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Yamareco

記録ID: 7524798
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
赤城・榛名・荒船

晩秋の上信山旅(2024):(3) 烏帽子岳 〜秋深し西上州〜

2024年11月24日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
2
日帰りが可能
GPS
03:54
距離
6.0km
登り
775m
下り
731m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
3:18
休憩
0:52
合計
4:10
距離 6.0km 登り 775m 下り 731m
9:50
70
「下の二股」
11:00
11:10
30
「奥の二股」分岐
11:40
10
稜線出会い地点(コル)
11:50
12:25
8
12:33
12:40
10
12:50
10
「郡界尾根」分岐(下降点)
13:00
30
「奥の二股」分岐
13:30
15
「下の二股」
13:45
ゴール地点(シボツ沢登山口)
・「下の二股」地点とは、最初に谷が2つに分岐する場所ですが、標識はありません。迷いやすい感じの場所。鉄製の骨格だけ残った古い案内板の残骸がありました。なおガイドブック(分県登山ガイド 群馬県の山)では、「二股」との表記あり。
・「奥の二股」分岐地点には、標識あり。ただし、地名として「奥の二股」とは書かれていませんでした。
・「稜線出会い」という場所は、ガイドブックでは、単に「コル」と書かれている、烏帽子岳まじかの尾根に出る部分のことです。標識あり。
・「郡界尾根分岐」という場所は、「マル」ピークから西へ少し下った場所にあるコル状の場所で、「シボツ沢」への下降点。小さい標識あり。ガイドブックでも「郡界尾根分岐」と記載あり。
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2024年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
下仁田町から南牧村へと進み、南牧村の中心部からさらに南西方向へと進むと、大仁田ダムがある。ダムの付近は三ッ岩岳の登山口で、トイレもあるので、そこにクルマを停めても良い。そこからさらに1km弱進むと、烏帽子岳の登山口があり(標識は小さい)、駐車スペースもある。約7〜8台分。無料。
コース状況/
危険箇所等
・ルートは全般にやや荒れていて、稜線部以外は、ふみ跡が定かではない場所がほとんど。道標も少ないが、赤テープが割と沢山付けてあるのが助かった。
・「登山口」から「奥の二股」と呼ばれる部分までは沢沿いですが、ゴロゴロした石ころと落ち葉の多い道で、転倒、道迷いに注意。
・「奥の二股」と呼ばれる分岐から烏帽子岳直下までの直登は特に注意が必要な難所。足元は滑りやすい石屑が多い急斜面となっており、滑落に注意。登りでも難儀したので、下りに利用するのはかなり危険だと思います。
・烏帽子岳、「マル」ピーク、およびそれらを結ぶ稜線部には、割とはっきりしたふみ跡があり、歩きやすい。
・烏帽子岳の山頂部は岩峰状で、直下には鎖場あり、また山頂の周辺は切れ落ちているので、転落に要注意。

