だからなのか、車は多い。渡る都度、小走りした。
津兼王子跡は湯浅御坊道路の広川インターの中にひっそりとあった。立ち寄る人も少ないのか、雑草の背丈も高くなり、注意深く探さないと気づかないくらいだ。それでもなんとか接近してお詣りした。
インターの道路下を人道用の小さなボックスカルバートで抜けて国道に戻る。しばらく進んで旧道らしい道へと別れる。井関集落は熊野古道PRに熱心なようで、江戸期の様子を描いた巻物のような絵を張り出している。井関を抜けまた広川を渡れば河瀬王子跡だ。
井関から河瀬にかけては旅籠跡と書かれた標示が目につく。しかし、残念ながらどれも跡形なく、かつての賑わいは読み取ることができない。
西の馬留王子を過ぎるといよいよ鹿ノ瀬越えの上りにかかる。しかしその道も舗装路で、古道といった面持ちではない。途中動物除けのゲートがあり、そこからは石畳をもした舗装路になる。無機質な舗装路よりはマシとはいえ、大峠までずっと舗装路というのも残念なものだ。
大峠は広場のようになっており、見晴らしこそないが、天気がよければ一息つきたい所だ。今日は天気予報が不安定で、このあと雨になる予報に変わっているので、あまりゆっくりとせず、先を急ぐ。
小峠への道は小石や落ち葉まみれの柔らかい土の道で、しかも倒木も放置されており、歩きにくい。道筋こそはっきりとしているが、先ほどまでの整備と比べると惜しい気がする。
小峠からはいよいよ最長の石畳が始まる。最初のうちは崩土や枯死枝が積もり、大切な石畳も半分隠れている。それも杉木立の中へと降りて来るときれいになり、苔むしたつづら折りの道がすべて石畳でできている光景はなかなか壮観だ。ここが世界遺産には登録されていないのは残念なことだが、道を対象としたことから紐解けば仕方のないことかもしれない。
地面に落ちた「ここから石畳」の標示を見て熊野古道公園に到着。標示の所をよく見ると、石畳の面そうがそこを境に違っており、標示より下は、どうやら公園整備に併せた現代のもののようだ。
公園を抜けると舗装路へと変わり、やがて金魚茶屋。優しい名前だが、昔からのもののようだ。さらに進んで沓掛王子跡の先にある爪かき地蔵を過ぎると県道176号に合流する。県道は、町とインターを結んでおり車通りが多い。
県道は改良箇所が多く、次々に旧道区間が現れる。その都度そちらに誘導されるのだが、熊野古道標示が見当たらない場所もある。当然県道を進んでも行けるのだから問題はないが、車を避ける意味でも旧道を歩きたい。
県道と旧道を行きつ戻りつ進み、内ノ畑王子跡の手前で西川を渡る。熊野古道公園以来この川に沿って下っているが、渡るのは公園入口駐車場以来まだ二度目だ。内ノ畑王子跡で一息ついていると小雨模様に。歩けないほどではないのでリュックカバーを装着しただけで出発。高家王子に着く頃には雨も上がった。
内原王子神社として整備されている王子跡は今日のこれまでとは違い、現役の神社らしく、整っている。集落に近いと位置づけこそ変わってもこのように大事にされ続けるということのようだ。
そこからもしばらく進むが、近くにはJR紀勢本線の線路がある。湯浅で離れて以来久しぶりの合流だ。線路と国道は由良町に立ち寄るため水越峠などを越えて海側に大きく迂回している。
しばらく進むと、ちょうどオーシャンアローがやってきた。相変わらず遭遇率が高いと思う。
紀伊内原駅への分岐交差点を過ぎ、道成寺付近に向けて直線的に進む熊野街道を行く。再び降り出した雨は強くなる気配。仕方なく雨具の上を取り出し身につける。
降ったり止んだりが続いたが、愛徳山王子跡を前にして、ついに本降りになってきた。大きく葉を広げた広葉樹の下で暫し雨宿りをする。そのうち雨宿りにならないほどの強さになってきたが、それも一瞬でどうにか歩ける程度に収まる。それを見計らって再開。
愛徳山王子跡は細長く広い。元はどのような形であったのかは判らないが、竹林の中のその空間は不思議に感じるものだ。
そこを抜け、善童子王子跡も過ぎ、また紀勢線の線路が見え始めた頃に、道成寺への寄り道ルートへと左折。
雨はまたしても本降りの様相だ。多くの店がシャッターを下ろしたままの道成寺門前で一息ついてから、参道をゆっくりと上る。広い境内に人影はない。一人でお詣りをし、紀伊路押印帳の最後の一カ所を押した。
山門から下り、来た道をとぼとぼと戻る。先ほどの分岐点から今度は直進し御坊駅方面を目指す。海士王子跡から川沿いの細道へと進む。やがて車通りの多い道にぶつかり左折。「重力踏切」を渡ると見慣れた湯川中学校角の交差点。ついに紀伊路全ルートが完結した。
記念の一枚を撮って、感慨を抱きつつ車に向かいたいところだったが、そこで土砂降りに。本日三度目の雨宿りは、人気とんかつ店の町客と一緒に軒下で、となってしまった。そのままとんかつ店に入ろうかとも思ったが、行列が長い。それに全身ずぶ濡れの客が行ったのでは店にも迷惑だ。雨の間隙を縫って這々の体で車へと帰り着いた。
どちらかといえば晴れが多い身ながら、大事なタイミングで降られてしまった。
天気不安定な中で歩いたのが間違いだったのかもしれない。
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