槍ヶ岳 小槍 南面フェース右ルート
- GPS
- 22:06
- 距離
- 40.5km
- 登り
- 2,024m
- 下り
- 2,020m
コースタイム
- 山行
- 2:30
- 休憩
- 0:02
- 合計
- 2:32
- 山行
- 9:49
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 11:29
- 山行
- 6:54
- 休憩
- 1:17
- 合計
- 8:11
天候 | 30日:晴れ時々曇り 31日:晴れ時々曇 1日. :快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2023年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
写真
感想
本来、私はこの山行のCLではなかった。しかし、諸事情により急遽として代打CLとなった。4人の計画が3人になったが、即座にいろいろと計算し直して、3人でも行けると判断し、計画を敢行した。
今回の目的は小槍を登攀することだった。そう、あの「アルプス一万尺」の歌に出てくる小槍である。槍ヶ岳の西側に聳り立つ岩峰であり、6年前の北鎌尾根登攀の時に登り損ねていたので、私としてはやり残した宿題の一つであった。登山道はなく、クライミング技術なしにはピークに立てないという特異性が小槍の魅力であると私は思っており、そういうピークが私は好きだ。
【アプローチ】
小槍までのアプローチは槍沢を使用した。このルートは登りたくなかった。いつも下山で通る度に、槍沢の長い登りは想像しただけで苦しそうだった。それを今回は敢行したのだが、やはり辛かった。しかも登攀装備と幕営装備を背負っての往復。長い登りと降りは精神も肉体も消耗した。あと1泊できれば表銀座(燕岳〜大天井岳〜槍ヶ岳)のルートで繋げたり、大キレットを越えて穂高連峰へ繋げたりできたのだが、こればかりは本来のCLの予定の都合の関係から、仕方がなかった。
【小槍登攀】
まず、小槍の基部までのトラバースで右往左往してしまった。下に降りすぎたり、逆に上に登りすぎたりてしまった。ようやく正規ルートをトレースできたが、非常にわかりにくい。ガスっていたりしたら初見ではかなり厳しいだろう。正規ルートを辿ったら20分ほどで小槍の基部に辿りついた。
今回、登ったルートは小槍の中でも最もポピュラーな、南面フェース右ルートである。
小槍と孫槍のコル(以下、コル)までは私がフリーソロで登り、残りの2人は上からビレイした。念のためロープを出した程度であり、全然難しくはない。実力あるチームだったらフリーソロでも問題ないと思う。
コルから小槍までは本格的なクライミングとなった。チムニーの方にルートをとったが、チムニーまでのフェースがホールドが細かく、簡単ではなかった。残置が比較的しっかりしており、岩もある程度堅かったことが幸いした。最後はハング気味で怖かった。また、小槍は全体的に高度感が凄まじい。一手ごとに緊張を強いられた。
私が登りきり、ピークから残る2人をビレイした。1人はチムニーを、もう1人はカンテを登ってきた。カンテの方がやや難しいかもしれないが、チムニーは残置が少なくランナウトするので、リードだったらどちらも甲乙つけ難い難易度だと思う。
小槍のピークでアルペン踊りは踊れなかった。3人で踊るスペースはない。その代わりに例の手遊び歌をやってお茶を濁した。
「アルプス一万尺 小槍の上で アルペン踊りを さあ踊りましょ🎵」
帰りは懸垂下降で降りた。50mを2本繋げば降りられる。
【最終日】
小槍登攀で想像以上に体力と気力を消耗し、その日のうちに槍ヶ岳山頂を目指す気力がなかったので、最終日に槍ヶ岳の山頂を踏んだ。本格的なロッククライミングをしなければ辿り着けないバリエーションルートの小槍とは違い、大槍(槍ヶ岳)は山頂まで登山道が整備されており、何の抵抗もなくすんなりと山頂へ。山頂からは北アルプス全体が一望できた。槍ヶ岳の山頂を後にし、帰路につく。槍沢の降りはとにかく疲れた。長い。とにかく長い。上高地に下山し、アルペンホテルで入浴しようと思ったらまさかのタイムオーバー。傷口に塩を塗られたような気分で仕方なく上高地バスターミナルへ向かい、コインシャワーで誤魔化した。
【追記】
下山後、松本駅前のサイゼリヤでいつものようにガツガツ食べてお会計をしたら、店員さんから「登山してきたんですね」と声をかけられた。「またお越しください」と声をかけてくださり、とても嬉しかった。山の後のサイゼリヤでの食事は、いつも疲れた身体に癒しのエキスが染み渡る。何度でも行きます、サイゼリヤ松本駅前店。
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