千ヶ峰
- GPS
- 02:40
- 距離
- 4.6km
- 登り
- 590m
- 下り
- 598m
コースタイム
天候 | 曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく踏まれた登山道。 |
その他周辺情報 | 西脇温泉 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
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感想
播州の有名どころの山で未踏となっている一つが多可町の千ヶ峰だ。夏にはヤマビルがたくさんいるようだし、冬の積雪は概して少なすぎる。笠形山から縦走すると行程が過剰気味、それ以外のコースだと物足りない感じがして、結局、行かずじまいで今日まで来ていた。
朝4時に起きて雨戸を開けると、音もなくしとしとと雨が降っている。昨日の天気予報が的中しているのだったが、わかっていてもこうして雨が降っていると失望感に襲われる。予報通りの経過を辿るなら、このあと徐々に回復に向かって、夕方までは曇となるだろう。ただ、この雨を降らせているのが南岸低気圧で、前線のちょっとしたアップダウンが降雨の有無を惹き起こすため、予報の確度は高くないのが常である。
朝食をとってとりあえず山の準備を整えている間に、雨はかろうじて止んだ。なおも不安な空模様は続いているが、雨雲レーダーからは厚い雲のかたまりが東に抜けて、このまま回復する兆しが読み取れた。目視でも明るさが徐々に戻っているのを感じて、8時半過ぎ、出発を決定。短時間でこなせる千ヶ峰を目指す。現地の様子を見て、最短路である市原峠ピストンにするか、多少は登った感がある筈の岩座神(いさりかみ)からの周回にするかを決することにした。
中国自動車道路を走る間、低空の雲はほとんどなくなって、路面も乾き、周囲の山々は全容を現わした。これなら大丈夫だろう。3週間前だったろうか、白山・妙見山に行った際、初めて使った滝野・社インターで高速を降り、加古川の上流へと北上、西脇から多可町へと入っていく。この辺りは土地勘がなかったが、朝来と丹波に接する地域であることを知ると、「兵庫五国」の配置がこれまでになくはっきりと頭に浮かんでくるのだった。
ようやく山懐に達して道路も上りとなり、岩座神の集落へと入った。ここは棚田の里としても知られているようで、その案内看板が立っている。集落の周りに古い歴史を感じさせる石垣が城壁のように幾重にも並んでいて、独特の景観を作り出しているのだが、この石垣こそ、棚田の擁壁なのであった。田植え直後や黄金色の稲の刈り取り前には、さらにその輝きを増すことであろう。
七不思議コースと岩座神コースの分岐点前のスペースに車を置いて、左手の七福神コースを目指す。だが、道路を入ってすぐの所にある野獣柵の扉に「立ち入り禁止」と書かれ、いくつもの説明版が設置されていて、伐採作業中であることを知る。実際、伐採作業の重機が発する大きな音が周囲に響いていた。そこで七福神コースは断念し、千本杉から岩座神コースでピストンすることに計画を変更。クラインガルテン岩座神の小綺麗な建物群の横から林道を辿る。周囲はミツマタ、シキミ、アセビが花盛りを迎えている。神光寺をぐるりと巻くように登ったところに千本杉があり、ここから山道に入る。千本杉というのは大きな一本のスギの名である。千本なのに一本!?と思ったが、下山時に説明版を見てその謎が解けた。幹の途中で激しく枝分かれが起こっていて、それが「千本」ということなのである。これも「七不思議」の一つだとか。足元にはシカの骨が転がっていて、この地もシカが増えていることを実感する。
山道に入ってしばらくは暗い杉植林の斜面で、多数の道標に導かれ、ただ足元を見ながら淡々と上る。途中、陽が差した明るい「線」が見えて防火線かと思っているとブル道の横断である。さらに植林帯を進みやっと前方が明るくなって、支尾根にのる。広い園地のような地形は宍粟の山と似ている。ちょうど陽が差したのでここで昼食とする。支尾根に乗ってからは広葉樹林に変わり明るい雰囲気だ。少し登るともう一本の尾根にぶつかり、ここで三谷からのルートに合流する。ここから尾根の両側がヒノキ植林となるが、山道の両側のほんのわずかな幅だけは自然林が残されている。途中から傾斜が増し、お助けロープなども現れると、登山道がパラレルに幾筋かに分かれる。登りやすい道を拾って高度をあげていくと、次第に周囲の視界が開ける。晴れていれば爽快な眺めであろう。今は陽射しも消えて白い靄でぼやけてしまっている。灌木の丈が低くなり、ササが周囲を覆うようになると、山頂近しである。一段と勾配の増した登路を一気に上り詰めれば、360度の視界が開け、伸びやかな千ヶ峰の山頂に飛び出す。三角点はわずかに先のピークにあり、その真後ろには南無阿弥陀仏と刻まれた大きな石柱が立っている。小さな石の祠も祀られた山頂である。
なかなか登るチャンスの得られなかった千ヶ峰、菜種梅雨の合間を縫って登頂を果たすことができ、ラッキーであった。岩座神からの登下降はそれなりに体力を使うので、その夜のビールが、また旨い。
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