朝日連峰 野川支流 ヌルミ沢 祝瓶山
- GPS
- 07:34
- 距離
- 8.9km
- 登り
- 1,022m
- 下り
- 1,004m
コースタイム
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2024年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
https://www.pref.yamagata.jp/326080/kensei/shoukai/soshikiannai/okitamakensetsu/r6kijiyamadam.html 10月30日まで終日通行止め期間で夜間も日曜日も終日通行止めらしいが、土曜日の夜から日曜日は通れました。 金曜日の夜はトラックで塞がれていました。 木地山ダムから祝瓶山荘までの林道は、最初はマシだがどんどん悪路になっていき、一区間激しく道が抉れてる所あり。今回はエクストレイルで突破。 とにかく車高が高くないと厳しい。 祝瓶山荘は鍵付き小屋。トイレは利用可能。登山届けは電話BOXの中。カメムシ大量発生中。 携帯電波は木地山ダムから圏外。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
最上川水系 野川支流 ヌルミ沢 体感3級 水量少ない ラバー◯ 魚影あり 雪渓なし ■アプローチ 祝瓶山荘から登山道を歩き、桑住平の分岐を祝瓶山方面へ進み、ヌルミ沢を渡渉する所から入渓。 歩き出しから入渓まで45分。 ■ヌルミ沢遡行 入渓地点は水が枯れていたが、程なくして水流は復活。 序盤からV字に切れ込む渓相の先に、祝瓶山の東面スラブが見えていて否が応でもテンションが上がる。 しばらくゴーロを歩くと最初の5m滝。直登は悪そうなので左岸からあっさり巻く。 ここから小悪い滝が2〜3個続き、この沢は初級者向きではないと思わされる。 先に進むと渓相はさらに良くなり、白い岩に滝、見上げれば青い空に紅葉のスラブと、とんでもなく素晴らしい渓相である。 滝も快適に登れるモノと悪い登攀とが続き、いい集中力のまま遡行出来てめちゃくちゃ楽しい。 1000m付近に2段30mの大滝。 水線の右壁をザイルを出して登攀。+。 ここから2段目の水線方向ではなく、右上するスラブに進路を取る。 途中藪に入るが、すぐ右の枯れた沢に移り高度を上げる。頭上の岩壁を見ながら枯れ沢は左へ向かっている。 そのまま沢型に沿って進むと、一旦平坦な台地に上がり作戦タイム。 左のルンゼを1本横切り、水が染み出してる岩壁を直上する。 たまに垂壁のワンポイント悪い箇所がありお助けを出したりしたが、ザイルは出さずフリーでガンガン上がって行く。 上部にある岩峰ピークを右から回り込み、スラブと灌木、たまにニラ壁を交えながら直上し、山頂に続く短いリッジに立ち、草付きを10m上がると祝瓶山山頂にダイレクトに飛び出した。 遡行時間は約5時間。 ■下山 一般登山道の直登コースを90分程で下山。 |
写真
装備
個人装備 |
30mザイル ガチャ類 ビバーク装備
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感想
祝瓶山東面は、雪崩により浸食された地形であり、上部は急峻なスラブを擁し、下部は深い切れ込みを持つ魅力溢れる山だ。
その祝瓶山に源頭を持つ東面の沢は3本。
コカクナラ沢、ヌルミ沢、カクナラ沢である。
そのどれもが一筋縄ではいかない沢だと云うのは、地形図を見ても、実際に祝瓶山の東面を見ても一目瞭然である。
この2日間でコカクナラ沢とヌルミ沢の遡行を計画していたが、土曜日は木地山ダムが通れなくて西面の大石沢へ転身。
日曜日に本命のヌルミ沢に入る流れとなった。
祝瓶山荘までの林道は評判通りの悪路であったが、雪華さんの強気な運転でなんなく突破。
無事に祝瓶山荘から歩き出し、祝瓶山の光り輝くモルゲンロートを見て2人共完全にスイッチが入った。
序盤の小悪い滝を突破し、深い切れ込みの中に続く連瀑帯を攀じると、前方にずっと見えていたスラブはもう手の届く距離である。
2段30mの大滝からの進路の取り方で、この沢の印象はガラリと変わるだろう。
大滝からずっと水線を辿る考えもあったが、地形図を見ると山頂のだいぶ下で登山道に合流してしまう。
大滝を1ピッチ登ったテラスから右上を見ると、快適そうなスラブが続き、その上には紅葉に彩られた要塞のような岩壁が見えている。
体は自然とスラブに向かい、夢中で攀じる。
辿り着いた岩壁下のテラスから左にトラバースすると、水が染み出した壁が目の前に立ち塞がった。
「ここを登ろう」
取り付きが意外と悪くて雪華さんにお助けを出したが、その後は下を見る事なく2人共無我夢中で攀じりまくった。
強い灌木にも助けられ、弱いニラにも助けられた。
途中から山頂にダイレクトに出るようにルートを取り、気付けば山頂直下のリッジに乗った。
結局スラブでは一度もザイルを出さなかったが、雪華さんも自分の登れるルート取りで危なげなく登り、山頂直下では余裕の笑みを浮かべていた。
おそらくこの東面のルート取りは、パーティーによってはもちろん、人によってもバラバラであろう。
その時その瞬間、自分が登りたい方へ行くのが自然な流れであり、もし次回また自分が再訪しても今回とはまったく違うルート取りになるだろう。
ここは整備された有名なクラシックのアルパインルートではない。残置もなければ正しいルートも間違ったルートもない。
先人のルートログなど必要ない。
自分の登りたい場所、登れる場所をただひたすら攀じるだけだ。
上部のスラブ登攀は普段の沢登りの詰めとはまた違い、もはや沢登りとは言えない範疇な気もするが、その自由さもまた沢登りと同じである。
普段の詰めは藪だが、今回はスラブだっただけだ。
快晴の山頂に飛び出し、360度澄み渡る景色を堪能。
最高の達成感と充実感を味わえた。
今回流れてしまったコカクナラ沢にはまた来なければならない。
そして、祝瓶山の沢では最難関とされるカクナラ沢。
来シーズン、登攀狂の面々と遡行出来る事を楽しみにしたいと思う。
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