高童山〜鎌倉山☆大杉の尾根から色づくブナの美林に
- GPS
- 02:47
- 距離
- 8.1km
- 登り
- 909m
- 下り
- 899m
コースタイム
- 山行
- 3:12
- 休憩
- 0:01
- 合計
- 3:13
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
(尾曽越谷の右岸尾根の取付き地点にも車数台分の広い道路余地あり) |
コース状況/ 危険箇所等 |
今回のルートは一般登山道のないバリエーション・ルートでありテープ類もほとんどなし 尾曽越谷右岸尾根は薄い踏み跡あり 尾曽越谷左岸尾根にも踏み跡はあることはあるが全般的にかなりの濃厚な藪尾根であり北山の中でもルート・ファインディングの難度が高い方と思われる 最初の尾曽越谷右岸尾根の登りはログが切れていました。 |
写真
感想
本来、この週末はテン泊山行に出かけたいところではあったが、家で行いため作業があるために泊まりがけの山行は諦める。しかし、この日も朝から好天が続いている。この好天で一日中、家の中の暗い部屋に閉じこもっているのは苦痛だ。作業を中断午後からの短い山行に出かけることにする。
前日の色づき始めたブナの美林に味をしめ、この日も北山でブナの樹林に出会える場所を・・・と考えた挙句、鎌倉山のブナ林を訪れることにする。ついでに高童山が気になっていたので、尾曽越谷の流域を周回するルートを考える。
高童山というのは鎌倉山から尾曽越谷の右岸を北東に伸びる尾根から東に派生する尾根上にある標高点827の小ピークだ。ネットで検索してもその情報はほとんど出てこないが、この一風、変わった山名は唯一無二のもののようだ。
尾曽越橋の東詰めには広々とし道路余地があり、ここに車を停めて出発する。まずは下山予定の尾曽越谷の左岸の様子を見にいく。道路の反対側にはいこいの里久多のキャンプ場の受付の建物ある。建物の前には水がひいてあり、水が滾々と流れ出している。
ここで水を汲んでいると、受付の建物の中から中年の女性が顔を覗かせ、唐突に切り出した。「ここは私有地なんです。」私が驚いて呆けた顔をしていたからだろうか。「私有地って意味わかります?つまりあなたは勝手に人に庭に入り込んで水を汲んでいるのと同じなんですよ」
私が入って立っているのは道路から1mも入ってはいないが、そのわずか数10センチを問題にしておられるのだろうか?建物の前にはコカコーラの自動販売機があるが、女性の理屈によるとこの自動販売機を購入するために建物に近づいてはならないことになる。勿論、どこにも私有地とか入るべからずという札の類はない。果たしてキャンプ場の客に対してはどのような対応をされるのかわからないが、かなり陰険な雰囲気であるのは間違いない。
県道を少し戻ったところで植林の尾根の末端に取り付く。植林の中には尾根芯に沿って道が続いているが、登るにつれて傾斜が増し、かなりの急登となる。Ca 500mで尾根に乗ると大きな台杉が聳えている。その大きさに驚いて見惚れていると、そのすぐ南側にも同様に迫力のある台杉がもう一本あることに気が付く。
大杉からはそれまでの急斜面から一点して、緩やかな尾根が続く。しばらく尾根を進むと、再び大きな杉の樹が現れる。鎌倉山から南西に伸びる尾根には千年杉と名付けられた大きな杉があるが、こちらの杉の樹の方が大きいのではないかと思う。
林床は一面に黄葉したコアジサイが広がるようになる。急に尾根がなだらかになったかと思うと高童山へと続く稜線に乗ったようだ。東に向かうと、尾根には小さなピークが複雑に集まった形状となっている。ca830mの小ピークを過ぎると、地図には反映されないが二重尾根となっており、かつては池だったであろう湿地が現れる。雪解けの季節には池が見られるのかもしれない。
湿地を過ぎると杉の植林から抜け出し、色づき始めた自然林の細尾根となる。高童山の山頂は切り払いされたためと思われる小さな山頂広場があったが、山名標の類は見当たらない。尾曽越谷の左岸尾根とのジャンクション・ピークとなるp895を目指す。
地図上は緩やかな尾根が続いているように見えるが、小さなピークがいくつも連続し、小刻みなアップダウンを繰り返すことになる。p895は山頂の東側が開けており、正面に比良の武奈ヶ岳を望むことが出来る。
ここで南西方向に向きを変えて鎌倉山へと続く尾根を辿る。鞍部に降ると広々とした下生えのない自然林の疎林が広がる。手前のピークca900にかけてはコアジサイと思われる藪が繁茂している。鹿のものと思われる微かなトレースを辿る。ピークに至るとブナの疎林が広がり、林の中は色づき始めた黄葉からの黄金色の透過光が満ち溢れている。短い距離ではあるが、この界隈ではかなり綺麗なブナ林だろう。
