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記録ID: 6231491
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ハイキング
大峰山脈

まほろば跋渉記#56 続・大峰山脈天和山界隈 天川村和田と旧・大塔村篠原を結んだ古の道 川瀬峠を越えて

2023年11月23日(木) [日帰り]
 - 拍手
体力度
2
日帰りが可能
GPS
04:17
距離
6.3km
登り
719m
下り
693m
歩くペース
ゆっくり
2.22.3
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
9:08
休憩
0:26
合計
9:34
6:49
6:51
24
7:15
7:15
23
7:38
7:38
39
8:17
8:24
43
9:07
9:08
76
10:24
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165
13:09
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3
13:12
13:13
8
13:21
13:23
27
13:50
14:03
122
16:05
16:05
15
16:23
ゴール地点
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2023年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
伊波多神社前の県道路肩スペースに駐車。
まほろば跋渉記#55前編、そして#55後編に続きこの秋3回目となる和田発電所。今回はここから天和鉱山ではなく、山を越えた旧大塔村に属する篠原集落を目指します。
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まほろば跋渉記#55前編、そして#55後編に続きこの秋3回目となる和田発電所。今回はここから天和鉱山ではなく、山を越えた旧大塔村に属する篠原集落を目指します。
和田発電所で使用された水は、長い長い導水路を経て十津川の長殿発電所へと送られますが、その途中これから向かう篠原の取水堰堤も通過します。篠原への古道は標高1150mの川瀬峠を越えなければなりませんが、この導水路ならほとんど勾配もなく、およそ2.7kmで辿り着けます。
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和田発電所で使用された水は、長い長い導水路を経て十津川の長殿発電所へと送られますが、その途中これから向かう篠原の取水堰堤も通過します。篠原への古道は標高1150mの川瀬峠を越えなければなりませんが、この導水路ならほとんど勾配もなく、およそ2.7kmで辿り着けます。
発電所右手にある小さな橋が天和山への入口で、ここから川瀬峠まで標高差600mを登ります。
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発電所右手にある小さな橋が天和山への入口で、ここから川瀬峠まで標高差600mを登ります。
登山道脇に現れる大きなコンクリートの水槽。動画を見て下さってる方はわかるかと思いますが、跋渉記#55前編で天和鉱山をなかなか発見できずに諦めて帰りかけた時、‟最後に1箇所だけ気になるところ”というのがここでした。まさに灯台下暗しです…。
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登山道脇に現れる大きなコンクリートの水槽。動画を見て下さってる方はわかるかと思いますが、跋渉記#55前編で天和鉱山をなかなか発見できずに諦めて帰りかけた時、‟最後に1箇所だけ気になるところ”というのがここでした。まさに灯台下暗しです…。
天和山はマイナーな山ですが、とてもしっかりした登山道が続きます。今は歩く人も少ないこの道は、天和山山頂の西側にある川瀬峠を越え、山向こうに位置する舟ノ川郷最奥の集落・篠原への古くからの道で、舟ノ川下流から道が通じていなかった篠原へのメインルートでした。
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天和山はマイナーな山ですが、とてもしっかりした登山道が続きます。今は歩く人も少ないこの道は、天和山山頂の西側にある川瀬峠を越え、山向こうに位置する舟ノ川郷最奥の集落・篠原への古くからの道で、舟ノ川下流から道が通じていなかった篠原へのメインルートでした。
一見すると対岸の山に見えますが、左の綺麗な三角形は天和山から西へ尾根続きにある唐笠山。右下には天ノ川右岸の斜面に拓かれた籠山集落が見えます。
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一見すると対岸の山に見えますが、左の綺麗な三角形は天和山から西へ尾根続きにある唐笠山。右下には天ノ川右岸の斜面に拓かれた籠山集落が見えます。
標高890m、ここが天和山への登山道と川瀬峠への古道との分岐で、古道を示す案内などは何もありませんが、明確な道形が左へと続きます。
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標高890m、ここが天和山への登山道と川瀬峠への古道との分岐で、古道を示す案内などは何もありませんが、明確な道形が左へと続きます。
