神室連峰 天狗森西尾根〜神室山台山尾根周回
- GPS
- --:--
- 距離
- 20.9km
- 登り
- 1,588m
- 下り
- 1,576m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
土内川沿いの登山道・・・沢沿いの急斜面のトラバース道です。道の崩壊・倒木等数ヵ所あり。上流側にはまだ残雪があり、ピッケル必携。 天狗森西尾根・・・登山道はありません。雷滝の上流、登山道が尾根に取り付くあたりで土内川に下りて渡渉、尾根の末端から取り付きました。標高770m付近まではヒバなどの根や枝をつかみながらの急登、以降も藪漕ぎです。残雪は標高1100mより上部で屋根中心線にも現れましたが、天狗森山頂部は灌木交りの密な笹薮でした。 天狗森〜神室山・・・ほぼ夏道が出ています。カタクリロード。 神室山〜台山尾根〜土内川沿い・・・上部は夏道が出ていますが、台山尾根はまだ残雪豊富。これからは夏道が所々で現れては消える、判断が難しい状態になるものと思われます。台山尾根から沢沿いへ下る際の道標は出ていましたが、残雪の尾根上から下るための夏道を探すのに、少し苦労しました。沢沿いへ下る登山道は急斜面で、一部やせ尾根が崩壊しつつある箇所もあり、要注意。沢に近くなると、土砂が削り取られた上に落ち葉が積もり、道型が薄く、判別が難しくなります。初めてこのコースを歩く方には、整備が終了してからの利用をお勧めします。 |
写真
感想
神室連峰の中でも天狗森は、主峰神室山と最高峰小又山に挟まれて、少し不遇な山と言えるかもしれない。三角点のある山頂は笹や灌木に囲まれていて、眺望はあまり良くない。神室の他の山のように、支尾根から合流する登山コースがあるわけでもない。
だが東側から眺めると、その姿は小又山と比べても遜色のないほど端正で美しい。そして神室山から南西に延びる台山尾根からの姿は、下半身に粘りをきかせて、神室山と主峰を競うかのように堂々としている。多面的な姿を見せてくれる山である。
以前神室連峰の地図を眺めていた時、登り易そうな尾根を見つけた。この天狗森から西に延びる尾根だが、残念ながら尾根の末端が土内川の雷滝付近に向かって急に落ち込んでいる。私では登れそうにないなと思いながらも、ヤマレコで地図を拡大してみると、少し上流側なら、わずかに等高線が広くなっているようだ。GWの最終日、下見のつもりでヘルメット持参で出かけてみた。無理なら、台山尾根から神室山往復とすればいい。
土内川沿いの登山道から沢に下りて渡渉する。流れが速くて、腿まで濡れた。尾根末端部は幸い岩場状態にはなっておらず、木の根や枝に摑まりつつ這い上がる。細い尾根上にはヒバなどの樹木が立ち、藪は密ではない。むしろ雪が残っていたら、かなり難しいかもしれない。
急斜面を凌いで標高770m付近まで上がると、広葉樹の藪となって少し歩き易くなった。距離は歩いていないが、高さは少しずつ稼いでいるのが、対岸の台山尾根を見るとわかる。やがて待望の残雪が現れ、ピッケルを取り出すが、残雪は長くは続かなかった。笹が濃くなった藪に入る。
やがて尾根中心線に残雪が現れて乗り移ると、右手前方に大きく小又山が姿を現した。あとは藪から解放されて、爽快な登り。右手〜右手後方には、小又山〜火打岳の稜線の向こうに月山が浮かび、左手〜左手後方には、神室山・前神室と台山尾根の稜線の向こうに霊峰鳥海が浮かぶ。
尾根取り付きから3時間弱、あまりにも時間がかかり過ぎだし、また登りたいとも思わないが、藪漕ぎの労を補って余りある、何とも贅沢な大展望の登高を楽しんだ。
天狗森山頂へは、小さなピークを二つ越えていく。灌木と笹の密藪を抜けて一つ目のピークに立つと、二つ目のピークとの間に残雪が見えた。その後の長い行程を考えて、ここで小又山を眺めつつ昼食をとった。
天狗森山頂からはもう登山道、精神的な緊張が解けると疲れが出てきて、暑さも加わり、ペースは上がらない。誰もいなくなった神室山頂から小屋に下り、柱にもたれながら、天狗〜小又の絶妙に流れる稜線を眺めた。
下山に選んだ台山尾根は残雪が多い。土内川に下る分岐付近では、登山道を見つけようと、残雪の縁を慎重に探った。台山尾根には人が歩いた形跡があり、この分岐よりもさらに台山方面へ真新しいリボンが付けられていた。その人は、夏道通しではなくて、より下流側から台山尾根に上がったものと思われる。私の場合は、一度秋に下りで歩いたことがあるとは言え、夕暮れも迫っていたので夏道を忠実に下ろうと考え、ここで20分程を費やした。
