島々から徳本峠を越えて霞沢岳へ、初日の出を拝みに往く2DAYS!


- GPS
- 21:19
- 距離
- 41.6km
- 登り
- 2,908m
- 下り
- 2,292m
コースタイム
- 山行
- 7:21
- 休憩
- 0:25
- 合計
- 7:46
- 山行
- 12:18
- 休憩
- 1:04
- 合計
- 13:22
天候 | 1日目:早朝、朝のうちだけ☀、後はずっと☃ 2日目:☀☀☀、稜線上は時折爆風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
飛行機
帰りはアルピコバス:中の湯バス停から安曇支所まで(1時間に1本なので注意!!) |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆島々(徳本峠入口)〜岩魚留小屋 しばらくは雪も無く、整備された快適な林道ですが、小屋1km手前辺りから少しずつ積雪増えてくる。 所々林道に流れる湧き水が全面結氷してるところ、木橋は注意!! ◆岩魚留小屋〜力水 一気に積雪が増え、粉雪でトラクションかからず。 アイゼン、斜度が出てきたらわかん、またはスノーシュー要。 力水よりジグザグの急登路は、雪ダマリで腰付近。夏道が消えているところあり。 ◆徳本峠小屋 冬季小屋なし。水場は未確認。 ◆徳本峠小屋〜ジャンクションピーク 前日の降雪のため、トレースの大部分が消失。JPへは長い急登が続く。 ◆ジャンクションピーク〜K1ピーク直下(折り返し地点) JPをちょっと降った平坦地が幕営適地。 この後は小ピークの上り下り、その間に雪庇の発達した痩せ尾根あり。 うっすらトレースあるものの、降雪と強風で消失している。 K1ピーク直下はまさに見上げるような斜度とサラ雪、横殴りの烈風。 ズルズルと滑り落ちるので、慎重に足場を固めつつフルラッセルで! ◆徳本峠小屋〜徳本口(徳本峠分岐) 明神からの入山者が多いようで、トレース明瞭。 ただ、最初の数100mは川底を急降下する感じのルート取りなため、スノーシューはちょっと苦労する。 ◆徳本口(徳本峠分岐)〜明神〜上高地BS〜鎌トンネル なが〜い雪の林道歩き。 入山者が多いので踏み固められてアイゼン、スノーシュー無しでもOK。 |
写真
装備
備考 | ◆反省点・・・命綱の冬季シュラフを忘れたこと。 ◆持って行って良かった物 ・ほっかいろ・・・凍死せずに済みました。 ・リチウム電池・・・高価ですが、ニッケル電池より極寒下で断然長持ち |
---|
感想
年末仕事納めが終わって速攻帰宅。
山行の準備は少しずつ平日にしておいたので、天気予
報だけチェックして一旦就寝。そして12時起きで1時
半に自宅を出発!
今回はGWの立山以来の冬山テン泊。
暖冬とはいっても厳冬期は初めてなので、装備も少し
ずつ揃えようやく実現。
今年のテーマ「Long & Dreaming!!」に相応しい最
後の2DAYSに選んだのは、上高地を世界に広めたW・
ウェストンが辿った道。
しかしながら、厳冬期の記録はWebサイトを探しても
ほとんどなく
「夏道どおしで行ってみるかぁ〜、ラッセル上等!」
(長文ご注意!)
《DAY1》********************************
『古の道を往く!』
◆安曇支所〜岩魚留小屋
am3:00に安曇支所の駐車場に到着。周りに何台か他
県ナンバーの車が停まってたので、
「もしかして。。。」と思いながら、即準備してGPS
で方向を確認して出発。
今日はひたすら梓川沿いに遡上して、ジャンクション
ピーク(JP)を越えた鞍部でテントを張る(予定)。
住宅地を離れると、林道には最近人が通った跡がまる
でなく、月明かりに照らされた道をもくもくと進む。
だいたい1時間くらいでゲートやら標識があって、雪
も無いせいか2時間で9km、かなりハイペース。
「これなら、10時位には峠に着くかなぁ〜」なんて、
お気楽に考えてたけど、そこから徐々に雪が付いて
きて、湧き水があちこち凍結。
一度、派手に転倒して左肘を強打してしまう。
幸い大したことなくて、そのまま歩き出せたけど、
いつもと違う重い冬山装備は気を付けないと。
で、10km過ぎ辺りから一面雪の世界へ突入!
