頸城山塊・神明橋バス停から鉾ヶ岳─権現岳縦走


- GPS
- 08:14
- 距離
- 13.3km
- 登り
- 1,438m
- 下り
- 1,362m
コースタイム
- 山行
- 6:49
- 休憩
- 1:25
- 合計
- 8:14
天候 | 曇り時々晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2023年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
能生駅からは糸魚川バスの能生西飛山線を利用。 (運賃) 能生駅前─神明橋:\440、温泉センター前─能生駅前:\550 https://www.marukei-g.com/files/libs/4171/202303221129463278.pdf <ゆき> 小杉601━611富山619━710泊712━758能生812=829神明橋 <かえり> 温泉センター前1653=1714能生1804━1851泊1905━2003小杉 |
コース状況/ 危険箇所等 |
トッケ峰から権現岳を経ての下りはロープ・鎖場の連続。路面が湿って滑り易いうえ、枯葉に足を取られることも多いので、スリップに注意を要する。 |
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
アームウォーマー
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
ザックカバー
行動食
非常食
飲料
ライター
地図(地形図)
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
時計
携帯
タオル
スパッツ
サングラス
シェラフ
携帯トイレ
折り畳み傘
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感想
JR西日本が提供するアプリ『tabiwa』の企画チケット『北陸おでかけtabiwaパス』を使って、頸城山塊の鉾ヶ岳─権現岳を縦走して来た。アクセスは鉄道のほか、能生駅前から糸魚川バスの路線バス・能生西飛山線を利用。ホントは今回の文化の日三連休は、弟子(妻)と遠方の山に行く予定だった。しかし、11月3日は弟子は職場の有志と馬場島の中山に行くことになったうえ、腰痛も再発したことから、遠征は断念…。急遽私は11月4日土曜日に鉾ヶ岳─権現岳に行くことにした。『晴れの特異日』とされる11月3日を敢えて避けたのは、アクセスに使う能生西飛山線が日祝には極端に便数が絞られるから。温泉センター前16:02発の便に間に合うように下山する計画だったけど、土曜日だとこの後にもう1本あるだけ。日祝だと16:02発の便が最終で、万が一乗り遅れたら柵口温泉権現荘に泊まるか、タクシーを呼ぶかしかない。バス待合所で野宿…? 今の季節は、ツラい…(泣)。
鉾ヶ岳─権現岳にはもっと早い時期に挑戦のつもりだったけど、ヤマレコの諸先輩方の記録をみると、例年秋に登山道整備が行われることから、晩秋を狙って登るケースが多い。事実、この10月中旬に実際に鉾ヶ岳からトッケ峰までの道の整備を行われたかたの記録が載っており、今の時期が狙い目と判断し、今回挑戦するに至った。権現岳からの下りは特に滑りやすい…というので、トレッキングシューズの底の溝に詰まった泥を予め除去して臨んだ(通常は、そんな準備はしていない)。
能生駅前から乗車した西飛山ゆきのバスは、定刻どおり8:29に神明橋バス停に到着。バス停の目の前に、鉾ヶ岳登山口への案内標識があり、それに従い沢沿いの道を登ると、すぐに幅の広い道路とのT字路に出る。ここは標識どおり右折し、山菜畑や田んぼ沿いに車道は進む。ちゃんと日々利用者が居るマトモな道で、これは、登山口まで残り0.7 kmというところで脇道に逸れても一緒。最後の残り0.2 kmで駐車スペースか転回所があり、その先の車道は荒れ気味で駐車スペースは1台、せいぜい2台なので、残り0.2 kmのスペースにクルマを置いた方が無難。溝尾登山口には9:20に到着。神明橋バス停から50分かかった。溝尾登山口には全くクルマの姿が無い。今日ここを登ってるのは、もしかして私だけ?
溝尾登山口でジョギングシューズからトレッキングシューズに履き替え、天気予報どおり気温も高いので半袖Tシャツ姿になり、いよいよ登山道に足を踏み入れる。小沢を渡る度に足場が不安定なのでロープが設置されてる。最初のうちは雲は多いものの、それなりに陽が差す場面も多かった。島道鉱泉からのコースを合わせてからは、多少歩きやすくなった。登山口から1時間歩いたところで休憩し、さら登ると、シゲクラ尾根に乗る。しばらくは気持ちの良い稜線歩きになるけど、それは長くは続かず、いよいよ金冠山への登りに取り掛かる。最初の岩場の手前に、「5/8 ロープ・鎖につかまろう」の古い標識が横転してたけど、ここからはロープを頼らずには登るのは困難な岩場が続く。ただし、ロープとの格闘はさほど長くはなく、ピークの右側から廻り込んで、アッケ無く金冠山頂上に11:37に到着。頂上からはこれから向かう鉾ヶ岳、トッケ峰のほか、焼山と火打がみえたけど、モクモクとガスが上がって来てあっという間に視界を覆い隠す。見えなくなる前に!…と、シャッターを押しまくった(苦笑)。