藪漕ぎをしながら思ったのは、藪漕ぎでも登れるから登山道はいらない、などということではない。むしろその逆で、登山道のあることの有難さである。登山道を作った先人の苦労、そして崩壊の激しい神室の登山道を維持するために、毎年ご苦労をされている方々のことだ。静かに佇む天狗森を眺めながら、そんなことを思った。
コメント
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小又山から天狗森の稜線は軍沢岳からよく見えますが、天狗森は小又山と比べても遜色ない美しい山ですよね。
僕は二峰並んで獣の牙みたいだなと思いながらいつも眺めています
藪を漕いで山頂に達すると、本当に登山道のありがたみがよくわかりますよね。僕も安堵の気持ちになるのと同時に、道を管理してくれている方々に感謝の気持ちでいっぱいになります
kamadamさん、来季は小又山の西側、気になってませんか
小又山の西側・・・前から気になってます tooleさんなら、火打や神室山との周回で見せてくれると期待していますよ
以前、tooleさんに秘蔵のnewルートは?とコメントいただいた時、考えたのは今回のルートでしたよ 上部は密藪で、tooleさんの心境も少しだけわかったかな・・
kamadamさんの未知の尾根歩きは、雪山にとどまらず、ついにグリーンシーズンに突入ですか。「ヤブ専」エキスパートの方向に行くのでしょうかね 天狗にいるという連絡いただいた時、てっきり火打からの日帰り周回かと思いましたが…まさかダイレクト天狗とは あんぐりです kamadamカラー満載のロング山行、楽しませていただきました。
台山コースもまだ厳しそうですね。土内川、流れ早すぎですよ。
ロング+藪こぎ三昧、堪能されたと思います。ゆっくり休養なさってくださいね。今度は普通の尾根コースでいいんじゃない
ご心配おかけして、申し訳ありませんでした。電波状態も悪くて、メールが通じるのも遅れ気味でした。ヘリもなぜか飛んできて、cheezeさん心配なさっているのでは・・と、こちらも懸念しておりました
有屋コースはいいかと思いますが、台山コースは、初めて歩く方には登りでもまだお勧めできませんね。でも主稜線はご存じのように、夏道が現れてます。
私は沢登りはやらないので、もう店仕舞いです
kamadamさん、こんばんは。
いゃ―・・・ kamadamさんは凄いですね。
土内川から天狗森を目指すなんて・・・本当に凄いです。
あの斜面を・・登るなんて。
フツーは登りませんよ。(笑)
kamadamさんは藪漕ぎも・・・ものともしませんし。
私は・・・ちょっとの藪漕ぎでも敬遠してしまいます。
マイタケでもあれば別ですが・・・(笑)
そうですね。天狗森は不遇な山ですね。
秋田駒ヶ岳〜乳頭山への縦走路にそびえる笊森山みたいな感じですよ。
しかし・・・端正で美しい山容ですものね。
それに・・・なんといっても眺望が良いですよね。
神室連峰のメイン ・・・神室・天狗・小又・火打・・・・実に良い眺めですよね。
登りの疲れも一気に吹き飛んでしまいますね。
それに・・・ブナの新緑・・・。
そうですね。本当に・・・登山道の有難さ・・・ですね。
機械も何もない時代・・・先人の皆様のご苦労は・・・想像できませんね。
kamadamさん、本当にご苦労さまでした。
藪漕ぎ初心者ですが お褒めをいただいて恐縮です
藪漕ぎと言えば、前にも書きましたがスゴイのはタケノコ採りの人たちですよ
地図・コンパスも持たずに、地形のはっきりしない玉川・八幡平周辺の密藪に入るなんて・・私にはとても怖くてできません
時期が遅くて藪漕ぎメインになりましたが、天狗森への斜面自体は、最初の急斜面を除いて歩き易いものでした。展望もすばらしかったです。そうですね、750RSさん愛する笊森山みたいな感じかもしれません
750RSさん、今頃はどこか登っておられると思います。レコ楽しみにしています
kamadamさん、おはようございます。
再びコメントさせてください。
そうですね・・・タケノコ採りの人たち・・・
ある意味・・・すごい人たちですね。
私もタケノコ採りをしますが・・・慎重に行動しています。
