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Yamareco

記録ID: 634133
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
栗駒・早池峰

神室連峰 天狗森西尾根〜神室山台山尾根周回

2015年05月06日(水) [日帰り]
 - 拍手
GPS
--:--
距離
20.9km
登り
1,588m
下り
1,576m

コースタイム

日帰り
山行
10:34
休憩
0:37
合計
11:11
7:12
75
スタート地点
8:27
0:00
25
雷滝
8:52
0:00
188
尾根取り付き
12:00
12:17
20
天狗森手前第一ピーク(仮称)で休憩
12:37
0:00
87
14:04
0:00
6
14:10
14:30
116
16:26
0:00
36
台山尾根分岐
17:02
0:00
81
土内川沿い登山道
18:23
ゴール地点
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2015年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
土内川沿いの林道を火打新道への吊り橋から500m程進んだあたりで通行止めとなっており、その広いスペースに車を止めました。
コース状況/
危険箇所等
土内川沿いの登山道・・・沢沿いの急斜面のトラバース道です。道の崩壊・倒木等数ヵ所あり。上流側にはまだ残雪があり、ピッケル必携。

天狗森西尾根・・・登山道はありません。雷滝の上流、登山道が尾根に取り付くあたりで土内川に下りて渡渉、尾根の末端から取り付きました。標高770m付近まではヒバなどの根や枝をつかみながらの急登、以降も藪漕ぎです。残雪は標高1100mより上部で屋根中心線にも現れましたが、天狗森山頂部は灌木交りの密な笹薮でした。

天狗森〜神室山・・・ほぼ夏道が出ています。カタクリロード。

神室山〜台山尾根〜土内川沿い・・・上部は夏道が出ていますが、台山尾根はまだ残雪豊富。これからは夏道が所々で現れては消える、判断が難しい状態になるものと思われます。台山尾根から沢沿いへ下る際の道標は出ていましたが、残雪の尾根上から下るための夏道を探すのに、少し苦労しました。沢沿いへ下る登山道は急斜面で、一部やせ尾根が崩壊しつつある箇所もあり、要注意。沢に近くなると、土砂が削り取られた上に落ち葉が積もり、道型が薄く、判別が難しくなります。初めてこのコースを歩く方には、整備が終了してからの利用をお勧めします。


