振子沢上部を経て刈田岳
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- GPS
- 03:31
- 距離
- 5.7km
- 登り
- 424m
- 下り
- 470m
コースタイム
- 山行
- 4:50
- 休憩
- 0:05
- 合計
- 4:55
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
道はなし。足場悪く、滑落、転落、落石に注意。山慣れした人以外は危険。ログの一部はあえて削除しています。 |
その他周辺情報 | 蔵王温泉、遠刈田温泉、峩々温泉、青根温泉 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
|
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感想
東北を離れて早5年半の歳月が過ぎ去った。東北の素晴らしい自然への思いはつのる。そんな折、仙台に出張する機会が訪れた。このチャンスを生かさねば!と、仕事の合間にアクセスのいい蔵王山に突撃だ。蔵王というとてっぺんまで車で行ける観光地のお釜がまず頭に浮かぶ。大衆的なイメージが先行しがちだが、実は素晴らしい自然の広がる別天地がそこにはある。蔵王の本当の美しさを見せてくれるベストサイトはロバの耳コースなのだが、ここは長らく通行禁止が続いている。20年くらいは通行禁止のままなのではなかろうか。しかし、かつて作られた金属梯子も健在だし、ロープ補助も付いていて、再び登られるようになっている感触がある。asakinuの一番気に入っている山域は、五色岳とロバの耳、その間を流下する振り子沢、そして刈田岳カルデラであり、この日、再訪を誓ったのもこの蔵王の楽園であった。
この日も素晴らしい晴天で強烈な太陽が照り付けていた。しかし午後には天気の急変の可能性も指摘されており、土砂降りの降雨の恐れもある。黒い雲の動きに一喜一憂しつつ、スタートする。6−7年前と比べると、藪化が進んだ印象は否めない。最初は沢沿いに渡渉を繰り返しながら上流へと向かう。五色岳から伸びだす稜線の最低鞍部へ、ごく小さな窪状の礫地をだましだまし登って行く。勾配がきついところを避けながら、また崩壊しがちな部位を回避して登っていく。すると、まだコマクサが咲いているではないか!あちこちにコマクサの花を見ながら、うきうきした気持ちで上を目指す。鞍部にもコマクサがぽつぽつと花を咲かせている。左手には漆黒のせり出した岩盤を盾に五色岳の壁が聳えている。眼下には仙台平野まで雄大な眺望が開ける。風にあおられながらその痛快な眺めに酔いしれる。ここから岸壁の下を延々とトラバースするが、容易に崩壊する土壌であり、傾斜の少しでも緩やかなラインを読みつつ、等高線と平行に五色岳ドーム下の園地の尾根突出部を目指して進んでいく。過去2回、ここを通っており、その時にはなぜかすんなりとこなせたが、今日はところどころで「はて」と悩むこととなる。特に、途中で乗っ越す黄白色の裸地の小尾根の所で、高度を回復しようと五色岳側に少し登るという過ちを犯した。わずかに標高が上がるだけで傾斜が危険なレベルになる。正解をわかりやすく言えば、徐々に高度を下げ気味にトラバースしていくとうまくこなせる、ということだ。目印となるのは、このザレ尾根の手前の谷にある黒光りした濡れた岩板(ナメ)である。この岩盤の頂部の標高でトラバースするのがいい。長い崩壊地をようやく脱出して大岩に針葉樹の幼樹が目立つところまでくれば、テラスの園地は目前だ。一旦は、小さめのテラスに出たと思ったが、北側に見える筈のロバの耳が見えない。もうちょい上だな、ということでちょい上ると、予想通り広いテラスに飛び出した。眼下に不帰の滝を眺めることのできるテラス。北側にはロバの耳、すぐ後ろは五色岳ドームの岩塔が聳えている。春から初夏には周囲一面が花に埋め尽くされる園地である。我々の一番好きな場所だ。ここで昼食とする。
食後は振り子沢に向かって下る。すると眼前に小滝の連瀑が夏の光に照らされて閃光を放つように流下している光景が広がる。一気に下って流水と戯れ、登って行く。右上のロバの耳を見る頃には源頭の感を濃くする。やがてカルデラへの入口となる鞍部が見えてくる。鞍部に乗り上げると、五色岳の勇姿とそれに抱きかかえられるようにお釜のエメラルド色の湖面が感動的な姿で迎えてくれる。いつもの湧水にダッシュして、蔵王山頂の水を一気に飲み干す。乾いたからだの隅々にまでその水が広がっていく。
ここから馬の背まで、まだ一登りしなければならない。一旦お釜の汀にまで降り、消滅しかけている踏み跡を探しつつお釜のへりを半周して小尾根に取り付き、水道施設の配管に沿って喘ぎながら遊歩道にまで上がる。多くの観光客の闊歩する遊歩道を神社のある刈田岳山頂へと登る。ここからは大黒天へと参道を一気に下る。今日越えてきた五色岳から派生する稜線を俯瞰しつつ下る道にはヒヨドリバナが咲き、多数のアサギマダラがふわりふわりと舞っていた。懐かしの東北の素晴らしい自然を思いっきり吸い込んで、バラエティーに富む山行を充足感をもって終えたのであった。
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