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記録ID: 76313
全員に公開
沢登り
尾瀬・奥利根

会津丸山岳 東ノ沢ピストン (大幽沢〜東ノ沢〜西俣〜丸山岳山頂)

2010年08月28日(土) ~ 2010年08月29日(日)
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YAMA555 その他2人
GPS
37:20
距離
18.0km
登り
1,190m
下り
1,179m

コースタイム

1日目:8時間20分(メンバーの沢靴が壊れたため騙し騙し登っておりタイムは通常より2時間以上遅いでしょう)
大幽沢駐車地点6:10→ダム7:10→西の沢出会8:10→14:30西俣・南俣出会(ツェルト泊)15:00

2日目:14時間10分
西俣・南俣出会5:20→沢涸地点8:30→草原到着9:00→9:35会津丸山岳山頂9:50→13:15西俣・南俣出会(ツェルト撤収)13:40→西の沢出会17:30→ダム18:15→大幽沢駐車地点19:30
天候 1〜2日目共に晴れ後曇り(夕立有り)
過去天気図(気象庁) 2010年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
西那須野塩原ICで降りた後、湯の香ライン→塩原バレーライン→日光街道→駒止峠バイパス→沼田街道と延々と下道を通り、只見町まで行きます。
只見町からは大幽沢駐車地点まで舗装されていない道路を30分程度走りました。それほど悪路ではないのでユックリと走れば車底を擦ることもありませんでした。ただ対向車来たら避けられない狭い道です。渓流釣りの人が結構入ってくるようです。
コース状況/
危険箇所等
会津丸山岳は会津山塊の中でも山深く入りにくい場所にあります。
一般登山道がないため、山頂に立つには残雪期に南の方から何個かのピークを越えるか、夏に沢を遡行し涸れた箇所から藪を漕いで登ります。
今回は沢の中でも一番優しい東ノ沢〜西俣から山頂を目指しました。

●600m〜1000mまで
大幽ノ沢の橋からダムまで1時間ほど細い林道を歩きます。結構アップダウンがあり細い道で、数箇所舗装してあったり、道沿いにロープが設置されています。沢沿いなので踏み外すと下まで落ちるので慎重に歩きました。

ダムに到着するといよいよ沢を歩き始めます。長い時間かけて400mを緩やかに登ります。急峻な滝はありません(あって4m程度でしょうか)。滝も脇を登ることが出来る箇所が多く、腰まで水に浸かる場所は数箇所のみです。

1日目は西俣分岐の手前にあった2m程度の高台(写真参照)にツェルトとブルーシートで宿泊場所を確保しました(といっても平らな箇所はなく若干斜めっていましたが…)。

●1,000m〜稜線まで
西俣から山頂へ向かいます。沢は細くなり水量が多くなると同時に滝っぽい登りの連続になります。ただしザイルを出すほど厳しい登りは全くないので楽しい沢登りとなりました。
1,300m付近に来ると沢の水は随分と細くなり、冷たくなりました。なるべく水に浸からないように登ります。途中で何本か沢が分岐していますが、右を選択して登りました。
1,400mを越えた付近で沢が涸れ、跡を登ります。この辺からは植物を掻き分けながらの登りとなりましたが、更に大変な笹漕ぎが待っているとは思いませんでした。
その後何回かの分岐を経ると、笹が占有し始めてきます。稜線はもう少しです。
ただこの笹漕ぎが本当に大変でした。薄っすらと踏み跡があるのですが、1回見失って10分程度迷いそうになりました。背丈より高い笹に囲まれていると来た方向もわからなくなりそうで、怖さを感じました。

●山頂へ
ようやく稜線に抜けると、湿原が広がっていました。湿原には薄っすらと踏み跡がついていました。2度藪漕ぎをして山頂まで40分で到着。沢靴を履いているので、途中草を掴みながら漕がないと滑りそうな箇所があります。