通行止め。広いスペースに車を止めて歩き出す
2015年05月06日 07:15撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
5/6 7:15
通行止め。広いスペースに車を止めて歩き出す
歩き出して12分程。ここまで入っている車もあった
2015年05月06日 07:27撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
5/6 7:27
歩き出して12分程。ここまで入っている車もあった
登山道は崩壊している。上の灌木につかまりながら通過
2015年05月06日 07:35撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
2
5/6 7:35
登山道は崩壊している。上の灌木につかまりながら通過
残雪のトラバース
2015年05月06日 08:22撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
1
5/6 8:22
残雪のトラバース
雷滝。豪快!
2015年05月06日 08:30撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
5
5/6 8:30
雷滝。豪快!
天狗森西尾根の末端が見える。あそこを登るのか・・
2015年05月06日 08:32撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 8:32
天狗森西尾根の末端が見える。あそこを登るのか・・
下に見える土内川は激流で、とても渡れそうにない
2015年05月06日 08:32撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
5/6 8:32
下に見える土内川は激流で、とても渡れそうにない
支沢を渡る地点に足場が作られているが、傾斜がある上に水量が多くて渡るのは無理。少し上に上がって渡渉した
2015年05月06日 08:43撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
2
5/6 8:43
支沢を渡る地点に足場が作られているが、傾斜がある上に水量が多くて渡るのは無理。少し上に上がって渡渉した
登山道から離れ、土内川へ下りていく
2015年05月06日 08:48撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
1
5/6 8:48
登山道から離れ、土内川へ下りていく
土内川を渡渉する・・
2015年05月06日 08:51撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 8:51
土内川を渡渉する・・
その前に、尾根取り付きを見る。これなら何とか登れるかな
2015年05月06日 08:51撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
2
5/6 8:51
その前に、尾根取り付きを見る。これなら何とか登れるかな
尾根に取り付いて急登、わずかに下りになった所で撮影。ヒバなどが生えるやせ尾根
2015年05月06日 09:04撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
5/6 9:04
尾根に取り付いて急登、わずかに下りになった所で撮影。ヒバなどが生えるやせ尾根
右手の小又沢の様子
2015年05月06日 09:04撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
3
5/6 9:04
右手の小又沢の様子
急登を終えると、広葉樹の森に変わってきた
2015年05月06日 09:35撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
5/6 9:35
急登を終えると、広葉樹の森に変わってきた
藪の間から神室山が見える
2015年05月06日 09:42撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 9:42
藪の間から神室山が見える
土内川を挟んで台山尾根
2015年05月06日 09:43撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
2
5/6 9:43
土内川を挟んで台山尾根
ゆっくり登っていく
2015年05月06日 09:43撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
5/6 9:43
ゆっくり登っていく
木々がひしめき合う
2015年05月06日 09:52撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 9:52
木々がひしめき合う
神室山。羽虫が写っている
2015年05月06日 09:56撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 9:56
神室山。羽虫が写っている
このぐらいの藪なら歩き易いね
2015年05月06日 09:57撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
1
5/6 9:57
このぐらいの藪なら歩き易いね
待望の残雪が現れた。ピッケルを取り出す
2015年05月06日 10:21撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
3
5/6 10:21
待望の残雪が現れた。ピッケルを取り出す
新緑と残雪。心地よい登り・・
2015年05月06日 10:31撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 10:31
新緑と残雪。心地よい登り・・
と思ったが、また藪へ
2015年05月06日 10:39撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
5/6 10:39
と思ったが、また藪へ
左手に残雪が現れた。再びピッケルを取り出して残雪に移る
2015年05月06日 10:53撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
1
5/6 10:53
左手に残雪が現れた。再びピッケルを取り出して残雪に移る
右手にはブナ林が広がる
2015年05月06日 10:55撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 10:55
右手にはブナ林が広がる
月山が大きく見える
2015年05月06日 10:55撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 10:55
月山が大きく見える
残雪が切れてまたまた藪漕ぎ
2015年05月06日 11:02撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
1
5/6 11:02
残雪が切れてまたまた藪漕ぎ
ようやく尾根中心線にも残雪が現れ、南側の展望が開ける。ドーンと小又山
2015年05月06日 11:14撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
9
5/6 11:14
ようやく尾根中心線にも残雪が現れ、南側の展望が開ける。ドーンと小又山
火打岳(左奥)と遠く月山
2015年05月06日 11:15撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
7
5/6 11:15
火打岳(左奥)と遠く月山
雪堤を行く。天狗森山頂部には雪が無いようだ
2015年05月06日 11:19撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
2
5/6 11:19
雪堤を行く。天狗森山頂部には雪が無いようだ
小又山を眺めつつ登る
2015年05月06日 11:19撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 11:19
小又山を眺めつつ登る
藪から解放されて、青空に向かって爽快な登り
2015年05月06日 11:27撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 11:27
藪から解放されて、青空に向かって爽快な登り
左手後方に霊峰鳥海
2015年05月06日 11:31撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 11:31
左手後方に霊峰鳥海
左手前方に神室山と前神室(左)
2015年05月06日 11:32撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 11:32
左手前方に神室山と前神室(左)
右手後方には火打岳
2015年05月06日 11:37撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 11:37
右手後方には火打岳
また残雪が切れて藪へ突入
2015年05月06日 11:43撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
1
5/6 11:43
また残雪が切れて藪へ突入
笹の密藪にヤマザクラ
2015年05月06日 11:51撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 11:51
笹の密藪にヤマザクラ
一つ目のピークを目指してかき分けていく
2015年05月06日 11:53撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
5/6 11:53
一つ目のピークを目指してかき分けていく
一つ目のピークに上がると、二つ目のピークとの間に残雪が見えた
2015年05月06日 12:01撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
2
5/6 12:01
一つ目のピークに上がると、二つ目のピークとの間に残雪が見えた
