馬頭観音(ばとうかんのん) / めづかんのん
最終更新:2022-07-31 19:17 - jj1xgo
基本情報
馬頭観音は、仏教における信仰対象である菩薩の一尊。観音菩薩の変化身(へんげしん)の1つであり、いわゆる「六観音」の一尊にも数えられている。
ヤマレコ等で言う馬頭観音はモータリゼーション以前の、生活・流通の道(旧街道・廃道・峠)、芝先(馬捨場)でよく見られる”馬の供養塔”である馬頭観音碑を指すことが一般的だろう。
近世以降は国内の流通が活発化し、馬が移動や荷運びの手段として使われることが多くなった。これに伴い馬が急死した路傍などに馬頭観音が多く祀られ、動物への供養塔としての意味合いが強くなっていった。
「観音のビジュアル」が彫られた碑ほど仏教的な要素が強く、「馬頭観世音」の文字だけが彫られた碑は、多くが愛馬への供養として祀られたものである。
千葉県地方では馬に跨った馬頭観音像が多く見られる。
ヤマレコ等で言う馬頭観音はモータリゼーション以前の、生活・流通の道(旧街道・廃道・峠)、芝先(馬捨場)でよく見られる”馬の供養塔”である馬頭観音碑を指すことが一般的だろう。
近世以降は国内の流通が活発化し、馬が移動や荷運びの手段として使われることが多くなった。これに伴い馬が急死した路傍などに馬頭観音が多く祀られ、動物への供養塔としての意味合いが強くなっていった。
「観音のビジュアル」が彫られた碑ほど仏教的な要素が強く、「馬頭観世音」の文字だけが彫られた碑は、多くが愛馬への供養として祀られたものである。
千葉県地方では馬に跨った馬頭観音像が多く見られる。
山の解説 - [出典:Wikipedia]
馬頭観音(ばとうかんのん、、、ハヤグリーヴァ)は、仏教における信仰対象である菩薩の一尊。観音菩薩の変化身(へんげしん)の1つであり、いわゆる「六観音」の一尊にも数えられている。観音としては珍しい忿怒の姿をとる。梵名のハヤグリーヴァは「馬の首」の意である。これはヒンドゥー教では最高神ヴィシュヌの異名でもあり、馬頭観音の成立におけるその影響が指摘されている。
他にも「馬頭明王」、「大持力明王」など様々な呼称がある。衆生の無智・煩悩を排除し、諸悪を毀壊する菩薩である。「師子無畏観音」ともいう。
他の観音が女性的で穏やかな表情で表されるのに対し、一般に馬頭観音のみは目尻を吊り上げ、怒髪天を衝き、牙を剥き出した憤怒(ふんぬ)相である。このため、密教では「馬頭明王」と呼ばれて仏の五部で蓮華部の教令輪身(きょうりょうりんじん)であり、すべての観音の憤怒身ともされる。それゆえ柔和相の観音の菩薩部ではなく、憤怒相の守護尊として明王(みょうおう)部に分類されることもある。
また「馬頭」という名称から、民間信仰では馬の守護仏としても祀られる。さらには、馬のみならずあらゆる畜生類を救う観音ともされていて、『六字経』を典拠とし、呪詛を鎮めて六道輪廻の衆生を救済するとも言われる「六観音」においては、畜生道を化益する観音とされる。
馬頭観音の柔和相は『覚禅鈔』に初出して、四面二臂の異相の馬頭観音であり、この姿は『陀羅尼集経』に説くところと一致している。いわゆる柔和相の馬頭観音として有名なものには福井県・中山寺の「馬頭観音像」(三面八臂)や、滋賀県・横山神社の「馬頭観音立像」(三面八臂)があり、憤怒相と柔和相の両面を持つものとしては栃木県日光市・輪王寺の「馬頭観音像」(三面八臂)も知られている。神奈川県南足柄市内山の石仏(通称「赤観音」)は、一面二臂の柔和相の馬頭観音である。異相として、千葉県多古町・蓮華堂の「馬頭観音像」は、化仏としての阿弥陀仏を頭上に戴き、馬頭はなく、一面八臂の柔和相で白馬に乗った姿である。
馬頭観音の石仏については、馬頭の名称から身近な生活の中の「馬」に結び付けられ、近世以降、民間信仰に支えられて数多くのものが残されている。また、それらは「山の神」や「駒形神社」、「金精様」とも結びついて、日本独自の馬頭観音への信仰や造形を生み出した。