不動滝から三木アルプス・丹生山周回


- GPS
- 03:35
- 距離
- 7.3km
- 登り
- 537m
- 下り
- 572m
コースタイム
天候 | 曇時々晴、にわか雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
不動滝の上は鎖、ロープのつけられた急崖。シビレ山へ尾根ルートはルートファインディング要す。 |
その他周辺情報 | 湯庵。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
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感想
先週、先々週と孫連れ登山だったが、今日は年寄り二人での山行だ。孫は風邪が悪化傾向にあり、「どこのお山にいくのー」と行きたい気持ちは見せていたが、念のため自宅待機である。孫には六甲山上や摩耶山とは違った山のよさも知ってほしいという思いで、少し冒険要素を加え眺めを楽しめそうな場所を選んでいた。それは「三木アルプス」だ。今日はここへ行く。
近畿一円にはxxアルプスと名の付く山が方々にあり、大半はすでに行ったつもりでいたのだが、灯台下暗し、兵庫県の、それも自分の生活圏のごく近くに、未踏のアルプスがあることに気づいた。それがこの三木アルプスである。隣の小野市には小野アルプスがあり、そのさらに向こうの加西市には加西アルプスがあって、アルプス銀座とはここのことか、と冗談の一つも飛ばしたいところ。
さっそく三木アルプスの実体を調べてみる。地理的には丹生山系の西北部にそれはあった。しかも、asakinuが冬場に散策してみようかとプランをたてていた”道の駅淡河”を起点とするルートと一部被っているのだった。丹生山系は六甲から見れば神戸電鉄を越えて向かいの山群であるが、阪神間の住人にとってはぐっと遠い存在に感じられる地域である。かく言うasakinuも、南の衝原湖側から丹生山・帝釈山に登ったのと、北の青少年野外活動センターから天保池のサギソウ鑑賞+東西鹿見山周回をやったのがこの山域での全活動だったのだ。この一帯、全体として手入れのあまりよろしくない里山で藪っぽい、という印象がある。なので、そんな障害と戦う気力がわかない限り、触手が伸びないという面は否定できない。
ところが、この山域、そこを貫く太陽と緑の道を整備するプロジェクトがあり、少数の精鋭がたちが藪に埋もれたかつての道を復活させるべく奮闘しているようなのだ。その活躍の甲斐あって、つい最近、淡河の不動滝から尾根通しにシビレ山まで行けるようになったという。ここが三木アルプスの北部にあたるらしい。これで俄然、行く気になった。どうせなら自身のログが伸びている丹生山まで足を延ばし、谷沿いの古道を辿って周回を果たそう、と一気に計画が結晶化した。
朝起きると、山側の自宅の辺りでは雪がちらついている。寒いな―、とちょっと億劫な気分が頭をもたげる。なんとなくゆっくりペースになってしまう。有馬街道から西へ入り、道の駅淡河の手前にある満月堂でまんじゅうを買ってから不動滝駐車スペースへと向かう。駐車地点に着くと雪は上がっている。かつては信仰の地としてにぎわったであろう不動滝をまずは見物する。古い社や小屋があり「大峯・・・」と書かれた木柱が立つ。左岸に上へと延びる山道があり、これを進むと滝を巻いて急なガレ場に導かれる。この崖に鎖、続いてロープが垂らされており、ここがルートなんだと知る。強引な登りを慎重にこなす。沢の右岸の山が丸ごと岩場になっていることをこの崖に立って初めて知る。なるほど、あれが修験の場なのだな。崖を登りきると小さなコブのてっぺんに立つ。振り返れば先ほどの岩山がすでに下方にあり、三木の田園地帯が一望できる気分の良い場所だ。進行方向にはシビレ山が雄々しく立ち、目前には砂漠のうねりのようなザレの稜線がアクセントをつけている。播州の”アルプス”に共通の見事な眺望だ。
馬の背型のざれた稜線上を眺めを楽しみつつ進んでいく。さらに進むと右手に播州平野のパノラマが開ける。その向こう側に、端正な裾の広がりを持った二つの丘が仲良く並んで見える。雌岡山(めっこさん)と雄岡山(おっこさん)である。小学生の頃、雌岡山にギフチョウを採集に行ったことがある。今ではこの蝶は保護下に置かれている。
