会津丸山岳 東ノ沢ピストン (大幽沢〜東ノ沢〜西俣〜丸山岳山頂)
- GPS
- 37:20
- 距離
- 18.0km
- 登り
- 1,190m
- 下り
- 1,179m
コースタイム
大幽沢駐車地点6:10→ダム7:10→西の沢出会8:10→14:30西俣・南俣出会(ツェルト泊)15:00
2日目:14時間10分
西俣・南俣出会5:20→沢涸地点8:30→草原到着9:00→9:35会津丸山岳山頂9:50→13:15西俣・南俣出会(ツェルト撤収)13:40→西の沢出会17:30→ダム18:15→大幽沢駐車地点19:30
天候 | 1〜2日目共に晴れ後曇り(夕立有り) |
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過去天気図(気象庁) | 2010年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
只見町からは大幽沢駐車地点まで舗装されていない道路を30分程度走りました。それほど悪路ではないのでユックリと走れば車底を擦ることもありませんでした。ただ対向車来たら避けられない狭い道です。渓流釣りの人が結構入ってくるようです。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
会津丸山岳は会津山塊の中でも山深く入りにくい場所にあります。 一般登山道がないため、山頂に立つには残雪期に南の方から何個かのピークを越えるか、夏に沢を遡行し涸れた箇所から藪を漕いで登ります。 今回は沢の中でも一番優しい東ノ沢〜西俣から山頂を目指しました。 ●600m〜1000mまで 大幽ノ沢の橋からダムまで1時間ほど細い林道を歩きます。結構アップダウンがあり細い道で、数箇所舗装してあったり、道沿いにロープが設置されています。沢沿いなので踏み外すと下まで落ちるので慎重に歩きました。 ダムに到着するといよいよ沢を歩き始めます。長い時間かけて400mを緩やかに登ります。急峻な滝はありません(あって4m程度でしょうか)。滝も脇を登ることが出来る箇所が多く、腰まで水に浸かる場所は数箇所のみです。 1日目は西俣分岐の手前にあった2m程度の高台(写真参照)にツェルトとブルーシートで宿泊場所を確保しました(といっても平らな箇所はなく若干斜めっていましたが…)。 ●1,000m〜稜線まで 西俣から山頂へ向かいます。沢は細くなり水量が多くなると同時に滝っぽい登りの連続になります。ただしザイルを出すほど厳しい登りは全くないので楽しい沢登りとなりました。 1,300m付近に来ると沢の水は随分と細くなり、冷たくなりました。なるべく水に浸からないように登ります。途中で何本か沢が分岐していますが、右を選択して登りました。 1,400mを越えた付近で沢が涸れ、跡を登ります。この辺からは植物を掻き分けながらの登りとなりましたが、更に大変な笹漕ぎが待っているとは思いませんでした。 その後何回かの分岐を経ると、笹が占有し始めてきます。稜線はもう少しです。 ただこの笹漕ぎが本当に大変でした。薄っすらと踏み跡があるのですが、1回見失って10分程度迷いそうになりました。背丈より高い笹に囲まれていると来た方向もわからなくなりそうで、怖さを感じました。 ●山頂へ ようやく稜線に抜けると、湿原が広がっていました。湿原には薄っすらと踏み跡がついていました。2度藪漕ぎをして山頂まで40分で到着。沢靴を履いているので、途中草を掴みながら漕がないと滑りそうな箇所があります。 山頂には池溏が2つ。少し右に入ったところに三角点。道標はありません。 ●温泉 那須塩原に戻る途中(南会津町界字上ノ山)のさかい温泉さゆり荘にて汗を流しました。 21時少し前でしたが入れてよかったです。料金500円也。 お風呂は結構広く、ボディーシャンプー・シャンプーあり。 |
写真
感想
今回は丸山岳の山頂へ立つことが目的だが、登山道はなく夏は沢遡行が基本となるためジャンルは沢登りとした。沢靴で歩くが、普段の沢登りのように10mの滝があるわけでもなく、1,000m付近までは緩やかでどちらかと言うと沢歩きの様相だった。
●1日目はゆるりとした沢歩き
沢に入ってから1時間程、メンバーの沢靴の底が取れてしまい進退を迫られる。フェルトに穴を開け、捨て縄で草鞋状にして靴に結びつけ応急処置を終了。何度も緩まり締め直しの繰り返しでペースが上がらないが、何とか歩けそうなので山行を続行することに決定した。深い山で一度取り付いただけあって、引き返すことにならずに済んで良かった。
●幕営
今回幕営予定の箇所である西俣の分岐の少し手前。土砂崩れで出来たような2mの高台。早速ツェルト・ブルーシートで宿泊地を確保した。決して平坦ではないが、増水しても心配ないは心理的に助かるねー。
枯れ木を集め焚き火を初めて一息入れていると夕立が始まった。急いでシートの中に逃げ込む。雨粒は容赦なく地面を叩き、焚き火は沈下寸前。沢の水は少しの間に20cm程増量し茶色く濁ってしまった。1時間程して雨は止み虹が見えたが、この増量状況を見て沢の怖さを改めて感じた。
幸いなことに裏から流れてくる小さな沢は澄んでいたので調理用に使えた。これが使えなかったらつけ麺は不味かっただろう。持ってきたビール・ウイスキーを片手に焚き火の周りで楽しい一時を過ごした。
●山頂へ
西俣は難度は高くないが標高を稼がなければならないだけあって、結構面白い沢登りができる。日差しが強く1,400m付近の冷たい沢の水は本当に旨かった。
沢が涸れるまで登ると、だんだんと植物が占有する部分が多くなり歩きにくく、更に稜線直下の笹漕ぎは悪戦苦闘した。一般の登山道のありがたさを改めて感じた。
深田久弥が百名山を登った時はこのような「道なき道」を歩いたのだろう。先人の行動意欲は素晴らしい。
山頂までは非常に長かったが、沢歩き、沢登り、藪漕ぎ、笹漕ぎと苦労しただけあり、マイナーではあるが丸山岳のピークに立ったことは充実感は大きかった。
●下山
山頂までの登りに4時間が経過していたが、今日は帰らなければならず、パンを胃袋に押し込んで下山を開始する。沢下りとなるので幕営地までそれほど時間が短縮できずに昼過ぎ。そしてここからがとても長かった。装備が重くなり、不安定な足場を慎重に歩く。疲れた足取りと重い荷物で滑って数回は全体がびしょ濡れに。
4時頃夕立が来て、増水に怯えたが昨日よりも降った時間が短く、それほどでもなかったので助かった。ダムに着いた時には既に暗く、最後の1時間はヘッドライトの光を頼りに細い道を歩いた。
●その後
14時間を越える歩行時間は初めての経験だったが、体力の方はまだまだ行けそうだったので自信がついた。ただ、長時間の沢靴歩行に足の先が悲鳴を上げた。左足指2箇所が血豆、右親指も血豆という状況で参った。
さらに参ったのが今回脅威に思っていたアブはいなかったため防虫ネットは使わなかったが、帰ってきてみたら顔、腕、足、なぜかお尻が合計60箇所以上の虫刺されにやられ、1週間経過した今も跡が消えず…蚊・ブヨでしょう。虫除けスプレーして、幕営地では蚊取り線香にキンチョールで武装したが虫恐るべし。次回のこういう山行のために何か対策を立てねば。
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