金冠山頂上からロープを頼りに慎重に下ると、待ち構えてたのはナイフリッジ! これを這いつくばって通過(苦笑)。ここからは今回の山行ではボーナスステージと呼べそうな穏やかな道を往く。島道コース進入禁止に目を奪われて気付きもしなかった(苦笑)大沢岳頂上を経て、なおも頂上を目指して歩いていくと、木立の向かうに建物の壁がみえ始める。鉾ヶ岳頂上に建つ避難小屋だっ!…と、俄然元気になって歩みを早め、12:17に鉾ヶ岳頂上に到着。
先ほど金冠山でガスが上ってきた時はもう景色は見納めか…と思ってたけど、あれは一時的なものだったようで、一等三角点を誇る鉾ヶ岳頂上からは海谷山塊や焼山、火打がよくみえた。小屋のなかに入り、登山道整備の感謝の気持ちとしてミネラルウォーター2本を進呈し、登山ノートに記帳してから、海鮮巻きセットを喰った。鉾ヶ岳頂上で私の逆コースを歩くかたか、柵口から鉾ヶ岳往復のかたが居るかと思ってたけど、頂上には私だけ。今回は登山者に会わない山旅になることを半ば覚悟してた。
12:32に鉾ヶ岳頂上をスタートし、どんどん下ってく。あっという間に、向かいのトッケ峰のほうが高くなった。鉾ヶ岳─トッケ峰間は稜線を避けて敢えて稜線の東側をトラヴァース気味に道を付けている区間があり、多分、登山道整備のみなさんが一番苦労したのはここだろう。みなさんの整備のお蔭でストレスは感じなかったけど、これまでの歩きで疲労が溜まったのか、右脚の太ももが攣った…(汗)。行動不能に陥ること無く、13:12にトッケ峰頂上に到着。
予報どおりなのか、どんどん天気が冴えないものになってきて、トッケ峰では展望はほぼ無く、真っ白。そんなトッケ峰頂上で休憩してると、やがて人の声が聞こえ始めた。そして、鎌を持った登山道整備のみなさんがトッケ峰に到着。5人で権現方面からトッケ峰までの間の整備を行ったとのこと。この間の登山道の整備は溝尾登山口から鉾ヶ岳─トッケ峰までの間だったから、トッケ峰から先はヤブが濃いことも覚悟してたけど、このかたがたが現れたからにはその心配は無くなった。この登山道整備のかたから、「このコース歩くんだったら、権現岳→鉾ヶ岳。こっち(権現)下ったら、金冠みたいな道ばっかりで、前を向いてはあるけないよ」と教わった。事前の調査でも、逆コースのほうが安全とは知ってたけど、しかしながら「そこまで酷くないだろう」と話半分に聞いてた。そしたら、ホント、半分はロープにしがみつき、3点確保の慎重な下りを余儀なくされた(汗)。トッケ峰の下りからいきなりどこに足を置けばいいのか分からない急な下りがあり、これだけかと思ったら白滝の標識が現れるまで、ロープ三昧だった…。権現岳までの歩きで細かい雨が少し降ったけど服も靴も濡れることなく、14:10に権現岳頂上に到着。頂上には、登山道整備のみなさんの荷物がデボされてた。帰りは、温泉センター前バス停から16:02発の便に乗る予定だったけど、この時点では全く諦めてなかった。流石に権現荘での温泉は無理とは感じてたが…。しかし、権現岳からの下りで延々と続くロープにペースは全く上がらない。白山権現を通過した先のハサミ岩ではザックのサイドポケットに両側ともペットボトルを挿してたため文字通り挟まってしまい、通過に余計な労力を掛け、胎内くぐりではザックを背負ったままの通過が困難で、ザックを手持ちし通過した。長いロープの下りは最初のうちは神経使って慎重に下りてたけど、あまりにも長く続くものだから、精神的な疲労もあったんだろう。最後の長いロープの下りで、足をしっかりグリップせずにスリップして、ロープにしがみついたまま数m滑り、キ×タマを強打し、悶絶…(涙)。山でキ×タマ打ったのは初めてかも。
15:32に白滝の標識に到着。ここまで来ると、流石に温泉センター前16:02発のバスには間に合わないことも解ってる。水を飲もうとザックのサイドポケットのペットボトルを取ろうとしたら無かったので、おそらく胎内くぐりで岩と接触した時に脱落したんだろう。白滝の標識からは、フツウの登山道で特に難しいところは無いけど、脚に疲労がきてるのか、何でもないところで2回もスリップし、お尻を着いた…。湯沢川の音が大きくなって来て、やがて視界に登山口の標柱が飛び込んでくる。下山者向けに「おつかれさまでした」と書かれてるけど、ホンットに疲れた…。柵口ルート登山口に16:04に到着。水場と駐車場がある広場に移動し、ここで休憩。水場の蛇口をひねってみたけど、すでに冬季の凍結対策か、止まってた…。あと、登山道整備の皆さんのクルマが5台。水場を出発し、温泉センター前バス停を目指す。水場の蛇口をひねったのは水が飲みたかったのではなくて、半袖で剥き出しだった両腕に付いた泥やら葉っぱやらを洗い流したかったからだけど、それは途中の湯沢川親水広場で実行出来た(苦笑)。16:02の次の便の出発が16:53なのは知ってたので、余裕…と思ってたら、意外に時間がかかる。実際、バス停に着いたのは16:44で、発車の9分前。当初の予定だと、早めに下山して権現荘で温泉に入るつもりで着替えとバスタオルも荷物に入ってた。が、温泉どころか、帰宅もままならなくなるところだった。もし、16:53の便に乗り遅れたら、権現荘に宿泊して着替えとバスタオルも有効利用出来た? シャレにならん! 平日なら1日8.5往復もバスが走ってるというのに、ヤマケイの分県登山ガイド『新潟県の山』では公共交通機関利用を紹介していないのは、もし載せちゃったら最終バスに間に合わない登山者が多数出て、苦情殺到になることを恐れたから?…と、悟った。
逆コースだったら気持ちよく歩けたかどうかは分からないけど、鉾ヶ岳→権現岳の縦走は、ロープ場が大好物というかた以外には全くオススメ出来ません。日帰りでここまで苦闘したの、久しぶりかも…。
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