鎌倉山まではわずかにひと登りだ。山頂の周囲の林床ではテツカエデと思われる低木が赤く色づいている。鎌倉山の山頂に至ると太陽は急に雲の中に隠れてしまう。西の空には厚い雲が広がり始めた。
再びca900mのピークに戻ると登ってきた尾根を見失う。明瞭な踏み跡を見つけるので斜面を下るが、連綿と黄色いテープが樹に巻いてある。登りではテープの類いは見当たらなかったのと景色に全く見覚えがないので、これはおかしいと思ってGPSを確認すると北西に伸びる尾根を下っているのだった。既にピークから100mほども下降してしまっている。
再びピークに登り直して、p895へと続く尾根を下降する。p895からは尾曽越谷の左岸の尾根に入るべく北東に尾根を下降する。最初は尾根に踏み跡が続いていたが、ca790mの木場のような平坦地を過ぎると途端に踏み跡が全くなくなる。方角を確認して急斜面を下降する。錆びついたワイヤーが足元にあるので方向が正しいことは確信できたが、踏み跡と呼べるようなものが全くない。
Ca700mで再び広々とした木場に出る。おそらく先ほどのca790m地点からは西側の尾根を下降した方がよかったのではないかと思う。ここからは尾曽越谷の左岸が続いている。尾根上には踏み跡もあるので、後は尾根の末端まで問題なく下降できるかと思いきや、その考えは完全に甘かった。尾根が細くなると尾根芯は馬酔木などの濃厚な藪が広がる。尾根の右側斜面、南東側に樹を切り払った微かな踏み跡があるので、この踏み跡のみが頼りだ。
尾根の先からキャンプパーと思われる子供の声が聞こえきたところで、ようやく尾根の末端に近づいたことが判る。結局、尾根の末端部まで藪尾根が続く。末端部では尾曽越谷の左岸に林道が現れるので林道に下降する。
林道を歩くと再び先ほどのキャンプ場の受付の前に出る。滅多にこの林道を歩く登山者はいないのだろう。先ほどの陰険な女性がこちらを睨んでいるのが見える。この登山ルートの最大の注意点はルート。ファインディングよりもむしろこのキャンプ場の人達と関わらないことだ。
コメント
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こんばんは☆
勇壮な台杉と美しい自然林の道、
いいですね。
紅葉も始まり、美しい景色が楽しめますね。
先日のサンライズハイクも堪能させて頂きました。きっとyamaneko さんが美しい景色を見せて下さる頃と楽しみに待っていました。
それにしても、久多キャンプ場の女性の対応は残念ですね。以前久多キャンプ場に客として訪れた事がありますが、その際には特別気にはなりませんでした。塩対応に、さぞ驚かれた事でしょう。私もその辺りを山行で訪れた際には気をつけたいと思います😅
貴重な情報ありがとうございます💞
コメント・・・それからいつもご来訪ありがとうございます。
勿論、キャンプ場の来客に対してはそのような態度だと、口コミで悪くかかれるでしょうから、全く別の態度だと思います。
このキャンプ場のあたりから・・・この尾曽越谷界隈を歩くことは滅多にないでしょう。ちなみに尾曽越谷の右岸尾根の取付き地点にも車数台分の広い道路余地がありますので、そのことを追記させていただきました。
今、下山後の仙流荘の駐車場からですが、レコ拝見させていただき、「そう言えば、あの山でもあんなことあったなあ」というのをいくつか思い出しました。笊ケ岳とか、あの山小屋の特定の方とか、、、(^^;;。
地域の方からウェルカムな山もあれば、迷惑だと思われている山もありますね。今回の女性は、まあ、他の方にも同じような感じなんでしょうね。注意の立て札立てれば良い話ですが、文句を言いたいだけなのかもしれませんね。自分だったら、「おいしい水です。よかったらどうぞ」っていう立て札立てたいです。
水が出ている場所の背後にはコカコーラ社の自動販売機もあるので、「私有地につきこの自動販売機で購入すべからず」とでも立て札を立てるべきところなのでしょうね。
ちなみにここは久多の集落とはかなり離れており、キャンプ場を運営しているのも久多の住民ではないと思います。ここから登山する人はまずいないでしょうから、登山者に対して格別な感情を抱いているという可能性も考え難いところです。
山小屋にもとても親切な方がいらっしゃる一方、とんでもない塩対応の方がいらっしゃいますよね。残念ながら、とても良い山行の思い出にそうした塩対応の記憶が不可分のものになってしまっていることです。
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