長年の知識があるベテランさんでも迷いますから・・・
土内川沿いから天狗森から小又山の斜面を眺めるととても登れそうにないのですが・・・上部は歩きやすいのですね。三角点は縦走路から少し外れますが・・・
なかなか良い眺望だったと記憶しています。
そうですね・・・笊森山みたいですね。
土日はいろいろと用事があり山はお休みいたしました。
今週末も土曜日は用事があり・・・
5月はもう一・二度山行をしたいと思っていますが・・・
kamadamさんのヤマレコ楽しみにしています。
750RSさん、こんばんは。今日はスッキリとした青空が広がりました
色々とお忙しいようですね。
私の方は昨日、野田口から太平山へ登ってきましたが、稜線上は寒くて、ひょうも降っていました。写真も2・3枚なので、レコは書きません。
4月の26日、29日、5月は2日、6日、そして10日と、ここのところ3・4日おきに山へ行っています。こんなに頻繁に山へ行ったことは、かつてありません。有難い環境だと思っています。でも、まだまだ仕事に身を入れてがんばらなければなりませんが
自分にとっての残雪期シーズンは終了しましたので、これからは近場の静かな山を歩きながら、たまには山形・新潟へ遠出できたらいいなと思っています
もはや天狗でないとここ歩けないのでは...と恐れ多いです。
登山道でもアップダウンの稜線歩き、3回目の神室登頂とは凄いです。
藪漕ぎ...とんでもない!
雪斜面のトラバース…笑が止まらぬ
神室に取り憑かれた天狗に魅入られた人達のエキスパルート(略語)
さらにパワーアップしそうですね〜
天狗森は十分存在感あります。登山道にはいつも感謝しております。
神室の魅力さらに深く伝わりました。ありがとうございます。
そして無事に下山、お疲れ様でした
meikenさん、いつもメッセージありがとうございます。
神室山に今年早くも3回目、自分でも予想外です こうなったら、月一を目指しましょうか
藪漕ぎメインにはなりましたが、好んでいるわけではありませんよ ←強調
やっぱりその後の残雪歩き、大展望がわかっているから・・ 藪漕ぎだけで終わる山は遠慮しますよ 本当に、登山道は有難いです。
山は花シーズンですね~~meikenさんの来訪を待ちわびる花々、フィールドはたくさん、ますます忙しくなりそうですね
kamadamさん、その節はお世話になりました。
G.W神室に来られていたんですね(^◇^)しかもスゴイルートで(≧∇≦)
近々、西側から神室に登りたいと(薮漕ぎは無いですが…)思っていたので参考にさせて頂きます\(^▽^)/
これからもバリエーションルート、楽しみにしてますので山行お気をつけて下さい(^△^)
yoshi03さん、こちらこそ、すばらしいレコを載せていただき感謝です
西側からといいますと、今回私が下山に利用した土内川・台山尾根のルートでしょうか。
自分が感じた注意点を色々載せましたが、時間はある程度かかると見た方が良いかと思います。倒木や渡渉等々ありますので。
お気遣いいただきありがとうございます。バリエーションはまた来年やれたらいいですね
同年代ですが、パワフルな山行に圧倒されます。
コメント読んでたら、太平山に野田から行かれたとの記。
実は、来月野田コースから登ってみようと思ってました。
レコ楽しみにしてます。
神室も今年中には行ってみようと思ってますが、
パノラマからはじめようと思います。
todohLXさん、コメントありがとうございます。
todohLXさんの「百尋の滝」レコ、素晴らしいですね
私は行ったことがないので、ぜひ今度出かけたいと思いました。
10日に太平山へ登りましたが、あいにくの天気で、写真は2・3枚しか撮っていないんですよ なのでレコは書きません
剣岳に上がるまで、残雪はありませんでした。剣岳から主稜線の南側に雪堤が残っていて、少し残雪歩きを楽しむことができました。宝蔵分岐から奧岳山頂までも、残雪はありません。
沢沿いが崩壊している個所がありますが、ロープもあり、注意して通過すれば問題ありません。丸舞コースよりはまだ歩きやすい方だと思います。
神室連峰、ぜひ登ってみてください。私もまだまだ歩いたことの無いルートがたくさん、魅力の尽きない山域です
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