立派な橋を右岸、左岸と何度か渡って、途中崖が崩れ
て細いトラバースもあったり。
そして、岩魚留小屋が見えてくる辺りからさらに積雪
が増え、いよいよ冬靴のみでは歩き難くなってくる。
◆岩魚留小屋〜力水〜徳本峠小屋(泊)
夜が明けて明るくなってきた。
この辺り日が差さず気温が低いせいか、雪質サラサラ
パウダーで10cmそこらの積雪でもグリップせず、た
まらずアイゼン装着。
脛から時折膝くらいの深さになったところで、今度は
スノーシューにチェンジ。GPSで見たら500m先を右
方向に展開したら、ジグザクの急登が始まる力水。
もちろん、トレースなんてウサギのとかの小動物の足
跡のみ。
「まだまだ、スノーシュー快適〜♪」なんて余裕かま
してたら、力水付近からジグの角付近に凄い雪ダマリ
で、もがくような感じで這い上がる。
途中ルートもわからないくらいのところはGPSで補正
して。
そして、深雪ラッセルすること1時間。
この頃からちらほらと小雪が舞ってくる。
「予報より天候悪化してる?」
ヘロヘロになったところで、やっと樹林帯の切れ間か
らブルーの小屋が見える。
「やったぁ〜!(^o^)!」
もうジグは面倒なので直登で登り上げて、ここで穂高
の好展望、と思いきや、雪がどんどん降ってきて視界
ほぼゼロ。ざんね〜ん(-_-;)
今日はもう疲れたし、予定変更してここで終了。
さっさと小屋周りの適地を探して、風避けにもなる小
屋の軒下に設営。
設営中に明神から3人組の登山者が上がってきて、ち
ょっとおしゃべり。
大正池ホテル泊まりでピストンして帰るとのこと。
『とんだハプニング!!!』
小雪はいつの間にか大雪になってきた。
直ぐにテントの中に入って、荷物を広げて水作りだの、
お楽しみのBeerをプシィーとやってるところで寒くな
ってきたので、
「シュラフに入ろうか。ん?ない!!まじ!?」
やっちゃいました。忘れました。頭の中は一瞬真っ白、
「凍死」の2文字が
踊る。今からこの大雪の中テント畳んで下山するなん
て無理だし、ここはもうあるものすべてを使って今晩
凌ぐしかない!!
ダウン上2枚、下タイツ+ダウン、靴下の指先にホッ
カイロ貼り付け。
シュラフカバーにエスケープビビィで覆って、ザック
にホッカイロを入れて足先を突っ込む。頼みの綱は最
強・最暖マットのサーマレストXサーモネオ。
「なんとかなりそう。。。かな?」
暖かくなったせいか、安心したせいか酔いが回ってき
て、15:30には就寝。
明日はam1:00起きの3時頃出発です!
そうは問屋が卸さず!やっぱり徐々に冷えてきて掻い
た汗の冷えも手伝って、ブルブル身体が震えてきた。
「やばい、どうしよう。。。」
手を摩ったり、身体を動かしたり。
寝たり起きたりを繰り返してそろそろやばいかなと思
ったところで、
《DAY2》********************************
「♪、♪♪♪、♪〜、♪♪♪、♪〜」やった、アラー
ムだ!乗り切った!
たくさん寝れたので、疲れもそれほど無い。直ぐにお
湯を沸かして温度を上げる。もちろん朝ごはんで身体
の温度も上げる。
「よっしゃー往くしかない!」
テントの外に出ると、まだ小雪が舞ってる。
けど、月明かり、たくさんの星が見える。天気は上々!
