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Yamareco

記録ID: 768387
全員に公開
ハイキング
八幡平・岩手山・秋田駒

【寒雷作戦】姫神山【丁45.2】

2015年11月22日(日) [日帰り]
 - 拍手
GPS
07:19
距離
24.8km
登り
1,612m
下り
1,604m

コースタイム

日帰り
山行
6:11
休憩
1:08
合計
7:19
8:00
10
好摩駅東口
8:10
36
好摩口バス停
8:46
31
一本杉/城内登山口分岐
9:17
4
姫神山第1駐車場
9:45
9:46
22
10:33
10:49
9
10:58
3
11:01
13
11:14
6
11:20
5
11:25
11:26
6
11:32
1
11:44
9
11:53
11:54
5
11:59
12:00
9
12:09
17
12:26
12:27
2
12:29
5
12:34
7
ほこたて神社
12:41
13:03
2
13:05
19
薬師神社・若宮神社
13:24
1
八合目
13:57
28
姫神山第1駐車場
14:25
24
一本杉/城内登山口分岐
14:49
14:57
8
駒形神社
15:05
14
好摩口バス停
15:19
好摩駅西口
天候 晴れ後曇り(登山口まで雲が広がっていたが、山頂に到るまで徐々に晴れてくる。その後城内登山口に下る間に再度雲が広がり、再登頂時に一時的に日が射すことはあったが基本曇り空)
過去天気図(気象庁) 2015年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車
いわて銀河鉄道好摩駅(盛岡駅から650円)
コース状況/
危険箇所等
独立峰のように際立って見える姫神山。その名から穏やかな山かと思っていたら全く逆で、いずれのルートも急登、急登、急登。名前では最も大変そうな「こわ坂コース」が最も楽だったかもしれない。
好摩駅から冠雪の岩手山
2015年11月22日 08:00撮影 by  DSC-WX200, SONY
4
11/22 8:00
好摩駅から冠雪の岩手山
これから歩く姫神山
2015年11月22日 08:00撮影 by  DSC-WX200, SONY
3
11/22 8:00
これから歩く姫神山
好摩駅を出発。
2015年11月22日 08:03撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 8:03
好摩駅を出発。
里にして既に氷が張っている。
2015年11月22日 08:06撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 8:06
里にして既に氷が張っている。
霜が降りて真っ白になった田畑
2015年11月22日 08:26撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 8:26
霜が降りて真っ白になった田畑
登山口までは約6km
2015年11月22日 08:44撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 8:44
登山口までは約6km
右側が城内登山口、左側が一本杉登山口
2015年11月22日 08:49撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 8:49
右側が城内登山口、左側が一本杉登山口
山羊と岩手山
2015年11月22日 09:11撮影 by  DSC-WX200, SONY
4
11/22 9:11
山羊と岩手山
一本杉登山口第2駐車場
2015年11月22日 09:24撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 9:24
一本杉登山口第2駐車場
登山者名簿はトイレの入口にある。
2015年11月22日 09:26撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 9:26
登山者名簿はトイレの入口にある。
駐車場から岩手山
2015年11月22日 09:28撮影 by  DSC-WX200, SONY
2
11/22 9:28
駐車場から岩手山
コワ坂登山口
2015年11月22日 09:49撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 9:49
コワ坂登山口
入山してしばらくは木が生えておらず展望広がる。
2015年11月22日 09:53撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 9:53
入山してしばらくは木が生えておらず展望広がる。
姫神山でも急登
2015年11月22日 10:08撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 10:08
姫神山でも急登
霜で真っ白。
2015年11月22日 10:23撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 10:23
霜で真っ白。
いきなり轟音が響いて青天の霹靂かとびっくりする。岩手山に登った時に陸上自衛隊を見ていたので、すぐに砲撃演習とわかった。
2015年11月22日 10:23撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 10:23
いきなり轟音が響いて青天の霹靂かとびっくりする。岩手山に登った時に陸上自衛隊を見ていたので、すぐに砲撃演習とわかった。
ようやく道がコワ坂っぽくなってきた。
2015年11月22日 10:26撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 10:26
ようやく道がコワ坂っぽくなってきた。
滑らないように気をつける。
2015年11月22日 10:30撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
11/22 10:30
滑らないように気をつける。
最後に木段を上って、
2015年11月22日 10:33撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 10:33
最後に木段を上って、
姫神山頂到着。
2015年11月22日 10:36撮影 by  DSC-WX200, SONY
2
11/22 10:36
姫神山頂到着。
山頂から東側は大展望
2015年11月22日 10:38撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
11/22 10:38
山頂から東側は大展望
お互い仲が悪いという岩手山と早池峰を一緒に撮れないかと思ったが、早池峰は太陽と被ってしまった。だが、肉眼では見えていたと思う。
2015年11月22日 10:42撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
11/22 10:42
お互い仲が悪いという岩手山と早池峰を一緒に撮れないかと思ったが、早池峰は太陽と被ってしまった。だが、肉眼では見えていたと思う。
岩岩した山頂部
2015年11月22日 10:52撮影 by  DSC-WX200, SONY
3
11/22 10:52
岩岩した山頂部
城内登山口へ下る。コワ坂ルートより怖いような・・・。
