【呉】灰ヶ峰〜駅から周回+『この世界の片隅に』ひとり探検隊
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- GPS
- 05:51
- 距離
- 16.1km
- 登り
- 922m
- 下り
- 945m
コースタイム
- 山行
- 5:37
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 6:27
天候 | くもりのちはれ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登りに使った近道登山道は荒れ気味で藪っぽく、無数のクモの巣に苦しめられました。特にこだわりがなければ、正面コースの登山口や神山峠の方から歩いた方が良いと思います。 すずさん家(がた)は上から向かうと場所がわかりづらいです。案内表示の多い辰川バス停からアクセスをオススメします。 |
その他周辺情報 | カレーの店「子豚」さんでハンバーグカレーとレモンスカッシュをいただく。呉のカレー屋さんですが海軍カレーの店ではないそうです |
写真
感想
【灰ヶ峰への道 〜九嶺(くれい)の最高峰〜】
映画『マイマイ新子と千年の魔法』の舞台探訪イベント「マイマイ新子探検隊13」への参加にかこつけて実施した三泊四日の山口への旅、最終日は山口を離れてお隣の広島は呉にやってきました。マイマイ新子と同じ監督(片渕須直氏)の手によるアニメ映画『この世界の片隅に』(原作は こうの史代氏による漫画作品)。こちらは有名な作品なので内容紹介は省略しますが、実は映画公開の数年前、この物語の舞台となった呉の町を、マイマイ新子探検隊の延長で監督たちと一緒に歩いたことがありました。山口県防府市というほぼ平野部の話であるマイマイ新子に対し、こちらはかなり高低差のある町を舞台にしています。その時は部分的にマイクロバスを利用し、灰ヶ峰の頂上へもクルマで訪れていました。山頂で眼下に広がる呉の町と瀬戸内の風景を目にしたとき、自分の中で「いつかこの頂きに自分の足で立ってみたい」という願望が生まれました。今回はその夢を現実のものにしに来たのです。
なお、仮に灰ヶ峰の山頂まで足を伸ばさなくとも、この物語の主人公であるすずさんの自宅付近まで向かおうとすれば、それなりに汗をかかされることになります。幸い、比較的上の方までバスが通っているので、純粋な舞台探訪なら積極的に公共交通機関を利用すべきだと思います。というより、現場周辺は狭い路地が多く、適当な駐車場もないのでマイカーの利用は控えた方が賢明です。詳しくは呉市の配布している下記の案内図を参照してください。
すずさん家案内地図 [PDFファイル/10.24MB]
https://www.city.kure.lg.jp/uploaded/attachment/64725.pdf
【JR呉駅〜二河公園】
始発列車で前泊地の岩国を出て、山陽本戦と呉線を乗り継いで呉に到着したのが6時20分。そこから広島電鉄バスの辰川線で辰川バス停まで行くつもりでしたが、バス停がみつからないまま定刻の6時40分は経過。まだ時間は早いですし、そもそも最初は徒歩での踏破を考えていたので、駅から歩いて行くことにしました。
一直線に山頂に向かうのもなんなので、まずはすずさんたちがお花見に行った二河公園に向かいます。戦後になって敷地内に野球場やグラウンドなどが整備されたので、現在ではあんまりお花見ができそうな感じではなくなってます。
公園を出て灰ヶ峰へと進路を取ると、道の傾斜どんどん険しく、また道幅も狭い物になっていきます。すずさんの家の住所は設定上は「呉市上長ノ木町八百八番」となっていますが、呉市によって整備された「すずさん家(がた)」は少し離れた畝原町に位置しています。大人の事情ってやつですね。行きに寄っていくことも考えたのですが、どうやら尾根を挟んで反対側の道に入ってしまったようなので、先に灰ヶ峰に向かうことにしました。
