【竜神作戦】両神山(尾内沢〜表参道)【丙35.6】
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- GPS
- 06:56
- 距離
- 13.5km
- 登り
- 1,890m
- 下り
- 1,684m
コースタイム
- 山行
- 6:15
- 休憩
- 0:53
- 合計
- 7:08
天候 | 晴れ 風も適度で暑過ぎず好い一日だった。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
復路:小鹿野町営バス日向大谷口バス停 |
コース状況/ 危険箇所等 |
尾内沢:今春、油滝より上の道にも新たにピンクテープが貼られたことにより、難度が大幅に低下しているが、道幅の狭いトラバースや急傾斜は健在。 西岳〜東岳:岩の昇降が続く。 東岳〜山頂:登攀的な登りは無くなる。 表参道:九十九折の下りの後、沢沿いの道へ。 |
その他周辺情報 | 両神温泉薬師の湯 肌がすべすべに。 |
写真
感想
この週末はもともと山行の予定は無かった。しかしながら、今月後半は晴れ日が少ないとの天気予報に接し、天気の好いうちにどこかに行っておこうと赴いた先は、両神山。
たまたま選んだこの山は、最近の私の関心事「山で岩場を満喫したい」「山水をがぶ飲みしたい」の両方を満たすものであり、この僥倖に今回の山行の成功は既にして約束されていたと言っても過言ではないだろう。
イザナギイザナミ両神他の統べる山に温かく迎えられ、また、道を拓いた先達の努力に助けられ、難度高めのコースではあったが、おかげさまで無事歩ききることができた。
昨年12月に以来5ヶ月ぶりに訪れた尾内沢は、白灰色から濃緑色の世界に変わっていた。鼻をくすぐるどころではない濃厚な緑の匂い。
12月と5月の渓谷道を歩くに難度のランクは以下のようなものだろうと考えていた。
(1)小金平バス停〜吊橋:序の口
(2)吊橋〜山の神:序二段
(3)山の神〜油滝:前頭
(4)油滝〜シメ張場:これより三役
(5)シメ張場〜奥宮:結びの一番
(1)は舗装道、(2)は道が若干細目だが、まだ大丈夫。(3)から道の様相が変わる。距離的には(2)と同程度のはずが、それ以上歩いているような感覚になる。それでもまだ道標がある。
昨年末に訪れた時は、油滝まではこれでもかとピンクテープが貼ってあったのに対し、油滝から先には何も無く、薄い踏み跡を辿りながら慎重に歩いたものだが、今回は(4)の箇所から顔を上げれば必ずと言ってよいほどピンクテープが視界に入るようになっていた。
それはそれでありがたかったのだが、若干拍子抜けした感もあって、ピンクテープを辿るだけでは自分のためにもならないと、ピンクテープを見ないように歩くこととした。しかし、ずっと下を向いて歩くわけにもいかないので、最終的に足元から先に延びる道をイメージしながら顔を上げていって、道が続いていると思った先にピンクテープがあればOKということにした。
(5)は結びの一番といってもクライマックスは最初のシメ張場から約10分のトラバースだ。この間が非常に踏み跡が薄く注意を要したのだが、テープのおかげで迷うことは無い。斜面に沿って歩いて行くと、ここは直登だなとすぐに分かる尾根に至る。この先はテープが無かったとしても道はわかるだろう。そんなわけで、結びにしては物足りないと思ってしまったりしたのだが、そう思ったのも束の間、物凄い急傾斜で鎖場も連続する。しかし、そんな急登も距離的にはせいぜい数百mである。それを耐え切れば、竜頭神社奥宮、そして奥宮前の広大な展望に出会うことができる。
倒壊したと聞いていた奥宮は新装なって光り輝き、それを見て晴れ晴れとした気持ちになる。
両神の稜線に上がってみて気がついたのだが、数年前に訪れた時の記憶が結構改変されている。私の記憶に残っていた両神の稜線は小さな岩場の連続になっていた。それが実際に来てみればどうだろう、我が身の十倍はあるであろう高低差の岩壁が待ち構えている。恐らく、前回難なく乗り越えたことで脳が岩場を過小評価してしまっていたのだろう。これは恐ろしいことだ。こうした記憶の改変が、ベテラン山行者が初めてではない山で遭難する原因の一つになっているのかもしれない。西岳で出会った女性陣も「10年ぶりに来たけど、こんな山だったっけ?」と頻りに言っていた。
何度歩いた山であろうと、赴く都度、気持ちを新たに初心にかえって謙虚に歩くことが大事ということなのだろう。
初心にかえった私は西岳から取って返して主峰、剣ヶ峰へ。東岳を境に西と東では山道も山行者の趣も異なる。西側は岩のそそり立つ峻険な道、山行者にもヘルメットをしている人が多かった。一方、東岳から東は道も落ち着いてきて、団体さん等、観光ハイカーとでも言うべき人が多い。剣ヶ峰に観光地百選の碑があるのも、さもありなんといった感がある。山頂に着いた頃には遠くに雲がかかり、富士山等がよく見えなかったのが残念であるが、アプローチルートが多々ある山だ。今後も訪れる機会は同様に多々あるだろう。
ちょっとした岩場と九十九折の下り道を経、清滝小屋を過ぎて弘法之井戸へ。登り始めの八日見神水がチョロチョロだったので心配していたが、豊富に水が湧き出でていて安心する。早速、山水をゴクゴクグビグビと大量摂取。美味し。いと美味し。うんうん、今回は天理より山水だったな。これで、望みは全て満ちたりた。あとは無事下山するのみ。
最後は沢沿いの森林散歩。再度、緑の匂いがきつくなる。晴れて水量が程々の時は沢沿い歩きはとても楽しい。最高だ。思えば、明るい表参道を歩いたのは初めてだ。今までは曇天か夕暮れだったから。そして、下山してみればちょうどバスが出る10分ほど前というタイミングの良さ。これぞ両神山の恩寵と言うべし。
帰路、ほとんどの人が西武秩父駅行きのバスに乗り換える中、両神温泉薬師の湯に寄ったわけだが、その近くに両神神社里宮がある。温泉に入った後、里宮で本山行の成功を御報告。拝礼中に風が吹き、注連縄の紙垂が頭を撫でる。神様に褒められたみたいで、とても嬉しい気持ちになる。
かくして本山行は最初から最後まで晴れ晴れしく、爽やかなものとなった。
〜おしまい〜
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