上高地ハイク
- GPS
- 07:30
- 距離
- 14.6km
- 登り
- 618m
- 下り
- 618m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2008年12月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
冬期、釜トンネルは照明が消されていて、真っ暗。ヘッドライトが必須。 その他は、問題なし。 |
写真
感想
スノーシューを購入したので早速デビューハイクを検討したが、今年は全国的に雪不足である。候補地の選択に苦労していると、なぜか雪の上高地に行きたくなる。問い合わせると、やはり積雪は数十cmとの事で、スノーシューは次回にお預けである。
●登山
15分ぐらいで釜トンネル入り口に着き、臨時のトイレに入り準備万端、ハイク開始である。
トンネルの入り口は管理人がいて、ゲートで開閉管理されている。そのトンネルからは頻繁に大型ダンプが飛び出してくる。どうも大正池の湖底の砂をすくい上げて、底上げ工事が行われているとのこと。
トンネルにトラックが入ると、常に不気味な轟音がこだまする。その奈落に?続くようなトンネル向って出発する。
200mも歩くとトンネルの中は真っ暗になる。確かweb情報では、トンネル内は照明が点いているとの事であったが・・・。
これ以上は暗くて進めない状態になり、あわててヘッドライトを装備した。こんなところでライトを使うとは思ってみなかった。持ってきて大正解である。
これではライトを持参してない人は、上高地を目の前にして、ここで撤退するのか・・・
ここは真っ暗なうえに、トラックの轟音がこの世のものとは思えない地底から迫り来る危険信号のように鳴り響く異様な空間である。しかし、この轟音も怖いが、逆に、何も音がしないのも怖いかも・・・
ハイクの初っ端から、予期せぬ体験を味わえた。
トンネルを抜けると、銀世界が広がる。
と言っても積雪は大したことなく、10cmぐらいである。それに車道はトラック用に除雪されていて、そこを、時々工事の車を避けながら歩く。
まずは焼岳が山越しに見えてくる。真白である。
その後は、カーブを曲がると、西穂高がそして穂高連峰が目に飛び込んでくる。真っ青な空に、真白な穂高、感激に言葉を失う。
改めて車で走る事の味気なさを感じる。この道は何度も通過した事があったが、このような素晴らしい景色も見落とすか見過ごすだけである。
また見えたとしても、足を止めて自分が納得する時間で見ないと、景色など安物の絵でしかない・・
午前中は曇りと思っていたが、気がつけば、最高の晴天である。
大正池の手前には、トラック交通整理を行っているオジサンと会話する。
とても話好きで、面白い。本日は、我々が2番目で、先行した人は一人で徳沢まで行くとの事。
昨日は、20人の団体が入った、また燕から表銀座を縦走して降りてきた人がいた、との話を聞いた。
その後、ハイクの途中で二人のハイカーを見たので、本日の上高地入山者は我々を含めて5人である。
このユートピアにたったの5人である。贅沢の極地
大正池に着くと、穂高が湖面に映り綺麗な鏡面穂高となる。
頭に描いていた最高の天気そのものである。風もほとんどない。
ミステリー小説のスリップになった気分。あの夏の喧騒のホテル街に自分達しかいない。映画のセットの中に居るような、いままで体験した事がない不思議な世界である。
もちろん、この素晴らしい世界を独り占めしている、王様のような征服感はそれ以上の快感である。
大正池湖畔に映る、焼岳と穂高に見とれながら、田代池に向かってあるく。
先日の20人の団体と思われる踏み跡がしっかりしていて、ルートファインディングは問題ない。
田代池では、本日唯一会話をした登山者にあった。カメラを湖面に向けて、霧氷を待ち構えているとのことである。
田代橋を渡った岸で、食事timeとする。ここは、4年まえに上高地に来たときに食事をしたとこと同じ場所である。その頃は、ベンチの場所取りに気を使ったはず・・・忙しないものである。
ホテルがあるのに誰もいない・・・・現世と思えないような夢を見ているような感覚である。
昔はこのような状態が普通であったはず。現代人は、騒音と人間関係に悩みつつ、それから隔離されると、しばし戸惑う。
上高地は冬季でもトイレが点在していて、それはそれで心強い。
ウェストン碑は大したものではなくあまり感激はしない。
田代橋から上高地までは、梓川の上流に向かって左岸を歩く。その内に雪面に何やら動物の足跡が多くなり、前方に動くものが・・・
サルである。
それも、その内に20頭ぐらいの軍団となる。我々の前方と横を警戒しながら、並走する。
河童橋に着く。ここも案の定独り占めである。
しかし、右岸のホテル街には、この閑散期を狙っての工事の業者がちらほら見られる。少し興ざめであるが、夏の観光地状態を見ると、これもしょうがないと諦める。
カッパ橋からの穂高はスバラシイ・・・天気もこれ以上ない快晴のまま・・・誰もいない・・・
日本とは思えない、そして現代とは思えない、現実とは思えない、空間である。
本当にここに泊まりたい気持ちの中で、何度も穂高に見入る。
塗装工事中のホテルには、モンベルの文字が書いてあるライトバンが止まっている。
今時は日暮も早く、4時には釜トンネルを抜ける計画、つまり3時には大正池ホテルからタクシー会社に電話することを考えて、帰路につく。
見あきない静止画のような穂高と梓川。
帰りは右岸を下る。大正池からの鏡面に映る山並みにまた見とれる。
ホテル前からタクシーに電話を入れて、ここからは段々と現実の世界に引き戻されていく。
車道となり、トラックとすれちがい、そして轟音のする釜トンネル、このトンネルが夢の世界と現実の境界線に見える。
大正池ホテルからはゆっくり下山するつもりでいたが、工事のトラックは朝夕に往来が激しくなるようで、朝と同様トラックに急き立てられることになる。
結局急ぎ足での下山となる。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する