2015年11月22日 10:55撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
11/22 10:55
城内登山口へ下る。コワ坂ルートより怖いような・・・。
ようやく道が落ち着いた。
2015年11月22日 11:00撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 11:00
ようやく道が落ち着いた。
笠石
2015年11月22日 11:01撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 11:01
笠石
水石
2015年11月22日 11:04撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 11:04
水石
落葉する木々と落葉しない木々の境目
2015年11月22日 11:13撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 11:13
落葉する木々と落葉しない木々の境目
ここが小姫神?それとも奥のどちらかの峰が小姫神?
2015年11月22日 11:17撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 11:17
ここが小姫神?それとも奥のどちらかの峰が小姫神?
物凄い急降下
2015年11月22日 11:19撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 11:19
物凄い急降下
清水神社に湧水あり。口当たりはマイルド。
2015年11月22日 11:23撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
11/22 11:23
清水神社に湧水あり。口当たりはマイルド。
たたら岩
2015年11月22日 11:29撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 11:29
たたら岩
城内登山口
2015年11月22日 11:36撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 11:36
城内登山口
軽く食事を取って再度山頂へ。
2015年11月22日 11:46撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 11:46
軽く食事を取って再度山頂へ。
御滝明音。昔はここで禊をしてから登ったそうだ。
2015年11月22日 11:47撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 11:47
御滝明音。昔はここで禊をしてから登ったそうだ。
特定の大きい岩が無い「たたら岩」。転がる岩が鉄鉱石のようだからだろうか。
2015年11月22日 11:57撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 11:57
特定の大きい岩が無い「たたら岩」。転がる岩が鉄鉱石のようだからだろうか。
岩敷きの登山道
2015年11月22日 11:59撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
11/22 11:59
岩敷きの登山道
再度、清水神社
2015年11月22日 12:02撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 12:02
再度、清水神社
今でも十分急登だが奥はさらに急勾配。
2015年11月22日 12:06撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 12:06
今でも十分急登だが奥はさらに急勾配。
小姫神
2015年11月22日 12:12撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 12:12
小姫神
黄土色の土の上に黒い土。水分を含んで滑りやすくなっている。
2015年11月22日 12:21撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 12:21
黄土色の土の上に黒い土。水分を含んで滑りやすくなっている。
今度は本格的に曇ってきた。
2015年11月22日 12:22撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 12:22
今度は本格的に曇ってきた。
水石で下山のグループをやり過ごす。
2015年11月22日 12:29撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 12:29
水石で下山のグループをやり過ごす。
笠石
2015年11月22日 12:32撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 12:32
笠石
城内ルートの〆は岩場登り
2015年11月22日 12:36撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 12:36
城内ルートの〆は岩場登り
かろうじて「ほこたて神社」と読める。
2015年11月22日 12:37撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
11/22 12:37
かろうじて「ほこたて神社」と読める。
ん?下る時には通らなかったな。
2015年11月22日 12:38撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
11/22 12:38
ん?下る時には通らなかったな。
岩の上から
2015年11月22日 12:40撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 12:40
岩の上から
下りの時は左側ロープ沿いに下ったのだった。
2015年11月22日 12:40撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 12:40
下りの時は左側ロープ沿いに下ったのだった。
再登頂
2015年11月22日 12:44撮影 by  DSC-WX200, SONY
2
11/22 12:44
再登頂
曇ってもなお山行者あり。
2015年11月22日 12:46撮影 by  DSC-WX200, SONY
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11/22 12:46
曇ってもなお山行者あり。
僅かに日が当たっている地区
2015年11月22日 12:50撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
11/22 12:50
僅かに日が当たっている地区
改めて山頂から東〜南方
2015年11月22日 12:51撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 12:51
改めて山頂から東〜南方
灰色の岩手山
2015年11月22日 12:51撮影 by  DSC-WX200, SONY
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11/22 12:51
灰色の岩手山
八幡平方面。来年は歩いてみよう。
2015年11月22日 12:57撮影 by  DSC-WX200, SONY
