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記録ID: 7414842
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沢登り
朝日・出羽三山

朝日連峰 野川支流 ヌルミ沢 祝瓶山

2024年10月27日(日) [日帰り]
 - 拍手
GPS
07:34
距離
8.9km
登り
1,022m
下り
1,004m

コースタイム

日帰り
山行
7:08
休憩
0:26
合計
7:34
距離 8.9km 登り 1,022m 下り 1,004m
6:06
33
6:39
310
11:49
12:15
59
13:14
26
13:40
遡行時間 5時間
休憩 約1時間
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2024年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
木地山ダムの工事による通行止め情報
https://www.pref.yamagata.jp/326080/kensei/shoukai/soshikiannai/okitamakensetsu/r6kijiyamadam.html

10月30日まで終日通行止め期間で夜間も日曜日も終日通行止めらしいが、土曜日の夜から日曜日は通れました。
金曜日の夜はトラックで塞がれていました。


木地山ダムから祝瓶山荘までの林道は、最初はマシだがどんどん悪路になっていき、一区間激しく道が抉れてる所あり。今回はエクストレイルで突破。
とにかく車高が高くないと厳しい。
祝瓶山荘は鍵付き小屋。トイレは利用可能。登山届けは電話BOXの中。カメムシ大量発生中。
携帯電波は木地山ダムから圏外。

コース状況/
危険箇所等
最上川水系 野川支流 ヌルミ沢
体感3級 水量少ない ラバー◯ 魚影あり 雪渓なし

■アプローチ
祝瓶山荘から登山道を歩き、桑住平の分岐を祝瓶山方面へ進み、ヌルミ沢を渡渉する所から入渓。
歩き出しから入渓まで45分。

■ヌルミ沢遡行
入渓地点は水が枯れていたが、程なくして水流は復活。
序盤からV字に切れ込む渓相の先に、祝瓶山の東面スラブが見えていて否が応でもテンションが上がる。

しばらくゴーロを歩くと最初の5m滝。直登は悪そうなので左岸からあっさり巻く。
ここから小悪い滝が2〜3個続き、この沢は初級者向きではないと思わされる。
先に進むと渓相はさらに良くなり、白い岩に滝、見上げれば青い空に紅葉のスラブと、とんでもなく素晴らしい渓相である。
滝も快適に登れるモノと悪い登攀とが続き、いい集中力のまま遡行出来てめちゃくちゃ楽しい。

1000m付近に2段30mの大滝。
水線の右壁をザイルを出して登攀。+。
ここから2段目の水線方向ではなく、右上するスラブに進路を取る。
途中藪に入るが、すぐ右の枯れた沢に移り高度を上げる。頭上の岩壁を見ながら枯れ沢は左へ向かっている。
そのまま沢型に沿って進むと、一旦平坦な台地に上がり作戦タイム。
左のルンゼを1本横切り、水が染み出してる岩壁を直上する。
たまに垂壁のワンポイント悪い箇所がありお助けを出したりしたが、ザイルは出さずフリーでガンガン上がって行く。
上部にある岩峰ピークを右から回り込み、スラブと灌木、たまにニラ壁を交えながら直上し、山頂に続く短いリッジに立ち、草付きを10m上がると祝瓶山山頂にダイレクトに飛び出した。
遡行時間は約5時間。

