晩秋の上信山旅(2024):(3) 烏帽子岳 〜秋深し西上州〜
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- GPS
- 03:54
- 距離
- 6.0km
- 登り
- 775m
- 下り
- 731m
コースタイム
- 山行
- 3:18
- 休憩
- 0:52
- 合計
- 4:10
・「奥の二股」分岐地点には、標識あり。ただし、地名として「奥の二股」とは書かれていませんでした。
・「稜線出会い」という場所は、ガイドブックでは、単に「コル」と書かれている、烏帽子岳まじかの尾根に出る部分のことです。標識あり。
・「郡界尾根分岐」という場所は、「マル」ピークから西へ少し下った場所にあるコル状の場所で、「シボツ沢」への下降点。小さい標識あり。ガイドブックでも「郡界尾根分岐」と記載あり。
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・ルートは全般にやや荒れていて、稜線部以外は、ふみ跡が定かではない場所がほとんど。道標も少ないが、赤テープが割と沢山付けてあるのが助かった。 ・「登山口」から「奥の二股」と呼ばれる部分までは沢沿いですが、ゴロゴロした石ころと落ち葉の多い道で、転倒、道迷いに注意。 ・「奥の二股」と呼ばれる分岐から烏帽子岳直下までの直登は特に注意が必要な難所。足元は滑りやすい石屑が多い急斜面となっており、滑落に注意。登りでも難儀したので、下りに利用するのはかなり危険だと思います。 ・烏帽子岳、「マル」ピーク、およびそれらを結ぶ稜線部には、割とはっきりしたふみ跡があり、歩きやすい。 ・烏帽子岳の山頂部は岩峰状で、直下には鎖場あり、また山頂の周辺は切れ落ちているので、転落に要注意。 ※ 西上州の山としては並レベルなのかもしれませんが、全般的に見るとこの山は、1100mクラスの低山とは思えない、なかなかに難しい山だと感じました。ルーファイ力や、滑落や転倒を防ぐバランス力など、山慣れした中級者以上向けのルートです。 |
その他周辺情報 | ・南牧村と下仁田町にはそれぞれ、道の駅がありました。トイレ休憩には便利。なお、下仁田インターから先、コンビニはありませんでした。 ・登山口付近から稜線に上がるまで、スマホの電波は通じませんでした(docomo)。 |
写真
感想
※ 「晩秋の上信山旅」シリーズの第2弾。この日は当初、お手軽な三百名山、「浅間隠山」にでも行こうと考えていたが、朝起きると佐久平も浅間山方面もどんよりとした雲が垂れ込めているし、天気予報では昨日より更に冬型が強まる、と言っている。
・・・どんよりした雲の中を歩いて山に登っても楽しくはないし「三百名山」というブランドに強い執着もないので、「浅間隠山」はキッパリとあきらめる。
・・・では群馬県側 西上州の山なら冬型の気圧配置でも晴れではないだろうか、と思い、急遽、西上州の山へ行くことにした。西上州の山は歩いたことが無いが一度は行って見たかった地域だし、群馬県のガイドブックを見て、一番楽そうに思えた(実際はそうでもなかったが、)、「烏帽子岳」という1100m台の山に行ってみることにした。
・灰色の雲に覆われた佐久平を出発し、上信越道を使って一気に群馬県側へと抜けると、予想通りの青空が広がっていた。よし! 狙い通りだ。 ・・インターを降りてからはカーナビに従い、下仁田町、南牧村(なんもくむら)を経由して登山口へ。
・「西上州」は、以前から気になっていた地域。下仁田、南牧などの山里は、朝の日差しを浴びた山里の周辺には岩峰群がそびえており、なんか昔懐かしいような風情が感じられる。しかし、過疎化はかなり進んでいるようで、実際の生活は大変だろうな、などとも思う。
・烏帽子岳の「登山口」は思いのほか小さい標識だけで、この日は日曜日だというのに、クルマはわずか2台しか止まっていなかった。昨日の荒船山登山口でのクルマの多さとは段違いだ。西上州の山々は最近、あまり人気はないのかな? と思いつつ、歩き始める。(この日出会った登山者は1名のみ)
