七星山☆台北市の最高峰に
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- GPS
- 02:23
- 距離
- 6.1km
- 登り
- 464m
- 下り
- 373m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
写真
感想
この日は台北市の最高峰の七星山を目指すことにする。台北の市内はまずMTRと呼ばれる地下鉄で移動することになるが、このMTRは全て無人で、自動運転らしい。日本でも整列乗車は当たり前ではあるが、日本で見かける以上に人々が作る列が整然としていることに驚く。車内に乗り込むと、痴漢行為に対する警告と高額の罰金が記されたステッカーがあるのは驚くには値しないが、その上には飲食禁止とやはり高額の罰金が記されているのには驚いた。よくよく考えると無人だから、車内を清潔に保つためには必要なのだろう。
剣潭駅でMTRを下車し、ここから紅5番のバスで陽明山のバスターミナルに向かう。駅前では二本のトレッキング・ポールをリュックに差し、明らかにハイキング・スタイルの人がバス停には多く並んでいる。バスが出発すると、下車する人はほとんどいない。バスは途中で文化大学という大学に寄り道をするが、数名の大学生と思しき若者が降りたのみで、あとはいずれも終点の陽明山のバスターミナルまで約1時間のバス旅となる。
陽明山のバス停からは108番のバスに乗り換えて、登山口のある小油坑に向かうのだが、バス停にはすでに多くのハイカーが長蛇の列を作っていた。後で知ることになるがこの108番は同じ番号でも二子坪という北西の山麓に向かうものがあるのだった。
バスが来ると大勢のハイカーが乗り込んだので、それにつられて乗り込んだのだが、これが二子坪行きのバスであった。バスはここで折り返すので、再びバス代を払ってバスに乗る。小油坑との分岐で下車をすべく降車ボタンを押すのだが、なぜか運転手は降ろしてくれず、結局竹子湖の入口でバスを降ろされることになった。
地図を確認するとここから小油坑まで散策路が続いているようなので、バスを待たずに歩くことにする。遊歩道に入ると、鬱蒼とした樹林の中に熊野古道を想起するような苔むした石畳が延々と続いている。
再び車道と合流するとすぐに橋が現れる、右手にはもくもくと噴煙が噴き出しているのが見える。橋は小油坑橋と呼ばれるところで、小油坑の下に位置するようだ。橋の下をくぐり、遊歩道を先に進むと途端に樹林を抜け出し、両側には背丈を超える密集した笹原が広がるようになる。
先ほどの二子坪と小油坑に向かう分岐には大きな駐車場がある。駐車場の周りでは桜の花が多く咲いている。日本の桜よりもかなり色が濃いようだ。駐車場からは笹原の中を歩いて小油坑に向かう。
小油坑に出ると噴気孔の展望台には大勢の人が訪れていた。人々の服装からするとハイカーではない人も大勢いるようだった。ここからいよいよ七星山の登山道に入る。およそ1時間以上ロスしてここに到着したことになるだろう。やはり登山道には多くの人が歩いている。人気の山とは聞いていたが、平日でもこれだけの人が歩いていることからすると、週末はさぞかしハイカーで混雑するに違いない。
笹原の登山道は日差しが強く感じられるが、風が涼しいのがありがたい。しかし、もう少し季節が進むと暑すぎて歩くことも困難になるのではなかろうか。背後には山頂部の幾つもの電波塔が立ち並ぶ山の展望が大きく広がる。標高は約1070mの小観音山という山らしい。左手に稜線を辿るともう一つ大きな山がある。こちらは標高は1092mの大屯山らしい。
周囲の山々には樹木はほとんどなく、緑のカーペットのような笹原が広がっており、およそ1000m以下とは思えないような景色だ。四国の剣山や石鎚山系の山々を想起さえる景色だが、太平洋から吹き付ける強烈な風のせいで樹木が育たないのだろうか。
草稜の中を登ってゆくと所々で登山道の周囲には噴煙の噴き出す岩場が現れる。やはり登山道には多くのハイカーが歩いている。二十人ほどの若者のパーティーに追いつくが、どうやらアメリカ人のようだ。リーダーと思しきしんがりの男性が前方に声をかけて道を譲ってくれる。
主峰の山頂に到着すると一気に南側の台北市街の展望が飛び込んでくる。山名を記した標柱の手前には日本でよく見慣れた三角点と同じ柱石が設置されていた。一等衛生控制點と呼称されるようだが、日本の一等三角点に相当するものだろう。ところで、台湾の漢字は基本的に日本の漢字と同じなので解読できるものが多いのだが、日本の旧字を使用しているものが多いようだ。
昼時のせいか、狭い山頂には大勢の人が休憩していた。すぐ南東の方角に見える東峰のピークがには人があまりいないようなので、東峰に移動する。山頂から眼下に冷水坑が見えるが、かなりの急下降のようだ。東峰でオレンジとパンでランチ休憩をとる。
冷水坑への下降は延々と石の階段が整備されている。よくここまで階段を整備したものだが感心するが、そのお陰で急下降を楽に降ることができる。登山道の周囲は相変わらずほとんど樹木がないのでパノラマが広がる箇所が多い。七星山を振り返ると、南側はかなり急峻な斜面が広がっているのが目に入る。
冷水坑に降りると、登山口からわずか200mほど左手に行ったところに無料の温泉がある。この下山後にこの温泉に浸かることを楽しみに下山場所をここに決めたようなものであった。しかし、いざ温泉の前にたどり着くと12時半から14時までは清掃中で入れないとのことであった。時間は丁度13時。温泉の前には男湯・女湯いずれの前にもベンチに数名の人が腰掛けているが、1時間後に温泉が開くのを待っているのだろう。さすがにここで1時間も待つ気にはなれない。
すぐにも108番のバスが来たので、これに乗って陽明山バスターミナルに向かう。陽明山からはすぐにも紅5番のバスが出発する。帰路は途中で下車して故宮博物館に寄り道するが、市街地を歩くとかなり暑く感じられる。七星山がいかに快適だったか改めて思い知るのだった。
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