花塚山
- GPS
- 03:28
- 距離
- 6.1km
- 登り
- 576m
- 下り
- 579m
コースタイム
- 山行
- 2:40
- 休憩
- 0:41
- 合計
- 3:21
尾根分岐
花塚山北峰
堅岩
比曽堺分岐
◎地名データ修正
花塚の里駐車場⇒名称変更、説明文追加
花塚の里ちびっこ広場⇒名称変更、説明文追加
花塚台⇒名称変更、説明文追加
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
◎花塚の里 川俣町役場公式ホームページでは花塚の里について、『自然の地形を活かして作られた公園。園内には子どものための「ちびっこ広場」があり、アスレチックや大型すべり台、ぶらんこなどがあり、バードウォッチングや森林浴に最適な場所』と書かれている。 現実には震災後、子供たちが利用することはなくなり、かつて駐車場だった場所は除染で出た汚染物質の仮置き場となっている。 登山者は車止めのスペースに駐車可能である。 トイレはちびっこ広場にあり非水洗、ペーパーあり。 ちびっこ広場までは除染が済んだようで放射線量は0.5μ㏜/h以下だった。 ◎花塚の里〜尾根分岐 震災後花塚山は放射線量の高い山ということで、登山者も限られ震災後のヤマレコの記録も5件にとどまっている。 当然登山道も荒れているのかと思ったが、放鹿神社から尾根分岐までは登山道は明瞭で危険な場所はない。 意外にハイカーが入っている感じである。 アカマツや照葉樹の中、花崗岩の巨岩を縫って登る道は変化に富んで楽しいルートだ。 この区間の放射線量は1.0μ㏜/hを下回っていた。 ◎花塚山〜花塚台〜北峰 花塚山主稜線で、川俣町と飯館村の境界となっている。 尾根分岐から花塚山山頂にかけては花崗岩の巨岩が道を塞ぐが、木製階段などで整備され問題なく歩ける。 花塚台と北峰に東屋があるがともに痛みが激しい。 今回稜線登山道の放射線量は0.5〜2.0μ㏜/hと決して低い数値ではなかった。 特に山頂から飯館側に入った藪では4msv/hを超える高い数値が出た。 稜線は登山道を飯館側にはずすとホットスポットが残っていると認識すべきだろう。 ◎堅岩コース 堅岩コース下降点からは急降下が続く。 こちらは歩く人は少ないようで踏跡は明瞭だが足元が緩い。 特に堅岩周辺は急斜面の足元がぬかるんでおり、スリップに注意したい。 堅岩付近にはヒトリシズカ、比曽堺分岐にはニリンソウの群落があるようだが、時期的にはまだ早く花は見れなかった。 コースを通じて放射線量は1.0μ㏜/hを下回っていた。 ◎展望スポット ☆花塚台 コースを通じて唯一の展望スポット。 大きな一枚岩の護摩壇岩や球体の花塚岩、東屋などがあり休憩にも適している。 東から南側の展望がよく、安達太良から那須、阿武隈の山々が一望できる。 今回線量の計測にはロシア製SOEKS 01Mを使用した。 |
写真
感想
4日三つ目の山は花塚山。
川俣町と飯館山の境界にあり、阿武隈山地では大滝根山や日山などとともに日本の山1000にも採用されている名峰だ。
ただ、震災時、福島原発から北西方向に向かった放射性物質が花塚山東面にぶつかった影響で比較的放射線量が高く、訪れるハイカーは多くないようだ。
女神山下山後国道114号を南下し川俣町中心部から県道原町川俣線経由で登山口の花塚の里へと向かう。
かつて花塚の里駐車場だった場所は、除染で出た汚染物質の仮置き場となっており、日中は作業員やガードマンが常駐している。
作業員の方に確認して車止め前のスペースに駐車するが、地元ナンバーの車が1台止まっており先客がいるようだ。
到着してすぐに、車の持ち主の男性が下ってきて山中の状況をいろいろ教えていただいた。
さくっと準備をして12時半に出発。
滑り台やブランコがあるちびっこ広場を過ぎ、放鹿山神社の横手から登山道に入る。
どうやら「放鹿山(はなしかやま)」が花塚山になったようだ。
のっけから急登で、アカマツ林から照葉樹に変わると花崗岩の巨石が次々と現れる。
鎖もあるが取り立てて危険な場所もなく、神社から50分ほどで稜線に出る。
尾根を右折し巨岩を縫って進むと15分ほどで山頂に着くが眺望はない。
持参したガイガーカウンターでは稜線は総じて0.5〜2.0μ㏜/hを示しているが、山頂の飯館側の藪では4.4μ㏜/hと非常に高い数値となった。
尾根分岐まで戻り、すぐに護摩壇岩に出る。
テーブル状の巨大な一枚岩は、コース随一の展望台だが、頭上はすっかり雲に覆われ、安達太良や吾妻の山々もカラーからモノトーンに戻ってしまった。
球体の花塚岩の先に東屋があるが床の一部が抜けるなど痛みが見られる。
気温も下がったので、持参したおにぎりを口に入れてすぐに出立。
いったん下り登り返すと北峰で、ここにも東屋があるが展望はない。
北峰のすぐ先に堅岩への下降点を示す標識があるので見落とさないようにしたい。
緩い地面の急坂を一気に下ると堅岩に着く。
一見モアイ像を思わせる高さ30メートルの岩塔だ。
このあたり足場がかなり悪いのでスリップしないように気を使った。
沢まで下ると軽く登り返し、アカマツ林を再び急降下し、植林を抜けると放鹿山神社の横手に飛び出す。
一週3時間半の周回コースは、大半がアカマツ林か照葉樹で、花崗岩の巨岩が続くコースは変化に富み飽きることはない。