※ 西上州の山としては並レベルなのかもしれませんが、全般的に見るとこの山は、1100mクラスの低山とは思えない、なかなかに難しい山だと感じました。ルーファイ力や、滑落や転倒を防ぐバランス力など、山慣れした中級者以上向けのルートです。
その他周辺情報 ・南牧村と下仁田町にはそれぞれ、道の駅がありました。トイレ休憩には便利。なお、下仁田インターから先、コンビニはありませんでした。
・登山口付近から稜線に上がるまで、スマホの電波は通じませんでした(docomo)。
下仁田の町中より、独特な山容を持つ西上州の山々を望む。スッキリした青空が広がっており、思い切って群馬県側に来て正解
2024年11月24日 08:58撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
11/24 8:58
下仁田の町中より、独特な山容を持つ西上州の山々を望む。スッキリした青空が広がっており、思い切って群馬県側に来て正解
南牧村に入ると、その奥に、目指す「烏帽子岳」が見えてきた
2024年11月24日 09:19撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
11/24 9:19
南牧村に入ると、その奥に、目指す「烏帽子岳」が見えてきた
登山口の手前にあった「大仁田ダム」、秋だというのに水量は豊富
2024年11月24日 09:25撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
11/24 9:25
登山口の手前にあった「大仁田ダム」、秋だというのに水量は豊富
さてと、標識のところより烏帽子岳へと登り始める
2024年11月24日 09:42撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
11/24 9:42
さてと、標識のところより烏帽子岳へと登り始める
登山道は沢沿いだが、ふみ跡が良く解らなく、なんだか原始の森を歩いているようだ
2024年11月24日 09:51撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
1
11/24 9:51
登山道は沢沿いだが、ふみ跡が良く解らなく、なんだか原始の森を歩いているようだ
「下の二股」地点。標識は無く、谷が広がった地形で迷いやすい感じ(左手が正しいルート、また写真に写っている、鉄の枠だけが残っている案内板の残骸が目印になります)
2024年11月24日 09:52撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
11/24 9:52
「下の二股」地点。標識は無く、谷が広がった地形で迷いやすい感じ(左手が正しいルート、また写真に写っている、鉄の枠だけが残っている案内板の残骸が目印になります)
紅葉は少なくて落ち葉ばかりが多く、また、あちこちに巨岩がある
2024年11月24日 09:58撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
11/24 9:58
紅葉は少なくて落ち葉ばかりが多く、また、あちこちに巨岩がある
朴の木の白い葉は散りばめられ、なんだか祭りの後のようだ
2024年11月24日 10:17撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
1
11/24 10:17
朴の木の白い葉は散りばめられ、なんだか祭りの後のようだ
谷沿いは日が翳って寒々しいが、尾根のあたりは日差しを浴びて明るい
2024年11月24日 10:25撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
11/24 10:25
谷沿いは日が翳って寒々しいが、尾根のあたりは日差しを浴びて明るい
妙な形をした小岩峰
2024年11月24日 10:32撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
11/24 10:32
妙な形をした小岩峰
「奥の二股」に着いた。このルートで数少ない標識があった
2024年11月24日 11:03撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
11/24 11:03
「奥の二股」に着いた。このルートで数少ない標識があった
「奥の二股」から烏帽子岳への直登ルートはなかなかに厳しく、部分的に張ってあった補助ロープに助けられた
2024年11月24日 11:31撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
11/24 11:31
「奥の二股」から烏帽子岳への直登ルートはなかなかに厳しく、部分的に張ってあった補助ロープに助けられた
稜線に出るとすぐ、烏帽子岳直下の岩場。ここはむしろ楽勝だった
2024年11月24日 11:49撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
1
11/24 11:49
稜線に出るとすぐ、烏帽子岳直下の岩場。ここはむしろ楽勝だった
2時間ほどかけ、ようやく「烏帽子岳」の山頂に着いた
2024年11月24日 11:51撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
11/24 11:51
2時間ほどかけ、ようやく「烏帽子岳」の山頂に着いた
山頂部は、いかにも硬そうなチャートで出来ていた
2024年11月24日 12:03撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
1
11/24 12:03
山頂部は、いかにも硬そうなチャートで出来ていた
山頂からは広大な眺めが得られた。まず北側の眺め。ゴツゴツした、いかにも「西上州の山」という感じの山々が並んでいる
2024年11月24日 11:58撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
1
11/24 11:58
山頂からは広大な眺めが得られた。まず北側の眺め。ゴツゴツした、いかにも「西上州の山」という感じの山々が並んでいる
少しズームしてみた西上州のゴツゴツした山並み。この辺りも、そのうちに行ってみたくなった
2024年11月24日 12:01撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
11/24 12:01
少しズームしてみた西上州のゴツゴツした山並み。この辺りも、そのうちに行ってみたくなった
すぐ近くに見える岩峰は、「三ッ岩岳」だろう。険しそうだな
2024年11月24日 12:01撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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11/24 12:01
すぐ近くに見える岩峰は、「三ッ岩岳」だろう。険しそうだな
北のほう遥かに見える、雪と雲をまとった山々は、草津白根山あたりだろうか
2024年11月24日 11:59撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
11/24 11:59
北のほう遥かに見える、雪と雲をまとった山々は、草津白根山あたりだろうか
北東方向のギザギザした山々は、妙義山だろう
2024年11月24日 12:00撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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11/24 12:00
北東方向のギザギザした山々は、妙義山だろう
更にその奥に見える山並みは、榛名山か
2024年11月24日 11:59撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
11/24 11:59
更にその奥に見える山並みは、榛名山か
北西に目を転じる。荒船山が見えるかと思ってたが、良く解らなかった(左手中景の岩峰は三ッ岩岳)
2024年11月24日 12:01撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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11/24 12:01
北西に目を転じる。荒船山が見えるかと思ってたが、良く解らなかった(左手中景の岩峰は三ッ岩岳)
