北穂高岳
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- GPS
- 15:40
- 距離
- 35.8km
- 登り
- 1,930m
- 下り
- 1,916m
コースタイム
- 山行
- 7:31
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 8:21
- 山行
- 6:09
- 休憩
- 0:48
- 合計
- 6:57
天候 | 2日間とも快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
2700m付近から上は夏道(南稜ルート)は使わず北穂沢を詰めている 前日に南峰付近で滑落事故あり(詳細は感想欄) |
写真
感想
11/1に降雪があり、かつたまたま休みが取れたので北アに行ってみることにした。この時期に営業している小屋は限られるが、槍ヶ岳山荘と穂高岳山荘は行ったことがあったので北穂に行くことにする。前日に北穂高小屋へ電話して予約を入れたら「今日の降雪で、明日から冬ルートになります」と言われた。
平日だしもうシーズンオフで沢渡の駐車場もバスもすいている。横尾までの林道で出会う登山者も少ない。穂高の稜線が白くなっているのが見える。
横尾山荘でウエアを冬山装備に換装する。涸沢からの下山者とすれ違うようになるが女性が意外と多い。Sガレを過ぎたあたりから雪が出てきた。涸沢ヒュッテはスルーして涸沢小屋で休憩。ここでもソロ女性が2名休憩していた。おはぎが100円だったので有難くいただく。上部は昨日の雪で真っ白だ。期待が高まる。
北穂へのルートの階段はまだ雪がなかったのでそのまま登っていくが雪は少しずつ増えていく。2700m付近でトレースが夏道から分かれ、北穂沢へ入っていた。アイゼンを装着してトレースに沿って登って行くが、雪は柔らかく多くもないのでトレースの下のガレが崩れてくるのでトレースの脇を慎重に登った。
標高を上げていくと雪も増えて落石の懸念は減るが今度は斜度がきつくなる。この時期は槍や奥穂に行ってみたこともあるが、どちらも小屋がコルにある。北穂は小屋が山頂にあるので詰めが長いと思った。はるか上部に先行パーティが見えたが、山頂の直下でなんとか追いついた。
登山道に合流するとすぐ山頂である。私と先行パーティが登頂するのと入れ違いに2人降りていった。
槍の穂先に少しガスがかかっている他は雲もなく山頂からは今の時期だけの絶景が見られる。
昨日から小屋に泊まっている方も山頂に来ていて、前日に滑落事故があったことを教えてくれた。雪の降る中を南稜ルートで登ってきて、南峰から北峰へ行くトラバースを間違えたのか、通過中に落ちてしまったようだ。今さっき降りて行った2人は小屋から捜索に出発した救助隊員だった。後で小屋で聞いたところによると、昨日は午前中から夜まで雪が降り続けたとのこと。
写真を撮ってから北穂高小屋に入って受付をし、荷物を置いて少し休んでいると外でヘリの音がした。外に出て山頂に上がってみると、ちょうどヘリが遭難者を収容している所だった。ホイストで収容する手際のよさはさすがだった。
現場は私たちが登ってきたルートからかなり近かったが、登っているときは周囲に気を配る余裕はなく全然気がつかなかった。登頂時に撮った写真を下山後に見返したら遭難者が写っていた。
救助活動が無事に終わったので安心して小屋に戻る。今日の宿泊者は前日以前から連泊している常連の方々の他は、今日上がってきた先行パーティと私ともう1人後続の方がいて、それで全員だった。他に山頂でテントを張ったパーティが1組いた。小屋は暖かく食事もおいしくて、快適な夜を過ごした。
翌朝は起きたときにちょうど空が明るくなり始まっていた。朝食を取ってから小屋のサンダルで山頂に上がるとちょうど夜明けの時間。写真を撮りまくる。
満足してから下山。北穂沢に入るとすぐ昨日の救助活動のトレースが見える。報道によれば心肺停止とのことで、心の中で合掌した。昨日からずっと天気がよかったので雪はどんどん減っていてトレースはあちこちでガレが露出している。事故の件もあり、登りよりもさらに慎重になってトレースよりも歩きやすいルートを選択しつつ所々バックステップで降りて行った。核心部を過ぎて斜度が緩んでようやくまともに歩けるようになった。
夏道に合流すれば後はもう不安はない。チェーンスパイクに履き替えて20分ほど降りて行くが岩場の雪も消えかかってきたのでチェーンスパイクも外した。涸沢小屋で冬装備を解除する。おはぎはまだ売れ残っているようだった。
涸沢より下部にも雪はあるが凍結部分を避けて歩けば問題なく、さくさく降りて14時すぎに上高地に帰還。色々な体験をした2日間だった。
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