ススキのそよぐ平尾台へ☆大平山〜四方台〜茶ヶ床園地


- GPS
- 02:13
- 距離
- 6.1km
- 登り
- 333m
- 下り
- 358m
コースタイム
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
|
写真
感想
この週も九州への出張が続く。家内がカルスト地形が好きだというので、平尾台を訪れることにする。これまで日本三大カルストの他の二つ、秋吉台と四国カルストは家内と共に訪れたことがあるが、この平尾台は家内はまだ訪れたことがない。
私が以前に単独で訪れたのは昨年の6月であったが、この時は平尾台の最高峰の貫山の手前で登山道脇で倒れている人がおり、救助のヘリコプタが来るまで他の登山者と共に救護にあたるという滅多にない経験をしたのだった。下からは何台もの消防車が駆けつけ、一面のグリーンの草原の中で消防車の真紅が鮮烈なコントラストとなって脳裏に焼き付いている。
小倉駅で鉄鍋餃子に鯖のじんた煮、ごまさばと九州ならではランチに舌鼓を打つが、なんとか日田彦山線の列車に間に合うことが出来る。次の列車は1時間半後なので、この列車を逃すと万事休すとなる。
石原町の駅からタクシーで平尾台に向かうと、すぐ右手に石灰岩の採取のために荒らしく削り取られた山肌が見える。吹上峠と越えるとなだらかな平尾台の山頂部の一角に達し、一気に広大な景色が広がる。道路の反対側にある石灰岩の採石場からはガタゴトと重機の音が間断なく聞こえてくる。
峠から見渡す草原の山肌にはススキの穂が広がり、一面の緑色の絨毯が広がっていた前回から季節が進んだことを感じさせる。群生するセイタカアワダチソウの花々が随所で黄色の彩りを添えている。山の下に比べれば多少は気温が低いものの、それでもこの北九州地方では気温は27度まで上昇する予報であり、十月の下旬とは思えぬ暖かさだ。
前回辿った道とほぼ同じルートを辿り、吹上展望台から大平山へと登る。すぐにも背後には平尾だのほぼ全体の展望が広がるようになる。右手には四方台から周防台のへと至る稜線が目に入る。その稜線の描く緩やかな起伏と草原の山肌は巨大な動物の背のように見える。周防台の高いところでは幾つかのパラグライダーが鳥のように宙を舞っていた。
ピークが近づくと集簇した石灰岩が現れる。個々の石灰岩は動物の背中を想起させるような扁平で弧状の形状を示すものが多く、遠目には何かの動物の群れをなして地面に寝そべっているかのように見える。
大平山のピークから先に進むと急に人影が少なくなる。四方台までの間は意外と急峻なアップダウンを繰り返す。先ほどまでは青空には刷毛で履いたような巻雲が広がっていたが、空には急にすりガラス状の雲が広がり始める。雲が日差しを和らげてくれるので、その方が好都合であった。
四方台に達すると、東の行橋市街と周防灘の展望が視界に飛び込む。下から眺める限りは貫山は近く見えていたが、四方台のピークからは意外と距離と高さがあるように見える。家内は行きたくないというので、南下して尾根を下ることにする。しばらくは背丈を越えるススキの腹の中を泳ぐように進む。尾根が緩やかな降りとなり、周りの草丈が低くなると左右には広大なパノラマが広がる。
中峠と呼ばれる周防台との間の鞍部に至ると後は舗装路が続く。道を左にそれて前回も訪れた目白洞という鍾乳洞を訪ねるのだが、入口は閉じられていた。平日で滅多に訪れる人がいないせいだろうか。すぐに茶ヶ床園地と呼ばれる広場に至る。ここまで車で入ることが出来るのだが、狭い駐車場はほぼ満車に近いように思われた。小綺麗なトイレは故障のため閉鎖されていた。
平尾台自然観察センターに向かう途中で牝鹿鍾乳洞に立ち寄ると、ここは空いているようだった。ここは全国で二カ所しかない珍しい垂直型の鍾乳洞らしい。もう一カ所はどこだろうと思って調べてみると、なんと京都の京丹波町にある質志(しずし)鍾乳洞らしい。
鍾乳洞はすり鉢状の窪地の底部にあるようで、カルスト台地特有のドリーネの下に形成されたものだろう。鍾乳洞の中に入ると鉄製の梯子段で下に降ってゆく。内部はさらに狭い石段で下降する。鍾乳洞の奥は湧泉地となっており、その奥には水深20mの地底湖となっているらしい。
鍾乳洞から出ると先に訪れておられた男女二人と出遭う。高齢の男性は鉄製階段の数を数えながら昇っておられたようで、全部で108段であったことを教えてくれる。高齢に見受けられるが、小学校の修学旅行で以前に訪れた時以来らしい。その時はなんともつまらなかったが、今となってはここが最も印象的だったとのことだった。
牝鹿鍾乳洞の周りには多くの可愛らしい子猫達がいた。入口の建物の前には野ざらしのソファーが置かれていたが、これは完全に猫達のソファーとなっているようだった。牝鹿鍾乳洞からはわずかな距離で平尾台の自然観察センターに到着する。自販機で購入した麦茶を飲むうちに予約しておいたタクシーが到着する。
夕方になって風が涼しく感じられるようになったが、石原町の駅に到着するとやはり十月とは思えぬ蒸し暑さが感じるのだった。
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