眼下には、山々に囲まれた西上州の集落が点々と見える
2024年11月24日 11:58撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
11/24 11:58
眼下には、山々に囲まれた西上州の集落が点々と見える
山頂の直下は、数百メートル 切れ落ちていて、「スリル満点」(・・死語かな? (笑))
2024年11月24日 12:25撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
2
11/24 12:25
山頂の直下は、数百メートル 切れ落ちていて、「スリル満点」(・・死語かな? (笑))
眼下に見える集落をズームしてみる。山に囲まれた暮らしは、のどかそうに見えるが、実際には結構厳しいのだろうな。。
2024年11月24日 12:25撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
11/24 12:25
眼下に見える集落をズームしてみる。山に囲まれた暮らしは、のどかそうに見えるが、実際には結構厳しいのだろうな。。
さて、「烏帽子岳」の山頂で展望を堪能した後は、隣の「マル」ピークへと向かう。この稜線部は明るくて歩きやすい
2024年11月24日 12:30撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
11/24 12:30
さて、「烏帽子岳」の山頂で展望を堪能した後は、隣の「マル」ピークへと向かう。この稜線部は明るくて歩きやすい
暖色の落ち葉のじゅうたんが、寝転びたいほど、気持ちよさそう
2024年11月24日 12:37撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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11/24 12:37
暖色の落ち葉のじゅうたんが、寝転びたいほど、気持ちよさそう
「烏帽子岳」から15分程度で、「マル」ピークについた。標高は1220mと「烏帽子岳」よりも少し高いが、樹々が多くて視界はあまりなかった
2024年11月24日 12:40撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
11/24 12:40
「烏帽子岳」から15分程度で、「マル」ピークについた。標高は1220mと「烏帽子岳」よりも少し高いが、樹々が多くて視界はあまりなかった
「マル」ピークからの下りの岩場。このピークもチャートで出来ている
2024年11月24日 12:47撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
11/24 12:47
「マル」ピークからの下りの岩場。このピークもチャートで出来ている
稜線部は、ふみ跡もしっかりしていて歩きやすく、日差しもあって心地よい
2024年11月24日 12:51撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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11/24 12:51
稜線部は、ふみ跡もしっかりしていて歩きやすく、日差しもあって心地よい
下降点から、再び谷沿いのルートへ入ると、一転して寒々しい景色となった。落ち葉や転石が多くて滑りやすいので慎重に下る
2024年11月24日 12:58撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
11/24 12:58
下降点から、再び谷沿いのルートへ入ると、一転して寒々しい景色となった。落ち葉や転石が多くて滑りやすいので慎重に下る
(途中は行きと同じなので省略ですが・・)、14時前には登山口に着いた。標高も低いので簡単な山だと侮っていたが、なかなか手厳しい山でした(反省!)
2024年11月24日 13:51撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
11/24 13:51
(途中は行きと同じなので省略ですが・・)、14時前には登山口に着いた。標高も低いので簡単な山だと侮っていたが、なかなか手厳しい山でした(反省!)
帰路、時間もあるので、下仁田町の「自然史博物館」に立ち寄った
2024年11月24日 15:34撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
11/24 15:34
帰路、時間もあるので、下仁田町の「自然史博物館」に立ち寄った
(おまけ)これは下仁田町の、上信電鉄の下仁田駅。鄙びた雰囲気の駅。こういう地方私鉄はいつまで残るやら、とか思う
2024年11月24日 15:44撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
11/24 15:44
(おまけ)これは下仁田町の、上信電鉄の下仁田駅。鄙びた雰囲気の駅。こういう地方私鉄はいつまで残るやら、とか思う
【以下 趣味の石ころかんさつ】
ダークグレーの泥質岩の露頭。層状になっており、粘板岩〜千枚岩相当の弱い変成作用を受けているように思われる
2024年11月24日 10:02撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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11/24 10:02
【以下 趣味の石ころかんさつ】
ダークグレーの泥質岩の露頭。層状になっており、粘板岩〜千枚岩相当の弱い変成作用を受けているように思われる
これも泥質岩の露頭と思われるが、複雑な褶曲構造、ブロック化していることが解る
2024年11月24日 10:37撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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11/24 10:37
これも泥質岩の露頭と思われるが、複雑な褶曲構造、ブロック化していることが解る
こちらは色合いから見て、層状チャートと思われる露頭
2024年11月24日 10:39撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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11/24 10:39
こちらは色合いから見て、層状チャートと思われる露頭
沢沿いの転石。ダークグレーの泥質岩と、ライトグレーのチャートが多い感じ
2024年11月24日 10:19撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
1
11/24 10:19
沢沿いの転石。ダークグレーの泥質岩と、ライトグレーのチャートが多い感じ
泥質岩の新鮮面。炭のように黒っぽく、鉱物結晶も見えない
2024年11月24日 10:57撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
1
11/24 10:57
泥質岩の新鮮面。炭のように黒っぽく、鉱物結晶も見えない
この転石は、泥質岩が変成作用を受けたものと思われるが、白雲母と思われる鉱物が析出している
2024年11月24日 10:41撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
1
11/24 10:41
この転石は、泥質岩が変成作用を受けたものと思われるが、白雲母と思われる鉱物が析出している
山頂手前、チャート転石の新鮮面。泥質岩とは違い、内部もゴツゴツした感じ
2024年11月24日 11:46撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
1
11/24 11:46
山頂手前、チャート転石の新鮮面。泥質岩とは違い、内部もゴツゴツした感じ
稀にだが、赤色チャートの転石もあった
2024年11月24日 10:46撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
2
11/24 10:46
稀にだが、赤色チャートの転石もあった
※産総研「シームレス地質図v2」より、烏帽子岳周辺の地質図
※ 赤い▲印は、烏帽子岳と「マル」ピーク
  青い線は登山ルート
  黒い〇は、登山口

