【甲府北山】湯村山、法泉山、小松山〜武田の杜ルート途中まで


- GPS
- --:--
- 距離
- 13.5km
- 登り
- 493m
- 下り
- 482m
コースタイム
天候 | 曇りのち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
突然の休みで低い曇り。気になっていた武田の杜一周コースに、家から歩いて出かけた。
甲府市北部の扇状地は16世紀に武田信虎、信玄、勝頼の3代黄金時代に栄えた古都だ。その扇状地を囲む山の中腹、標高500mラインを、同高度でトラバースするルートが、30年ほど前に武田の杜として整備されたそうだ。全長20キロくらい。5時間あればいけるだろ、と10時に家を出る。
家から湯村山まではいつものコース。しかしその先の武田コースは地形図を見ても、国土地理院地図には何故か記されていない。法泉寺山の北のコルから、武田の杜周遊コースへの分岐があるのは以前標識を見て知っていたので、これを辿る。和田峠への自動車道のヘアピン部分で車道に出て、そのままひとヘアピン分歩き、また歩道に入る。そこに栗毛縞の野良猫がいた。ルートは上り下りがあまり無く、あくまで同コンタでついている。30年前の整備かもしれないが、それ以前にも山仕事の作業道などもあったはず。かなり古い石垣もある。沢の渡り場はどこも立派な橋が整備されている。
小松園地という場所は、小松山の山頂で、アカマツがまばらなので展望が利く場所だった。超えて来た湯村山と法泉山のピラミダルな勇姿が眺められる。木のテーブルや腰掛けがたくさん整備されている。
盆地から見えていた白い大きな観音像が近づいて来た。道が近寄った場所では、観音像への道は厳しい雰囲気で封鎖されていた。この観音は麓の寺からしか登ってはいけない決まりのようだった。
雨が降り始めた。この低い山並みにも雨雲がたれ込め、盆地も見えなくなって来た。結構本降りになり、どこでおにぎり食べようかと思っていたら、北山園地というポイントになんとあずま屋があって、雨に濡れずに飯が食べられた。ここも30年前は展望が良かったのだろうが、盆地側に茂った木が背を伸ばし、今はなにも見えない。あずま屋は総ヒノキ作りと書いてある。確かに劣化は遅いようだ。
ここまで雨天曇天で歩いて来たが、傾斜が少なく歩き易いという事の他には、特に目を見張る樹相というわけでもなく、展望も無く、地味な遊歩ルートだった。この先雨に濡れて倍以上歩くのも嫌になった。これ以上いくと武田館から離れ、降りても遠いところになってしまう。逃げるならこの辺りが潮時だ。ここから盆地目指して南に尾根を下る。地形図には点線があるが道は不明瞭だった。しかしこの辺りの樹相は大した薮も無い。適当に下ると果樹園に出た。
この武田の杜同標高遊歩道ルートは、昭和58年の歩道整備以前からあったのだろうか。武田信玄の居城がある北部扇状地を囲むこの山並みは、すべて城壁の様なものであって、高台には狼煙台があり、見張り台があったはず。今は樹林で鬱蒼としているが、16世紀には薪炭供給のため、どの山稜も裸山だった可能性もある。もしかしたらそういう「万里の長城」を結ぶ中腹の移動ルートだった可能性はあるのかな。などと考えた。
山裾の部落、塚原、小松、緑が丘を相川沿いに下って家に帰る。甲府の北山の山裾には最も古い時代からの集落や、それを繋ぐ道が続いている。昔の人は水害のある盆地中央ではなく、薪炭や食材生活材も手に入れ易い山裾に集落を作った。
相川は武田館を守る西の掘としてあった。川は外来種のアレチウリに鬱蒼と覆われ、無惨だ。アレチウリの蔓の先端は貪欲に伸び、アスファルトの路面にまで蛇の頭のように侵略して来ている。川も樹林もアレチウリが緑の綿のように覆ってしまっている。
雨ザーザーの塚原町、小松町を歩いて、緑が丘へ。ここは戦前の40年間ほど49連隊の練兵場だったところ。その山際に、鎌倉時代から続く法泉寺の前を通った。ここには、京都から持ち帰ったという、武田勝頼の首が祀られ、勝頼単独の墓がある。ご近所なのにこれまで訪ねた事が無かったけれど、下山の途上に寄るという、良い訪ね方ができた。立派な寺なのに、運動場のすぐウラになっちゃっていて、なかなか目立たない場所である。
巨木が何本も生えてしまって、形無しの万寿森古墳(6世紀のもの)の前を通って、湯村のもと鷲の湯の前に野良猫。この共同浴場はお湯が涸れ、町も寂れて、5年ほど前から閉鎖されているとのこと。こんな雨の日に、はいれたらよかったのにな。でもまあ、家まで歩いて五分だ。全身ずぶ濡れだけど歩いていれば暖かい。沢登りしたと思えば全然気にならない。家に帰れば乾いたタオルがあるんだからね。
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