3
11/22 12:57
八幡平方面。来年は歩いてみよう。
凍てついていた地面が緩んでドロドロに。
2015年11月22日 13:02撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 13:02
凍てついていた地面が緩んでドロドロに。
一時的にではあったが太陽がちょっとだけ顔を出した。姫神さんに歓迎されたようだ。ありがたやありがたや。
2015年11月22日 13:04撮影 by  DSC-WX200, SONY
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11/22 13:04
一時的にではあったが太陽がちょっとだけ顔を出した。姫神さんに歓迎されたようだ。ありがたやありがたや。
下山に入るが地面がぬかるんで、しかも急傾斜。最後のルートは最も要注意の道だった。
2015年11月22日 13:07撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 13:07
下山に入るが地面がぬかるんで、しかも急傾斜。最後のルートは最も要注意の道だった。
薬師神社
2015年11月22日 13:08撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 13:08
薬師神社
若宮神社
2015年11月22日 13:08撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 13:08
若宮神社
一枚岩上も滑らないよう恐る恐る歩く。
2015年11月22日 13:09撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 13:09
一枚岩上も滑らないよう恐る恐る歩く。
気の抜けない岩と泥濘の道が続く。
2015年11月22日 13:18撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 13:18
気の抜けない岩と泥濘の道が続く。
岩は消えても泥濘あり。
2015年11月22日 13:23撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 13:23
岩は消えても泥濘あり。
泥濘失せど岩あり。
2015年11月22日 13:26撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 13:26
泥濘失せど岩あり。
八合目
2015年11月22日 13:27撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 13:27
八合目
梯子場
2015年11月22日 13:28撮影 by  DSC-WX200, SONY
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11/22 13:28
梯子場
急坂を階段で下る。
2015年11月22日 13:30撮影 by  DSC-WX200, SONY
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11/22 13:30
急坂を階段で下る。
ようやく道が落ち着いてきた。
2015年11月22日 13:35撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 13:35
ようやく道が落ち着いてきた。
五合目
2015年11月22日 13:39撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 13:39
五合目
どこかで見たような画風の絵
2015年11月22日 13:39撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 13:39
どこかで見たような画風の絵
最後は階段で一気に下る。
2015年11月22日 13:39撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 13:39
最後は階段で一気に下る。
一本杉登山口
2015年11月22日 13:51撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 13:51
一本杉登山口
だだっ広いキャンプ場の奥に岩手山
2015年11月22日 13:53撮影 by  DSC-WX200, SONY
2
11/22 13:53
だだっ広いキャンプ場の奥に岩手山
下山完了。
2015年11月22日 13:54撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 13:54
下山完了。
オレンジの絨毯の上はフカフカしていて足裏に優しい。
2015年11月22日 13:59撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 13:59
オレンジの絨毯の上はフカフカしていて足裏に優しい。
麓に残る紅葉
2015年11月22日 14:10撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 14:10
麓に残る紅葉
過去の地震で露わになったのであろう断層
2015年11月22日 14:16撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 14:16
過去の地震で露わになったのであろう断層
トマトのように真っ赤な柿
2015年11月22日 14:19撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
11/22 14:19
トマトのように真っ赤な柿
日本は数十年後もこの風景を維持できるだろうか。
2015年11月22日 14:22撮影 by  DSC-WX200, SONY
3
11/22 14:22
日本は数十年後もこの風景を維持できるだろうか。
途中、印象深かった駒形神社に立ち寄る。
2015年11月22日 14:53撮影 by  DSC-WX200, SONY
2
11/22 14:53
途中、印象深かった駒形神社に立ち寄る。
将棋形の屋根の畜舎が目立つ。
2015年11月22日 15:03撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 15:03
将棋形の屋根の畜舎が目立つ。
バスで帰るつもりだったが鉄道の方が待たなくて済みそうなので好摩駅でゴール。
2015年11月22日 15:22撮影 by  DSC-WX200, SONY
11/22 15:22
バスで帰るつもりだったが鉄道の方が待たなくて済みそうなので好摩駅でゴール。
啄木の歌と姫神山
2015年11月22日 15:31撮影 by  DSC-WX200, SONY
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11/22 15:31
啄木の歌と姫神山
岩手山を眺めつつ盛岡へ。
2015年11月22日 15:32撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
11/22 15:32
岩手山を眺めつつ盛岡へ。
〆は東北復興弁当で一杯。
2015年11月22日 19:37撮影 by  DSC-WX200, SONY
4
11/22 19:37
〆は東北復興弁当で一杯。
撮影機器:

感想

平成27年も年暮れが押し迫り、この一年を振り返る季節となったが、岩手県の山をまだ歩いていないことがずっと心残りであった。何だかんだと他事にかまけてこのまま歩くことは無いのではないかとも思われたが、新嘗祭を控えた晩秋の休日に、意を決して日本の原風景を留めた岩手の野山を歩くこととした。
姫神の山に取り掛かったまさにその時、冬雷のごとき砲声が、我が来訪を祝福するかのように岩手の野に轟くのだった。
・・・・・・・・・
日の出前の盛岡駅に降り立つ。う〜む、寒い。東京と比べて格段に寒い。季節は完全に冬。凛とした寒さ。とりあえず駅の待合室で支度を整える。当初はバスで近くまで行く予定だったのだが、実際に降り立ってみると乗り場がたくさんあってよくわからない。そこで、アプローチは若干長くなるが、いわて銀河鉄道を使うこととする。

好摩駅から岩手山、姫神山を仰ぎ、登山口へと歩き出す。平地からして水溜りが凍結しているとなると山頂付近は如何ばかりならんと戦々恐々だ。歩きながらウォーミングアップしつつ、日が高く昇るのを待とう。って、雲が多いなあ。

姫神山のような小じんまりとした山をどう歩くか、というのはなかなか難しい。地図を見ながら、そして登山口へ向かいながらコース取りについて考える。この段階では、もし寒くてどうしようもなかったら登ってすぐ降りることも考えつつ、とりあえず、名前からして大変そうな「こわ坂コース」からの登頂を期し、一旦城内に下りて再度登頂、その後、一本杉へ下ることとする。そうこうしているうちに一本杉に着いたが、下の方の第1駐車場を使うことは無いんじゃないかと思えるほど、上の方の第2駐車場も十分広かった。なお、こわ坂口には数台、城内口には数十台の車を停められるスペースがある。