古道沿いにはいくつものクマハギの痕が残っていて、どれも古そうなものとはいえ、あれだけニュースでクマに襲われた話を聞くとさすがにちょっと怖くなります。
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古道沿いにはいくつものクマハギの痕が残っていて、どれも古そうなものとはいえ、あれだけニュースでクマに襲われた話を聞くとさすがにちょっと怖くなります。
天和谷上流の谷を渡ると、古道は不明瞭になります。なんとかそれっぽい踏み跡を辿りますが、以前の地形図に掲載されていた道からはやや東へずれて登って行きます。
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天和谷上流の谷を渡ると、古道は不明瞭になります。なんとかそれっぽい踏み跡を辿りますが、以前の地形図に掲載されていた道からはやや東へずれて登って行きます。
林内の少し開けた場所には、無数の古い空き缶が散らばります。
最初に天和鉱山の探索に来た時は、これを見てもうそろそろかなと思ったんですが…。
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林内の少し開けた場所には、無数の古い空き缶が散らばります。
最初に天和鉱山の探索に来た時は、これを見てもうそろそろかなと思ったんですが…。
さらに少し登ればいかにもそれらしい大きな平場が広がっていて、きっとこの辺りに坑口があるはずと、何度も斜面を行き来しました(笑)。
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さらに少し登ればいかにもそれらしい大きな平場が広がっていて、きっとこの辺りに坑口があるはずと、何度も斜面を行き来しました(笑)。
見上げれば川瀬峠の稜線はすぐそこで、ここもかすかに残る道形を追って登って行きます。
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見上げれば川瀬峠の稜線はすぐそこで、ここもかすかに残る道形を追って登って行きます。
標高1150m、天川村和田と旧・大塔村篠原を結んだ川瀬峠。いつもここからこの先どんな道が続いているんだろうと眺めていましたが、今回ようやく先へ進みます。
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標高1150m、天川村和田と旧・大塔村篠原を結んだ川瀬峠。いつもここからこの先どんな道が続いているんだろうと眺めていましたが、今回ようやく先へ進みます。
川瀬峠から篠原へのレポは見たことなく、誰も歩かない道はさぞ荒れているだろうと思いきや、意外なほどにとても綺麗な道が続いていました。今はもう峠を越える人もいなくなりましたが、それだけこの道が篠原への重要な道であったことを物語ります。
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川瀬峠から篠原へのレポは見たことなく、誰も歩かない道はさぞ荒れているだろうと思いきや、意外なほどにとても綺麗な道が続いていました。今はもう峠を越える人もいなくなりましたが、それだけこの道が篠原への重要な道であったことを物語ります。
いつぞや辿った伯母谷川の軌道跡を思い出させる危うい木橋(笑)。あの時は無理しましたが、ここは簡単に右から回れました。
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いつぞや辿った伯母谷川の軌道跡を思い出させる危うい木橋(笑)。あの時は無理しましたが、ここは簡単に右から回れました。
木橋のすぐ先には苔むした石積み。こんな奥深いところで土工の痕を見ると嬉しくなります。
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木橋のすぐ先には苔むした石積み。こんな奥深いところで土工の痕を見ると嬉しくなります。
所々で多少崩れているような箇所もありますが、全体としてはやはりとても綺麗な道が続きます。篠原からは特産の坪杓子や平杓子を町へと運んだ道で、篠原へ嫁ぐ女性もまたこの道を歩いて舟ノ川郷へと入りました。
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所々で多少崩れているような箇所もありますが、全体としてはやはりとても綺麗な道が続きます。篠原からは特産の坪杓子や平杓子を町へと運んだ道で、篠原へ嫁ぐ女性もまたこの道を歩いて舟ノ川郷へと入りました。
古道が迫塩谷の流れからずいぶん高みを行くようになると、足元には真っ平らな大きな岩壁。写真ではいまいち伝わりませんが、実際目の前にするとなかなかの迫力です。ここから一旦古道を離れ、岩壁伝いに降りていくと…
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古道が迫塩谷の流れからずいぶん高みを行くようになると、足元には真っ平らな大きな岩壁。写真ではいまいち伝わりませんが、実際目の前にするとなかなかの迫力です。ここから一旦古道を離れ、岩壁伝いに降りていくと…
岩壁を真っ直ぐに落ちる落差15m程の岩屋滝。地形図には記載がなく、場所が場所だけに訪れる人も少ないですが、古道を通った人々は昔から見てきた立派な滝です。
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岩壁を真っ直ぐに落ちる落差15m程の岩屋滝。地形図には記載がなく、場所が場所だけに訪れる人も少ないですが、古道を通った人々は昔から見てきた立派な滝です。
