【石転び沢から門内岳へ】晴れの予報が,ガスと強風と暴風雨と...

- GPS
- 28:39
- 距離
- 18.3km
- 登り
- 2,005m
- 下り
- 2,004m
コースタイム
- 山行
- 7:59
- 休憩
- 1:36
- 合計
- 9:35
| 天候 | 晴れの予報だったものの,初日の石転び沢は雨〜晴れ〜ガスと強風。門内小屋での幕営では,夜間から翌朝にかけ,台風並みの暴風雨。幸い,夜明けと共に風雨は弱まり,梶川尾根下山時はガス&時々雨〜曇り空。今回は,夏のテント縦走登山に向けて,良いトレーニングとなりました。 |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・ 午前5時半の時点で駐車場にはかなりのクルマが駐車していて,残りは7〜8台程度。その先に第2駐車場があり,そちらはまだ余裕でした。 |
| コース状況/ 危険箇所等 |
・ 石転び沢は,7年前の2008年7月に歩いていますが,その時は残雪が多かったため,沢の渡渉などもせずに済み,登山口から石転び出合まで2時間で行けました。ところが今回は3時間を超えました。残雪が少なく,崩落箇所の多い夏道をロープを頼りにアップダウンを繰り返したり,水量の多い沢の渡渉に手間取ったりしたためです。残雪の状況によって,歩行時間が左右されます。時間に余裕をもって行動することが必要です。今年は残雪が少ないので,時間がかかります。 ・ 石転び大雪渓は,標高860辰寮佚召咾僚亶腓ら標高1,850辰稜濂嵌蘊屋まで標高差約千辰鯏个蠅泙后最上部の草付き以降は,斜度45度の急斜面です。10本歯以上のしっかりしたアイゼンと姿勢確保のためのピッケルが必須です。 ・ 今回は草付き手前からガスで見通しがきかなくなり,正規のルートから左寄りに外れてしまったようです。草付きの先の,土が露出している斜面から登って行ったところ,最後は背丈以上の笹ヤブ地帯に阻まれました。右に迂回しながらなんとかこれを突破し,稜線上の登山道に合流。治二清水のすぐ近くでしたので,ルートからは,かなりずれてしまったようです。なお,石転びの出合から稜線までの登りに3時間半を要し,梅花皮小屋に到着したのは,午後1時近く。天候やルートの取り方次第で,登高に要する時間が大きく変わってきますね。 ・ 今回の登山では,天候がめまぐるしく変化しました。温身平に到着すると,雨脚が強まったため,ここで雨具を着込み,ザックカバーを付けました。ところが,石転びの出合付近まで来ると,上空には青空が広がり,風もなく良い天気。これなら気象情報どおり,午後は晴れるかなと期待しましたが,目指す稜線付近は濃いガスに包まれ,石転び沢上部では視界はわずか。さらに風も強まり,時折風にあおられてバランスを崩しそうになることもありました。 ・ 梅花皮小屋で昼食休憩後は,とりあえず門内小屋まで行って小屋泊まりにするか幕営にするか決めることにして,強風とガスの稜線を進みました。ハクサンシャジンやミヤマクルマバナ,クルマユリ,ヨツバシオガマ,ウラジロヨウラクなどなど,この時期ならではの花々が咲き乱れ,さらにはニッコウキスゲの群落も見事でした。でも,ガスと強風の中では,写真撮影もままならず,黙々と歩きます。 ・ 門内小屋には,午後3時過ぎに到着。管理人さんに挨拶すると,テン場は誰もおらず,小屋の2階もガラ空きなので,幕営・小屋泊どちらもOKとのこと。風が弱まり,雨も降っていなかったので,テン泊することにして,幕営料金500円+500ccスーパードライ1,000円(残雪で冷やしていてウマイ!)を支払い,テン場へ。 ・ 明日の天候は降水確率8割とのこと。念のためペグダウンに加え,重量のある岩を張綱とペグの間に挟み込み,風雨対策をしっかりとしておきましたが,これが功を奏したのか,その晩の暴風雨に耐え,浸水することなく朝を迎えることができました。それにしても,午後11時を過ぎた頃に,テントをたたく激しい暴風雨に目が覚めてから,風が弱まった午前4時過ぎまでの間は,まんじりともできずに,テントの中でひたすら夜明けを待ち続けました。 ・ 土砂降りの雨が波状攻撃のようにテントを襲う中,この風雨では,稜線を歩くのは危険すぎるので,明日は仕事を休まざるを得ないなあ,などと考えていました。幸い,小屋前でドコモ・auとも電波の送受信が可能なので,いざとなれば連絡はできます。でも,明るくなるにつれ,風は弱まってきました。ラジオで午前5時の気象情報を聞いたところ,新潟・福島にかかっていた大雨を降らせた雲は,東に移動し,雨は朝まででやむ見通しとのこと。これなら下山できると一安心。 ・ 朝食を終えても,雨は降り続いていましたが,風のほうは弱まり,テント撤収には支障ありませんでした。まずはテント以外の荷物をすべてザックに収納し,ザックカバーをかけた上でザックを外に出し,最後にテントをたたんで,撤収完了。