雉子の目山


- GPS
- 05:10
- 距離
- 15.4km
- 登り
- 547m
- 下り
- 545m
コースタイム
- 山行
- 4:36
- 休憩
- 0:31
- 合計
- 5:07
天候 | 晴時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
写真
感想
大朝インターが近づくとバスの車窓から端正な山が目に入り、雉子の目山はあれかなと登頂欲が高まります。ただし登りは結構きつそうです。
広島県北部はいうまでもなくクマの生息域。尻のポケットに小型の撃退スプレーを入れ、鈴を鳴らして国道から山に向かいます。集落通過中に挨拶を交わした地元の方々からクマの情報を聞きました。特に集落上部にお住まいの方の話では、以前に自宅の裏手に現れたことがあったので柿の木を切ってしまったとのこと。ただ人的被害は「今のところ」ないとのことで少し安心。鈴に蚊取り線香、いざという時の撃退スプレーも用意していることを告げて林道へと進みました。
林道標識から少し歩いた先で小さなモーター音のようなものが聞こえます。よく見ると林道脇の地表近くに黄色い蜂が群がっている! これはスズメバチ? 5匹や6匹ではなく二桁の数が蝟集している…。壊された巣に群がっている様子ですが、詳しく観察する余裕もなく、そっと離れます。
路上には死骸もあり、やはりスズメバチのようです。私に注意を向けた個体がいるらしく頭上で羽音がするものの、蚊取り線香のおかげなのか見逃してくれました。
蜂の巣を壊したのは人かクマか、多分後者でしょうか。ある意味クマより怖いスズメバチ、ポイズンリムーバは一応用意しているが…帰り道を思うと心配のタネが一つ増えてしまいました。
とかくするうち大朝インターから1時間半歩いて標識のある登山口に到着。ちなみに伸縮型のトレッキングポールの石突のキャップを外し、腰のベルトに差し込んでいます。(一種の道中差しです。最終手段としてクマの口か鼻を突くつもり。もしそうなればお互いタダでは済まんから襲わんといてね〜という気持ちで)
標識は登山口と山頂のみでしたが、テープ・踏み跡を辿ればあまり判断に迷う所はありません。ただ標高700m付近でトラバース道に出会ったところで、左右どちらにもテープがあるように見えて少し思案しました。事前にみんなの足跡を大まかに紙地図に記入していたこともあり、右を選んで正解でした。
下から眺めた端正な南尾根は、予想どおりの急登でした。特に上部はトラロープのあるまさに胸突き八丁ですが、あとわずかだと思って頑張りました。山頂が見えた時は、思わずニヤニヤ笑ってしまった…
展望は木の葉の落ちた樹間ごしで、あまりスッキリしませんが、スマホで音楽を流して簡単な昼食をとり、とにかく無事に登頂できた喜びをしみじみ噛みしめました。
なんとなく立ち去り難い気持ちを残して下山開始。トレッキングポールを本来の用途で使うことに。ほぼ直登のルートだけに下りは早いものです。クマの気配は全く感じる事なく登山口に戻りました。
そこからはスズメバチ対策で蚊取り線香をもう1本追加、白いタオルを頭に巻いて垂らし、さらにキャップを被りました。
林道をとっとと下りましたが、ここいらに蜂がいたはずというあたりに差し掛かっても一匹も姿が見えません。通り過ぎようとしたところかすかな羽音が聞こえ、道の端をよく見ると、壊れた蜂の巣だけが無残に転がっていました。
クマとスズメバチという2大リスクを背負いながらの登山はあまり褒められたものではないと思いますが、幸い無事に帰還できたことで、雉子の目山は印象深い広島県百名山の一峰になりました。
以下はホントに余談です。
山歩きと直接関係ない話ですみません。
1 大朝インターへ車道を歩きながらつらつら思ったこと
土中に巣を作るのはオオスズメバチのはず。確かに頭の黄色いあのスタイルだったが、集まっていた連中はそれ程大型ではなかったような?
結構な数が群がっていたのは、巣が壊されてパニックになっているからだと思ったが、1m前後の距離まで接近していた私を全く攻撃して来なかったのは何故? 蚊取り線香にそこまでの効果があるものか?
(過去に蜂の巣を撤去した直後のお堂に足を踏み入れ、興奮状態の小型の蜂に襲われて頭を5、6箇所刺された経験あり。)
それに午後には全く蜂の姿が見えなかったのはどうして?
2 帰宅してから少し調べて考え直したこと
土中に巣を作るのはオオスズメバチだと思っていたが、小型で比較的おとなしいクロスズメバチも同様らしい。ならばそちらの巣だったのかも。
いずれにせよ午前中に群がっていた頭の黄色い蜂は、巣とは本来関係ないプレデター達で、たまたま壊された他の蜂の巣を発見し、幼虫や卵を捕食していた最中だったのではなかろうか。
それなら食事に夢中で私を襲う気がなく、食べ尽くして午後には去っていたと納得できる。
群がっていた蜂の形態や行動をとても観察できる状況ではなかったので、所詮推測の域を出ませんが…はてさてどんなもんでしょう?
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