【地質凡例】
・グレー;メランジュ相付加体(ジュラ紀;秩父帯)
・オレンジ色;チャート(ジュラ紀付加、秩父帯)
・黄緑色;玄武岩(ジュラ紀付加、秩父帯)
※産総研「シームレス地質図v2」より、烏帽子岳周辺の地質図
※ 赤い▲印は、烏帽子岳と「マル」ピーク
  青い線は登山ルート
  黒い〇は、登山口

【地質凡例】
・グレー;メランジュ相付加体(ジュラ紀;秩父帯)
・オレンジ色;チャート(ジュラ紀付加、秩父帯)
・黄緑色;玄武岩(ジュラ紀付加、秩父帯)

感想

※ 「晩秋の上信山旅」シリーズの第2弾。この日は当初、お手軽な三百名山、「浅間隠山」にでも行こうと考えていたが、朝起きると佐久平も浅間山方面もどんよりとした雲が垂れ込めているし、天気予報では昨日より更に冬型が強まる、と言っている。
 ・・・どんよりした雲の中を歩いて山に登っても楽しくはないし「三百名山」というブランドに強い執着もないので、「浅間隠山」はキッパリとあきらめる。
 ・・・では群馬県側 西上州の山なら冬型の気圧配置でも晴れではないだろうか、と思い、急遽、西上州の山へ行くことにした。西上州の山は歩いたことが無いが一度は行って見たかった地域だし、群馬県のガイドブックを見て、一番楽そうに思えた(実際はそうでもなかったが、)、「烏帽子岳」という1100m台の山に行ってみることにした。

・灰色の雲に覆われた佐久平を出発し、上信越道を使って一気に群馬県側へと抜けると、予想通りの青空が広がっていた。よし! 狙い通りだ。 ・・インターを降りてからはカーナビに従い、下仁田町、南牧村(なんもくむら)を経由して登山口へ。
・「西上州」は、以前から気になっていた地域。下仁田、南牧などの山里は、朝の日差しを浴びた山里の周辺には岩峰群がそびえており、なんか昔懐かしいような風情が感じられる。しかし、過疎化はかなり進んでいるようで、実際の生活は大変だろうな、などとも思う。