小又山を眺めながらのランチタイム
2015年05月06日 12:01撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 12:01
小又山を眺めながらのランチタイム
鬼首の禿岳と北峰
2015年05月06日 12:01撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 12:01
鬼首の禿岳と北峰
主峰としての風格。神室山と前神室(左)
2015年05月06日 12:02撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 12:02
主峰としての風格。神室山と前神室(左)
二つ目のピークから天狗森山頂を見る。右遠方には虎毛山
2015年05月06日 12:31撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
2
5/6 12:31
二つ目のピークから天狗森山頂を見る。右遠方には虎毛山
天狗森の三角点
2015年05月06日 12:41撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
2
5/6 12:41
天狗森の三角点
さあ、登山道を神室山へ向かおう
2015年05月06日 12:45撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
5
5/6 12:45
さあ、登山道を神室山へ向かおう
残雪の筋を見せる東側斜面。遠くに高松・山伏連山
2015年05月06日 12:46撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
7
5/6 12:46
残雪の筋を見せる東側斜面。遠くに高松・山伏連山
キクザキイチゲでしょうか
2015年05月06日 12:48撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 12:48
キクザキイチゲでしょうか
カタクリロードが伸びる
2015年05月06日 12:50撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 12:50
カタクリロードが伸びる
踏まずに歩くのが大変。また藪に入った方がいいのか・・
2015年05月06日 12:53撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 12:53
踏まずに歩くのが大変。また藪に入った方がいいのか・・
主稜の東側は残雪豊富。中央奥には越途のピーク
2015年05月06日 13:00撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
4
5/6 13:00
主稜の東側は残雪豊富。中央奥には越途のピーク
神室山への大きな登りが始まる
2015年05月06日 13:13撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 13:13
神室山への大きな登りが始まる
根ノ埼沢を見下ろして
2015年05月06日 13:26撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 13:26
根ノ埼沢を見下ろして
ここは5m程シリセードしてから斜面を少し登り返した
2015年05月06日 13:26撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
2
5/6 13:26
ここは5m程シリセードしてから斜面を少し登り返した
主稜線を振り返って
2015年05月06日 13:37撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 13:37
主稜線を振り返って
根ノ埼コースとの分岐付近からもう一枚
2015年05月06日 13:52撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 13:52
根ノ埼コースとの分岐付近からもう一枚
秋田・山形県境稜線の向こうに虎毛山
2015年05月06日 13:56撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 13:56
秋田・山形県境稜線の向こうに虎毛山
神室山東側斜面はスラブ状
2015年05月06日 14:00撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
6
5/6 14:00
神室山東側斜面はスラブ状
神室山頂手前に70m程残雪がある。斜面はやや急なので、凍結時はアイゼン・ピッケル必要
2015年05月06日 14:01撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
4
5/6 14:01
神室山頂手前に70m程残雪がある。斜面はやや急なので、凍結時はアイゼン・ピッケル必要
今年3度目の神室山頂
2015年05月06日 14:08撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
3
5/6 14:08
今年3度目の神室山頂
定番写真だが、見飽きることがない
2015年05月06日 14:08撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 14:08
定番写真だが、見飽きることがない
小屋前で休憩していたら、ヘリが飛んできた
2015年05月06日 14:30撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
1
5/6 14:30
小屋前で休憩していたら、ヘリが飛んできた
下山は台山尾根へ。間もなく残雪が現れる
2015年05月06日 14:40撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
1
5/6 14:40
下山は台山尾根へ。間もなく残雪が現れる
台山尾根からは天狗森が常によく見える。右遠くに火打岳
2015年05月06日 14:42撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
6
5/6 14:42
台山尾根からは天狗森が常によく見える。右遠くに火打岳
登り返しがある
2015年05月06日 14:48撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
4
5/6 14:48
登り返しがある
神室山を振り返って
2015年05月06日 14:56撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
4
5/6 14:56
神室山を振り返って
まだ雪堤がつながっている
2015年05月06日 15:21撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 15:21
まだ雪堤がつながっている
P1150付近から進行方向を見る。このあたりは残雪が多く、どこでも歩ける
2015年05月06日 15:29撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
1
5/6 15:29
P1150付近から進行方向を見る。このあたりは残雪が多く、どこでも歩ける
火打岳アップ
2015年05月06日 15:48撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 15:48
火打岳アップ
天狗森。よく見ると、第一のピークの下に残雪がある。北側斜面を巻いたら、藪漕ぎを避けられたかも?
2015年05月06日 15:56撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
4
5/6 15:56
天狗森。よく見ると、第一のピークの下に残雪がある。北側斜面を巻いたら、藪漕ぎを避けられたかも?
P1050から北西方向、神室ダムへ延びる支尾根。遠く鳥海が霞む
2015年05月06日 16:00撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
1
5/6 16:00
P1050から北西方向、神室ダムへ延びる支尾根。遠く鳥海が霞む
土内川沿いへ下る分岐の道標
2015年05月06日 16:30撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
1
5/6 16:30
土内川沿いへ下る分岐の道標
急斜面を下っていく
2015年05月06日 16:35撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/6 16:35
急斜面を下っていく
やせ尾根になっている所。道は少し崩壊しつつある。正面に火打岳
2015年05月06日 16:40撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
4
5/6 16:40
やせ尾根になっている所。道は少し崩壊しつつある。正面に火打岳
登った尾根がよく見える。正面は小又山
2015年05月06日 16:40撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
4
5/6 16:40
登った尾根がよく見える。正面は小又山
沢に近くなると、道型が薄くなる箇所がある
2015年05月06日 16:59撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
2
5/6 16:59
沢に近くなると、道型が薄くなる箇所がある
沢沿いに下り立った
2015年05月06日 17:05撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
5/6 17:05
沢沿いに下り立った
残雪のトラバースで下を見る。ピッケル必携だ
2015年05月06日 17:12撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
6
5/6 17:12
残雪のトラバースで下を見る。ピッケル必携だ
撮影機器:

感想

神室連峰の中でも天狗森は、主峰神室山と最高峰小又山に挟まれて、少し不遇な山と言えるかもしれない。三角点のある山頂は笹や灌木に囲まれていて、眺望はあまり良くない。神室の他の山のように、支尾根から合流する登山コースがあるわけでもない。
だが東側から眺めると、その姿は小又山と比べても遜色のないほど端正で美しい。そして神室山から南西に延びる台山尾根からの姿は、下半身に粘りをきかせて、神室山と主峰を競うかのように堂々としている。多面的な姿を見せてくれる山である。

以前神室連峰の地図を眺めていた時、登り易そうな尾根を見つけた。この天狗森から西に延びる尾根だが、残念ながら尾根の末端が土内川の雷滝付近に向かって急に落ち込んでいる。私では登れそうにないなと思いながらも、ヤマレコで地図を拡大してみると、少し上流側なら、わずかに等高線が広くなっているようだ。GWの最終日、下見のつもりでヘルメット持参で出かけてみた。無理なら、台山尾根から神室山往復とすればいい。

土内川沿いの登山道から沢に下りて渡渉する。流れが速くて、腿まで濡れた。尾根末端部は幸い岩場状態にはなっておらず、木の根や枝に摑まりつつ這い上がる。細い尾根上にはヒバなどの樹木が立ち、藪は密ではない。むしろ雪が残っていたら、かなり難しいかもしれない。
急斜面を凌いで標高770m付近まで上がると、広葉樹の藪となって少し歩き易くなった。距離は歩いていないが、高さは少しずつ稼いでいるのが、対岸の台山尾根を見るとわかる。やがて待望の残雪が現れ、ピッケルを取り出すが、残雪は長くは続かなかった。笹が濃くなった藪に入る。

やがて尾根中心線に残雪が現れて乗り移ると、右手前方に大きく小又山が姿を現した。あとは藪から解放されて、爽快な登り。右手〜右手後方には、小又山〜火打岳の稜線の向こうに月山が浮かび、左手〜左手後方には、神室山・前神室と台山尾根の稜線の向こうに霊峰鳥海が浮かぶ。
尾根取り付きから3時間弱、あまりにも時間がかかり過ぎだし、また登りたいとも思わないが、藪漕ぎの労を補って余りある、何とも贅沢な大展望の登高を楽しんだ。
天狗森山頂へは、小さなピークを二つ越えていく。灌木と笹の密藪を抜けて一つ目のピークに立つと、二つ目のピークとの間に残雪が見えた。その後の長い行程を考えて、ここで小又山を眺めつつ昼食をとった。

天狗森山頂からはもう登山道、精神的な緊張が解けると疲れが出てきて、暑さも加わり、ペースは上がらない。誰もいなくなった神室山頂から小屋に下り、柱にもたれながら、天狗〜小又の絶妙に流れる稜線を眺めた。

下山に選んだ台山尾根は残雪が多い。土内川に下る分岐付近では、登山道を見つけようと、残雪の縁を慎重に探った。台山尾根には人が歩いた形跡があり、この分岐よりもさらに台山方面へ真新しいリボンが付けられていた。その人は、夏道通しではなくて、より下流側から台山尾根に上がったものと思われる。私の場合は、一度秋に下りで歩いたことがあるとは言え、夕暮れも迫っていたので夏道を忠実に下ろうと考え、ここで20分程を費やした。

藪漕ぎをしながら思ったのは、藪漕ぎでも登れるから登山道はいらない、などということではない。むしろその逆で、登山道のあることの有難さである。登山道を作った先人の苦労、そして崩壊の激しい神室の登山道を維持するために、毎年ご苦労をされている方々のことだ。静かに佇む天狗森を眺めながら、そんなことを思った。

