21.男体山 「暗夜行路(ブラックアウト)」
- GPS
- --:--
- 距離
- 7.7km
- 登り
- 1,198m
- 下り
- 1,198m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2005年10月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
○この山は入山料として500円払います。それと引き換えにお守りがもらえますので、ちゃんと持ち帰りましょう。 |
写真
感想
第21座 暗夜行路(ブラックアウト)
秋山に登りたい!
そう思いながらも数年が経ってしまった。そして今年になってスケジュール調整がうまくいって行けるようになった。
技術上、アルプスはリスクが大きいのでアルプス圏外の山で紅葉が見頃そうな山は日光の男体山がいいのではと思い、この山に決定した。
前日のうちに宇都宮で1泊して、JRとバスを使って中禅寺湖温泉へと向かった。このあたりは華厳の滝も近いので結構バスの本数が多いんだなぁ〜。帰りには温泉に入って、華厳の滝を見て帰ろうと思った。そんなことを考えているうちに登山口の二荒山神社に着いた。
二荒山神社で入山料500円を払うのだが、全国でも珍しいのではないだろうか? それと引き換えにお守りをもらって、9時45分頃に登山を始めた。
序盤はゆっくりペースで登り、三合目で一旦、公道に入った。ある程度登って、鳥居をくぐると再び登山道に入った。今度の登山道は急勾配で腕も使って登らないといけないところもあって結構ハードだ。
八合目まで登ると眼下には中禅寺湖が見えるはずなのだが、霧で見えなかった。この日は雨が降ったり止んだりでどうもつかみどころのない天気である。雨が降っていないうちに山頂を目指そうっと。
沿道の木々を眺めると黄色や紅茶色の葉っぱが目に付いた。ここまで登ると紅葉が進んでいるのだな、でも時期的には早すぎたのかも・・・・と思った。
落ち葉を踏みしめ九合目まで来ると男体山が昔活火山だった名残を残す赤茶色のザレ場へと周辺の景色は一変した。
自らを励ましながら何とか山頂に着いた。そこには二荒山神社の祠と古代の武人の銅像があった。どうやらこれがご神体の某命の銅像らしい。
僕はここで記念撮影をして、時間が15時近くになろうとしていたので、早々に下山を開始した。
降りは楽だとは思わないが、一歩一歩の足取りがゆっくり過ぎるのが気になった。四合目まで降った時には日没を迎え、あたり一面は夜の帳が下りようとしていた。
四合目から三合目までは公道を歩いていたので気付かなかったが、三合目から再び山道に入った時は暗くて何も見えなかった。まさに暗夜行路(ブラックアウト)だ。
既にヘッドランプを点灯していたのだが、狭い範囲しか照射されず、どこが道なのか分らなかった。幸いなことに登るときに気に格子状のプラスティックのシートが沿道の木々に巻かれているのを思い出した。
登っているときは木を守らなくてはいけないのは分るけど、ちょっと過保護なんじゃない? と思っていたのだが、今となっては、登山道を示す手がかりとして役に立った。
笹の生え際を見逃すまいとヘッドランプで生え際をたどりながら、道を特定した。それから、道に捨ててあるお菓子の包み紙なども、皮肉なことだが役に立った。
歩いているときは雨が再び降っているのには気がついていたのだが、非常時だったので気にはならなかった。道を間違えたら引き返し、再びルートの探索を繰り返しているうちに神社の境内の明かりが目の前に見えてきた。と同時に石段に取り付く道も発見した。そして境内の中にたどり着いた。やった! 助かったぞ!
しかし、正門は既に鍵がかかっていて外に出られない状態だった。せっかく森を脱出したのに何てこったい!
幸い、神社に人が住んでいる様子なので、ごめんください! と何度も叫ぶと、神社の神主らしき人が現れた。
「どうしたんですか?」
「たった今、登山から帰ってきたのですが、正門に鍵がかかって外に出られないんです」
僕は怒られるかと思ったのだが、逆に笑いながら、
「あそこに道があるでしょう? その道をたどると宝物館に行くので出られますよ。それよりもあなた、ケガはなかったですか?」
その優しい気遣いが身にしみた。二荒山神社の神主さん、ご迷惑をかけてごめんなさい!
満身創痍で神社を脱出。取りあえず、バスはないだろうけどバス乗り場へ行ってみよう。
バスがなかったらタクシーを呼ぼう。
出費がかさむだろうけど、今日の失態に対する授業料だと思えば・・・・と着いて見てみれば、バスが止まっていた。19時20分発のバスだそうだ。
つくづくここ一番で強運が発動される僕の運の良さに手を合わせたい気分だ。
バスが発車するのにまだ間があるので、さっさと着替えを済ませ、そのバスに乗って中禅寺湖温泉を後にした。
結局は華厳の滝や温泉も見損ね入り損ねたが、命が助かっただけでも幸いであり、別に惜しいとは思わなかった。
今回の登山を振り返って反省するのは、登山開始時間が9時半と遅いのも原因のひとつではあるが、所要時間が約6時間に対して9時間半と、その誤差が3時間半と大きいのはどうしたことであろうか?
それは霧島山に登ったときに感じたことであるが、体重が増えてきた分歩くのも遅くなったのが原因であることははっきりしていた。これを機に「山ヤ仕様」の体を手に入れるべく努力しなければならないなと反省させられた。
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