森吉 様ノ沢 九階の滝登攀
- GPS
- 08:10
- 距離
- 17.7km
- 登り
- 492m
- 下り
- 496m
コースタイム
- 山行
- 6:47
- 休憩
- 1:23
- 合計
- 8:10
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
簡易トイレあり。電波圏外。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
阿仁川水系 様ノ沢遡行 九階ノ滝登攀 体感2級上(九階滝スラブ登攀+) ラバー◎ 魚影あり 雪渓なし 源頭部荒れてる ■アプローチ〜様ノ沢出合い〜九階ノ滝 野生鳥獣センターから遊歩道を歩き、二俣の道標から沢を渡渉して赤水沢方面へ。渡渉後も少し遊歩道を歩き、ナメが始まる辺りから赤水沢へ入渓。 赤水沢を少し遡行し、655m付近の貧相な右岸枝沢に入る。 ナメ滝や小滝をかわしながらコルへ登り詰め、薄い踏み跡を追って様ノ沢枝沢の下降に入る。 下降する沢は荒れていて足の置き場に注意。 途中20mくらいのナメ滝を懸垂下降。さらに下ると周囲にスラブ群が見え始める。 大きめのナメ滝を慎重にクライムダウンで降りると、様ノ沢本流の二俣に合流。 左俣に入り少し進むと両岸切り立ち、九階ノ滝とご対面。 ■様ノ沢遡行 九階ノ滝登攀 九階ノ滝取り付きはスラブを少し登り水線左のチムニーから。本来ならここからザイルだが、ヒロシーがフライングでフリーでチムニーを登ってしまったので、仕方ないのでフリーで取り付き、チムニーを抜けてさらに少しスラブを直上し、灌木で支点を取りそこからピッチスタート。 1P目 mooreeリード ザイルを出した場所が中途半端な場所なので、1P目は30m程スラブを上がり、顕著な灌木帯でピッチを切る。 2P目 ヒロシーリード 核心のスラブトラバース。50mザイルいっぱい伸ばし、九階ノ滝2段目の釜の下で終了。支点はハーケンと草。 3P目 mooreeリード 釜横のスラブを上がり、釜をトラバース。左岸の側壁バンドに上がり落口へ。 登攀時間は滝下から1時間ちょい。 滝上の小滝の連瀑帯も合わせて九階ノ滝。下から数えると全部で9段になっている。 小滝群はフリーで突破。 その後は難しい所はないが、登りにくい滝は何個か小さく巻きながら遡行する。 源頭部に進むにつれ沢は荒れ放題で歩きにくい事この上ない。 浮石と腐った倒木に辟易しながら登山道合流。藪漕ぎは大した事ない。 ■下降 合流した登山道は、玉川に通じる道だが、かなり不明瞭な所が多い。 なんとなく踏み跡を拾って下降する沢型に辿り着いたが、この沢も源頭部は荒れている。 早くスッキリしてくれと思いながら我慢して下降すると、次第に沢幅も広がりだして歩きやすくなる。 ナメ滝が出てきたらあとはもうルンルンで下降していき、あっという間に赤水沢に合流。 充実感に満たされながらナメを下降して遊歩道に上がり脱渓となる。 |
写真
装備
個人装備 |
50mザイル×2本 ガチャ類 ビバーク装備
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感想
「谷川がダメなら森吉の九階の滝登りたい」
ヒロシーの提案により、転身先は九階の滝に決まった。
私はこの九階の滝の存在は知ってはいたがあまり興味はなく、去年ポムチムが登攀した記録を読んでようやく身近に感じた程度だった。しかしヒロシーは前々から登りたいと思っていたようで、前夜に酒を呑みながらも、緊張する〜とこぼしていた。
ならば核心の2P目のスラブトラバースは自ずとヒロシーだろう。
オレは最初だけでオイシイ所は任すと話しもしていたが・・・。
いざ当日、九階の滝の真下まで辿り着き、とりあえずションベンして一服していたらヒロシーの姿がない。
「おーい!」
とデカい声で叫ぶと、上から返事がする。
なんとヒロシーは私がリードする予定だった1P目の取り付きからチムニーをフリーで登ってしまっていた。
「うそ〜ん」
である。
念願の九階の滝を見上げて待ちきれなくなったのだろうか。
それにしても焦り過ぎである。
例え登れたとしても、今から120mもある大滝登攀の大事な出だしをフリーで何も言わず登ってしまうなんて。
まぁ、登ってしまったのはしょうがないので、私もフリーで上まで登り、中途半端な場所から改めてザイルを出し登攀スタート。
ヒロシーも悪いと思ったのか、このまま行っていいよと言っていたが、そんな後味が悪い事はしたくないので、予定通り核心のスラブトラバースはヒロシーに任せる。
結果的にピッチを切った場所がちょうど良く、ザイル継ぎ足しで登攀する必要がなかったのでそれは良かった。
快適なスラブ登攀を終えて、無事に滝上に到達しゆっくり一服した。
九階の滝登攀とは言ったが、水線や滝身を登るのではなく、言ってみれば右岸のスラブを巻き登攀と言った方が正しいだろう。
それでも高度感ある登攀を味わえて良かったし、この景色を体感出来た事は貴重だと思う。
この九階の滝がある様ノ沢は、周囲の険しいスラブ地形に阻まれ、昔は人が立ち入る事も出来なかったと云う。
この界隈のマタギ達も様ノ沢は避けていたようで、九階の滝まで辿り着く事も出来ず、いつしか「九階の滝は幻の滝、そこには神が宿る」
と云われていたようだ。
そんな伝説の九階の滝の上から見る景色は、やはり何か特別なモノがあり、周囲の迫力あるスラブ群を眺めてると、奥森吉の山深い大自然に飲み込まれそうで畏怖の念が湧いてくる。
凄い場所にいる。
沢登りをしていると、人間が立ち入らないような場所や普通は見れないような景色に出くわす事が多々あり、それが沢登りの醍醐味であり、やってて良かったなぁと毎回思わされる。
ただ今回のこの場所は、そこに自分と云う人間がいる事の違和感、まるでそこに人間がいる事は相応しくないような、そんな感覚を覚えた。
それもこの森吉山の大自然が生み出す不思議な力のようで、普段感じる滝を登った喜びや、その景色に感動する気持ちはあまり湧いてこなかった。
これもまた沢登り。
この2日間、貴重な体験をさせてくれた森吉の沢と九階の滝、そしてこの地を選んでくれたヒロシーに感謝である。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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行く時の参考にさせてもらいますね🎶
他にもこの地域で立又渓谷
や小又峡も行ってみたいと「秋田の滝」の本を読んでからずっと思ってたけど森吉方面は本当に遠いのがネックです(´;ω;`)
立又渓谷には登攀出来る滝あったよね。
小又峡もいつか行きたいけど、いつになる事やらって感じです😅
ただ森吉の自然は見事だから、また行きたいかも。
緊張したと思いますが、お二人ならこの凄い登攀も笑顔で登っていたのが想像できます。
ヒロシーさん、登攀気質が強いって思っていましたが、いつの間にか完全に沢クライマーとして完成されていたようで(笑)
こちらは、相変わらず遠出や沢泊が厳しい状況ですが、来年あたりはご一緒できればなぁ...と思っています。
お久しぶりです😊
ヒロシーはすっかり登攀狂になっております笑
今シーズンは9月になってから天気がダメダメで、越後や谷川を狙ってもことごとく流れております😰
バイさんと沢行きたいっスね〜💨
いつでも連絡くださいね!
ボルダリングは今からシーズンでしょうから、怪我には気をつけて楽しんでください😁
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