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コメント

kamadamさんの神室連峰シリーズ
小又山から天狗森の稜線は軍沢岳からよく見えますが、天狗森は小又山と比べても遜色ない美しい山ですよね。
僕は二峰並んで獣の牙みたいだなと思いながらいつも眺めています

藪を漕いで山頂に達すると、本当に登山道のありがたみがよくわかりますよね。僕も安堵の気持ちになるのと同時に、道を管理してくれている方々に感謝の気持ちでいっぱいになります

kamadamさん、来季は小又山の西側、気になってませんか
2015/5/9 21:05
Re: kamadamさんの神室連峰シリーズ
小又山の西側・・・前から気になってます tooleさんなら、火打や神室山との周回で見せてくれると期待していますよ

以前、tooleさんに秘蔵のnewルートは?とコメントいただいた時、考えたのは今回のルートでしたよ 上部は密藪で、tooleさんの心境も少しだけわかったかな・・
2015/5/9 22:06
未知の尾根
kamadamさんの未知の尾根歩きは、雪山にとどまらず、ついにグリーンシーズンに突入ですか。「ヤブ専」エキスパートの方向に行くのでしょうかね  天狗にいるという連絡いただいた時、てっきり火打からの日帰り周回かと思いましたが…まさかダイレクト天狗とは あんぐりです  kamadamカラー満載のロング山行、楽しませていただきました。
台山コースもまだ厳しそうですね。土内川、流れ早すぎですよ。
ロング+藪こぎ三昧、堪能されたと思います。ゆっくり休養なさってくださいね。今度は普通の尾根コースでいいんじゃない
2015/5/9 21:11
cheezeさん・・
ご心配おかけして、申し訳ありませんでした。電波状態も悪くて、メールが通じるのも遅れ気味でした。ヘリもなぜか飛んできて、cheezeさん心配なさっているのでは・・と、こちらも懸念しておりました
有屋コースはいいかと思いますが、台山コースは、初めて歩く方には登りでもまだお勧めできませんね。でも主稜線はご存じのように、夏道が現れてます。

私は沢登りはやらないので、もう店仕舞いです
2015/5/9 22:19
天狗森
kamadamさん、こんばんは。
いゃ―・・・ kamadamさんは凄いですね。
土内川から天狗森を目指すなんて・・・本当に凄いです。
あの斜面を・・登るなんて。
フツーは登りませんよ。(笑)
kamadamさんは藪漕ぎも・・・ものともしませんし。
私は・・・ちょっとの藪漕ぎでも敬遠してしまいます。
マイタケでもあれば別ですが・・・(笑)

そうですね。天狗森は不遇な山ですね。
秋田駒ヶ岳〜乳頭山への縦走路にそびえる笊森山みたいな感じですよ。
しかし・・・端正で美しい山容ですものね。

それに・・・なんといっても眺望が良いですよね。
神室連峰のメイン ・・・神室・天狗・小又・火打・・・・実に良い眺めですよね。
登りの疲れも一気に吹き飛んでしまいますね。
それに・・・ブナの新緑・・・。

そうですね。本当に・・・登山道の有難さ・・・ですね。
機械も何もない時代・・・先人の皆様のご苦労は・・・想像できませんね。
kamadamさん、本当にご苦労さまでした。
2015/5/9 22:32
Re: 天狗森
藪漕ぎ初心者ですが お褒めをいただいて恐縮です
藪漕ぎと言えば、前にも書きましたがスゴイのはタケノコ採りの人たちですよ
地図・コンパスも持たずに、地形のはっきりしない玉川・八幡平周辺の密藪に入るなんて・・私にはとても怖くてできません

時期が遅くて藪漕ぎメインになりましたが、天狗森への斜面自体は、最初の急斜面を除いて歩き易いものでした。展望もすばらしかったです。そうですね、750RSさん愛する笊森山みたいな感じかもしれません

750RSさん、今頃はどこか登っておられると思います。レコ楽しみにしています
2015/5/10 6:43
タケノコ採り
kamadamさん、おはようございます。
再びコメントさせてください。

そうですね・・・タケノコ採りの人たち・・・
ある意味・・・すごい人たちですね。
私もタケノコ採りをしますが・・・慎重に行動しています。
長年の知識があるベテランさんでも迷いますから・・・

