天城越えの古道 二本杉峠
- GPS
- 06:40
- 距離
- 11.4km
- 登り
- 721m
- 下り
- 740m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年01月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
静岡県伊豆市と河津町の市郡界にある天城トンネル手前約100mの水生地下駐車場に車を置き、伊豆市湯ケ島方面へ車道を15分ほど下がり、天城遊々の森大川端キャンプ場跡地入り口へ入りました。 大川端橋を渡りキャンプ場内の林道を登り、電波塔を通り過ぎて登って行きました。二本杉峠への登山口は、白いガードレールの手摺りがある橋のすぐ手前右側にありました。拳大の石混じりの登山道を登って行くと道の下方には、放置された山葵田がありました。桧の人工林の中を沢沿いに登り木製の古びた橋を渡ると、少し勾配が急になり、沢が下に見えてきて間もなく、二本杉峠に着きました。 二本杉峠には、その名のとおり二本の大きな杉の木があり、近くには東屋がありました。伊豆山稜線歩道が横断していて、東方向には荻入川上部の林道に通じる歩道が下がり、もう片方は左側にほぼ水平に延びていて二本杉遊歩道を進みました。すぐに六趣能化尊の石仏が左側にあり、緩やかな登山道の左側の山手には針葉樹が混じった原生林になっていました。反対の谷側は杉の人工林で、898m地点から下がってくる尾根にぶつかりました。低い切通しになって峠のようで地蔵が一体ありました。 5分ほど下がって行くと「峠茶屋跡」の表示がありましたが、建物などは無く平らになった狭い敷地が残っていました。 小さな沢を右左に渡り、下がって行くと林道に出ました。さらに50mほど林道を下がると道下の歩道へ入りました。炭焼窯の跡があり、道が不明瞭な涸沢を下がって行きました。 杉の人工林の中に入り所どころ不明瞭な歩道を、涸沢に沿って右岸左岸と渡りを繰り返しながら下がりました。楠木が歩道右側に目立ち歩道の勾配も緩やかになり、宗太郎園地の上部に出ました。 河津川に架かる橋を渡ると、楠の大木の脇には石仏があり東屋もあり、昼食を採りその後、林道を河津川沿いに登りました。 橋を渡りゲートの手前から二階滝方面へ、踊り子歩道を登りました。国道414号線に架かる高架橋を見上げて登って行くと、山葵田や平滑滝の流れが見られました。やがて国道414号線を横断して旧道に入りました。 二階滝を道から少し下がった展望台から見てから、寒天橋を通り旧天城山隧道に向いました。時折通る乗用車をかわしながら暗いトンネルを抜けて伊豆市側に出ると、観光客も散策を楽しんでいました。 トイレや休憩所などの施設があり、その横から歩道を下がって新天城トンネルの横に出ました。国道をさがり橋を渡り、車を駐車した水生地下駐車場に着きました。 |
写真
感想
天城越えの古道のひとつ二本杉峠は幕末の頃に、初代米国駐日総領事ハリス一行が下田港から江戸に向うために二本杉峠を越えました。吉田松陰などの歴史上の人物もこの峠を越え、下田や江戸へ向うための重要な峠でした。
明治38年に旧天城隧道が開通するまで、多くの人達が通った天城越えの峠でした。大きな杉の木や原生林が残っていて歩道を進むと、石仏などもあり昔の面影を忍ぶことができました。二本杉遊歩道の沢沿いの道は出水などで押し流されて不明瞭な部分はありますが、道標があり迷う事は無いでしょう。宗太郎園地からは、国道414号の下を通っている踊り子歩道を登りました。天城の原生林から湧き出る豊富な水を利用しての山葵栽培も見られ、平滑の滝の流れを見ながら一息つきました。これより上流には、河津七滝の第一番目の滝がありました。滝は二段に落下しているので二階滝と呼ばれ、高さは約20mほどでした。
旧道を時折通る乗用車の砂埃を吸いながら、車道を進んで天城山隧道を抜けました。天城山隧道は標高708.74mの高さにあり、伊豆市と河津町をつないでいます。延長446m道幅3.50m高さ3.50m、当時の金額で総工費103.016円をかけて1905年(明治38年)に開通しました。
伊豆の国市大仁の吉田地区の吉田石を使い、切り石巻工法で施工されました。技術的完成度が高く明治末期を代表する隧道として1998年、国の登録有形文化財に登録され、2001年には道路トンネルとしては初めて国の重要文化財に指定されました。
今日は江戸幕末時代の峠道から明治末期の旧道を通り、現代の天城越えの道を散策することができました。
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