記録ID: 4830742
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
比良山系
【野坂山地】明王の禿直登沢(禿の谷)〜明王の禿登攀
2022年10月23日(日) [日帰り]
福井県
滋賀県
- GPS
- --:--
- 距離
- 6.5km
- 登り
- 687m
- 下り
- 669m
コースタイム
天候 | 晴れ時々くもり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
※ 山行ジャンルを「無雪期ピークハント」としましたが、明王の禿直登沢のパートは沢登り装備(少なくとも沢靴)が必要です。 【明王の禿直登沢(禿の谷)】 八王子川の支流で、明王の禿に南側から突き上げている谷(【後日追記】この谷は「禿の谷」というそうです。出典は福井岳人倶楽部「福井の雪山」)。堰堤が連続するため、純粋な沢登りの対象としてはおすすめしにくいが、花崗岩の谷に特有の白くて明るい流れで、(二次林ではあるが)自然林に覆われているので案外雰囲気は悪くない。2箇所ゴルジュがあり、どちらも最大5〜8mほどの滝が3つほど詰まっていて、直登も可能で楽しめる(が、どちらもゴルジュ出口で驚愕→がっかりさせられる。何があるかは現地でのお楽しみ!)。源頭に広がる明王の禿のパノラマは絶景の一言。 【明王の禿の登攀】 高島トレイルの赤坂山〜三国山間の稜線の南面に切れ落ちている大規模な岩壁帯。とにかく広い岩場なので様々なルート選択の余地があり、ルート取りにより難度はいくらでも変化すると思われる。今回は直登沢をほぼ最後まで詰め、明王の禿の最も標高が高いピーク(最も三国山寄りのピーク)を目指して登り、最終的に当該ピークのやや西寄りの稜線に登り出た。なるべく登りやすい箇所を選んで登ったため、それほど傾斜は強くなく、壁というよりは岩の堆積といった感じで、いつでもノーロープでクライムダウン可能な程度の岩場が続いた(グレードにして最大でも3級程度)。明王の禿というと風化が激しいイメージがあるが、慎重にルートを選べば稜線直下までは意外にしっかりした硬い岩も多く快適に登れる。 しかし、核心部は稜線までの最後の10mほどで、表面がボロボロに風化した花崗岩スラブとなっており、少しでも硬いホールドを探りながらの、かなり神経を磨り減らす微妙な登りとなる。おそらくどこを登っても稜線手前で似たような状況に行き着くと思われ、一般的にはおすすめできないと感じた。直登沢の源頭で明王の禿のパノラマを楽しんだあとは、明王の禿の岩場の一番東端に簡単に登れそうなガレ場があったので、そこから稜線に出るのが最善と思われます。あと落石にも注意。 |
写真
装備
備考 | ・ラバーの沢靴使用。花崗岩の沢なのでフリクションは非常に良好で、源頭は岩登りになるためラバーがおすすめ。 ・40mロープはじめ沢登りの基本装備(ハーケン数枚など登攀用具含む)は携行したが使用場面なし。 |
---|
感想
〈明王の禿直登沢(禿の谷)〉
堰堤の連続する谷である。通常なら、それだけで「遡行価値なし」と断じられてしまっても仕方ないかもしれない。
しかし、この谷に遡行価値は「ある」。少なくとも、最後までこの谷を遡れば、その意味が解ってもらえると信じている。低山離れした息を呑む光景が、源頭で遡行者を待っている。
〈明王の禿の登攀〉
角張った花崗岩のザラッとした感触を両手で確かめながら、屹立する白い奇岩を迂回するように、大まかな動作で登っていく。堆積する岩の傾斜がしだいに強まっていく。それにつれて、背後の琵琶湖の輝きも、ぐんぐんと広がりを増していくのがわかるが、振り返る余裕はない。稜線まであと数メートルというところで現れた風化スラブを、じりじりと登っている最中だからだ。やっとのことで稜線に登り出てザックを放り出し、平らな地面に倒れ込むと、赤坂山へと続くなだらかな丘陵は、いちめんのススキの穂の銀の波だった。ここでちょっと休んでから、あの中をゆっくり歩いて行こう。いまは眼下に光る海のようになった琵琶湖を眺めながら。緊張の登高のあとで、それがとても有難いことのように、何かの恩寵のようにさえ感じられた。
お気に入りした人
人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:788人
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する