土内川沿いから天狗森から小又山の斜面を眺めるととても登れそうにないのですが・・・上部は歩きやすいのですね。三角点は縦走路から少し外れますが・・・
なかなか良い眺望だったと記憶しています。
そうですね・・・笊森山みたいですね。

土日はいろいろと用事があり山はお休みいたしました。
今週末も土曜日は用事があり・・・
5月はもう一・二度山行をしたいと思っていますが・・・
kamadamさんのヤマレコ楽しみにしています。
2015/5/11 8:28
Re: タケノコ採り
750RSさん、こんばんは。今日はスッキリとした青空が広がりました
色々とお忙しいようですね。

私の方は昨日、野田口から太平山へ登ってきましたが、稜線上は寒くて、ひょうも降っていました。写真も2・3枚なので、レコは書きません。
4月の26日、29日、5月は2日、6日、そして10日と、ここのところ3・4日おきに山へ行っています。こんなに頻繁に山へ行ったことは、かつてありません。有難い環境だと思っています。でも、まだまだ仕事に身を入れてがんばらなければなりませんが
自分にとっての残雪期シーズンは終了しましたので、これからは近場の静かな山を歩きながら、たまには山形・新潟へ遠出できたらいいなと思っています
2015/5/11 21:47
天狗森
もはや天狗でないとここ歩けないのでは...と恐れ多いです。
登山道でもアップダウンの稜線歩き、3回目の神室登頂とは凄いです。
藪漕ぎ...とんでもない!
雪斜面のトラバース…笑が止まらぬ
神室に取り憑かれた天狗に魅入られた人達のエキスパルート(略語)
さらにパワーアップしそうですね〜
天狗森は十分存在感あります。登山道にはいつも感謝しております。
神室の魅力さらに深く伝わりました。ありがとうございます。
そして無事に下山、お疲れ様でした
2015/5/10 20:47
Re: 天狗森
meikenさん、いつもメッセージありがとうございます。
神室山に今年早くも3回目、自分でも予想外です こうなったら、月一を目指しましょうか
藪漕ぎメインにはなりましたが、好んでいるわけではありませんよ ←強調
やっぱりその後の残雪歩き、大展望がわかっているから・・ 藪漕ぎだけで終わる山は遠慮しますよ 本当に、登山道は有難いです。

山は花シーズンですね~~meikenさんの来訪を待ちわびる花々、フィールドはたくさん、ますます忙しくなりそうですね
2015/5/10 21:57
神室連峰
kamadamさん、その節はお世話になりました。

G.W神室に来られていたんですね(^◇^)しかもスゴイルートで(≧∇≦)
近々、西側から神室に登りたいと(薮漕ぎは無いですが…)思っていたので参考にさせて頂きます\(^▽^)/

これからもバリエーションルート、楽しみにしてますので山行お気をつけて下さい(^△^)
2015/5/10 21:49
Re: 神室連峰
yoshi03さん、こちらこそ、すばらしいレコを載せていただき感謝です

西側からといいますと、今回私が下山に利用した土内川・台山尾根のルートでしょうか。
自分が感じた注意点を色々載せましたが、時間はある程度かかると見た方が良いかと思います。倒木や渡渉等々ありますので。

お気遣いいただきありがとうございます。バリエーションはまた来年やれたらいいですね
2015/5/10 22:10
パワフル!
同年代ですが、パワフルな山行に圧倒されます。

コメント読んでたら、太平山に野田から行かれたとの記。
実は、来月野田コースから登ってみようと思ってました。
レコ楽しみにしてます。

神室も今年中には行ってみようと思ってますが、
パノラマからはじめようと思います。
2015/5/13 19:43
Re: パワフル!
todohLXさん、コメントありがとうございます。
todohLXさんの「百尋の滝」レコ、素晴らしいですね
私は行ったことがないので、ぜひ今度出かけたいと思いました。

10日に太平山へ登りましたが、あいにくの天気で、写真は2・3枚しか撮っていないんですよ なのでレコは書きません

剣岳に上がるまで、残雪はありませんでした。剣岳から主稜線の南側に雪堤が残っていて、少し残雪歩きを楽しむことができました。宝蔵分岐から奧岳山頂までも、残雪はありません。
沢沿いが崩壊している個所がありますが、ロープもあり、注意して通過すれば問題ありません。丸舞コースよりはまだ歩きやすい方だと思います。

神室連峰、ぜひ登ってみてください。私もまだまだ歩いたことの無いルートがたくさん、魅力の尽きない山域です
2015/5/14 7:23
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