烏帽子ケ森・西川林道コース(馬路村~安芸市)
- GPS
- --:--
- 距離
- 12.2km
- 登り
- 689m
- 下り
- 688m
コースタイム
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
[林道について] 登山口に向かうには、千本山登山口を過ぎて、西川林道~西川林道125線を走行しないといけないが、宝蔵山親水公園を過ぎた所にゲートがあるため、前もって安芸森林管理署 魚梁瀬地区合同事務所(Tel 08874-3-2314)にゲートの鍵番号を教えて貰う必要がある。他の地区の林業事務所とは違い、この事務所は書類申請は不要。尚、ボックスの中に鍵があるため、番号が見えづらいので、懐中電灯を持参した方が良い。 西又東又林道分岐から先が西川林道125線だが、この林道は土砂崩れが頻発しており、当方が訪れた二回共、倒木や小規模の土砂崩れがあり、それを手作業で撤去した。故に時間に余裕をもって出立すること。 尚、前述のゲートから6.5km少々ほど行った所の左手路肩の灌木に、黄色いマーキングテープが巻いて掛けられているが、これは森林管理署の作業員に「ここから先は土砂崩れがあるから、ここに駐車しておきなさい」という印。但し、先日行った時は、軽四ならもう少し奥まで入れるようになっていた。 林道は超悪路で、当方マイカーのホイルキャップが三個、取れてしまった。 [登山道の危険箇所] 1314m峰南西のピーク西端が岩盤の崖になっているため、細心の注意が必要。下り口地面も藪で見えにくいから、足を踏み外さないように。ザイルがあれば安心。 |
写真
感想
[かつての安芸山地屈指の難関峰を簡単に攻略]
'90年代から'00年前後までの期間に、烏帽子ケ森に登頂したピークハンターは皆、口を揃えて「あの山には二度と登りたくない」と言っていた。その安芸市別役方面から登るルートは拙著(part2の方)にも簡単に紹介しているが、兎に角中腹から上のスズタケの藪が酷く、最後は四つん這いでの登頂を余儀なくされていた。
しかし、馬路村魚梁瀬の西川林道125線終点(西又山登山口)から登った場合、スズタケの藪漕ぎはごく僅かで、登山口と山頂との高度差も200数十メートルしかない。一ヶ所だけ、注意を要する岩盤の下降があるものの、所々登山道から展望も開け、気持ちのいい登行を体験できる。
尤も、登山口から1314m峰北の沢までのルートは近年、植樹のために開かれたもので且つ、林道が何年も前に土砂崩れを起こしていることから、このルートを無名峰ピークハンターが知らなくても無理はない。
西川林道125線は兎に角土砂崩れが多い林道で、森林管理署もその都度復旧させる訳ではないので、「土砂崩れがあって当たり前」と思っていた方が良い。私は二回共、小規模の土砂崩れに遭遇し、その都度手作業で石を除去していた。重いものは30kgほど。
駐車地から30分ほどの所、林道の北、西又谷が二つの沢に分かれているが、双方の沢に無名の滝が懸かっている。特に東の滝の方が見応えがある。この西又東滝(仮称)は先々週、台風が通過した直後、訪れた時、落差が200mを超える「中国・四国一の滝」になっていた(詳細は当方のオリジナルブログを参照)。
林道終点には森林管理署が設置した大きな西又山登山口の看板が建っている。この林道が車が通れる状態だとしたら、このコースが西又山最短コースになる。尚、最難コースは拙著part1の方で解説している。
登山道横の沢には傾斜の緩い滝が懸かっている。
登山道はすぐ、涸れ沢を直接登るようになるが、豪雨が襲来すれば一遍でこの道は流失するだろう。
ほどなく西の斜面に移り、右カーブの分岐に来ると西又山方向を示す道標が立っている。そちらとは逆の北に進んだ方が烏帽子ケ森へは近道になるので辿ってみると、さきほどの滝の上流に出た。渡渉すると支尾根に薄い尾根道が付いている。植樹のために付けられた踏み跡のようで、この南のピークの更に南まで植樹されているようだったので、これなら1314m峰まで、稜線を辿らず、この踏み跡を辿って行くことができるのではないかと思った。
尾根道はピークまで行ってしまうと遠回りになってしまうため、ある程度登った所の分岐で左折し、横道に入った。
この作業歩道は山腹を進んで行き、1314m峰北の沢に下り立った。前方奥には稜線のコルも見えているが、沢をコルまで遡るのではなく、ある程度遡行した所で南の斜面に移り、適当に植樹の斜面を上がって行った。
この斜面は急登。稜線を見ても同様。稜線は見た感じでは藪っぽく思えたため、かなり上まで植樹の斜面を上がってから、トラバースして稜線に乗った。上部の稜線は藪化することなく、踏み跡が続いていた。
が、1314m峰山頂が近づくと尾根の幅が広がり、踏み跡も判然としなくなる。構わず登って頂上に達すると、何と農林省山林局が明治25年に埋設した三角点とそれを示す石柱が立っていた。但し、国有林施業計画図では図根点表記になっている。どちらも基準点の一種であることには変わりないのだが。
ここから西に派生するスズタケの尾根は、最初、幅が広いので適当に下ってみたが、スズタケは密生度が低いため、簡単に漕げる。ほどなく踏み跡に出て、下って行くと、稜線から若干北にずれた平坦な尾根直下に下り立った。
この尾根は距離に於いて200m弱で北にカーブしているが、そのカーブ部から南西へ伸びる主尾根に移らなくてはいけない。
最初、この尾根の分岐は分かり辛いだろうと思っていたから、左手にその尾根が見えると、適当に斜面を下ったみた。しかしこの判断は最悪の結果を招く。帰路、分かったことだが、実は、その分岐から西の尾根にかけては刈り分けがあったのである。
藪を適当に漕いで行くと、段になったような斜面が下に見えている。それは後で崖だったことが分かるのだが、その崖の突端に来てしまった時、急峻な地形と藪で、進退窮まってしまった。そこで灌木の枝に自分の体重をかけ、そのしなりを利用して崖下に下り立とうとした。恐らく、2年前までの太った体型だった頃は、転落して大怪我をしていたことだろう。
辛うじて、若干転落気味(?)にずり落ち、何とか地面への激突は避けることができた。
尾根に乗り、その次のピークを過ぎると再び岩盤の崖。南側にルートはあるのではないかと探ってみたが、藪が密生して地面があまりよく見えない。慎重に踏みながら、枝を掴み、南から西に岩場を回り込み、岩盤へのスタンスに細心の注意を払い、何とか地面に下り立つことができた。少し精神的に疲労する。
その次のピークを越えた位だったと思うが、地形図(赤城尾山)の1250m等高線の細長い平坦な尾根は、実際には、東方から見ると突端が鋭角的なピークのように見える。
岩尾根箇所にはシャクナゲもあったかも知れない。
1270m辺りは高木がなく、南方の展望が優れている。まるで有名峰のような登山道と景観。
山頂が近づくと尾根の幅が広がって来て、「山頂かな」と思った平坦地に出ると、そこは狭い湿地跡のようになっていた。その先にも広場があり、そこを過ぎた樹林の中に三角点があった。周囲の灌木が伐採されて三角点に折り重なっている。そのせいか高知の登山界のレジェンド・MH2氏の登頂記念板も撤去されている。桑の木山で驕っていたキティ山岳会の記念板もない。
帰路は往路を引き返すのみ。
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