■下山
一般登山道の直登コースを90分程で下山。
雪華さんのSUV車で悪路を突破し、無事に祝瓶山荘からスタート。
2024年10月27日 06:06撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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10/27 6:06
雪華さんのSUV車で悪路を突破し、無事に祝瓶山荘からスタート。
モンベル寄贈の吊橋を渡る。
モンベル寄贈の吊橋を渡る。
祝瓶山がモルゲンロートで光り輝いている。
2024年10月27日 06:16撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 6:16
祝瓶山がモルゲンロートで光り輝いている。
ヌルミ沢入渓。水は枯れていた。
2024年10月27日 06:51撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 6:51
ヌルミ沢入渓。水は枯れていた。
前方にこれがもうずっと見える。
2024年10月27日 07:02撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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10/27 7:02
前方にこれがもうずっと見える。
F1登場。さぁ、気合いを入れます。
2024年10月27日 07:06撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 7:06
F1登場。さぁ、気合いを入れます。
なんか悪そうなので左岸から簡単に巻いた。
2024年10月27日 07:07撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 7:07
なんか悪そうなので左岸から簡単に巻いた。
水は少ないから濡れたくないこの時期は助かる。
2024年10月27日 07:15撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 7:15
水は少ないから濡れたくないこの時期は助かる。
小悪い滝登場。この辺りから突破力が問われる。
小悪い滝登場。この辺りから突破力が問われる。
2日連チャンの疲れを知らない雪華姉さん。
2024年10月27日 07:21撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 7:21
2日連チャンの疲れを知らない雪華姉さん。
CS5m。左からヘツリ、最後は溝に体をねじ込ませながらショルダー突破。
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CS5m。左からヘツリ、最後は溝に体をねじ込ませながらショルダー突破。
残置。かなり古いな。
2024年10月27日 07:30撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 7:30
残置。かなり古いな。
ラバーが良く効いて快適。
2024年10月27日 07:31撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 7:31
ラバーが良く効いて快適。
これもヘツリながら取り付く。
2024年10月27日 07:33撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 7:33
これもヘツリながら取り付く。
左壁を攀じる。
2024年10月27日 07:36撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 7:36
左壁を攀じる。
また古い残置。
2024年10月27日 07:43撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 7:43
また古い残置。
めっちゃいい!最高過ぎる!
2024年10月27日 07:50撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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10/27 7:50
めっちゃいい!最高過ぎる!
谷川みたいな渓相だ。素晴らしい。
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谷川みたいな渓相だ。素晴らしい。
テンションが上がりまくり、多少のシャワーは気にならない。
2024年10月27日 07:55撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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10/27 7:55
テンションが上がりまくり、多少のシャワーは気にならない。
ガンガン直登する。
2024年10月27日 07:58撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 7:58
ガンガン直登する。
スゲェいいよこの沢。さすが祝瓶山の沢だ。
2024年10月27日 07:58撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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10/27 7:58
スゲェいいよこの沢。さすが祝瓶山の沢だ。
バカでかCS滝。
2024年10月27日 08:04撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 8:04
バカでかCS滝。
雪が多い年は10月でも雪渓が残る程切れ込みが深い。
2024年10月27日 08:12撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 8:12
雪が多い年は10月でも雪渓が残る程切れ込みが深い。
今年は雪渓はなし。
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今年は雪渓はなし。
2段30m滝。左の溝に水が流れてる。
2024年10月27日 08:38撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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10/27 8:38
2段30m滝。左の溝に水が流れてる。
雪華さんがフリーで登ろうとしてるので、ザイルを渡す。
2024年10月27日 08:48撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 8:48
雪華さんがフリーで登ろうとしてるので、ザイルを渡す。
岩が乾いてて快適。+。
2024年10月27日 09:03撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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10/27 9:03
岩が乾いてて快適。+。
2段目に続く水線。
2024年10月27日 09:24撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 9:24
2段目に続く水線。
2段目の水線には行かず、右のスラブを上がる。
2024年10月27日 09:31撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 9:31
2段目の水線には行かず、右のスラブを上がる。
頭上には紅葉の岩壁が立ち塞がる。左にトラバース気味に進む。
2024年10月27日 09:52撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 9:52
頭上には紅葉の岩壁が立ち塞がる。左にトラバース気味に進む。
これを直上する事にした。
2024年10月27日 10:44撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 10:44
これを直上する事にした。
お助け数回であとはフリーで攀じる。
2024年10月27日 10:50撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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10/27 10:50
お助け数回であとはフリーで攀じる。
高度感は半端ないが、ワンポイント悪いくらいであとは快適。
高度感は半端ないが、ワンポイント悪いくらいであとは快適。
草付スラブを登る。
2024年10月27日 10:50撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 10:50
草付スラブを登る。
登ってきたスラブを見る。右の尾根は下山で使う直登コース。
2024年10月27日 10:56撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 10:56
登ってきたスラブを見る。右の尾根は下山で使う直登コース。
強い灌木もあり、垂壁も上がって行ける。
2024年10月27日 11:26撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 11:26
強い灌木もあり、垂壁も上がって行ける。
スラブはフリクション抜群。
2024年10月27日 11:30撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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10/27 11:30
スラブはフリクション抜群。
バンドで休憩。贅沢な景色を堪能する。
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バンドで休憩。贅沢な景色を堪能する。
岩峰の基部を右から回り込む。
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岩峰の基部を右から回り込む。
右を見ると大朝日岳が見えた。もうちょいか。
2024年10月27日 11:46撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 11:46
右を見ると大朝日岳が見えた。もうちょいか。
山頂直下の急な草付き。
山頂直下の急な草付き。
ビクトリーロード。
2024年10月27日 11:49撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 11:49
ビクトリーロード。
祝瓶山山頂ダイレクト!やりました!
2024年10月27日 11:50撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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10/27 11:50
祝瓶山山頂ダイレクト!やりました!
素晴らしい景色。ゆっくり大休止。
2024年10月27日 12:06撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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10/27 12:06
素晴らしい景色。ゆっくり大休止。
コカクナラ沢の詰め。予定ではもう1本はここでした。
2024年10月27日 12:16撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 12:16
コカクナラ沢の詰め。予定ではもう1本はここでした。
真ん中のリッジの右のスラブを詰めました。
2024年10月27日 12:31撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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10/27 12:31
真ん中のリッジの右のスラブを詰めました。
下山します。最高の1本でした。
2024年10月27日 12:47撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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10/27 12:47
下山します。最高の1本でした。
祝瓶山荘到着。カメムシが大量に飛び回ってました。
2024年10月27日 13:40撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
10/27 13:40
祝瓶山荘到着。カメムシが大量に飛び回ってました。
帰路。木地山ダムから祝瓶山。
最高の2日間をありがとうございました。また来ます。
2024年10月27日 14:46撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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10/27 14:46
帰路。木地山ダムから祝瓶山。
最高の2日間をありがとうございました。また来ます。
撮影機器:

装備

個人装備
30mザイル ガチャ類 ビバーク装備

感想

祝瓶山東面は、雪崩により浸食された地形であり、上部は急峻なスラブを擁し、下部は深い切れ込みを持つ魅力溢れる山だ。
その祝瓶山に源頭を持つ東面の沢は3本。
コカクナラ沢、ヌルミ沢、カクナラ沢である。
そのどれもが一筋縄ではいかない沢だと云うのは、地形図を見ても、実際に祝瓶山の東面を見ても一目瞭然である。

この2日間でコカクナラ沢とヌルミ沢の遡行を計画していたが、土曜日は木地山ダムが通れなくて西面の大石沢へ転身。
日曜日に本命のヌルミ沢に入る流れとなった。

祝瓶山荘までの林道は評判通りの悪路であったが、雪華さんの強気な運転でなんなく突破。
無事に祝瓶山荘から歩き出し、祝瓶山の光り輝くモルゲンロートを見て2人共完全にスイッチが入った。

序盤の小悪い滝を突破し、深い切れ込みの中に続く連瀑帯を攀じると、前方にずっと見えていたスラブはもう手の届く距離である。

2段30mの大滝からの進路の取り方で、この沢の印象はガラリと変わるだろう。
大滝からずっと水線を辿る考えもあったが、地形図を見ると山頂のだいぶ下で登山道に合流してしまう。
大滝を1ピッチ登ったテラスから右上を見ると、快適そうなスラブが続き、その上には紅葉に彩られた要塞のような岩壁が見えている。
体は自然とスラブに向かい、夢中で攀じる。

辿り着いた岩壁下のテラスから左にトラバースすると、水が染み出した壁が目の前に立ち塞がった。
「ここを登ろう」

取り付きが意外と悪くて雪華さんにお助けを出したが、その後は下を見る事なく2人共無我夢中で攀じりまくった。

強い灌木にも助けられ、弱いニラにも助けられた。
途中から山頂にダイレクトに出るようにルートを取り、気付けば山頂直下のリッジに乗った。

結局スラブでは一度もザイルを出さなかったが、雪華さんも自分の登れるルート取りで危なげなく登り、山頂直下では余裕の笑みを浮かべていた。

おそらくこの東面のルート取りは、パーティーによってはもちろん、人によってもバラバラであろう。
その時その瞬間、自分が登りたい方へ行くのが自然な流れであり、もし次回また自分が再訪しても今回とはまったく違うルート取りになるだろう。

ここは整備された有名なクラシックのアルパインルートではない。残置もなければ正しいルートも間違ったルートもない。
先人のルートログなど必要ない。
自分の登りたい場所、登れる場所をただひたすら攀じるだけだ。

上部のスラブ登攀は普段の沢登りの詰めとはまた違い、もはや沢登りとは言えない範疇な気もするが、その自由さもまた沢登りと同じである。
普段の詰めは藪だが、今回はスラブだっただけだ。


快晴の山頂に飛び出し、360度澄み渡る景色を堪能。
最高の達成感と充実感を味わえた。

今回流れてしまったコカクナラ沢にはまた来なければならない。
そして、祝瓶山の沢では最難関とされるカクナラ沢。
来シーズン、登攀狂の面々と遡行出来る事を楽しみにしたいと思う。

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