・登山道は浅い沢沿いに伸びているが、歩く人が少ないせいか、ふみ跡ははっきりせず、転石と落ち葉が多い道で歩きにくい。赤テープが多いのが救いで、ずいぶんと助けられた。
・迷いやすい感じの「下の二股」を過ぎ、岩石、地質を観察しながら登高し、約1時間半で、このルート初めての標識がある、「奥の二股」に着いた。ここで、この日初めての登山者と出会い、挨拶する。「なかなか厳しいルートですね」と言うと、「いや、これから上はもっと大変ですよ!」とのこと。「え〜 聞いてないよ〜」という感じなんですけどぉ・・
・ガイドブックでは、ここからまず東側の急なザレ沢を登って烏帽子岳へと向かうらしいので、その方向へと進む。、と、ふみ跡もほとんどなく、砂利のような小石ばかりがあって滑りやすい急斜面のザレ場を、滑落しないようにちょっと気合を入れて登高する。いや〜 頂いたアドバイスの通り、厳しいデス(汗)。
・ようやくコルにたどり着き、そこからはロープが張ってある岩場を一登りすると、ようやく「烏帽子岳」の山頂に着いた。
ここは、チャートでできた岩峰で、展望が素晴らしく、苦労して登って来た甲斐があった。「西上州」は初体験なので名前が良く解らないが、色んな形をした岩峰、岩場があちこちに見える。谷沿いの登りでは日差しがなくて少し寒々しい感じだったが、このピークは日差しを浴びて暖かく、「西上州」の眺め自体も、暖かいじゅうたんを敷いたような、心地よい晩秋の雰囲気を感じられた。だれ一人いない山頂を独り占めし、カップ麺をすすりながら、のんびりとしたひと時を過ごせた。(「一日の王」とはこういうときに使う言葉かな)。
・さて帰りだが、先ほどの急なザレ場を下る勇気はないので、ガイドブックに従い、南側にある「マル」というピークを経由し、郡界尾根の下降点から下る。こちらの下りのほうが、ジグザグなふみ跡があり、多少は下りやすい。「奥の二股」を通り過ぎて、休みも取らずにドンドンと下り、下降点から1時間程度で、登山口にたどり着いたときには、ずいぶんとほっとした。
・ 標高はわずか 約1100mの低山、かつ登山口の標高が700m程度あるということで、登る前にはちょっとなめていたが、実際には なかなかショッパイ山で、「西上州」の厳しい洗礼を受けたような、今日の山歩きだった。(でも 楽しかったのも事実)。
・帰りは、少し時間もあるので、下仁田町の町営「自然史博物館」に立ち寄った。廃校となった小学校の校舎を利用した博物館で、見た目はぱっとしなかったが、展示内容は「下仁田ジオパーク」の内容を詳しく解説されていて、地質マニアの自分にとっては、興味深かった。
ーーーーーー
(以下 地質観察メモ)
・登山道の大部分を占める、沢沿いのルートでは、層構造を持った泥質岩(粘板岩レベルか)の巨岩、岩壁が多く、泥質岩の岩壁はブロック化していて、層構造の走向がまちまちになっていた。また転石は黒っぽい泥質岩だけでなく、チャートと思われるライトグレーの石も多かった(一部 石灰岩と思われるものもあり)。一方で烏帽子岳の山頂部はライトグレーのチャートで形成されている岩峰状。
・下山後に産総研「シームレス地質図v2」で確認すると、山頂部はやはり付加体としてのチャート岩体で、谷筋の地質は、「メランジュ相」と示されていた。(付加年代は「ジュラ紀」とされており、「地帯」としては「秩父帯」にあたる)。
※ 「晩秋の上信山旅(4)御座山」に続く
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7530938.html
※ ご参考;「YAMAP」での同じ山行記録(ログは上手く取れてなく不正確)
https://yamap.com/activities/36174035
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