山頂には池溏が2つ。少し右に入ったところに三角点。道標はありません。

●温泉
那須塩原に戻る途中(南会津町界字上ノ山)のさかい温泉さゆり荘にて汗を流しました。
21時少し前でしたが入れてよかったです。料金500円也。
お風呂は結構広く、ボディーシャンプー・シャンプーあり。
駐車付近からダムへの向かう際、橋から始まります。
駐車付近からダムへの向かう際、橋から始まります。
ダムまでの林道を約1時間歩きます。
意外にアップダウンがあり、細い道で途中には数箇所補助用のロープが張ってあります。ロープはまだ新しかったです。
ダムまでの林道を約1時間歩きます。
意外にアップダウンがあり、細い道で途中には数箇所補助用のロープが張ってあります。ロープはまだ新しかったです。
ダムに到着。
ここからは沢沿いを遡行していきます。
ここからは沢沿いを遡行していきます。
基本的にテン場の南俣・西俣出会までは緩やかに沢を遡行します。出会までは約400mの高度差です。
基本的にテン場の南俣・西俣出会までは緩やかに沢を遡行します。出会までは約400mの高度差です。
もちろん沢なので途中3m程度の沢は随所にありますが、正面からではなく脇を登れる感じが多いです。
もちろん沢なので途中3m程度の沢は随所にありますが、正面からではなく脇を登れる感じが多いです。
西の沢出会に到着。左の東ノ沢に入っていきます。
西の沢出会に到着。左の東ノ沢に入っていきます。
暫く歩くと沢幅が狭くなる箇所があります。
暫く歩くと沢幅が狭くなる箇所があります。
ゴルジュに入ります。雰囲気が良く、今年遡行した小川谷廊下みたいでした。ただ難しい所はありませんでした。
ゴルジュに入ります。雰囲気が良く、今年遡行した小川谷廊下みたいでした。ただ難しい所はありませんでした。
南俣・西俣出会はもう直ぐ近くです。
この風景になったら左手に少し高台があります。
南俣・西俣出会はもう直ぐ近くです。
この風景になったら左手に少し高台があります。
出会少し手前で宿泊。枯れ木を集めて水辺で焚き火です。
出会少し手前で宿泊。枯れ木を集めて水辺で焚き火です。
今回の宿泊はツェルトにブルーシート。平らな場所はなく若干斜めの場所にはりました。
今回の宿泊はツェルトにブルーシート。平らな場所はなく若干斜めの場所にはりました。
4時頃、夕立が降り始め5時まで大変な大雨。一気に沢が20センチ位増水し、キレイだった水は茶色に濁りました。
数m高い場所なので心配はありませんでしたが、沢の怖さを垣間見ました。
4時頃、夕立が降り始め5時まで大変な大雨。一気に沢が20センチ位増水し、キレイだった水は茶色に濁りました。
数m高い場所なので心配はありませんでしたが、沢の怖さを垣間見ました。
夕立が一段落して本日の夕食につけ麺です。
裏から流れていた沢水が濁っていなくて助かりました。
夕立が一段落して本日の夕食につけ麺です。
裏から流れていた沢水が濁っていなくて助かりました。
2日目、西俣を選択して沢沿いを登ります。この辺りからは一気に高度を稼ぐので急な沢斜面になります。
2日目、西俣を選択して沢沿いを登ります。この辺りからは一気に高度を稼ぐので急な沢斜面になります。
こんな場所が数箇所ありましたが、それほど難しい場所はありませんでした。
こんな場所が数箇所ありましたが、それほど難しい場所はありませんでした。
ようやく稜線が見えてきました。
まだ青空が見えます。
ようやく稜線が見えてきました。
まだ青空が見えます。
だんだんと沢の水量が少なくなってきます。1400m付近になるととたんに水が冷たくなりました。
だんだんと沢の水量が少なくなってきます。1400m付近になるととたんに水が冷たくなりました。
途中に咲いていた花。トリカブトなども沢山咲いていました。
途中に咲いていた花。トリカブトなども沢山咲いていました。
最後の数百メートルの登りは藪漕ぎに近いです。
稜線に出る箇所で笹漕ぎ中に若干ルート外れて10分程度迷いました。
最後の数百メートルの登りは藪漕ぎに近いです。
稜線に出る箇所で笹漕ぎ中に若干ルート外れて10分程度迷いました。
笹漕ぎを終えるといったん湿原帯にでます。
ほっそりと人が通った踏み後が残っていました。
笹漕ぎを終えるといったん湿原帯にでます。
ほっそりと人が通った踏み後が残っていました。
左側の稜線を歩いて頂上へ向かいますが、再度樹林帯の中を漕いで登らなければなりません。
1
左側の稜線を歩いて頂上へ向かいますが、再度樹林帯の中を漕いで登らなければなりません。
ようやく山頂が目の前に。
ようやく山頂が目の前に。
山頂の池溏はそれほど大きくありませんでした。
2
山頂の池溏はそれほど大きくありませんでした。
山頂には道標はありません。
三角点はしっかりとゲット。
2
山頂には道標はありません。
三角点はしっかりとゲット。
山頂から下山開始。この先の笹道が滑って嫌な箇所でした。
山頂から下山開始。この先の笹道が滑って嫌な箇所でした。
山頂付近には池溏が数箇所ありました。
それほど大きくはありません。
2
山頂付近には池溏が数箇所ありました。
それほど大きくはありません。
山頂からの眺め。
山頂からの眺め。