・烏帽子岳の「登山口」は思いのほか小さい標識だけで、この日は日曜日だというのに、クルマはわずか2台しか止まっていなかった。昨日の荒船山登山口でのクルマの多さとは段違いだ。西上州の山々は最近、あまり人気はないのかな? と思いつつ、歩き始める。(この日出会った登山者は1名のみ)

・登山道は浅い沢沿いに伸びているが、歩く人が少ないせいか、ふみ跡ははっきりせず、転石と落ち葉が多い道で歩きにくい。赤テープが多いのが救いで、ずいぶんと助けられた。
・迷いやすい感じの「下の二股」を過ぎ、岩石、地質を観察しながら登高し、約1時間半で、このルート初めての標識がある、「奥の二股」に着いた。ここで、この日初めての登山者と出会い、挨拶する。「なかなか厳しいルートですね」と言うと、「いや、これから上はもっと大変ですよ!」とのこと。「え〜 聞いてないよ〜」という感じなんですけどぉ・・
・ガイドブックでは、ここからまず東側の急なザレ沢を登って烏帽子岳へと向かうらしいので、その方向へと進む。、と、ふみ跡もほとんどなく、砂利のような小石ばかりがあって滑りやすい急斜面のザレ場を、滑落しないようにちょっと気合を入れて登高する。いや〜 頂いたアドバイスの通り、厳しいデス(汗)。

・ようやくコルにたどり着き、そこからはロープが張ってある岩場を一登りすると、ようやく「烏帽子岳」の山頂に着いた。
 ここは、チャートでできた岩峰で、展望が素晴らしく、苦労して登って来た甲斐があった。「西上州」は初体験なので名前が良く解らないが、色んな形をした岩峰、岩場があちこちに見える。谷沿いの登りでは日差しがなくて少し寒々しい感じだったが、このピークは日差しを浴びて暖かく、「西上州」の眺め自体も、暖かいじゅうたんを敷いたような、心地よい晩秋の雰囲気を感じられた。だれ一人いない山頂を独り占めし、カップ麺をすすりながら、のんびりとしたひと時を過ごせた。(「一日の王」とはこういうときに使う言葉かな)。

・さて帰りだが、先ほどの急なザレ場を下る勇気はないので、ガイドブックに従い、南側にある「マル」というピークを経由し、郡界尾根の下降点から下る。こちらの下りのほうが、ジグザグなふみ跡があり、多少は下りやすい。「奥の二股」を通り過ぎて、休みも取らずにドンドンと下り、下降点から1時間程度で、登山口にたどり着いたときには、ずいぶんとほっとした。

・ 標高はわずか 約1100mの低山、かつ登山口の標高が700m程度あるということで、登る前にはちょっとなめていたが、実際には なかなかショッパイ山で、「西上州」の厳しい洗礼を受けたような、今日の山歩きだった。(でも 楽しかったのも事実)。

・帰りは、少し時間もあるので、下仁田町の町営「自然史博物館」に立ち寄った。廃校となった小学校の校舎を利用した博物館で、見た目はぱっとしなかったが、展示内容は「下仁田ジオパーク」の内容を詳しく解説されていて、地質マニアの自分にとっては、興味深かった。

ーーーーーー
(以下 地質観察メモ)
 ・登山道の大部分を占める、沢沿いのルートでは、層構造を持った泥質岩(粘板岩レベルか)の巨岩、岩壁が多く、泥質岩の岩壁はブロック化していて、層構造の走向がまちまちになっていた。また転石は黒っぽい泥質岩だけでなく、チャートと思われるライトグレーの石も多かった(一部 石灰岩と思われるものもあり)。一方で烏帽子岳の山頂部はライトグレーのチャートで形成されている岩峰状。
 ・下山後に産総研「シームレス地質図v2」で確認すると、山頂部はやはり付加体としてのチャート岩体で、谷筋の地質は、「メランジュ相」と示されていた。(付加年代は「ジュラ紀」とされており、「地帯」としては「秩父帯」にあたる)。

※ 「晩秋の上信山旅(4)御座山」に続く
  https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7530938.html

※ ご参考;「YAMAP」での同じ山行記録(ログは上手く取れてなく不正確)
  https://yamap.com/activities/36174035

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