管理人さんにお礼を述べて梶川尾根で下山する旨伝え,06:00下山開始です。20分ほどで,太い指導標が横倒しになった扇の地神に到着。ここを右折し,梶川尾根を下ります。ガスが立ちこめる中,雨が降ったりやんだり。06:54に梶川峰を通過,08:05滝見場に到着。ここからは,昨日歩いた石転び沢の全容が眺められます。ぜひとも立ち寄りたい場所です。 ・ 滝見場からさらに下った後,今度は湯沢峰まで標高差70mほどの登り返しがあります。ずっと下ってきた中でのこの登り返しはきついです。一歩づつ歩みを進め,湯沢峰には08:55に到着。ここで水分&カロリー補給のため10分ほど休憩。さらに下ると,門内小屋泊まり予定の2人組が休んでいたので,登山道の状況を情報提供。この先の安全登山を祈り,お互いの健闘をたたえました。 ・ 湯沢峰から先は段差の急な下りが続きます。太ももの筋肉が痛くなって,何度か休みを取りながら,10:13駐車場に到着。無事下山することができてホッと一息。このあとは,国民宿舎飯豊梅花皮荘で入浴&天ざるそばの昼食をとり,帰路につきました。 |
| その他周辺情報 | 下山後の温泉入浴:国民宿舎飯豊梅花皮荘(入浴料500円)食事もできます。 |
写真
感想
・ せっかくの三連休は台風11号の影響で,当初は登山はあきらめていました。しかし,直前になって連休後半は台風通過後の好天が見込まれるという予報に変わったことから,1泊2日で,初日は飯豊連峰の石転び沢を登り詰め,水の豊富な頼母木小屋に幕営して,翌日は朳差岳へと足を伸ばす贅沢なルート設定を立ててみました。
・ 直前の気象予報では,19日の午前中は曇りながら,午後は晴れるとのこと。翌20日も雨の心配はなさそう。ということで,夏のテン泊縦走のトレーニングを兼ねて,飯豊山荘前を出発したものの,天気は小雨から雨へ。稜線にはガスがかかり,何も見えません。
・ 温身平に到着したときには,本降りとなり,雨具を着込み,ザックカバーをして石転び沢へと向かいます。事前の情報どおり,夏道はところどころ崩落していて,補助ロープでバランスを確保しながらの登降が続きます。また,梶川出合の渡渉では,水量が多いうえ岩が滑りやすく,時間がかかりました。
・ 石転びの出合までは,結局,前回よりも1時間ほど多く時間がかかってしまいました。さらに,雪渓歩きでは,上部に行くほど視界が悪く,ルートが視認できません。稜線に出る手前では,ヤブ漕ぎもあり,予定を大幅に超過して梅花皮小屋に到着。天候も期待できないので,予定を変更して門内小屋泊まりとしました。
・ さらに想定外だったのが,夜間から急変した天候の悪化。深夜から台風並みの暴風雨となり,夜通しまんじりともできずに,テントの中でひたすら夜明けを待ち続けました。
・ 幸い,朝には風も弱まり,下山できましたが,かなり見込みが甘かったと反省しています。でも,夏山テント縦走の良いトレーニングにはなりました。
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りきまる








rikimaruさん、はじめまして。こんばんは。
今週末、同じコースを辿る山行を計画しておりまして、コースや水場の詳しい状況説明・写真等、大変参考になります。ありがとうございます
石転び沢を含めてこのルートは自身初のチャレンジとなりますが、雪渓歩きでは落石の危険も少なからずあるでしょうし、ガスってしまうと余計に、初めての者には厳しそうですね。天気の状況もみながら、慎重に山行を検討したいと思います。
また、テン泊で考えておりますが、(テン泊の経験が極めて少ないこともあり、)rikimaruさんがこの度利用された門内小屋か、梅花皮小屋か決めかねているところです
rikimaruさんはテン泊で各地を縦走されているご様子、今後ともレコを参考にさせていただきたいと思います!
Odentosさん,こちらこそ初めまして。
私のつたないレコを参考にして頂き,恐縮です。
今度の週末に同じルートで歩かれるということですが,レコに書きましたように,天候などで所要時間が変わってくるので,時間に余裕を持って行って下さいね。アイゼン・ピッケルは必須です。最後の45度の急斜面は慎重に。
それから,幕営の件ですが,梅花皮小屋では幕営できるかどうか分かりません。テントを張れるとしても管理小屋脇のわずかなスペースしかありませんし,風の通り道になっていて,幕営にはあまり向かないのでは無いでしょうか?
門内小屋のテン場ならば,稜線から東側に少し下ったところなので,風も避けられますし,幕営スペースも結構広いです。門内岳の山頂にほど近く,晴れれば展望も素晴らしいので,幕営するなら,門内小屋をオススメします。
この週末は,安全で楽しい山行でありますように
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