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記録ID: 48573
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東北

超眺望、北海道が見える山”藤里駒ヶ岳” 

2009年10月12日(月) [日帰り]
 - 拍手
GPS
03:14
距離
4.1km
登り
464m
下り
473m

コースタイム

11:20  登山口駐車場
11:30  田苗代湿原入り口(新コース分岐)
11:42  湿原終わり
11:52  「山頂へ1.2km」道標(鞍部)
12:31  新旧コース合流点
12:38  山頂着
13:30  山頂発
13:38  新旧コース合流点
13:50  尾根道終わり
14:01  「山頂へ1km、登山口へ1.3辧彳刺
14:22  湿原入り口(旧コースと合流)
14:34  登山口駐車場
天候 曇り、視程は良好(120勸幣)
過去天気図(気象庁) 2009年10月の天気図
アクセス
コース状況/
危険箇所等
この山は登山道以上にアプローチ道(車道)のリスクが大きいので、敢えて車道の状況から記録します。

【車 道】
[県道317号(西目屋二ツ井線)]
 能代市二ツ井町で国道7号から県道317号に入ります。藤里町の中心地を経て、路線バス最終点の真名子までは25分程度で、全く問題のない普通の往復2車線道路です。
 真名子から登山口への分岐点(黒石沢分岐)までは9.5辧20分足らずですが、この道はもと林道であり、藤琴川にほぼ忠実に沿っています。それだけに曲がりくねった狭い道路ですれ違い箇所も少ないので、ガードレールこそ設置されているものの、運転は要注意です。また、落石の可能性もあります。加えて、藤琴川は渓流釣り(イワナ、ヤマメ、アユなど)では全国的に有名なところなので、この道を通る車は、釣り人のほか登山口までの途中にある「岳岱」への観光客も含め、道路条件の割りには、相当多いといえます。
[黒石沢林道]
 黒石沢分岐を左折すると登山口までは9匸し、20分弱です。分岐からすぐ未舗装路となりますが1km少しでふたたび舗装路となり、15分ほどで岳岱、さらに5分ほどで駐車場です。こちらは林道ですが、単車線ながら県道よりも道幅があり、すれ違い箇所も随所に設けられているので、ガードレールこそありませんが、「真名子→黒石沢分岐」よりははるかに運転しやすくなります。落石の危険性もずっと少なくなります。

 以上、車道は、登山者だけでなく、釣り人や観光客の車も往来するので、昼過ぎでも登ってくる車があることに注意が必要です。
 国道から38辧1時間かかりますが、平成5、6年頃は2時間近くかかりました。


【登山道】
 歩行時間は2時間半程度ですが、総じて湿度の高い道です。粘土質の部分が結構多いほか泥濘もあります。不規則で急な石段の部分も湿気があります。

[登山口〜新旧コース分岐(湿原入口)]
 登山口から田苗代(藤駒)湿原に向かって下り、10分程度で分岐点です。歩行空間もあり、比較的広い道ですが、滑りやすい部分もあります。
[新旧コース分岐⇒鞍部(「山頂へ1.2km」の標識)]
 新旧コース分岐から程なく湿原に入ります。湿原は木道を歩きますが、土の道の登りとなり、湿原から10分程度で「山頂へ1.2km」の標柱につきます。
[鞍部⇒新旧コース合流点]
 標高差260m、40分程度ですが不規則な石段が続く、平均勾配率25%前後の登りとなります。途中手ごろな休憩場所はなく、一気に登ります。
[新旧コース合流点⇔山頂]
 展望(南側)の良い尾根道です。山頂に近づくにつれ痩せてきます。山頂に向かって左側は急峻ですので、足元要注意です。

[新旧コース合流点⇒新旧コース分岐(湿原入口)]
 展望の良い尾根道も山頂から20分程度で終わり、尾根道を離れてからは、粘土質と泥濘の多い急な下りとなります。木段が随所に設置されていますが段差も大きく滑りやすい道が続きます。急下降から開放されるのは湿原入口近くになってからです。

