【日原作戦】日原林道〜富田新道〜雲取山〜芋木ドッケ〜長沢山〜天祖山【乙70.6】


- GPS
- 10:00
- 距離
- 33.1km
- 登り
- 3,040m
- 下り
- 3,038m
コースタイム
- 山行
- 9:17
- 休憩
- 0:44
- 合計
- 10:01
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:東日原バス停〜奥多摩駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
日原林道:標高1,000mくらいまでユルユルと登る。やたら長い。 富田新道:上りは登り一辺倒、下りは下り一辺倒。大きなアップダウンは無し。 長沢背陵:奥多摩の奥地につき、もともと道はあまり良くないが積雪も加わって歩きにくい。 天祖山:天祖山まではやや平坦。天祖山は急登の後、最後まで急傾斜の下り。 |
写真
感想
年内にもう一つ2,000m級に行っておこうという思いは雲取山に落ち着く。最近の雨から降雪が予想されたが、雪が降ったばかりの所を歩くのが好きな私にはちょうど良かった。
雲取山には今まで北から、南からアプローチしているが、今回は東から上ってみることとした。日原から鷹ノ巣山〜七ツ石山経由でのアプローチも考えたが、鷹ノ巣〜七ツ石経由は歩いたことがあるので、やはり日原林道を肉薄する。
夏場には満席となるバスも真冬となっては数えるほどの乗客。もちろん、始発に乗るような乗客は山か谷に行くようなのばかりだ。乗客8名中2名が川乗橋で降り、6名が東日原で下車。なぜ、この路線は土休日に東日原どまりなのだろう?
【日原林道】
日原川沿いに緩やかな上り。標高1,000m位まで上がるが、それが後半の急登を想起させる。道中、滝や氷柱、氷のはった水溜りと、趣のあるものが多く、また、紅葉シーズンはさぞかし綺麗であろう。それにしても長い。
途中、分岐がいくつかあり、それは事前に把握していたのだが、そのうちの富田新道分岐(野陣尾根または濃人尾根)は、「唐松谷」「ブナ坂」の表記に、最初「そっちじゃないな」とあまり深く考えず通り過ぎ、後で案内板を見て誤りに気づいた。
気がついて、「面倒くさいから大ダワ経由でも良いかな」と思ったりしたのだが、まだリカバリできると思い直し、急いで取って返す。大ダワ方面は通行止となっていたので、結果として正しい判断となった。それにしても、案内板を見ていなければ、林道の終端まで行っていた可能性もある。地図にせよ装備にせよ持っていても使わないのでは意味が無い。細かい分岐があるルートでは分岐のたびに地図も確認だろう。
【富田新道】
落葉と霜で道が分かりにくくなっている。
林道が長かったので山は急登を覚悟していたが、覚悟が過ぎたか案外さくさくと進む。道がジグザグで傾斜を緩和するからか、所々傾斜が緩い所があるからか。
標高を上げると雪道となるが、まだ数cm。おそらく気軽に雪上を歩けるギリギリの時期だろう。
小雲取山までは、特段これといったピークが無いこともあり、ほぼ上る一方だ。林道が長いことと合わせて、下山向きのルートなのかもしれない。
【小雲取〜雲取山】
小雲取山に出ると一気に展望が開ける。富士山はもとより、三つ峠から御坂の辺り、飛龍以西の奥秩父の山々から南アルプスまで。東側は樹林帯だが山頂からは梢の上に山々や平野部を見晴るかすことができる。七ツ石や白岩からのアプローチだと、それら山頂からガツンと下ってからの急な登りというのがあるわけだが、富田新道はこれらのルートに比べてそういった精神的ダメージは少ないように思われる。
雲取山の山梨側の山頂で昼食休憩。
【大ダワ・芋ノ木ドッケを経て長沢背陵へ】
雲取山北面の薄暗く凍てついた急斜面を雲取山荘へと下る。北側なのに積雪が比較的少ないのは意外だったが、山荘を見て気が緩んだのか、滑って転ぶ。いかんいかん。
大ダワで一人休んでいるのを見たほかは人の姿もつゆ見えず、まあ、この季節に午後から長沢背陵に入る者もそうそうおるまいと、茂みの鹿に挨拶しつつ歩を進める。
長沢背陵が好きな理由の一つに落葉期には東京側・埼玉側両方の展望を得られることがあるが、この日もまたよい天気で左に遠く丹沢や、右に主張する両神山と言うこと無し。
先へ進むと再度積雪。雲取南面よりやや多め。空気がここで雪を落としていくのだ。と、ここで、また滑って転ぶ。前後縦方向に滑る場合は対応できるのだが、木の根か何かを踏んで横に滑った時は両足が薙ぎ払われたようになって抗すべくも無い。辛うじて受身を取ってダメージを防ぐのみ。
これはいかん。気を引き締めていくぞ!と意識を高めた直後に道が木の根や岩に雪の積もった痩せ尾根となったので、事前にこけたのは山からの注意喚起といえる。ありがたや。痩せた岩尾根でこけていたら笑えない。
14時に長沢山到着。
【冬の14時に山にいるということ】
以前、冬の山行記録で「13時過ぎなのに夕方のよう」と書いたことがあるが、やはり冬場の14時は夕方と考えるべきである。すなわち、日没が16時30分の時分の14時であるから、日没時刻が18時30分の夏場で考えれば16時に相当する。
ナイトハイクするつもりがないのなら日没時刻までの時間は意識して歩きたいものである。
【天祖山経由で下山】
長沢山に到達した時点で、天祖山経由日原林道行きの距離を見てみると結構長い。日没までに下山できそうだが、日没前に薄暗くなることを考え、水松山のピークには寄らずに下ることとした。
この天祖山への尾根がアップダウンの激しい陵線であったならば、焦ってしまって心身ともに疲労困憊というところだが、天祖山直下を除き、基本的に山肌を巻く道で、尾根筋なので日が入り、太陽が傾きつつあるといっても明るさは確保できた。
これもまた山の恩恵。いつも山が私の山行を助けてくれる。天祖山頂の天祖神社で今回の山行につき御礼申し上げる。
だが、まだ気は抜けない。天粗山を過ぎれば雪は消えるが、代わりに落葉の堆積が私を出迎える。これがまた、先行者の踏み跡が微かに残っていたから良いものの、道を覆い隠すほど積もっており、その下が急傾斜の下りとなっている。
それは他の山でもよくあることなので甘受するところだが、それより何より恐ろしかったのは銃声である。ちょうど狩猟期間のため時折猟銃の発砲音が聞こえる。遠くであれば大丈夫とは思ったが、さすがにハンターの声が微かに聞こえる距離でパーンと乾いた音を聞いたときには緊張した。林道に出た時にはホッと一息ついたのであった。
というわけで、標高差2000mちょい、距離20km程度かなと思っていたが、下ってみれば意外な「S6山行」(標高差2500m以上、距離30km以上)で、平成26年の締めに相応しい山行となった。山の恩寵に感謝あるのみである
来年もこのような楽しい山行ができますように。
〜おしまい〜
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