【こわ坂コース】
入山してすぐに盛岡市街、岩手山等の展望が開ける。登山口までの道中空を覆っていた雲も晴れ何より。山に囲まれた大地を眺め暫し佇む。
その後、暫く樹林帯の中を歩く。と、いきなり雷鳴のような轟音が空に響き渡り、青天の霹靂かと思わず身をすくめ、一旦道を引き返しかける。しかし、晴れているのに雷というのも変だ。幸い、以前岩手山を訪れた時に陸上自衛隊の基地が山麓にあるのを把握していたので、すぐに演習だとわかった。恐らく第9特科(砲兵)連隊の155ミリ榴弾砲だろう。その斉射音が岩手の空に響き渡る。
道は徐々に傾斜が急になるものの、今ひとつ「こわ坂」という感じがしない。ようやく中盤を過ぎて岩と霜の急登に至り、こわ坂ぽくなってきたなと思ったのも束の間、最後は階段状の道を登って山頂に到達する。
【山頂】
山頂に到達した頃には雲が岩手山方向に若干残っているものの秋晴れの空となった。
その昔、男神の岩手山と女神の姫神山は夫婦であったが、姫神山と早池峰が親しい仲になって岩手山が激怒(噴火)。それ以来、岩手山と早池峰の仲は険悪で、早池峰と姫神山が晴れれば岩手山が曇り、岩手山と姫神山が晴れの日は早池峰が曇るそうな。
また、今はどうか知らないが、地元では姫神山に登った年は岩手山に登拝せず、岩手山に登拝した年は姫神山に登ってはならないとされ、それに反すると災いがあると信じられていたという。
そうは言っても、同じく岩手を代表する三山なれば、相争うことなく安らけく日の本の大地を守らせたまへ。三山の仲を取り持つ気持ちで三山を巡れば、神々も鎮まりたもうものと信ずるのである。そして、この日は姫神の山頂から岩手山も早池峰も両方望むことができたと信じている。
【城内ルート】
下山を開始してすぐに岩の連なりに遭遇する。こっちの方がこわ坂じゃないか。岩の隙間の若干ぬかるんだ急傾斜を滑ってこけないように気をつけながら下る。そう、こっちの登山道も急勾配なのだ。それは岩場を過ぎてからも変わらない。途中、危険なほどに傾斜のある坂があるので下山時は膝をやられないよう注意だ。しかし、下り終わった後、清水神社で飲む湧き水は美味い。
小一時間で下山し、城内登山口で観音様?に挨拶して軽く食事を取る。
それから同じ道をまた登り返す。急降下の道は裏返せば急上昇の道、空には何時の間にか雲が広がり、普通であれば気分もどよよんとなるところなのだが、ある思いを秘めながら辛抱強く歩く。山頂直下は岩の上に出る。下山時は気がつかなかった。足元を気をつけるのも大事だが、周りにも注意を払うべしということだ。
【再度山頂】
山頂に戻り、姫神さんを祀る祠に挨拶すると、雲間から太陽が顔を出し、一時的にではあるが、陽光が山頂を照らした。曇天下の城内ルートを「これで再登頂時に晴れ間が出たら、真に有難いことだ」と思いながら歩いてきたのだが、その思いが満たされて寒空の中、心が暖かくなる。
それにしても何だかさっきと感触が違うなあと思っていたら、気温が上がったために凍てついた土が緩んで泥濘化しているのだった。歩くと軽く足をとられるので岩の上で休む。
【一本杉ルート】
いよいよ下山である。前の人がダダダッと駆け下りたので何だと思ったら、早速の急降下。しかも下がぬかるんでいる。岩場の合間の細い道は軽く融けてグチョグチョで足をとられる。乾いた岩の上を歩いても靴底の泥で滑りかねない。下山開始後暫くは緊張を強いられる。五合目手前からようやく道が落ち着く。五合目からは急な木段状の道を下る。一本杉キャンプ場で空間が広がり再度岩手山と相対した。今回歩いた中では一本杉ルートが最も注意を要する道かもしれない。

かくして姫神山を歩かせていただいたわけだが、その名から、たおやかな山かと思っていたら、いずれの登山道も急登の気を抜けない道で、姫は姫でも巴御前や甲斐姫のような、芯のある山であった。ついつい思いを寄せたくなるところだが、また岩手山が噴火しても困るので控えておこう。
〜おしまい〜

p.s.
翌日に雪が降るとはさすがに思っていなかったが、降雪前にギリギリ間に合ったのも天佑と言わざるべからず。
とにかく、これで季節はもう完全に冬だ。冬には冬の覚悟を。

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