【その他】
[登山ポスト]
 登山口の周囲には見つけられませんでした。
[温 泉]
 温泉は登山口から40分程度(藤里町内手前、中心部よりも北寄り)のところ、国道に向かって左側の高台に「ホテルゆとりあ藤里」があります。県道からすぐなので迷うことはありません。入浴料は500円でした。詳しくはHPをご覧ください。
[飲食店]
 藤里町にはサフォーク種の羊の牧場がありますが、この肉を食べる(ジンギスカン)ためには素波里湖畔にある猿ケ瀬園地にある"サフォークの館"に行く必要があります。羊肉としてはあっさりしており美味しい肉ですが、最近行っていないので、事前に確認が必要です。また、猿ヶ瀬園地までは、登山口駐車場から1時間半以上かかると思います。
 藤里町中心部から、県道を南下し国道7号線の下を通過すると旧国道7号線です。ここを右折すると、数分で能代市二ツ井町(旧二ツ井町)中心部ですが、この町には馬肉ラーメンで人気の高い"曙食堂"があります。旧国道と二ツ井駅から米代川に南下する商店街との交差点の信号を左折し、すぐ再び左折します。間口の狭い店なので見逃さないようにしてください。ここのラーメン(中華そば)はチャーシューの代わりに馬肉を使っています。苦手の人もまれにいるようですが、私は40年来のファンです。