天気が良ければ花塚台からの眺望も楽しめるなかなかのコースである。
現実には、阿武隈のほかの山に比べれば放射線量が高いのは否めない。
今回検出した一番高い線量は4.40μ㏜/hだった。
もしこの放射線量で一年間過ごせば年間被ばく量は38.5m㏜となり、政府が居住を制限する20m㏜の2倍の数値で健康への影響が懸念される数値となる。
でもこれは1年間浴び続けた数字で、例えば登山で数時間この線量を被ばくしたとしても人体への影響は心配ないというのが我が家の認識である。
ちなみに胸部レントゲンで受ける被ばく量はだいたい50μ㏜/hとされている。
今回山頂飯館側の藪で出た4.4μ㏜/hの放射線を11時間浴び続けてもレントゲン一回分の被ばくと同じ線量ということになる。
もちろん放射線量への考え方は人それぞれであり、懸念を持つ人は入山しなければいいだけの話である。
もし放射線量について我が家と同じ判断をされるのあれば、変化に富んだコースは楽しく、新緑や花の季節、秋の紅葉シーズンにはお薦めの山であると表現しておこう。
下山後は予約していた郡山のルートインに宿泊したが、翌日はあいにくの雨。
予定していた山行はやめ、のんびり朝食をとって帰宅した。
4月第2週も郡山に宿を取って土日ともに阿武隈の山巡りをする予定だ。
コメント
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一日三座でしたか
女神山と花塚山セットで登ってみたくなりました
あの辺りは、除染物の黒色袋がたくさん積まれてます。
行先が気になりますが・・・
私の年齢になると楽しむことが優先で放射線量はあまり気にしていないのですが、若い方は注意が必要ですね
ハナさん、おはようございます。
女神山は予想以上にいい山でした。
もう少しすればカタクリの代わりにスミレが咲き山頂の桜も花を咲かせるようです。
眺望がいいので、安達太良や吾妻連峰が見える空気の澄んだ晴天がお薦めかと。
花塚山は花崗岩が変化に富んで面白い山です。
堅岩コースの下りは足元が緩く難渋する場所がありますが、4月終わりからヒトリシズカが見れるようです。
マッチさん、こんばんは。
霊山・女神山・花塚山とも展望があって良い山なんですね
現在の線量もアップしてあるので、参考になった方が大勢いらっしゃるのではと思われます。
ブランコや滑り台で遊ばれるマッチさん、最高ですよ!
堅岩は30mもあるんですか!
写真だと人の背の倍くらいかなと感じましたが、ドでかいんですね〜
マッチさん御夫婦はこれだけルートインを使っていると、GW中で満室の時でも融通利いたりするんでしょうか?
マコトさん、おはようございます。
どの山も展望はよく、雪をかぶった春の山を見れてよかったです。
花塚山は線量が高いといっても大人なら神経質になるほどのことはないと思います。
ルートイン、ポンタカードを作ればいろいろ融通が効くこともあるようですが、我が家はじゃらんで予約してるのでそういうメリットはありません。
ドーミーインは共立メンテナンスの株主なので、夫婦合わせて年間10万円分の株主優待券がいただけます。
3座してたとは ガイガーカウンターも持参でなんかヤマレコでは無く(笑)線量測定する旅になってますね
危なくは無いと思いますが
ブランコ遊びは・・・壊れるので 辞めて下さい。(笑)
remu77さん、おはようございます。
ガイガーカウンターは危険を調べるものじゃなく安全を実証するために持参しました。
子供が消えたちびっこ広場、おっさんが子供に戻って歓声を上げていました。
三山を共通して言えることですが、西方に位置する安達太良や吾妻連峰の存在感が大きいですね。
阿武隈丘陵と言うほどですから、邪魔になる?高峰もないし・・・。
遠いので拙者もなかなか行ける訳ではないですが、もっと、ハイカーが戻ってきて欲しいですね
隊長
隊長、おはようございます。
このエリア、もともとヤマレコでは記録が少ない山が多いですが、地元の皆さんにとっては身近な山だったと思います。
登山道などを見ると想像した以上に人は入っているようで少し安心しました。
はじめまして、竪岩まで廻ったのですね。
遠くから女神山・そして富士遠望最北端の花塚山へようこそ!
地元に住むヤマレコMです。
あの日から4年が経ちました。
富士山遠望の最北端の地と言われ、6年越しに花塚山に登り続けていました。
「日本の山1000山」とは、初めて知りました。(きっと、町長も知りません)
花塚山は、震災直前までNHKの取材同行登山を数回ですがメインの「CANON」に仲間と同行を繰り返していました。
その後も夢を諦めず毎年登っていますが、確かに尾根を境に、飯館側に一歩踏み入れれると線量は急上昇します。
昨今、「福島は難しい」と言われはじめ、敬遠されがちになって来ていると耳にして時だけに、記録に触れてホッとしました。
登山する時の必需品として、線量計を片時も離さずに登ることがないようにしたいに願いたいです。
山を除染することなんて絶対不可能なので、無名な山も含め、これ以上の自然破壊を無くす国策を念じています。
汚染仮置き場の状況をスクープして欲しかったなぁ〜
日本国中の山を守りましょう!・・・原発から!
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