滝の少し下で、地形図に記載された道の通り迫塩谷を左岸から右岸へと渡ります。
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滝の少し下で、地形図に記載された道の通り迫塩谷を左岸から右岸へと渡ります。
気持ちのいい穏やかな杉林の道を進むと…
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気持ちのいい穏やかな杉林の道を進むと…
まもなく山側に積まれた長い石積みが現れ、集落が近いことを感じさせてくれます。
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まもなく山側に積まれた長い石積みが現れ、集落が近いことを感じさせてくれます。
やがて古道沿いにはいくつものお墓が並びます。中にはまだ新しいお花が供えられたお墓もあって、今も集落の方が時折手入れされているようです。
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やがて古道沿いにはいくつものお墓が並びます。中にはまだ新しいお花が供えられたお墓もあって、今も集落の方が時折手入れされているようです。
そして軽トラならなんとか走れそうな道に合流、川瀬峠からは左の石積みの間の道を下りてきました。案内標識などは何もなく、篠原から川瀬峠へ向かう場合は間違えてそのまま真っ直ぐ進んでしまいそうな分岐です。
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そして軽トラならなんとか走れそうな道に合流、川瀬峠からは左の石積みの間の道を下りてきました。案内標識などは何もなく、篠原から川瀬峠へ向かう場合は間違えてそのまま真っ直ぐ進んでしまいそうな分岐です。
そして和田から3時間余りかけて辿り着いた舟ノ川郷最奥の集落・篠原。こんな大きな集落がこんな奥地に、それも500年以上も前から立地することに驚きます(詳しくは跋渉記#34参照)。
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そして和田から3時間余りかけて辿り着いた舟ノ川郷最奥の集落・篠原。こんな大きな集落がこんな奥地に、それも500年以上も前から立地することに驚きます(詳しくは跋渉記#34参照)。
いつ来ても穏やかな空気に包まれた篠原。集落にはサクラのような小さな花が咲いていました。冬桜でしょうか?
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いつ来ても穏やかな空気に包まれた篠原。集落にはサクラのような小さな花が咲いていました。冬桜でしょうか?
篠原の住民の方に見せて頂いた坪杓子。かつてはよく食べられていた粥をすくうのに用いられたそうで、生木では加工しやすく乾燥すると堅く腐りにくくなるというクリの木で作られるそうです。
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篠原の住民の方に見せて頂いた坪杓子。かつてはよく食べられていた粥をすくうのに用いられたそうで、生木では加工しやすく乾燥すると堅く腐りにくくなるというクリの木で作られるそうです。
舟ノ川に造られた長殿発電所の篠原堰堤。和田発電所からの導水路はこの堰堤内を通り、ここでさらに舟ノ川の水を取水して長殿発電所へと送られます。
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舟ノ川に造られた長殿発電所の篠原堰堤。和田発電所からの導水路はこの堰堤内を通り、ここでさらに舟ノ川の水を取水して長殿発電所へと送られます。
今はもうわずかに3人の方が住まれるだけとなった篠原集落を後に、天和山へと登り返します。この後も山旅は続きますが、ログがうまく取れなかったので記録はここまでにします。
ほんとはもうちょっとご紹介したいところもあるんですが、また動画が出来上がれば…(いつになるやら汗)。
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今はもうわずかに3人の方が住まれるだけとなった篠原集落を後に、天和山へと登り返します。この後も山旅は続きますが、ログがうまく取れなかったので記録はここまでにします。
ほんとはもうちょっとご紹介したいところもあるんですが、また動画が出来上がれば…(いつになるやら汗)。

感想

本当は天和鉱山探索と一緒に回りたかった川瀬峠越えの古道。天川村和田と旧・大塔村篠原を結んだ道で、陸の孤島だった舟ノ川郷最奥に位置した篠原集落への主要道として古くから利用されてきました。車道が通じるようになった今では峠を越える人もおらず、和田から川瀬峠の間は前々回(跋渉記#55前編)の天和鉱山探索時に歩きましたが、その先の川瀬峠から篠原の間は以前からずっと気になっていた道で、今回ようやく歩くことができました。
山旅としては川瀬峠越えの古道を歩いたのち、他にも気になるものを探索しながら天和山から和田へと戻って来たのですが、ログがうまく取れなかったため山行記録としては和田から篠原までの川瀬峠越えのレポとします。他の‟気になるもの”に関しては、また動画でご紹介できたらと思っておりますが、年内には終わらない…かな(笑)。

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