登山道入口はこの案内図の左にあります。
2009年10月18日 20:33撮影 by  E7600, NIKON
10/18 20:33
登山道入口はこの案内図の左にあります。
登山口駐車場にある立派な水洗トイレです。建物の正面中央に蛇口がありますが水は天水利用ですので飲用不可です。水量が不安定だそうですが、ドロだらけの靴底を"歯磨き"することができ、大いに助かりました。
2009年10月18日 20:37撮影 by  E7600, NIKON
10/18 20:37
登山口駐車場にある立派な水洗トイレです。建物の正面中央に蛇口がありますが水は天水利用ですので飲用不可です。水量が不安定だそうですが、ドロだらけの靴底を"歯磨き"することができ、大いに助かりました。
新旧コースの分岐点。湿原へは木道を直進します。新コースは左へ行きますが、登りには使わない方が良いと思いました。
2009年10月18日 20:40撮影 by  E7600, NIKON
10/18 20:40
新旧コースの分岐点。湿原へは木道を直進します。新コースは左へ行きますが、登りには使わない方が良いと思いました。
湿原の紅葉。だいぶ色づいていました。夏は高山植物が楽しめそうです。
2009年10月18日 20:23撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
10/18 20:23
湿原の紅葉。だいぶ色づいていました。夏は高山植物が楽しめそうです。
湿原終了地点。登山道が始まります。ここから400メートル、10分で次の写真です。
2009年10月18日 20:41撮影 by  E7600, NIKON
10/18 20:41
湿原終了地点。登山道が始まります。ここから400メートル、10分で次の写真です。
鞍部にある標柱。[山頂へ1.2km](左)とありますが、なかなかの急登で、登り始めると平坦なところはなく、ゆっくり休むことができる場所はありません。右は冷水岳への道のようですが、通行禁止になっていました。
2009年10月18日 20:43撮影 by  E7600, NIKON
10/18 20:43
鞍部にある標柱。[山頂へ1.2km](左)とありますが、なかなかの急登で、登り始めると平坦なところはなく、ゆっくり休むことができる場所はありません。右は冷水岳への道のようですが、通行禁止になっていました。
急登の前。よく見ると、枯葉の中に大きめの石がゴロゴロ。
2009年10月18日 20:45撮影 by  E7600, NIKON
10/18 20:45
急登の前。よく見ると、枯葉の中に大きめの石がゴロゴロ。
山頂から北方向。中央、雲の下に北海道松前方面が見え、驚きました。中央奥のピークは大千軒岳だと思うのですが…。
2009年10月18日 21:58撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
10/18 21:58
山頂から北方向。中央、雲の下に北海道松前方面が見え、驚きました。中央奥のピークは大千軒岳だと思うのですが…。
北西方向。低く垂れ込めた雲の真下中央が白神岳、その右は向白神岳です。白神岳の手前中央の紅葉している山は小岳です。その左のダブルピークは二つ森。小岳の右、白神と向白神との間の手前のピークが摩須賀岳です。
2009年10月18日 21:05撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
10/18 21:05
北西方向。低く垂れ込めた雲の真下中央が白神岳、その右は向白神岳です。白神岳の手前中央の紅葉している山は小岳です。その左のダブルピークは二つ森。小岳の右、白神と向白神との間の手前のピークが摩須賀岳です。
左奥は岩木山。山頂部分だけが雲に隠されていました。
2009年10月18日 21:12撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
10/18 21:12
左奥は岩木山。山頂部分だけが雲に隠されていました。
右中央が田代岳。左奥は八甲田連峰です。八甲田も山頂は雲の中でした。
2009年10月18日 21:16撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
10/18 21:16
右中央が田代岳。左奥は八甲田連峰です。八甲田も山頂は雲の中でした。
大きな曲線を描く能代〜男鹿半島の海岸線です。奥は男鹿半島。入道崎まで見えていました。半島のピークは本山です。手前は焼山でしょうか。
2009年10月18日 21:24撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
10/18 21:24
大きな曲線を描く能代〜男鹿半島の海岸線です。奥は男鹿半島。入道崎まで見えていました。半島のピークは本山です。手前は焼山でしょうか。
山頂から南側の展望地へいく途中にあった山頂ポスト。中にはノートと筆記用具があり、最近の書き込みもありました。
2009年10月18日 21:26撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
10/18 21:26
山頂から南側の展望地へいく途中にあった山頂ポスト。中にはノートと筆記用具があり、最近の書き込みもありました。
遅ればせながら、山頂の標柱です。標柱の後ろにあるのは能代市長さんのザックです。後ろには、山頂が雲でスッパリ切られた岩木山。全部見えているよりもこの方が津軽"富士"らしくもあります、とは言いすぎでしょうか?
2009年10月18日 23:01撮影 by  E7600, NIKON
10/18 23:01
遅ればせながら、山頂の標柱です。標柱の後ろにあるのは能代市長さんのザックです。後ろには、山頂が雲でスッパリ切られた岩木山。全部見えているよりもこの方が津軽"富士"らしくもあります、とは言いすぎでしょうか?
南東方向。中央左は田代岳ですが、その他は?
2009年10月18日 21:40撮影 by  E7600, NIKON
10/18 21:40
南東方向。中央左は田代岳ですが、その他は?
山頂から新旧コース合流点への尾根道から南南東方向。右が藤駒の東面です。かつての火口壁でしょうか? 奥は森吉山だと思います。
2009年10月18日 21:44撮影 by  E7600, NIKON
10/18 21:44
山頂から新旧コース合流点への尾根道から南南東方向。右が藤駒の東面です。かつての火口壁でしょうか? 奥は森吉山だと思います。
新コースの木段。丸木を固定している棒鋼にキャップがついていました。こうした配慮はありがたいものです。しかし、道そのものはかなりの悪路の部類です。
2009年10月18日 22:01撮影 by  E7600, NIKON
10/18 22:01
新コースの木段。丸木を固定している棒鋼にキャップがついていました。こうした配慮はありがたいものです。しかし、道そのものはかなりの悪路の部類です。
新コース終わり間近の辺り。紅葉はきれいですが、足元は…
2009年10月18日 22:07撮影 by  E7600, NIKON
10/18 22:07
新コース終わり間近の辺り。紅葉はきれいですが、足元は…
新コース下部。紅葉シリーズその2
2009年10月18日 22:13撮影 by  E7600, NIKON
10/18 22:13
新コース下部。紅葉シリーズその2
新コース下部。紅葉シリーズその3
2009年10月18日 22:22撮影 by  E7600, NIKON
10/18 22:22
新コース下部。紅葉シリーズその3
登山口から10分程度入ったあたりです。
2009年10月18日 22:29撮影 by  E7600, NIKON
10/18 22:29
登山口から10分程度入ったあたりです。
前の写真とほぼ同じ地点。この辺の道は良いのですが…
2009年10月18日 22:31撮影 by  E7600, NIKON
10/18 22:31
前の写真とほぼ同じ地点。この辺の道は良いのですが…
この、きれいな標識につられて、革靴で湿原まで行く人もいるようですが、途中滑る箇所があります。山頂まで70分は結構きついかもしれません。
2009年10月18日 22:33撮影 by  E7600, NIKON
10/18 22:33
この、きれいな標識につられて、革靴で湿原まで行く人もいるようですが、途中滑る箇所があります。山頂まで70分は結構きついかもしれません。
駐車場の西側の紅葉。雲が低かった割にはいい色がでていました。
2009年10月18日 22:45撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
10/18 22:45
駐車場の西側の紅葉。雲が低かった割にはいい色がでていました。
下山後、"ホテルゆとりあ藤里"近く(県道沿い)にある峨瓏(ガロウ)の滝です。小さいながらも均整の取れた滝です。この上流の峨瓏峡がなかなかとのことです。
2009年10月18日 22:52撮影 by  NIKON D80, NIKON CORPORATION
10/18 22:52
下山後、"ホテルゆとりあ藤里"近く(県道沿い)にある峨瓏(ガロウ)の滝です。小さいながらも均整の取れた滝です。この上流の峨瓏峡がなかなかとのことです。

