すべってころんで山がひっそり(英彦山)


- GPS
- 03:37
- 距離
- 7.9km
- 登り
- 910m
- 下り
- 930m
コースタイム
13:00望雲台
13:50北岳
14:10中岳
14:25南岳
13:35草スキー場
15:55高住神社
合計時間: 3時間15分
合計距離: 7.89km
累積標高(上り): 611m
天候 | 曇り時々晴れ 気温27℃ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年07月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
高住神社から北岳までは沢筋も多くて登山道と誤りそうだけど、標識や赤テープをしっかり確認すれば問題なし。下山路はtsurutty70さんのレコが参考になりました。 …ところで、今回の山行でちょっと残念に思ったことがひとつ。 今年の5月に中岳山頂のバイオトイレが開設されたそうですが、開設に当っては幾度も議論を交わしたそうです。曰く「英彦山は山そのものが神域だと昔より言い継がれ唾を吐く事さえ禁じられている、その神域にトイレを作るのはいかがなものか」と。しかし苦渋の選択の末、多くの方々の尽力があり開設にこぎつけたそうです。 ところが実際歩いてみると、登山道脇のゴミが凄い…。唾を吐く事さえ禁じらた神域のはずなのに。観察すると、酒瓶やコーラ瓶、缶ジュースの残骸が多かったです。かなり古いもののようにも見えたので、最近の登山者が捨てたものではないと思いますが、他の山域では見ない量ですね。 近いうちにゴミ袋を持って、「英彦山清掃登山」でもしようかしら、と思いました。お近くのヤマレコユーザーさん、もしそんな企画を立ち上げたら手伝ってもらえませんか?とても1人でどうにかできる量じゃないです(泣)。 |
写真
感想
「すべってころんで山がひっそり」種田山頭火の句です。この句が英彦山で詠まれたものとは、実は知りませんでした。山頭火は昭和4年11月15日、師と仰ぐ萩原井泉水宛てに「けさ早くからお山めぐりをしました。鬼神社、梵字ケ岩、材木岩そして本社に参拝しました。頂上からの眺めは素晴らしいもので大小層々と重なり合い…(略)私の最も好きな景勝でありました。」と書いているそうです。
山頭火は自由律俳句で著名な俳人ですが「漂泊の俳人」とも称され、放浪と行乞、泥酔と無頼の一生を送った人ですね。「分け入つても分け入つても青い山」、「まつすぐな道でさみしい」、「どうしようもない私が歩いている」など共感できる句が多く、僕も好きな人です。好きというか、山頭火にはちょっと複雑な感情を持っていしまいます。
裕福な家に生まれ、酒造業を後継するもあえなく破産し、妻を泣かせながらも友人を頼り酒におぼれ、しっかりしなきゃと思いつつも立ち直れない自分自身に苦しむ・・・なんて、身につまされます。深く共感できるけど、同属嫌悪的なものも感じる(笑)。
ところで山頭火の師である萩原井泉水の句で、とても好きなものがあります。「くすの木千年 さらに今年の若葉なり」というものです。この歌碑が太宰府天満宮の本殿裏手に立っています。太宰府天満宮の境内には、52本のクスノキ「天神の森」があり、そのうち二本は、樹齢千年を超えると推定され、国の天然記念物に指定されています。僕は毎年、春になるとこの歌碑の下から楠木の若葉を眺めに行きます。
そういえば萩原井泉水門下で、自由律俳句のもう一人の巨人、尾崎放哉もいいですよね。「咳をしても一人」が有名ですが、「こんなよい月を一人で見て寝る」なんてのもいいですねぇ。ソロの山歩きが好きな人なら共感して頂けるでしょう? まあ二人とも大酒呑みではた迷惑な人物だったようですが。
彼らが生きた時代(明治から大正)は社会全体はけして豊かだったわけではないと思うのですが、それでも、句を創作する以外は無為徒食であった山頭火などを食わせてあげたり、泊めてあげたり、金を貸す庶民がいたという所に現代にはもしかしたら失われた日本人の良き大らかさを感じます。
そんな事をつらつらと考え歩いた今回の英彦山でした。
やっぱり山はいいなぁ。頭がからっぽになって、心がいっぱいになる。
あ、今回はからっぽになってないか(笑)
英彦山、遠いのでなかなか簡単に歩きに行けるところではありませんが、もちろん九州の山の中でも五本指に入ります。
しかし写真を拝見すると、恐ろしげなクサリ場がありますね
山頭火、拙者の生まれ故郷の偉人であります。
でも、今の時代、山頭火と言っても「ラーメン屋かい?」と言われるのが落ちです。
列挙された句の他にも、まだまだありますね。
「ころり寝ころべば青空」
「酔うてこほろぎと寝ていたよ」
放浪の俳人と言われてますが、好き好んで放浪していた訳ではなく・・・何かから逃れるためだったのしょうね。
「うまれた家はあとかたもないほうたる」
「雨ふる故里ははだしてあるく」
ふるさと防府(当時は三田尻)で読んだ句にはもの悲しさに溢れてます。
さて「英彦山清掃登山」、実現するといいですね
yamabeeryuさん、コメントありがとうございます。
英彦山はメインルートに鎖場もなく普通の登山道なのですが、この「望雲台」だけは笑ってしまいます
山口県は多くの俳人詩人を生み出していますよね。中原中也と金子みすゞも大好きです。湯田温泉にある「中原中也記念館」と、仙崎にある「金子みすゞ記念館」は凝ったつくりで楽しめます。山頭火は記念館がないのかなぁ?
山歩きを楽しんでいる人間にとって、ゴミを持ち込まないのは常識ですが、英彦山はちょっとショックでした。年間20万人を超える登山者がいるという事なので、環境保全に努めたいですね。
登るときに気がつけばゴミを拾うようにしていますが
たくさん落ちていますと難しいときがあります。(触ると恐そうなゴミも・・)
久住で北千里へ下るところにまるでゴミ捨て場みたいになっているところがあり
一人で拾うことができませんでした。
大昔のゴミかなぁと思いました。
地域の方々で山の整備をしていただいてるおかげで安心安全に登ることができます。
わたしもゴミ拾いのお手伝いならできますので参加したいです。
くるりんさん、コメントありがとうございます。
手を上げて下さって、ありがとうございます!嬉しいです
英彦山のゴミは多分、古いモノと思います。割れた瓶が特に目に付きます。
どちらかと言うと「触ると怖そうなゴミ」の部類かも…。
袋はどうしようかなぁ。市町村で使うビニールごみ収集袋じゃ厳しいかも。
それと、いきなり日程についてですが、8月2日(土)か3日(日)はどうでしょう?
うちの町の分別ゴミ収集に出せるのと、お盆前だから良いかな?と検討しています。
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