今回初めて持ってきたウィペットを握って、3時過ぎに
元気良くスタート!
「目標は4時間。届かなくてもそこで折り返す。」
◆徳本峠小屋〜JP
昨日の午後から30cm位積もった雪は昨日あったトレー
スをほとんど掻き消してる。
ま、それでも赤布、ピンクテープは要所要所にあった
ので、ラッセルは仕方無いにしても、ルーファイは楽
チン。
JPまではずっと急登。でもスノーシューのヒールリフ
ターの力を借りてガンガン登り上げる。
やっと平坦になってきたところで、左側に展望の利く
標識らしき柱があったので、たぶんここがJPだろう。
小さいアップダウンの後に下り切った平坦地にテント
1張り発見!!
「ここが、本当は予定してた幕営地だな。」
灯りは点いてなかったので、静かにやり過ごす。
◆JP〜K1直下(引き返し点)
まだまだヘッデン頼りの暗闇の中、いくつもの小ピー
ク、それを繋ぐ痩尾根をうすいトレースを見つけなが
ら、時折GPSで補正しながら、ガシガシ進む。
時折樹林帯の中にもすさまじい音の烈風!!トレース
はあちこち消失!!
am6:30、標高2300mを越えた辺りで東の空が赤く
なり始める。
流石に3時間時折りラッセルの歩き通しでペースが落
ちる。
そして、樹林帯から美しく白い山肌の霞沢岳が見える。
樹林帯を抜けると目の前に聳える急登のピーク!!
(K1だと思った)
トレースもちろん皆無のサラサラパウダーな山肌!
スノーシューを思いっきり蹴り込んだり、逆八の字で
ステップを作って登り上げる。
「案外いけるもんだなぁ。」と思ってるところで周り
が薄赤色から一気にピン
ク色に。
「あ、来たぁー、初日の出だぁ。」
手前のピークで隠れてたので、急いでよじ登って撮影
タイム!!
「素晴らしいっす(^_^)v」
喜んでるのも束の間爆風が頻繁に襲ってきて、撮影中
に一度急に襲われてカメラが凍死しました。(-_-;)
以降写真なし。
K1ピークだ思って頑張って登り上げたら、そこは偽で
さらにもう一つ先にピークが。
am8:00、標高2500mまでで今回は時間切れ。
さて、帰ろうと周りを見渡したら、右手前に神々しい
穂高連峰がはっきり見える!
「いやぁ、凄い景色だぁ。」
写真に残せなかったのが残念。
◆K1直下〜JP〜徳本峠小屋〜明神
下山は流石にテンションが下がって、疲労感に襲われ
る。
時折小さいルートロストに転倒、滑落だけは気を付け
て、何とか小屋まで昼前に到着。エマージェンシー用
に水1リットル作って、テント撤収。
明神への下山路はトレース明瞭。
降って直ぐの枝分かれトレースに惑わされたものの、
結局どっちを行っても黒沢沿いのルートに繋がって
て、あっという間に徳本口に到着!
◆明神〜鎌トンネル〜中の湯バス停
最後の最後になが〜い雪の林道10km歩き。
バスは1時間に1本。最終は17:50。
何とか1本手前の16:55に間に合った!
霞沢岳のピークまでは残念ながら到達できなかったけ
ど、下山路で西穂からジャン、奥穂、前穂の素晴らし
い稜線が見れたし、これはこれで良かったかな。
さて、最後に2016年明けましておめでとうございます。
今年もまた、みなさんのレコを参考にDreaming な山
行を計画したいと思います。
(追記)
実は、K1直下付近を登攀中に霞沢岳山頂方面に複数の
人の声がしました。
最初は登頂したパーティが喜びの声をあげてるのかと
思いましたが、折り返し後にヘリも来たので
「何かあったのかな?」と。
今日ニュースで、西尾根から登ったパーティのうちお
一人が急病で亡くなられたとのこと。
同じ山を目指していた者として残念です。ご冥福をお
祈りします。
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