感想

 驚きました。秋田県から北海道が見えるとは!!!

 前日の女神山同様、山行回数稼ぎ的不純な動機と黒石沢林道の状況確認のため、藤駒に行くことにし、家を9時頃に出発して登山口着は11時過ぎ。登山の常道に反した山行となりました。
 黒石沢林道は県道からの数分だけが未舗装のままでしたが、ここを除き登山口まで綺麗に舗装されていました。当日は祝日にもかかわらず、舗装工事をしていました。特に、岳岱から上はガードレールこそないものの道幅も広く、なんとL字側溝つきです。今後この山への入山が増えることになりそうです。
 登山そのものは、時間こそ2時間半程度なものの、新旧コースとも湿原部分以外は急な登降部分が多かったことは意外でした。前日の女神山がピクニックに近いハイキングだったことと比べれば、時間こそかからないものの、しっかり「登山」させられました。特に新コースは、決して楽なコースではありません。粘土質で、かつ泥濘の多い急な下りが続きます。木段が設置されているとはいえ、油断は禁物です。

 今回の最大の収穫はこの山の眺望のよさです。白神山地のほぼ中央に位置しているので、白神山地の各山々の同定がしやすい(白神岳に比べて)ほか、なんと言っても、北海道松前が見えることには驚きと感激を覚えました。
 当日は標高1300m前後より高い山頂はことごとく雲に覆われており、岩木山も山頂部分だけが隠されておりましたが、360度の眺望はすばらしいものがあります。
 今回確認できたのは、北海道大千軒岳(多分)、白神岳、向白神岳、小岳、摩須賀岳、岩木山、八甲田連峰、田代岳、八幡平、森吉山、白子森、鳥海山(裾野部分)、男鹿半島などです。標高は決して高くありませんが、遮る山がないため、雲がなく、今回のように視程が120勸幣紊△譴弌⊇田県内に山頂を有する山の中ではトップクラスの眺望地点だと思います。この山のほかに、北海道まで望むことができる秋田県内の山としては田代岳が考えられますが、視界的には岩木山にさえぎられる可能性があります。田代岳に登った際に確認してみます。
 また、田苗代湿原も規模は大きくないものの、夏には高山植物が豊富なようです。また周囲の紅葉もなかなかのものです。

 山頂について周りの景色に見とれていると、能代市長が奥様と登ってきました。若い頃は結構登っていたそうです。お二人ともなかなかの健脚とお見受けしました。
 この山は、単なるピークハントだけであれば2時間半程度で登下行できるので、物足りない方は、下の岳岱やあるいは太良峡などと組み合わせれば、結構楽しめると思います。 

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