感想

今回は丸山岳の山頂へ立つことが目的だが、登山道はなく夏は沢遡行が基本となるためジャンルは沢登りとした。沢靴で歩くが、普段の沢登りのように10mの滝があるわけでもなく、1,000m付近までは緩やかでどちらかと言うと沢歩きの様相だった。

●1日目はゆるりとした沢歩き
沢に入ってから1時間程、メンバーの沢靴の底が取れてしまい進退を迫られる。フェルトに穴を開け、捨て縄で草鞋状にして靴に結びつけ応急処置を終了。何度も緩まり締め直しの繰り返しでペースが上がらないが、何とか歩けそうなので山行を続行することに決定した。深い山で一度取り付いただけあって、引き返すことにならずに済んで良かった。

●幕営
今回幕営予定の箇所である西俣の分岐の少し手前。土砂崩れで出来たような2mの高台。早速ツェルト・ブルーシートで宿泊地を確保した。決して平坦ではないが、増水しても心配ないは心理的に助かるねー。
枯れ木を集め焚き火を初めて一息入れていると夕立が始まった。急いでシートの中に逃げ込む。雨粒は容赦なく地面を叩き、焚き火は沈下寸前。沢の水は少しの間に20cm程増量し茶色く濁ってしまった。1時間程して雨は止み虹が見えたが、この増量状況を見て沢の怖さを改めて感じた。
幸いなことに裏から流れてくる小さな沢は澄んでいたので調理用に使えた。これが使えなかったらつけ麺は不味かっただろう。持ってきたビール・ウイスキーを片手に焚き火の周りで楽しい一時を過ごした。

●山頂へ
西俣は難度は高くないが標高を稼がなければならないだけあって、結構面白い沢登りができる。日差しが強く1,400m付近の冷たい沢の水は本当に旨かった。
沢が涸れるまで登ると、だんだんと植物が占有する部分が多くなり歩きにくく、更に稜線直下の笹漕ぎは悪戦苦闘した。一般の登山道のありがたさを改めて感じた。
深田久弥が百名山を登った時はこのような「道なき道」を歩いたのだろう。先人の行動意欲は素晴らしい。

山頂までは非常に長かったが、沢歩き、沢登り、藪漕ぎ、笹漕ぎと苦労しただけあり、マイナーではあるが丸山岳のピークに立ったことは充実感は大きかった。

●下山
山頂までの登りに4時間が経過していたが、今日は帰らなければならず、パンを胃袋に押し込んで下山を開始する。沢下りとなるので幕営地までそれほど時間が短縮できずに昼過ぎ。そしてここからがとても長かった。装備が重くなり、不安定な足場を慎重に歩く。疲れた足取りと重い荷物で滑って数回は全体がびしょ濡れに。
4時頃夕立が来て、増水に怯えたが昨日よりも降った時間が短く、それほどでもなかったので助かった。ダムに着いた時には既に暗く、最後の1時間はヘッドライトの光を頼りに細い道を歩いた。

●その後
14時間を越える歩行時間は初めての経験だったが、体力の方はまだまだ行けそうだったので自信がついた。ただ、長時間の沢靴歩行に足の先が悲鳴を上げた。左足指2箇所が血豆、右親指も血豆という状況で参った。
さらに参ったのが今回脅威に思っていたアブはいなかったため防虫ネットは使わなかったが、帰ってきてみたら顔、腕、足、なぜかお尻が合計60箇所以上の虫刺されにやられ、1週間経過した今も跡が消えず…蚊・ブヨでしょう。虫除けスプレーして、幕営地では蚊取り線香にキンチョールで武装したが虫恐るべし。次回のこういう山行のために何か対策を立てねば。

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