【近道登山道〜灰ヶ峰山頂】
登りに使った登山道は「近道登山道」と呼ばれるコースの様でした。今回はヤマレコに登録されている近道登山口とは別の地点から入山していますが、途中で合流しているのでほぼ同じ道と考えてもらって問題ないと思います。ところがこの近道登山道、なかなかどうして厄介でした。ところどころヤブっぽくなっている上に、とにかくクモの巣が多い! この日にトレッキングポールで払ったクモの巣は10や15じゃ利かなかったと思います。冬はもう少しマシになるかもしれませんが、上の方まで植林帯がつづき展望もないので、快適な登山を求めるのならあえてこのコースを選択する必要はないでしょう。面白かったことといえば途中登山道脇にスバルの廃車を見つけたことくらいでしょうか。
山頂に通じる車道に出ると、一気に道形がよくなります。直登コースもありますが、今回は車道を大きく東側に回り込んで行く登山道を選択しました。さらに上部では昔ながらの登山道と、中国自然歩道に沿ったふたつの道がありましたが、後者は草ボウボウだったので前者の道で山頂を目指すことにしまた。
駅を出てからおよそ3時間で灰ヶ峰の山頂に到着。天候に恵まれて大展望を満喫することができました。流石に疲れたので、ここで小一時間の休憩としました。コーヒーを淹れてドーナツをかじっていきます。
【直登コース〜分岐〜すずさん家(がた)〜三ツ蔵〜れんがどおり】
下山には直登コースを選択しました。歩きやすい雑木林の明るい道をずんずん下って行くと、すぐに先程の車道に出ます。もう近道登山道はこりごりなので、東側の尾根に付けられた登山道を通ることにします。ちょうど8の字を描くような形で歩いたことになります。正規の登山口に出るつもりが、直前で霊園の脇道に入ってしまいましたが、次の目的地であるすずさん家に向かうのなら、むしろこちらの方が近道なのでそのまま進むことにします。このとき、劇中にも登場した六角錐のカラフルな盆飾り(※盆燈籠)を目にすることができました。流石に写真には撮れませんでしたが、本当にお墓にお供えするのだと、妙な感動を覚えました。
その後、行ったり来たりしながらすずさん家へ到着。上記の案内地図でいうところの3據好魁璽垢ら現地を目指したのですが、そちらからだと、あまり案内もなく分かりづらいです。辰川バス停を基点とした_覇りコースの方が断然オススメです。現地には建物こそありませんが、地面には北條家の間取りを再現した描き分けがしてあったりして、雰囲気は抜群です。『マイマイ新子』や『この世界の片隅に』で想像力を鍛えた貴方になら、きっと北條家の姿がそこにみえるはずです(多分)。
さて、途中で一昨日の「マイマイ新子探検隊」に参加した知人から連絡があり、まもなくフェリーで呉入りするということだったので、合流するべく下界に向かいます。劇中でも印象的なモニュメントだった三ツ蔵の脇をすり抜け、れんがどおりの前で無事に合流しました(ここでヤマレのログを修了したので変なところでGPSの軌跡が終わっています)。連れだってカレー屋に入り、生レモンの入ったレスカ(←関西っぽい!)で喉を潤し、ハンバーグカレーをいただきました。カレーのソースがデミグラスソースのようで美味しかったです。食後、翌日にすずさん家に向かう予定の知人に行き方のアドバイスなどしながら駅に向かい、14時半過ぎに呉を発ち、4日間の旅を終えました。
向島(錦山)、右田ヶ岳、灰ヶ峰と、秋吉台を除いてはそれほど有名ではない低山ばかりの旅でしたが、ふたつの映画作品の舞台探訪と合わせて、充実した時間を過ごせました。実は4日目は周防大島に行き、もう1泊して最終日に灰ヶ峰に登るプランもあったのですが……流石に体力的にも見送って正解だったような気がします。民俗学者の宮本常一が好きなんで、一度行ってみたかったんですけどね、周防大島。まあまたの機会ということで。
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