さらに道を南に辿ると、直進して谷に降りる古い道から右に尾根を登る新しい道が分岐している。ここに小さな手製標識がかけられ、シビレ山への尾根道であることを示している。ここからがウラジロの密藪を開削してつけられた区間である。これを刈り払いするのには多大な労力と時間を投入したはずである。ご苦労に脱帽である。こうして切り拓いても、春が来れば新たな芽が伸びてきて、放っておけばすぐに藪に帰ってしまう。なるべくたくさんの人が踏み固めて、道型を作るようにしたいものだ。
ここからはルートのわかりにくい箇所がたびたびあるので、ルートファインディングには要注意である。なかなかの急登であり、ロープ補助もなされている。ぐいぐいと高度を稼ぎ、ピークに立つと西から登って来た踏み跡と出会う。ここからは尾根上にしっかりとした踏み跡がある。これを進み、巻き道を見送って稜線を急登すれば、シビレ山手前の鉄塔の立つピークに出る。ここは一方向に眺望が得られ、日当たりも良好なので昼食をとることにする。
腹がくちると、シビレ山で今日は打ち切るか、という弱気な思いが吹き飛んで、丹生山に行く決意が固まる。すぐ隣のシビレ山はそっけない山頂でスーと通りぬけ、次のピークへと向かう。そのピークはヤマレコ地図にはシビレ山三角点との標記があるが、現地の標識では朝日山となっている。縦走路からちょっと外れた三角点の朝日山ピークからは瀬戸内海も臨まれる。朝日山を後にして一路、丹生山を目指す。ここからは鞍部へ下った後、緩やかな上り下りに終始し、信仰の古道の感が深い。やがて針葉樹に包まれた丹生山に到達。山頂のお宮で参拝の後、来た道を引き返す。シビレ山への登り口で予定を変更し、シビレ山の東面を走る巻き道を選択する。よく踏まれた古道は等高線に沿った平坦路で、わずかに下りながら谷道へとつながっている。ほとんど登ることなく鞍部に達し、そこから谷に沿って下る。この谷もゆるい傾斜が続き、その穏やかな渓相からは下流の不動滝の悪場は想像だにできない。やがて朝通過した尾根新道との分岐に達して、しばし、三木アルプスの眺望を楽しんで稜線を進む。途中のピークから左によく踏まれた道に入り、不動滝上の急崖の下降を回避する。難なく不動滝下に至り、駐車地点に降り立った。標高こそ低いが、素晴らしい眺望と急な崖登り、歴史ある丹生神社参拝と、いろいろと楽しさいっぱいの山行であった。難業をこなして道を開削された諸兄に感謝である。
当日、登山口に駐まってる車を見て、どこかで会えるかなと思っていたのですが、行動が1時間ほど違っていて残念ながら姿をお見かけすることが叶いませんでした。
ルートファインディングが必要な箇所=谷を歩くところですよね。
出来れば尾根通しで径を作りたいと思っていますが、シダがきつくいつの頃になるやら...
未だ未だ整備を続けていかないといけない径ですが、多くの方に歩いて頂き径を固めてもらうことで、歩きやすくなると思っています。
気に入られたようなのが何よりです。次回はぜひお孫さんもご一緒でお越し下さい。
その際にはぜひ、「一本松の丘」にもお立ち寄り下さい。
asakinuです。コメント、ありがとうございました。Hamさんたちのご努力により、この気持ちよい周回ルートが開削されたことは、この山域が多くの岳人を引き付ける人気のサイトに変身するきっかけとなること、間違いなしです。ありがとうございます。ルートファインディングを要するところとは、お察しの通り、旧道から分岐して最初の藪の切り開きを過ぎて小さな窪を通るあたりです。ここは下草もないため、窪をそのまま登りそうになります。しかし、ここは折角藪のない場所なので、現状通り、それを利用するのが賢いように思います。また、少し頭を使う区間があるのも楽しいですしね。一本松の丘、当初はちょいと寄ってから、のつもりでしたが、丹生山まで行くということも意識にあって、分岐で躊躇し、結局行きませんでした。が、次回、西側からアプローチして順当にてっぺんを踏む予定です。できれば孫連れで。話はかわりますが、ロス・カット・ハム・・・はハムさんでしょうか。我々は六甲山麓の住人なので、遠からぬ将来、お会いできるものと楽しみにしております。
窪と仰られてる地形を上手く(下手すると薮に突っ込む)登れば、ヤブ漕ぎなしで市境尾根の小径に出れるようです。(市境尾根から下って途中までは確認済み)
ただ、それでは尾根からの絶景を楽しむことが出来ないので、それ以上は追求してません。
ロスカットハムさんという名は以前聞いたことがあるのですが私ではありません。
またいつかお会い出来る日を楽しみにしております。
ご回答、ありがとうございました。現状では通れないあの尾根部分に上がれば、見事な眺望が待っていることでしょう。しかし、それは厳しい闘いになりますね。
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